JP3196240U - 刃型固定具及び刃型装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】刃型が貫通切り欠きを有する場合にも対応可能であり、刃型を簡単かつ確実にチェースに固定でき、さらにチェースに固定されている刃型を容易に取り外しでき、少数の刃型固定具であっても刃型を位置決めすることができ、かつ確実に刃型をチェースに固定することができる刃型固定具及び刃型装置を提供する。【解決手段】打ち抜き刃11を有する刃型10をチェース30上に着脱自在に固定するための刃型固定具20は、固定時に刃型の一部に係合し刃型のチェース面に沿った動きを抑止するための係止部21と、固定時に刃型をチェースに押さえるための押さえ部22と、係止部及び押さえ部と一体的に形成された支持部23と、支持部の裏面に固着され固定時にチェースに磁着されるマグネット24とを備えており、押さえ部は固定時にマグネットの磁着力によって刃型をチェースに押さえるように構成されており、係止部は押さえ部の一方の端から固定時にチェースに向かう方向に折り曲げて形成されている。【選択図】図1
Description
本考案は、紙やフィルム等のシート状基材を打ち抜く場合に用いられる刃型を固定するための刃型固定具及びこの刃型固定具によって固定される刃型を有する刃型装置に関する。
例えばシール、ラベル、又はステッカー等の印刷物を製造する場合、紙やフィルム等のシート状基材に印刷を施し、この印刷済みのシート状基材を刃型で所望の形状に打ち抜くことが行われる。ここで用いられる刃型は、通常、シール製造機の打ち抜きユニットを構成するチェース上に固定され、打ち抜き刃の刃先がシート状基材に対向するように、チェースと共にシール製造機に取り付けられて使用される。
打ち抜きに用いる刃型は、製造すべき印刷物に最適な寸法及び形状を有するものがその都度選択されてチェース上に固定される。刃型をチェース上に固定する方法としては、刃型の裏面に両面テープを貼付けるか接着剤を塗布することにより、刃型をチェース上の所定の位置に固着することが一般的である。
特許文献1には、この種の刃型をチェースに固定する方法として、チェースと同寸法の刃台に、刃型を位置合わせしてから押さえ板とネジとを用いて固定し、さらにこの刃台とチェースとをネジで固定する方法が記載されている。
しかしながら、両面テープや接着剤を用いる一般的な方法では、刃型交換の際に刃型を簡単に取り外すことができなかった。取り外すためには、刃型とチェース間にスクレーパーを差し込むか、溶剤で両面テープの接着層や接着剤を溶解させる等してチェースと刃型とを分離させなくてはならず、非常に手間がかかるものであった。また、このようにしてチェースから刃型を取り外すことから刃型が損傷しやすいという問題もあった。
さらに、チェース上の間違った位置に刃型を接着してしまった場合には、一旦、刃型をチェースから取り外し、刃型の裏面やチェース表面に付着している両面テープの接着層や接着剤をきれいに除去した後、チェース上の正しい位置に再度接着しなければならなかった。
特許文献1に記載の固定方法によると、刃台と刃型とを押さえ板とネジを用いて固定した後、さらに刃台とチェースとをネジで固定する必要があることから、刃型の固定にも取り外しにも工具が必要であり、多大な手間がかかっていた。
これら従来技術の問題点を解決するために、本出願人は、刃型をチェース上に容易に固定することができ、かつ簡単に取り外しすることができる刃型固定具を提案している(特許文献2)。
この特許文献2に記載の刃型固定具は、刃型の外縁部の少なくとも一部と係合する係止部と、係止部と同一の薄板によって一体的に形成された支持部と、支持部の裏面の一部に固着され、磁性体で構成されるチェースに磁着可能なマグネットとを備えている。係止部と支持部とは側面視直線状に形成されており、支持部には裏面のうちマグネットが固着されず指先を引っ掛けることができるように構成された自由端部が設けられている。刃型の外縁部は少なくとも一部に側面視段状に形成された切り欠きを備え、刃型固定具の係止部は切り欠きに嵌合する形状を有している。
特許文献2に記載の刃型固定具によれば、工具や接着剤を使用せずに刃型を簡単かつ迅速にチェース上に固定することができ、刃型を傷めずにチェース上に固定された刃型を簡単かつ迅速に取り外すことができる。この刃型固定具は、刃型に側面視段状の切り欠きが設けられている場合に、その係止部が切り欠きに嵌合して刃型を押圧するので、刃型はチェース上に確実に固定される。しかしながら、刃型の切り欠きが側面視段状の切り欠きではなく、凹状平面を有する貫通切り欠きである場合には、その係止部によって刃型を押圧することができず、チェース上への刃型の固定を全く行うことができなかった。
従って、本考案は従来技術の上述した問題点を解消するものであり、本考案の目的は、刃型が貫通切り欠きを有する場合にも対応可能であり、刃型を簡単かつ確実にチェースに固定でき、さらにチェースに固定されている刃型を容易に取り外しできる刃型固定具及び刃型装置を提供することにある。
本考案の他の目的は、少数の刃型固定具であっても刃型を位置決めすることができ、かつ確実に刃型をチェースに固定することができる刃型固定具及び刃型装置を提供することにある。
本考案によれば、打ち抜き刃を有する刃型をチェース上に着脱自在に固定するための刃型固定具は、固定時に刃型の一部に係合し刃型のチェース面に沿った動きを抑止するための係止部と、固定時に刃型をチェースに押さえるための押さえ部と、係止部及び押さえ部と一体的に形成された支持部と、支持部の裏面に固着され固定時にチェースに磁着されるマグネットとを備えており、押さえ部は固定時にマグネットの磁着力によって刃型をチェースに押さえるように構成されており、係止部は押さえ部の一方の端から固定時にチェースに向かう方向に折り曲げて形成されている。
係止部は、押さえ部の一方の端から、刃型固定具による刃型のチェースへの固定時にチェースに向かう方向に折り曲げて形成されており、この係止部が刃型の一部に係合し刃型のチェース面に沿った動きを抑止する。押さえ部は固定時にマグネットの磁着力によって刃型をチェースに押さえる。このマグネットは係止部及び押さえ部と一体的に形成された支持部の裏面に固着されている。これにより、刃型が貫通切り欠きを有する場合にも対応可能であり、刃型を簡単かつ確実にチェースに固定でき、さらにチェースに固定されている刃型を容易に取り外しすることができる。また、少数の刃型固定具であっても刃型を位置決めでき、かつ確実にチェースに固定することができる。
支持部は、一端が押さえ部の他方の端に連続して形成されていると共に、横断面が略コ字形状となるように折り曲げられて形成されており、この支持部の他端近傍にマグネットが固着されていることが好ましい。
支持部は、固定時にマグネットがチェースに磁着した状態で、押さえ部により刃型を押圧する方向に付勢する弾性力を有していることも好ましい。これにより、刃型をより確実にチェースに固定することができる。
支持部の両側には、マグネットが固着されず、指先を引っ掛けることが可能な引っ掛け部を備えていることも好ましい。これにより、チェースに固定されている刃型を容易に取り外しできる。
チェース上での位置合わせを行うための位置合わせガイドをさらに備えていることも好ましい。これにより、刃型の位置決めが容易にできる。
本考案によれば、さらに、打ち抜き刃を有する刃型と、上述した複数の刃型固定具とを備えており、刃型は、その外縁に、複数の刃型固定具の係止部がそれぞれ係合する複数の貫通切り欠き部を備えている刃型装置が提供される。
この場合、刃型固定具の係止部は、貫通切り欠き部の3つの側面にそれぞれ当接する左右側端及び前面を備えていることが好ましい。
本考案によれば、さらにまた、打ち抜き刃を有する刃型と、上述した複数の刃型固定具とを備えており、刃型は、その外縁近傍に、複数の刃型固定具の係止部がそれぞれ係合する複数の溝孔部を備えている刃型装置が提供される。
本考案によれば、刃型が貫通切り欠きを有する場合にも対応可能であり、刃型を簡単かつ確実にチェースに固定でき、さらにチェースに固定されている刃型を容易に取り外しすることができる。また、少数の刃型固定具であっても刃型を位置決めでき、かつ確実にチェースに固定することができる。
以下、本考案に係る刃型装置の実施形態を、図を参照して説明する。
図1は本考案の第1の実施形態における刃型装置100の構成を示しており、図2はこの刃型装置100において刃型が固定されている状態を示しており、図3は刃型装置100において刃型が固定されている状態を局部断面(図1のA−A線断面)で示しており、図4は刃型装置100における刃型固定具20の構成を示している。図4における(a)は刃型固定具20の側面を示しており、(b)は刃型固定具20の底面を示している。
図1〜図4に示すように、本実施形態における刃型装置100は、打ち抜き刃11を有する刃型10と、刃型10をチェース30に固定する4つの刃型固定具20とを備えている。刃型10は、4つの刃型固定具20によりチェース30に着脱自在に固定可能となっている。
刃型10は、打ち抜き刃11と、刃台12とから構成されている。打ち抜き刃11は、成形品の外周縁に対応する形状に形成された抜き刃である。刃台12は、単層若しくは複数層の樹脂板、又は単層若しくは複数層の樹脂板と木材板若しくは金属板とを積層して構成され、打ち抜き刃11を固定的に支持するものである。図示の例では、刃台12は、例えば、ベニヤ板の両側に薄いアクリル板を積層して構成されている。この刃台12の4つの辺の外縁中央部にそれぞれ貫通切り欠き部13が設けられている。
刃型固定具20は、固定時に刃台12の貫通切り欠き部13と係合し、刃台12のチェース30の面に沿った動きを抑止する係止部21と、固定時に刃型10をチェース30に押さえる押さえ部22と、係止部21及び押さえ部22と一体的に形成された支持部23と、支持部23の裏面に固着され固定時にチェース30に磁着されるマグネット24と、刃型固定具20をチェース30から取り外す際に指先を引っ掛けるための引っ掛け部25とを備えている。係止部21、押さえ部22及び支持部23は、1枚の金属板(例えば鋼板)を切断加工及び折り曲げ加工して形成されている。マグネット24をチェース30に磁着することにより刃型10がチェース30に固定される。
係止部21は押さえ部22の一端の一部に(所定長の突出部として)連続し、固定時にチェース30に向かう方向(図1〜図3及び図4(a)において下方向)にこの部分で略90度折り曲げて形成されており、押さえ部22の他端は支持部23の一端の一部(所定長の突出部として)に連続して形成されている。支持部23はその横断面が略コ字形状となるように下方向に略180度折り曲げられて形成されている。本実施形態において、支持部23は、押さえ部22と同一平面(側面視直線状)となる上片23aと、この上片23aの他端の一部に(所定長の突出部として)折り曲げ部23cを介して連続して形成され、上片23aにほぼ平行な下片23bとから形成されている。この上片23aの一端の一部に押さえ部22の一端が連続している。下片23bの下面には、マグネット24の固着部27が形成されている。
刃型10をチェース30に固定するには、刃型固定具20の係止部21を刃台12の貫通切り欠き部13に嵌合させ、マグネット24をチェース30に磁着させる。その際、係止部21の前面21a(図4)が貫通切り欠き部13の貫通切り欠き部13の前側面13a(図3)に当接し、左右の側端21b(図4)が貫通切り欠き部13の両側面13b(図3)に当接するように構成されている。また、係止部21の下方への突出長は、刃型10の厚みより短くすることが望ましい。さらに、係止部21の下方先端の両角部はアール形状に面取りされている。これにより、刃型10を取り外す際に、刃型固定具20を容易に取り外すことが可能となる。
押さえ部22は、上述したように、その一端の一部が係止部21に(所定長の突出部として)連続している。この押さえ部22は、係止部21を刃台12の貫通切り欠き部13に嵌合させた際に、その刃台12の上面に当接してこれをチェース30方向に押圧するように構成されている。この場合の押圧力は、マグネット24のチェース30への磁着力と、支持部23の弾性力によって発生する。
マグネット24は、支持部23の下片23bの下面に設けられた固着部27に、例えばネジSにより固着されている。チェース30と接するマグネット24の底面は樹脂層で覆われている。マグネット24の底面に樹脂層を設けることで、着脱際にチェース30の表面を傷つけることを防止できる。
引っ掛け部25は、支持部23の上片23aの両側のマグネット24が固着されていない位置に設けられている。この引っ掛け部25は、支持部23の上片23aと同一平面上に連続して一体的に形成されている。なお、引っ掛け部25は、指先が引っ掛け易いようにその両端部を上方へ折り曲げて傾斜状態に形成しても良い。
刃型固定具20において、マグネット24の底面から押さえ部22の下面までの高さは、刃台12の厚みよりわずかに小さくすることが好ましい。これにより、刃台12をチェース30に固定する際に、押さえ部22が刃台12を押圧する方向に付勢する弾性力を発生させることができ、刃台12を従って刃型10をチェース30に確実に固定することができる。
なお、刃型固定具20には、刃型10のチェース30上での位置合わせを容易にするための位置合わせガイド26を設けることができる。本実施形態において、位置合わせガイド26は、刃型固定具20の係止部21を刃台12の貫通切り欠き部13に嵌合させた際に、刃型10をチェース30上の所定の位置、即ちチェース30の中心に合わせることができる位置に設けられる。本実施形態においては、刃台12の貫通切り欠き部13が各辺の中央に設けられていることから、刃型固定具20の位置合わせガイド26も、係止部21の中央に対応する位置に設けられている。位置合わせガイド26は、例えば、図4(b)に示すように、支持部20の折り曲げ部20cの中央に切り欠きを設けることで構成されている。
本実施形態に係る刃型装置100を使用する際には、刃型10をチェース30上に載置した後、刃型固定具20によって刃型10を固定する。即ち、4つの刃型固定具20の係止部21を刃台12の4つの貫通切り欠き部13にそれぞれ嵌合させると共にこれら4つの刃型固定具20のマグネット24をそれぞれチェース30上に磁着させる。これによって、各係止部21の前面21a及び左右の側端21bが刃台12の貫通切り欠き部13の前側面13a及び両側面13bにそれぞれ当接するので、刃台12のチェース30の面に沿った動きが抑止され、さらに、各押さえ部22により刃台12がチェース30表面に押さえられるため、刃型13は確実に固定される。刃型10をチェース30に固定する際に、刃型固定具20に備えられた位置合わせガイド26をチェース30上の中央位置ガイド(センタートンボ)に合わせることにより、刃型10の位置合わせを簡単に行うことができる。
チェース30上に固定された刃型10を取り外す際には、4つの刃型固定具20のマグネット24とチェース30との磁着をそれぞれ解消すること、即ち、チェース30から各刃型固定具20を指でつまんで持ち上げる等により簡単に取り外すことができる。その際、各刃型固定具20の一方の引っ掛け部25の裏面に指先を引掛けて支持部23を持ち上げ、他方の引っ掛け部25の表面を指でチェース30方向に押すことによりマグネット24の端部を支点として支持部23を回転させれば、マグネット24をチェース30から容易に持ち上げることができ、チェース30上に固定された刃型固定具20を簡単に取り外すことができる。
以上詳細に説明したように本実施形態の刃型装置100は、打ち抜き刃11を有する刃型10と、刃型10をチェース30に固定する4つの刃型固定具20とを備えている。刃型10の刃台12の各辺の外縁中央部にはそれぞれ貫通切り欠き部13が設けられている。刃型固定具20は、係止部21と、押さえ部22と、支持部23と、マグネット24と、引っ掛け部25とを備え、係止部21を貫通切り欠き部13に嵌合させ、マグネット24をチェース30に磁着させることにより刃型10をチェース30に固定するように構成されている。これにより、貫通切り欠きを有する刃型に対応可能であり、刃型10を簡単かつ確実にチェース30に固定でき、チェース30に固定されている刃型10を容易に取り外しできる。また、少数(例えば2つ)の刃型固定具20でも刃型10を位置決めし、固定することができる。さらに、刃台12が樹脂板や金属板の単層構造の場合に貫通切り欠き部を設ければ良く、側面視段状に形成された切り欠きを形成する必要がなくなるため、このような側面視段状切り欠きを作成する製造コストを抑えることができる。なお、本実施形態の刃型固定具20は、このような側面視段状切り欠きを有する刃型にも適用することができる。
図5は本考案の第2の実施形態における刃型装置200の構成を示しており、図6はこの刃型装置200において刃型が固定されている状態を局部断面(図5のB−B線断面)で示している。
図5及び図6に示すように、本実施形態における刃型装置200は、打ち抜き刃11を有する刃型10Aと、刃型10Aをチェース30に固定する4つの刃型固定具20とを備えている。刃型10Aは、4つの刃型固定具20によりチェース30に着脱自在に固定可能となっている。この刃型装置200において、刃型固定具20は、上述した第1の実施形態の刃型装置100と同様な構成を有しているため、その詳細説明を省略する。
刃型10Aは、打ち抜き刃11と、刃台12Aとから構成されている。打ち抜き刃11は、成形品の外周縁に対応する形状に形成された抜き刃である。刃台12Aは、単層若しくは複数層の樹脂板、又は単層若しくは複数層の樹脂板と木材板若しくは金属板とを積層して構成され、打ち抜き刃11を固定的に支持するものである。図示の例では、刃台12Aは、例えば、ベニヤ板の両側に薄いアクリル板を積層してから構成されている。この刃台12Aの4つの辺の外縁近傍の中央部には、それぞれ溝孔部13Aが設けられている。溝孔部13Aは、貫通又は非貫通のスリット状の溝孔であり、その幅は刃型固定具20の係止部21の厚みにほぼ等しく、長さは刃型固定具20の係止部21の横幅にほぼ等しい。
本実施形態に係る刃型装置200を使用する際には、刃型10Aをチェース30上に載置した後、刃型固定具20によって刃型10Aを固定する。即ち、4つの刃型固定具20の係止部21を刃台12の4つの溝孔部13Aにそれぞれ嵌合させると共にこれら4つの刃型固定具20のマグネット24をそれぞれチェース30上に磁着させる。これによって、各係止部21の前面21a、左右の側端21b及び後面が刃台12Aの溝孔部13Aの4つの側面にそれぞれ当接するので、刃台12Aのチェース30の面に沿った動きが抑止され、さらに、各押さえ部22により刃台12Aがチェース30表面に押さえられるため、刃型10Aは確実に固定される。刃型10Aをチェース30に固定する際に、刃型固定具20に備えられた位置合わせガイド26をチェース30上の中央位置ガイド(センタートンボ)に合わせることにより、刃型10Aの位置合わせを簡単に行うことができる。
以上詳細に説明したように本実施形態の刃型装置200は、溝孔部13A以外は、上述した第1の実施形態の刃型装置100と同様な構成を有しているため、この刃型装置100と同様な効果が得られると共に、係止部21の前面、左右の側端及び後面が溝孔部13Aの4つの側面に当接し、位置決めすることで、少数(例えば2つ)の刃型固定具20でも刃型10Aを位置決めかつ確実にチェース30に固定することができる。
図7は本考案の第3の実施形態における刃型装置300の構成を示している。図7に示すように、本実施形態における刃型装置300は、打ち抜き刃11を有する刃型10Bと、刃型10Bをチェース30に固定する4つの刃型固定具20Aとを備えている。刃型10Bは、4つの刃型固定具20Aによりチェース30に着脱自在に固定可能となっている。
刃型固定具20Aは、固定時に刃台12Bの溝孔部13Bと係合し、刃台12Bのチェース30の面に沿った動きを抑止する係止部21Aと、固定時に刃型10Bをチェース30に押さえる押さえ部22Aと、係止部21A及び押さえ部22Aと一体的に形成された支持部23と、支持部23の裏面に固着され固定時にチェース30に磁着されるマグネット24と、刃型固定具20Aをチェース30から取り外す際に指先を引っ掛けるための引っ掛け部25とを備えている。係止部21A、押さえ部22A及び支持部23は、1枚の金属板(例えば鋼板)を切断加工及び折り曲げ加工して形成されている。マグネット24をチェース30に磁着することにより刃型10Bがチェース30に固定される。
係止部21Aは押さえ部22Aの一端の全長にわたって連続し、固定時にチェース30に向かう方向(図7において下方向)にこの部分で略90度折り曲げて形成されており、押さえ部22Aの他端は支持部23の一端の一部(所定長の突出部として)に連続して形成されている。このように本実施形態においては、係止部21Aと押さえ部22Aとが同じ長さの横幅を有している。係止部21A及び押さえ部22Aを除く刃型固定具20Aのその他の構成は、上述した第1の実施形態の刃型固定具20と同様な構成を有しているため、その詳細説明を省略する。
刃型10Bは、打ち抜き刃11と、刃台12Bとから構成されている。打ち抜き刃11は、成形品の外周縁に対応する形状に形成された抜き刃である。刃台12Bは、単層若しくは複数層の樹脂板、又は単層若しくは複数層の樹脂板と木材板若しくは金属板とを積層して構成され、打ち抜き刃11を固定的に支持するものである。図示の例では、刃台12Bは、例えば、ベニヤ板の両側に薄いアクリル板を積層してから構成されている。この刃台12Bの4つの辺の外縁近傍の中央部にそれぞれ溝孔部13Bが設けられている。溝孔部13Bは、貫通又は非貫通のスリット状の溝孔であり、その幅は刃型固定具20Aの係止部21Aの厚みにほぼ等しく、長さは刃型固定具20Aの係止部21Aの横幅にほぼ等しい。従って、本実施形態においては、溝孔部13Bは、その長さが第2の実施形態における溝孔部13Aの場合より長くなるように構成されており、これに嵌合する刃型固定具20Aの係止部21Aは、その横幅が第2の実施形態における係止部21の場合より長くなるように構成されている。
本実施形態に係る刃型装置300を使用する際には、刃型10Bをチェース30上に載置した後、刃型固定具20Aによって刃型10Bを固定する。即ち、4つの刃型固定具20Aの係止部21Aを刃台12Bの4つの溝孔部13Bにそれぞれ嵌合させると共にこれら4つの刃型固定具20Aのマグネット24をそれぞれチェース30上に磁着させる。これによって、各係止部21Aの前面、左右の側端及び後面が刃台12Bの溝孔部13Bの4つの側面にそれぞれ当接するので、刃台12Bのチェース30の面に沿った動きが抑止され、さらに、各押さえ部22Aにより刃台12Bがチェース30表面に押さえられるため、刃型10Bは確実に固定される。刃型10Bをチェース30に固定する際に、刃型固定具20Aに備えられた位置合わせガイド26をチェース30上の中央位置ガイド(センタートンボ)に合わせることにより、刃型10Bの位置合わせを簡単に行うことができる。
以上詳細に説明したように本実施形態に係る刃型装置300は、溝孔部13B、係止部21A及び押さえ部22A以外は、上述した第2の実施形態の刃型装置200と同様な構成を有しているため、この刃型装置200と同様な効果が得られる。また、係止部21Aの幅が広いため、刃型10Bをより確実に位置決め及び固定することができる。
図8は第2の実施形態の刃型装置における刃型固定具の第1の変更態様を示している。本変更態様における刃型10Aの構成は、第2の実施形態の場合と同様である。
図8に示すように、本変更態様における刃型固定具20Bは、固定時に刃台12Aの溝孔部13Aと係合し、刃台12Aのチェースの面に沿った動きを抑止する係止部21Bと、固定時に刃型をチェースに押さえる押さえ部22Bと、係止部21B及び押さえ部22Bと一体的に形成された支持部23と、支持部23の裏面に固着され固定時にチェースに磁着されるマグネット24と、刃型固定具20Bをチェース30から取り外す際に指先を引っ掛けるための引っ掛け部25とを備えている。係止部21B、押さえ部22B及び支持部23は、1枚の金属板(例えば鋼板)を切断加工及び折り曲げ加工して形成されている。マグネット24をチェース30に磁着することにより刃型10Aがチェース30に固定される。
係止部21Bは押さえ部22Bの一端の全長にわたって連続し、固定時にチェース30に向かう方向(図8において下方向)にこの部分で略90度折り曲げて形成されており、押さえ部22Bの他端は支持部23の一端の一部(所定長の突出部として)に連続して形成されている。このように本変更態様においては、係止部21Bと押さえ部22Bとが同じ長さの横幅を有している。係止部21B及び押さえ部22Bを除く刃型固定具20Bのその他の構成は、上述した第1の実施形態の刃型固定具20と同様な構成を有しているため、その詳細説明を省略する。
この変更態様において、係止部21B及び押さえ部22Bの横幅は、刃台12Aの溝孔部13Aの長さにほぼ等しい。即ち、この変更態様においては、溝孔部13Aの長さが第3の実施形態における溝孔部13Bの場合より短くなるように構成されており、従ってこれに嵌合する刃型固定具20Bの係止部21Bの横幅が第2の実施形態における係止部21Aの場合より短くなるように構成されている。
この変更態様に係る刃型固定具20Bを用いる場合は、上述した第2の実施形態の刃型装置200と同様な効果が得られる。
図9は第2の実施形態の刃型装置における刃型固定具の第2の変更態様を示している。本変更態様における刃型10Cの構成は、第2の実施形態の場合と同様である。
図9に示すように、本変更態様における刃型固定具20Cは、固定時に刃台12Cの溝孔部13Cと係合し、刃台12Cのチェースの面に沿った動きを抑止する係止部21Cと、固定時に刃型10Cをチェースに押さえる押さえ部22Cと、係止部21C及び押さえ部22Cと一体的に形成された支持部23と、支持部23の裏面に固着され固定時にチェースに磁着されるマグネット24と、刃型固定具20Cをチェース30から取り外す際に指先を引っ掛けるための引っ掛け部25とを備えている。係止部21C、押さえ部22C及び支持部23は、1枚の金属板(例えば鋼板)を切断加工及び折り曲げ加工して形成されている。マグネット24をチェース30に磁着することにより刃型10Cがチェース30に固定される。
係止部21Cは押さえ部22Cの一端の全長にわたって連続し、固定時にチェース30に向かう方向(図9において下方向)にこの部分で略90度折り曲げて形成されている。押さえ部22Cの他端は、立ち上がり部28を介して支持部23の一端の一部(所定長の突出部として)に連続して形成されている。立ち上がり部28の一端は支持部23一端の一部の位置でチェース30とは反対方向(図9において上方向)に略90度折り曲げられて形成されており、立ち上がり部28の他端はこの部分で水平方向に略90度折り曲げられて押さえ部22Cに連続している。この変更態様においては、係止部21Cと押さえ部22Cと立ち上がり部28とが同じ長さの横幅を有している。係止部21C、押さえ部22C及び立ち上がり部28を除く刃型固定具20Cのその他の構成は、上述した第1の実施形態の刃型固定具20と同様な構成を有しているため、その詳細説明を省略する。
このように、刃型固定具20Cにおいて、立ち上がり部28を設けることで、比較的厚い刃台12Cを有する刃型10Cに対しても適合することができる。その際、刃台12Cの厚さに応じて立ち上がり部28の立ち上がり高さを調整する。
本変更態様に係る刃型固定具20Cを用いる場合は、上述した第2の実施形態の刃型装置200と同様な効果が得られる。また、比較的厚い刃台12Cを有する刃型10Cを確実に位置決めし、固定することができる。
また、上述した本考案における実施形態の刃型装置100、200及び300において、刃型10、10A、10B及び10Cには1つの打ち抜き刃11を有する例を説明したが、本考案はこれに限定されるものではない。複数の打ち抜き刃を有する刃型を用いても良い。
さらにまた、上述した本考案における実施形態の刃型装置100、200及び300において、4つの刃型固定具20を有する例を説明したが、本考案はこれに限定されるものではない。5つ以上の刃型固定具を用いる場合、その数に応じた貫通切り欠き部又は溝孔部を設ける必要がある。
以上述べた実施形態は全て本考案を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本考案は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本考案の範囲は実用新案登録請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
本考案は、印刷されたラベル、シール等の印刷物を、その単位印刷物毎に打ち抜く場合に用いられる刃型装置に利用できる。
10、10A、10B、10C 刃型
11 打ち抜き刃
12、12A、12B、12C 刃台
13 貫通切り欠き部
13a 前側面
13b 両側面
13A、13B、13C 溝孔部
20、20A、20B、20C 刃型固定具
21 係止部
21a 前面
21b 側端
22 押さえ部
23 支持部
23a 上片
23b 下片
23c 折り曲げ部
24 マグネット
25 引っ掛け部
26 位置合わせガイド
27 固着部
28 立ち上がり部
30 チェース
100、200、300 刃型装置
11 打ち抜き刃
12、12A、12B、12C 刃台
13 貫通切り欠き部
13a 前側面
13b 両側面
13A、13B、13C 溝孔部
20、20A、20B、20C 刃型固定具
21 係止部
21a 前面
21b 側端
22 押さえ部
23 支持部
23a 上片
23b 下片
23c 折り曲げ部
24 マグネット
25 引っ掛け部
26 位置合わせガイド
27 固着部
28 立ち上がり部
30 チェース
100、200、300 刃型装置
Claims (8)
- 打ち抜き刃を有する刃型をチェース上に着脱自在に固定するための刃型固定具であって、固定時に前記刃型の一部に係合し該刃型の前記チェース面に沿った動きを抑止するための係止部と、固定時に前記刃型を前記チェースに押さえるための押さえ部と、前記係止部及び前記押さえ部と一体的に形成された支持部と、該支持部の裏面に固着され固定時に前記チェースに磁着されるマグネットとを備えており、前記押さえ部は固定時に前記マグネットの磁着力によって前記刃型を前記チェースに押さえるように構成されており、前記係止部は前記押さえ部の一方の端から固定時に前記チェースに向かう方向に折り曲げて形成されていることを特徴とする刃型固定具。
- 前記支持部は、一端が前記押さえ部の他方の端に連続して形成されていると共に、横断面が略コ字形状となるように折り曲げられて形成されており、該支持部の他端近傍に前記マグネットが固着されていることを特徴とする請求項1に記載の刃型固定具。
- 前記支持部は、固定時に前記マグネットが前記チェースに磁着した状態で、前記押さえ部により前記刃型を押圧する方向に付勢する弾性力を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の刃型固定具。
- 前記支持部の両側には、前記マグネットが固着されず、指先を引っ掛けることが可能な引っ掛け部を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の刃型固定具。
- 前記チェース上での位置合わせを行うための位置合わせガイドをさらに備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の刃型固定具。
- 打ち抜き刃を有する刃型と、請求項1から5のいずれか1項に記載の複数の前記刃型固定具とを備えており、前記刃型は、その外縁に、前記複数の刃型固定具の前記係止部がそれぞれ係合する複数の貫通切り欠き部を備えていることを特徴とする刃型装置。
- 前記刃型固定具の前記係止部は、前記貫通切り欠き部の3つの側面にそれぞれ当接する左右側端及び前面を備えていることを特徴とする請求項6に記載の刃型装置。
- 打ち抜き刃を有する刃型と、請求項1から5のいずれか1項に記載の複数の前記刃型固定具とを備えており、前記刃型は、その外縁近傍に、前記複数の刃型固定具の前記係止部がそれぞれ係合する複数の溝孔部を備えていることを特徴とする刃型装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108481438A (zh) * | 2018-05-30 | 2018-09-04 | 盐城市裕正精密机械有限公司 | 裁断机刀模架结构 |
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- 2014-12-16 JP JP2014006658U patent/JP3196240U/ja not_active Expired - Fee Related
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