JP3198951U - 刃型固定具 - Google Patents
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Abstract
【課題】永久磁石を利用してチェース上に固定される刃型固定具を、指先を利用して安全に取外すことができ、また取外し用の治具を用いた取外しにも好適なものとする。【解決手段】保持板11が、永久磁石13の取付部21から前方へ延長されて刃型2の上面を押さえておくための前延長部22と、取付部21から後方へ延長された後延長部23と、を有する。後延長部23が、永久磁石13から離れるほど下方に位置するように下向きに傾斜された下向き傾斜23aと、下向き傾斜部23aの下端部から永久磁石13から離れるほど上方に位置するように伸びる上向き傾斜部23bと、を有する。下向き傾斜部23aと上向き傾斜部23bとの境界部位23c(もっとも低い位置)が、チェース1の上面との間に隙間S(取外し用の治具を挿入するための隙間)を有するように設定されている。【選択図】 図5
Description
本考案は、刃型固定具に関するものである。
ラベルやシール等の印刷物を所定形状に打ち抜くための刃型は、チェース上に固定されて使用される。刃型をチェース上に固定するために、特許文献1、特許文献2に示すように、永久磁石を利用した刃型固定具を用いたものがある。すなわち、刃型固定具は、保持板と、該保持板の下面側に取付けられて前記チェースに磁着される永久磁石とを有して、保持板のうち永久磁石の取付部から前方へ伸びる前延長部によって、刃型上面を押さえるようにしている。
上記特許文献1には、上記保持板を、上記取付部から後方へ伸びる後延長部を有するものとして、後延長部とチェースとの間に指先を引っ掛けることのできるに大きな隙間を形成することも開示されている。すなわち、チェース上に磁着された刃型固定具の後延長部に指先を引っ掛けて上方へと持ち上げることにより、刃型固定具をチェースから取外すことができるようにしたものも開示されている。
刃型固定具をチェースから取外すために、その後延長部に指先を引っ掛けて上方へ持ち上げることは、後延長部を上方へ持ち上げる際に勢いあまって指先が刃型の打ち抜き刃に誤って触れてしまうことが考えられ、取外し作業の安全性の点から好ましくない。特に、永久磁石の磁力が強くされる傾向から、後延長部の持ち上げに際しては指先に相当に大きな力を加えなければならず、上記のような問題をより生じ易くなっている。
一方、取外し用の治具を用いて刃型固定具をチェース上から取外すことは、指先を打ち抜き刃に接触させないようにする、という点では好ましいものとなる。しかしながら、取外しのためには必ず取外し用治具を用いなければならないというのは、取外し作業が面倒であるという側面を有することになる。
本考案は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、永久磁石を利用してチェース上に固定される刃型固定具を、指先を利用して安全に取外すことができ、また取外し用の治具を用いた取外しを行うにも好適な刃型固定具を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
刃型をチェースに固定するための刃型固定具において、
保持板と、該保持板の下面側に取付けられて前記チェースに磁着される永久磁石と、を有し、
前記保持板が、前記永久磁石の取付部から前方へ延長されて刃型の上面を押さえておくための前延長部と、該取付部から後方へ延長された後延長部と、を有し、
前記後延長部が、前記永久磁石から離れるほど下方に位置するように下向きに傾斜された下向き傾斜部と、該下向き傾斜部の下端部から該永久磁石から離れるほど上方に位置するように伸びる上向き傾斜部と、を有し、
前記永久磁石によって前記チェース上に磁着された状態において、前記後延長部のうち前記下向き傾斜部と前記上向き傾斜部との境界部となるもっとも低い位置が、前記チェースの上面との間に隙間を有するように設定されている、
ようにしてある。
刃型をチェースに固定するための刃型固定具において、
保持板と、該保持板の下面側に取付けられて前記チェースに磁着される永久磁石と、を有し、
前記保持板が、前記永久磁石の取付部から前方へ延長されて刃型の上面を押さえておくための前延長部と、該取付部から後方へ延長された後延長部と、を有し、
前記後延長部が、前記永久磁石から離れるほど下方に位置するように下向きに傾斜された下向き傾斜部と、該下向き傾斜部の下端部から該永久磁石から離れるほど上方に位置するように伸びる上向き傾斜部と、を有し、
前記永久磁石によって前記チェース上に磁着された状態において、前記後延長部のうち前記下向き傾斜部と前記上向き傾斜部との境界部となるもっとも低い位置が、前記チェースの上面との間に隙間を有するように設定されている、
ようにしてある。
上記解決手法によれば、チェース上に刃型を固定している状態で、刃型固定具のうち上向き傾斜部を上方から指先で押圧することにより、刃型固定具が前上がりの姿勢状態となって、そのまま上方へと持ち上げて刃型固定具を安全に取外すことができる。また、下向き傾斜部と上向き傾斜部との境界部位の下方にある隙間に、取外し用の治具の先端部を挿入して、てこの原理により後延長部を上方へ持ち上げることにより、刃型固定具を後上がりの姿勢状態として、そのまま上方へと持ち上げて刃型固定具を取外すことができる。このように、指先のみを利用する安全な取外しと、取外し用の治具を用いた取外しとを、選択的に行うことができる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記上向き傾斜部の前後方向長さが、前記下向き傾斜部の前後方向長さよりも長くされている、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、後延長部の前後方向長さを極力短くしつつ、上向き傾斜部の前後方向長さを十分に確保して、指先によって当該上向き傾斜部を容易に下方へ押圧できるようにする上で好ましいものとなる。
前記上向き傾斜部の前後方向長さが、前記下向き傾斜部の前後方向長さよりも長くされている、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、後延長部の前後方向長さを極力短くしつつ、上向き傾斜部の前後方向長さを十分に確保して、指先によって当該上向き傾斜部を容易に下方へ押圧できるようにする上で好ましいものとなる。
前記下向き傾斜部の傾斜角度が、前記上向き傾斜部の傾斜角度よりも大きくされている、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、請求項2に対応した効果を十分に発揮させる上で好ましいものとなる。
前記後延長部の後端の高さが、前記取付部の高さ以下となるように設定されている、ようにしてある(請求項4対応)。この場合、刃型による打ち抜き対象となるシートが後延長部の後端に突っかかってしまう事態を防止する上で好ましいものとなる。
前記前延長部の先端部に、前記チェースの上面と当接される滑り止めシートが取付けられている、ようにしてある(請求項5対応)。この場合、滑り止め用シートによって刃型に対する滑りを防止して、しっかりと刃型を固定しておく上で好ましいものとなる。
前記後延長部の後端部上面に、滑り止めシートが取付けられている、ようにしてある(請求項6対応)。この場合、上向き傾斜部を指先によって押圧する際に、指先が不用意に滑ってしまう事態を防止する上で好ましいものとなる。
前記永久磁石が、スペーサを介して前記保持板に固定されている、ようにしてある(請求項7対応)。この場合、高価で加工のしにくい永久磁石として同一のものを用いつつ、スペーサの高さを相違させることによって、高さの相違する刃型に対応することができる。
前記スペーサが、その一方側の端部から前方に向けて直角に曲がる延長部を有している、ようにしてある(請求項8対応)。この場合、スペーサを有効に利用して、1つの刃型固定具によって、直交する2方向について刃型の滑り移動を防止する上で好ましいものとなる。
前記前延長部の先端部が、前記取付部の下面の高さ位置よりも低くなるようにわずかに下方に向けて折曲されている、ようにしてある(請求項9対応)。この場合、刃型の上面外周縁部が損傷していたり丸められている等の事態に対応して、刃型上面のうち極力平坦なきれいな面でもって押圧する上で好ましいものとなる。
前記前延長部の先端部に、直角に下方に向けて折曲されて前記チェース上面に形成された係合溝にがたつきなく嵌合される係合爪部が形成されている、ようにしてある(請求項10対応)。この場合、刃型固定具によって固定している状態で、刃型の滑り移動防止をより確実に行う上で好ましいものとなる。
本考案によれば、指先を利用して安全に取外すことができ、また取外し用の治具を用いても取外すことができる。
図1において、1はチェース、2は打ち抜き刃2aを有する刃型、10は本考案による刃型固定具である。図2に示すように、方形とされた刃型2は、例えばその各側縁部に配設された合計4個の刃型固定具10を用いて、チェース1上に固定される。
次に、図3、図4を参照しつつ、刃型固定具10の詳細について説明する。まず、刃型固定具10は、実施形態では、保持板11と、保持板11の下面側に固定されたスペーサ12と、スペーサ11の下面に固定された永久磁石13と、永久磁石13の下面に固定された滑り止めシート14と、を有する。
保持板11は、ステンレス等の金属板から構成されている。なお、保持板21には、スペーサ12の前端が上方から目視できるように覗き用の開口部11bが形成されている。スペーサ12は、例えば鉄系金属からなる厚板によって例えば長方形状に形成されている。永久磁石13は、例えばネオジウム磁石等によって長方形状に形成されている。滑り止めシート14は、例えば表面に微細な凹凸を有する極薄の弾性シート材によって長方形状に形成されて、例えば両面テープを利用して永久磁石13の下面に貼着されている。
なお、スペーサ12と永久磁石23と滑り止めシート14とは、互いに同一形状とされている。また、図4、図5では、滑り止め用シート14の厚さを、実際の厚さよりもかなり大きく示してある(実際にはやや厚手のコピー用紙程度の厚さ)。
保持板11とスペーサ12とは、例えば溶接により固定され、その溶接部が図3において符号15によって示される。また、スペーサ12と永久磁石13とは、固定ねじ16によって固定されている(永久磁石13の下面に固定ねじ16の大径頭部が嵌合される凹部が形成され一方、永久磁石13の下方から装着される固定ねじ16の雄ねじ部が、永久磁石13を貫通してスペーサ12に形成された雌ねじ部に螺合されている)。なお、保持板11には、固定ねじ16に対応した位置に開口部11aが形成されて、この開口部11aに、上記固定ねじ16の先端が位置されている。
保持板11は、永久磁石13つまりスペーサ12の取付部位となる取付部21と、取付部21から前方へ伸びる前延長部22と、取付部22から後方へ伸びる後延長部23と、を有する。なお、前方は、図3中上方、図4中右方で、刃型2への取付方向(接近方向)となる。
図4に示すように、前延長部22の先端部は、若干下方へ向けて折曲された前傾斜部22aとされている。すなわち、図4において、チェース1の上面に対応した平面(側面視では線)が符号t1で示され、この平面t1と平行でかつ取付部21の上面を通る平面が符号t2で示され、前傾斜部22aは、平面t2に対して角度θ1(例えば10度〜20度程度)の角度をなしている。これにより、前延長部22(前傾斜部22a)の先端が、取付部21の下面よりも低くなるようにされている。
後延長部23は、下向き傾斜部23aと上向き傾斜部23bを有する形状とされている。すなわち、下向き傾斜部23aは、取付部21(永久磁石13)に近い側に設定されて、取付部21の後端から離れるにしたがって徐々に下方に位置するように傾斜されている。下向き傾斜部23aは、当初は傾斜角度が大きく、途中から傾斜角度が小さくされている。
上向き傾斜部23bは、下向き傾斜部23aの下端位置から、取付部21(つまり永久磁石13)から離れるにしたがって徐々に上方に位置するように傾斜されている。この上向き傾斜部23bの傾斜角度θ3は、下向き傾斜部23aの全体的な(平均的な)傾斜角度θ2よりも小さくされている。
上記下向き傾斜部23aと上向き傾斜部23bとの境界部位が符号23cで示される。この境界部位23cは、刃型固定具10の最下面位置よりも若干(例えば2〜4mm程度)高い位置となるように設定されている。すなわち、刃型固定具10をチェース1上に磁着させたときに、チェース1の上面を示す平面t1と境界部位23cとの間に、取外し用の治具挿入用の隙間Sが形成されるようになっている。このように、後延長部23は、隙間Sを形成しつつ、前後の傾斜部23aと23bとによって側面視で略V字形状あるいはV字形状と類似(近似)した形状となるように形成されている。
上記上向き傾斜部23bの前後方向長さは、下向き傾斜部23aの前後方向長さよりも長くされている。上向き傾斜部23bと下向き傾斜部23aとの傾斜角度θ2とθ3との相違により、上向き傾斜部23bの前後方向長さを極力長く確保しつつ、上向き傾斜部23bの後端位置(後延長部23の後端位置)が、あまり大きく取付部21から後方に位置しないようにされている(刃型周辺に存在する周辺部材との干渉防止)。また、上向き傾斜部23bの先端(後延長部23の後端)の高さが、取付部21の上面高さ以下となるように設定されている(実施形態では、ほぼ同一高さで)。
以上のような構成の刃型固定具10を用いて、刃型2をチェース1上に固定している状態が図2、図5に示され、スペーサ12および永久磁石13は、刃型2の側面に当接するように配設される。この刃型固定具10の配設に際しては、上向き傾斜部23aを手指で把持することにより刃型固定具10を保持しつつ、刃型固定具10を、チェース1上に載置された刃型2の上側方から接近させて行えばよい。スペーサ12の高さ(厚さ)を変更することにより、永久磁石13の高さを同一にしたまま、刃型2の高さの相違に対応できる。
図5に示すように、刃型2をチェース1上に固定している状態で、前延長部22の前傾斜部22a先端のみが、刃型2の上面を押圧するようにされる。すなわち、刃型2の外周縁部上面は、損傷していたり丸くなっていたり等していて、完全な平面とされていない状況が応々にしてあるが、刃型2の上面のうち極力内方側(打ち抜き刃2aに近い側)を押圧することにより、安定して刃型2を押さえておく上で好ましいものとなる。また、前延長部22のうち、前傾斜部22aよりも後方側部分の弾性変形を利用して、刃型2をチェース1に向けて押圧することもできる。
図5の状態から、刃型固定具10をチェース1上から取外すには、例えば、上向き傾斜部23bを指先で上方から押圧(押圧方向をα1で示す)することより行うことができる。すなわちα1方向からの外力付与により、前延長部22が符号α2で示すように上方へと持ち上げられるので(刃型固定具10が全体的に前上がりの傾斜姿勢状態となるので)、この状態で刃型固定具10を上方へ持ち上げればよい。刃型固定具10の取外しに際しては、指先でもって上向き傾斜部23bを上方から押圧するようにするだけでよく、指先が打ち抜き刃2aに接近する方向へ動かす必要性や勢い余って不用意に動いてしまうこともないので、安全に刃型固定具10を取外すという点で好ましいものとなる。
上向き傾斜部23bは、後ろ上がりの傾斜設定なので、上向き傾斜部23bの後端部は下方へ向けて十分に変位する余裕(チェース1との間に十分な大きさの隙間)があるため、刃型固定具10を取外しのために大きく前上がりの傾斜姿勢状態とすることができる。なお、上向き傾斜部23bがチェース1の上面に当接する位置まで当該上向き傾斜部23bに対する押圧を行うことにより、刃型固定具10の前上がりの角度を十分に大きくすることができる。
また、図5に示すように、取外し用の治具30を用いて、刃型固定具10をチェース1上から取外すこともできる。すなわち、取外し用の治具30は、実施形態では、例えば細幅(例えば10〜20mm程度)の鉄板や硬質の合成樹脂等により、略直線状の保持部30aと湾曲あるいは折曲された形状の先端部30bとを有する簡単な形状として形成してある。
取外し用の治具30を用いて刃型固定具10を取外すには、まず、保持部30aを手指で保持しつつ、先端部30bを後延長部23における境界部位23cの下方にある隙間Sから永久磁石13に接近するように挿入する。その後、保持部30aを図5中矢印β1で示す方向に押圧すれば、先端部30bが、てこの原理により、後延長部23のうち境界部位23cよりも前方部分(つまり下向き傾斜部23a)を矢印β2で示すように上方へと持ち上げればよい。これにより、刃型固定具10が後ろ上がりの傾斜姿勢状態となるので、この状態で刃型固定具10を上方へ持ち上げればよい。
上述のように、刃型固定具10のチェース1上からの取外しに際しては、取外し用の治具30を用いる場合と、取外し用の治具30を用いることなく手指による押圧のみを利用する場合とを、選択して行うことができる。
ここで、前傾斜部22aの設定により、打ち抜き対象となるシートが図5中右方から左方へと移動される場合に、当該シートが前延長部22に突っかかってしまう事態を防止する上で好ましいものとなる。また、後延長部23の後端位置を、取付部21の上面高さ以下の高さに設定しておくことにより、上記シートが図5中左方から右方へと移動する際に、シートが後延長部23に突っかかってしまう事態を防止する上で好ましいものとなる。なお、刃型2は、打ち抜き装置に装着された状態では、打ち抜き刃2aが下向きの状態となる姿勢とされる。
図6、図7は、本考案の第2の実施形態を示すもので、前記実施形態と同一構成要素には同一武号を付してその重複した説明は省略する(このことは、以下のさらに別の実施形態についても同じ)。本実施形態における刃型固定具10B(前記実施形態における刃型固定具10に対応)では、スペーサ12の左右一方側の端部に、直角に折曲されて前方に向けて(前延長部22の伸び方向に向けて)伸びる延長部12aを形成してある。本実施形態によれば、刃型固定具10Bは、延長部12aを有するスペーサ12でもって、刃型2の角部における直交する2つの側面に当接された状態で使用される。図7では、刃型2の4つの角部に対応させて、4つの刃型固定具10Bを用いた場合を示してある。本実施形態では、1つの刃型固定具10Bによって、直交する2方向について刃型2の滑り移動を防止する上で好ましいものとなる(刃型2の側面のうち角部において直交する2方向についてスペーサ12が位置されることによる移動規制)。
図8、図9は、本考案の第3の実施形態を示すものである。本実施形態における刃型固定具10C(刃型固定具10に対応)では、前延長部22の先端部に、滑り止め用シート41を取付けてある。また、後延長部23の後端部についても、滑り止め用シート42を取付けてある。各滑り止め用シート41、42は、永久磁石13の下面に取付けた滑り止め用シート14と同一のものによって構成することができる。なお、図9では、滑り止め用シート41、42の厚さを、実際の厚さよりもかなり大きく示してある(実際にはやや厚手のコピー用紙程度の厚さ)。
滑り止め用シート41は、前延長部22の先端部のうち、先端面と上面と下面とを覆うように、断面略U字状とされている。この滑り止め用シート41によって、前延長部22(の前傾斜部22a)と刃型2の上面との間の摩擦係数を極めて大きくして、この両者の間で不用意に滑りが生じてしまう事態を防止する上で好ましいものとなる。なお、滑り止め用シート41は、刃型2の上面との当接部位にのみ存在すれば十分ではあるが、断面略U字状として前延長部22の先端部を全体的に覆うようにすることにより、その取付強度を十分に確保する上で好ましいものとなる。
滑り止め用シート42は、後延長部23の後端部のうち、その先端面(後端面)と上面と下面とを覆うように、断面略U字状とされている。滑り止め用シート42は、その前後方向長さが、滑り止め用シート41よりも十分に大きくされている。このような滑り止め用シート42によって、刃型固定具10Cによる固定を行うために上向き傾斜部23bを把持するときや、刃型固定具10とチェース1上から取外すときに上向き傾斜部23bを指先で上方から押圧する際に、滑りを生じることなく行うことができる。なお、滑り止め用シート42は、指先により押圧される対象となる上向き傾斜部23bの上面側にのみ存在すれば十分ではあるが、断面略U字状として後延長部23の先端部を全体的に覆うようにすることにより、その取付強度を十分に確保する上で好ましいものとなる。
図10、図11は、本考案の第4の実施形態を示すものである。本実施形態における刃型固定具10D(刃型固定具10あるいは10Bに対応)においては、前延長部22の先端部を直角に下方へ折曲することにより係合爪部22bを形成してある。一方、刃型2の上面には、上記係合爪部22bが嵌合される係合溝2bを形成してある。係合爪部22bと係合溝2bとは、がたつきなく嵌合されるように精度良く仕上げられている。1つの刃型2について、4つの刃型固定具10Dによる固定を行うため、係合溝2bが合計4個形成されている。本実施形態では、係合爪部22bが、係合溝2bに対してがたつきなく嵌合されることから、刃型固定具10Dによって刃型2を固定した状態で、刃型2がチェース1上で不要に滑り移動してしまう事態を確実に防止する上で好ましいものとなる。
以上実施形態について説明したが、本考案は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能である。取外し用の治具30は、適宜の形状(構造)のものを用いることができるが、コストや簡単化のために、細長い薄板状部材の先端部を曲げあるいは折曲させたものとするのが好ましい。永久磁石13の下面に滑り止め用シート14を設けないようにしてもよい。後延長部23における下向き傾斜部23aの傾斜角度を、その全長に渡って等しくなるようにしてもよい(下向き傾斜部23aが略直線状)。滑り止め用シート41あるいは42は、図6、図7に示す実施形態や、図10に示す実施形態の場合にも適用できる。前延長部22を、全体的に取付部21と同一平面を構成するように形成してもよい(側面視において、取付部21と前延長部22とが一直線となる形状)。勿論、本考案の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
本考案は、永久磁石を用いた刃型固定具として好適である。
1:チェース
2:刃型
2a:打ち抜き刃
2b:係合溝
10:刃型固定具
11:保持板
12:スペーサ
12a:延長部
13:永久磁石
14:滑り止め用シート
15:溶接部
16:固定ねじ
21:取付部
22:前延長部
22a:前傾斜部
22b:係合爪部
23:後延長部
23a:下向き傾斜部
23b:上向き傾斜部
23c:境界部位
30:取外し用の治具
41:滑り止め用シート
42:滑り止め用シート
t1:平面(チェース上面に対応)
t2:上面(取付部上面に対応)
θ1:傾斜角度(前傾斜部)
θ2:傾斜角度(下向き傾斜部)
θ3:傾斜角度(上向き傾斜部)
S:隙間
2:刃型
2a:打ち抜き刃
2b:係合溝
10:刃型固定具
11:保持板
12:スペーサ
12a:延長部
13:永久磁石
14:滑り止め用シート
15:溶接部
16:固定ねじ
21:取付部
22:前延長部
22a:前傾斜部
22b:係合爪部
23:後延長部
23a:下向き傾斜部
23b:上向き傾斜部
23c:境界部位
30:取外し用の治具
41:滑り止め用シート
42:滑り止め用シート
t1:平面(チェース上面に対応)
t2:上面(取付部上面に対応)
θ1:傾斜角度(前傾斜部)
θ2:傾斜角度(下向き傾斜部)
θ3:傾斜角度(上向き傾斜部)
S:隙間
Claims (10)
- 刃型をチェースに固定するための刃型固定具において、
保持板と、該保持板の下面側に取付けられて前記チェースに磁着される永久磁石と、を有し、
前記保持板が、前記永久磁石の取付部から前方へ延長されて刃型の上面を押さえておくための前延長部と、該取付部から後方へ延長された後延長部と、を有し、
前記後延長部が、前記永久磁石から離れるほど下方に位置するように下向きに傾斜された下向き傾斜部と、該下向き傾斜部の下端部から該永久磁石から離れるほど上方に位置するように伸びる上向き傾斜部と、を有し、
前記永久磁石によって前記チェース上に磁着された状態において、前記後延長部のうち前記下向き傾斜部と前記上向き傾斜部との境界部となるもっとも低い位置が、前記チェースの上面との間に隙間を有するように設定されている、
ことを特徴とする刃型固定具。 - 請求項1において、
前記上向き傾斜部の前後方向長さが、前記下向き傾斜部の前後方向長さよりも長くされている、ことを特徴とする刃型固定具。 - 請求項2において、
前記下向き傾斜部の傾斜角度が、前記上向き傾斜部の傾斜角度よりも大きくされている、ことを特徴とする刃型固定具。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、
前記後延長部の後端の高さが、前記取付部の高さ以下となるように設定されている、ことを特徴とする刃型固定具。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
前記前延長部の先端部に、前記チェースの上面と当接される滑り止めシートが取付けられている、ことを特徴とする刃型固定具。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
前記後延長部の後端部上面に、滑り止めシートが取付けられている、ことを特徴とする刃型固定具。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、
前記永久磁石が、スペーサを介して前記保持板に固定されている、ことを特徴とする刃型固定具。 - 請求項7において、
前記スペーサが、その一方側の端部から前方に向けて直角に曲がる延長部を有している、ことを特徴とする刃型固定具。 - 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、
前記前延長部の先端部が、前記取付部の下面の高さ位置よりも低くなるようにわずかに下方に向けて折曲されている、ことを特徴とする刃型固定具。 - 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、
前記前延長部の先端部に、直角に下方に向けて折曲されて前記チェース上面に形成された係合溝にがたつきなく嵌合される係合爪部が形成されている、ことを特徴とする刃型固定具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015002437U JP3198951U (ja) | 2015-05-19 | 2015-05-19 | 刃型固定具 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015002437U JP3198951U (ja) | 2015-05-19 | 2015-05-19 | 刃型固定具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3198951U true JP3198951U (ja) | 2015-07-30 |
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ID=53759512
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JP2018019903A (ja) * | 2016-08-03 | 2018-02-08 | 株式会社 ダイサン | レジカウンタ |
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- 2015-05-19 JP JP2015002437U patent/JP3198951U/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2018019903A (ja) * | 2016-08-03 | 2018-02-08 | 株式会社 ダイサン | レジカウンタ |
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