JP3198884B2 - 車両走行制御システム - Google Patents

車両走行制御システム

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  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動制御装置と手
動制御装置の間で発生する過渡的な無制御状態による衝
突事故を良好に回避できるようにした車両走行制御シス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】追突事故の大半を占める運転者の前方不
注意に対する対策として、前方の障害物や前方車両との
距離或いは相対速度や自車の速度から衝突の可能性を演
算し、危険度にしたがって運転者に警報を発する車両走
行制御システムが注目を浴びている。その背景には、
「0.5秒早くブレーキを踏んでいれば、衝突事故の5
0%は防止できた筈」という過去の経験則の存在があ
る。この種の車両走行制御システムは、例えば後続車両
から前方車両に向けて発射したレーザ光が前方車両との
間の往復に要する時間から車間距離を計測し、この車間
距離の時間微分値から前方車両に対する相対速度或いは
相対加速度を割り出し、常に安全な車間距離を保つよう
構成されている。
【0003】図3に示す従来の車両走行制御システム1
は、車間距離センサ(図示せず)の計測出力を主副一対
のCPU2,3を内蔵する自動制御装置4により処理
し、副CPU3が出力する自動制御信号を出力ドライブ
回路5を介して自動制御装置4から外部出力する。自動
制御装置4により制御されるアクチュエータには、スロ
ットル弁アクチュエータ6とブレーキドラムアクチュエ
ータ7が当てられ、ここでは出力ドライブ回路5から外
部出力される自動制御信号を自動/手動切り替えスイッ
チ8を介して両アクチュエータ6,7に供給するように
してある。切り替えスイッチ8は、運転者の自動制御モ
ードを選択するか又は手動制御モードを選択するかの意
志に従って切り替えられ、手動制御モードが選択された
場合は、アクセルペダルやブレーキペダル等の手動制御
装置9からの手動制御信号が選択され、運転者の意志に
従ってスロットル弁アクチュエータ6やブレーキドラム
アクチュエータ7が駆動される。
【0004】一方また、自動制御モードを選択した場合
は、前方車両との車間距離が安全な車間距離を越えて縮
まりそうになると、自動制御装置4から出力される自動
制御信号によりブレーキドラムアクチュエータ7が作動
して自動的に制動をかけ、またその逆に前方車両との距
離が追尾距離を越えて広がってしまいそうになると、自
動制御装置4から出力される自動制御信号によりスロッ
トル弁アクチュエータ6が作動して自動的に加速され、
これにより前方車両への追突を避けつつ自動追尾が行わ
れる。
【0005】ところで、上記の車両走行制御システム1
は、車両走行全般を監視する主CPU2と車間距離制御
を担当する副CPU3とが役割分担することにより、自
動制御装置4の処理効率を高める構成としてあるが、主
副一対のCPU2,3に異常があってはならず、ここで
は、主CPU2から一定のループタイムが経過するつど
副CPU3に主プログラムラン信号を出力させ、この主
プログラムラン信号を受けた副CPU3が出力する副プ
ログラムラン信号を暴走監視回路10にて監視させるよ
うにしてある。すなわち、主CPU2からの主プログラ
ムラン信号が正常か否かを副CPU3が判定し、異常が
あれば副CPU3は副プログラムラン信号を発生せず、
また副CPU3に異常が発生してプログラムが実行され
ないときも副プログラムラン信号は出力されないので、
暴走監視回路10が異常検出信号を出力し、両CPU
2,3をリセットする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の車両走行制御シ
ステム1は、いずれか一方のCPU2,3に異常が発生
しても、暴走監視回路10からの異常検出信号により主
CPU2と副CPU3がリセットされるが、主副のCP
U2,3がともにリセットされてしまうと、スロットル
弁アクチュエータ6やブレーキドラムアクチュエータ7
を駆動する信号が一瞬にして消滅してしまい、それまで
CPU2,3の制御監視下にあったスロットル開度やブ
レーキ開度が、CPU2,3がリセットされる直前の値
にロックされるのならまだしも、一般には不定の状態に
放置されてしまう。しかしながら、切り替えスイッチ8
は自動制御装置4側に切り替わったままであり、スロッ
トル弁アクチュエータ6やブレーキドラムアクチュエー
タ7は、運転者による手動制御を受け付ける状態にはな
い。このため、車両の挙動を不審に思った運転者が機転
を利かして切り替えスイッチ8を操作し、制御モードを
自動制御モードから手動制御モードへと切り替えない限
り、自車両を前方車両に追従させることはできず、最悪
の場合は追突事故を招いたり、後方車両により追突され
ることがある等の課題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決したものであり、車両を走行制御する自動制御信号を
出力する演算手段と、該演算手段が暴走したときに異常
検出信号を出力して該演算手段を動作停止させる暴走監
視回路と、該暴走監視回路が出力する異常検出信号によ
りゲートを閉じ、前記自動制御信号の外部出力を阻止す
るゲート回路と、該ゲート回路のゲート出力の有無に応
じて動作し、ゲート出力有りのときは前記自動制御信号
を選択出力し、ゲート出力無しのときは車両運転者の手
動制御信号を選択出力する信号切り替え器と、該信号切
り替え器から出力される前記自動制御信号又は前記手動
制御信号内容に従って車両を駆動するアクチュエータ
とを具備することを特徴とするものである。
【0008】また、本発明は、前記演算手段が、車両の
走行状況全般を管理し、一定のループタイムが経過する
つど主プログラムラン信号を出力する主CPUと、前記
自動制御信号を出力するとともに、前記主CPUの動作
を監視し、前記主プログラムラン信号を受信したときは
副プログラムラン信号を出力することで前記暴走監視回
路に異常の無いことを報知し、前記主プログラムラン信
号を受信しないとき又は自らに異常があるときは副プロ
グラムラン信号を出力しないことで前記暴走監視回路に
異常を報知する副CPUとを具備することを特徴とする
ものである。
【0009】さらにまた、本発明は、前記アクチュエー
タが、車両のスロットル弁の開度を可変するスロットル
弁アクチュエータであること、或いは前記アクチュエー
タが、車両のブレーキドラムの締め付け力を可変するブ
レーキドラムアクチュエータであること等を特徴とする
ものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1,2を参照して説明する。図1は、本発明の車
両走行制御システムの一実施形態を示す概略構成図、図
2は、図1に示した回路各部の信号波形図である。
【0011】図1に示す車両走行制御11は、副CPU
3と出力ドライブ回路5との間にアンドゲート回路12
を設け、副CPU3の制御出力信号と暴走監視回路10
の異常検出信号をアンドゲート回路12にて論理積をと
り、出力ドライブ回路5に送り込むよう構成してある。
また、自動制御装置13とアクチュエータ6,7との間
に、自動制御信号と手動制御信号とを選択的に切り替え
る信号切り替え器14を配設し、この信号切り替え器1
4をアンドゲート回路12の出力により切り替える構成
としてある。
【0012】信号切り替え器14は、アンドゲート回路
12の出力によって自動制御信号と手動制御信号とを選
択的に切り替えるものであり、アンドゲート回路12の
出力がロウレベルに固定されたときは手動制御信号を選
択し、アンドゲート回路12の出力がハイ/ロウの両レ
ベルをとる自動制御信号であるときは自動制御信号を選
択する。
【0013】このため、主CPU2も副CPU3もとも
に異常なく動作している場合、すなわち暴走監視回路1
0の出力がハイレベルである場合は、図2(A)に示し
たように、アンドゲート回路12は副CPU3が出力す
る自動制御信号を通過させ、出力ドライブ回路5を介し
て信号切り替え器14に送り出す。このとき、信号切り
替え器14は、アンドゲート回路12がハイ/ロウが周
期的に切り替わる自動制御信号を出力していることを受
けて、自動運転モード側に切り替っている。このため、
自動制御装置13から出力された自動制御信号は、信号
切り替え器14を介してスロットル弁アクチュエータ6
やブレーキドラムアクチュエータ7に供給され、車間距
離を一定に保つ自動追尾運転が行われる。
【0014】これに対し、主CPU2か副CPU3のい
ずれか一方に異常が発生した場合は、前述の動作原理か
ら、暴走監視回路10からロウレベルの異常検出信号が
出力される。このため、主CPU2も副CPU3もその
場で直ちにリセットされて動作停止に追い込まれる。一
方また、アンドゲート回路12も暴走監視回路10が出
力する異常検出信号により直ちにゲートを閉じるため、
図2(B)に示したように、出力ドライブ回路5への自
動制御信号の供給も直ちに停止し、同時にまた信号切り
替え器14を手動運転モード側へと切り替える。その結
果、信号切り替え器14は、それまでの自動制御信号で
はなく、運転者自らの意志に従ったアクセル開度やブレ
ーキ開度に応じた手動制御信号を出力する。
【0015】従って、いずれか一方のCPU2又は3に
異常が発生したときに、CPU2,3のリセットととも
にスロットル弁アクチュエータ6やブレーキドラムアク
チュエータ7を駆動する信号が一瞬にして消滅してしま
い、それまでCPU2,3の制御監視下にあったスロッ
トル弁やブレーキドラムが無制御状態に放置されてしま
うといった不都合が発生することはない。すなわち、車
両の挙動を不審に思った運転者が機転を利かして運転モ
ードを自動運転モードから手動運転モードへと切り替え
なくとも、通常の運転感覚で車両を走行制御することに
より、衝突の危険は回避される。
【0016】このように、車両走行制御システム11に
よれば、車両を走行制御するCPU2,3を監視する暴
走監視回路10が異常検出信号を出力したときにアンド
ゲート回路12を閉じ、自動制御信号の外部出力を阻止
するとともに、アンドゲート回路12のゲート出力の有
無に応じて動作する信号切り替え器14が、アクチュエ
ータ6,7に対し自動制御信号ではなく車両運転者の手
動制御信号を選択出力するよう構成したから、自動制御
信号を出力する自動制御装置13に異常があったときに
直ちに車両運転者を命令主体とする手動制御装置9に切
り替えることができ、これにより車両が無制御状態に放
置されて前方車両に追突したり、或いは後方車両による
追突を招くといった危険を、自動制御装置13から手動
制御装置9への制御主体の速やかな委譲により回避する
ことができる。
【0017】また、自動制御装置13に、車両の走行状
況全般を管理し、一定のループタイムが経過するつど主
プログラムラン信号を出力する主CPU2と、自動制御
信号を出力するとともに、主CPU2の動作を監視し、
主プログラムラン信号を受信したときは副プログラムラ
ン信号を出力することで暴走監視回路10に異常の無い
ことを報知し、主プログラムラン信号を受信しないとき
又は自らに異常があるときは副プログラムラン信号を出
力しないことで暴走監視回路10に異常を報知する副C
PU3とを設けたので、主CPU2と副CPU3による
役割分担により車両走行の制御と走行状況全般の管理と
を効率よく両立させ、しかも主CPU2を主プログラム
ラン信号を通じて副CPU3に監視させ、副CPU3自
体は副プログラムラン信号を通じて暴走監視回路10に
監視させることで、主CPU2と副CPU3のいずれか
一方に異常が発生すれば直ちに両CPU2,3を動作停
止することができ、システムの危機管理を徹底すること
ができる。
【0018】さらにまた、アクチュエータの一つを、車
両のスロットル弁の開度を可変するスロットル弁アクチ
ュエータ6で構成したことにより、アクセルペダルを介
してなされる車両運転者による手動制御を、最適車間距
離を目標とする自動制御装置13により代行させること
ができ、しかも自動制御装置13に異常が発生したとき
は、直ちに運転者の意志による手動制御へと円滑に移行
できるため、過渡的な無制御状態による衝突の危険を良
好に排除することができる。
【0019】また、アクチュエータの一つを、車両のブ
レーキドラムの締め付け力を可変するブレーキドラムア
クチュエータ7で構成したことにより、ブレーキペダル
を介してなされる車両運転者による手動制御を、最適車
間距離を目標とする自動制御装置13により代行させる
ことができ、しかも自動制御装置13に異常が発生した
ときは、直ちに運転者の意志による手動制御へと円滑に
移行できるため、過渡的な無制御状態による衝突の危険
を良好に排除することができる。
【0020】なお、上記実施例では、車両走行制御シス
テム11として自動追尾運転制御システムを例にとった
が、これ以外にも例えば、過剰ブレーキによる制動輪ス
リップを防止するためのアンチロックブレーキ装置や、
或いは過剰トルクによる駆動輪のスリップを防止するト
ラクション制御装置等にも適用することができる。ま
た、上記実施例では、自動制御装置13を、主副一対の
CPU2,3を内蔵する2CPU構成としたが、自動制
御装置13を単一のCPUと暴走監視回路とで構成する
こともできる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
車両を走行制御する演算手段を監視する暴走監視回路が
異常検出信号を出力したときにゲート回路を閉じ、自動
制御信号の外部出力を阻止するとともに、ゲート回路の
ゲート出力の有無に応じて動作する信号切り替え器が、
アクチュエータに対し自動制御信号ではなく車両運転者
の手動制御信号を選択出力するよう構成したから、自動
制御信号を出力する自動制御装置に異常があったときに
直ちに車両運転者を命令主体とする手動制御装置に切り
替えることができる。これにより、車両が無制御状態に
放置されて前方車両に追突したり、或いは後方車両によ
る追突を招くといった危険を、車両の運転者が手動によ
って自動運転モードから手動運転モードに切り替えるこ
となく自動制御装置から手動制御装置への制御主体の速
やかな委譲により、回避することができる効果を奏す
る。
【0022】また、本発明は、前記演算手段が、車両の
走行状況全般を管理し、一定のループタイムが経過する
つど主プログラムラン信号を出力する主CPUと、前記
自動制御信号を出力するとともに、前記主CPUの動作
を監視し、前記主プログラムラン信号を受信したときは
副プログラムラン信号を出力することで前記暴走監視回
路に異常の無いことを報知し、前記主プログラムラン信
号を受信しないとき又は自らに異常があるときは副プロ
グラムラン信号を出力しないことで前記暴走監視回路に
異常を報知する副CPUとを具備する構成としたから、
主CPUと副CPUによる役割分担により車両走行の制
御と走行状況全般の管理とを効率よく両立させ、しかも
主CPUを主プログラムラン信号を通じて副CPUに監
視させ、副CPU自体は副プログラムラン信号を通じて
暴走監視回路に監視させることで、主CPUと副CPU
のいずれか一方に異常が発生すれば直ちに両CPUを動
作停止することができ、システムの危機管理を徹底する
ことができる等の効果を奏する。
【0023】さらにまた、本発明は、アクチュエータ
を、車両のスロットル弁の開度を可変するスロットル弁
アクチュエータで構成したことにより、アクセルペダル
を介してなされる車両運転者による手動制御を、最適車
間距離或いは最適トラクション等を目標とする自動制御
装置により代行させることができ、しかも自動制御装置
に異常が発生したときは、直ちに運転者の意志による手
動制御へと円滑に移行できるため、過渡的な無制御状態
による衝突の危険を良好に排除することができる等の効
果を奏する。
【0024】また、本発明は、アクチュエータを、車両
のブレーキドラムの締め付け力を可変するブレーキドラ
ムアクチュエータで構成したことにより、ブレーキペダ
ルを介してなされる車両運転者による手動制御を、最適
車間距離或いは最適制動等を目標とする自動制御装置に
より代行させることができ、しかも自動制御装置に異常
が発生したときは、直ちに運転者の意志による手動制御
へと円滑に移行できるため、過渡的な無制御状態による
衝突の危険を良好に排除することができる等の効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両走行制御システムの一実施形態を
示す概略構成図である。
【図2】図1に示した回路各部の信号波形図である。
【図3】従来の自動追尾運転制御装置の一例を示す概略
構成図である。
【符号の説明】
2 主CPU 3 副CPU 6 スロットル弁アクチュエータ 7 ブレーキドラムアクチュエータ 9 手動制御装置 10 暴走監視回路 11 車両走行制御システム 13 自動制御装置 14 信号切り替え器
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 31/00 G08G 1/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両を走行制御する自動制御信号を出力
    する演算手段と、 該演算手段が暴走したときに異常検出信号を出力して該
    演算手段を動作停止させる暴走監視回路と、 該暴走監視回路が出力する異常検出信号によりゲートを
    閉じ、前記自動制御信号の外部出力を阻止するゲート回
    路と、 該ゲート回路のゲート出力の有無に応じて動作し、ゲー
    ト出力有りのときは前記自動制御信号を選択出力し、ゲ
    ート出力無しのときは車両運転者の手動制御信号を選択
    出力する信号切り替え器と、 該信号切り替え器から出力される前記自動制御信号又は
    前記手動制御信号内容に従って車両を駆動するアクチ
    ュエータとを具備することを特徴とする車両走行制御シ
    ステム。
  2. 【請求項2】 前記演算手段は、車両の走行状況全般を
    管理し、一定のループタイムが経過するつど主プログラ
    ムラン信号を出力する主CPUと、前記自動制御信号を
    出力するとともに、前記主CPUの動作を監視し、前記
    主プログラムラン信号を受信したときは副プログラムラ
    ン信号を出力することで前記暴走監視回路に異常の無い
    ことを報知し、前記主プログラムラン信号を受信しない
    とき又は自らに異常があるときは前記副プログラムラン
    信号を出力しないことで前記暴走監視回路に異常を報知
    する副CPUとを具備することを特徴とする請求項1記
    載の車両走行制御システム。
  3. 【請求項3】 前記アクチュエータは、車両のスロット
    ル弁の開度を可変するスロットル弁アクチュエータであ
    ることを特徴とする請求項1記載の車両走行制御システ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記アクチュエータは、車両のブレーキ
    ドラムの締め付け力を可変するブレーキドラムアクチュ
    エータであることを特徴とする請求項1記載の車両走行
    制御システム。
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