JP3198270B2 - 飼料及びその製造方法 - Google Patents

飼料及びその製造方法

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JP3198270B2 JP22053497A JP22053497A JP3198270B2 JP 3198270 B2 JP3198270 B2 JP 3198270B2 JP 22053497 A JP22053497 A JP 22053497A JP 22053497 A JP22053497 A JP 22053497A JP 3198270 B2 JP3198270 B2 JP 3198270B2
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敏 櫻田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油性組成物を添加
した飼料及び該飼料の製造方法に関し、更に詳細には水
溶性ビタミン類が劣化及び分解せず、水中へ投与した場
合にも水溶性ビタミン類が水中に溶出することのない飼
料及び該飼料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】水溶性
ビタミン類は、人や動物には必須の化合物である。例え
ば、人におけるビタミンCの欠乏は懐血病の原因とな
り、また、動物においてもその欠乏は疾病の原因とな
る。そこで、飼料へ水溶性ビタミン類を添加することは
欠かせないことであり、実際に、水溶性ビタミン類を飼
料に添加することが行われている。このように、少量の
水溶性ビタミン類を飼料中へ均一に混合することが、従
来より種々の方法により行われている。例えば、水溶性
ビタミン類をデキストリン等の賦形剤で増量させて粉体
飼料に混合することにより、粉体飼料を製造する方法が
ある。この方法によれば、粉体飼料に水を添加して練っ
ているため、水溶性ビタミン類が水と接触し、水溶性ビ
タミン類が分解・消失してしまう。また、粉体飼料をエ
クストルーダー等の機械でペレット化する場合があり、
この場合飼料に100℃前後の高熱が加わるため、水溶
性ビタミン類が容易に分解・消失してしまう。また、水
溶性ビタミン類を水に溶解して飼料に混合する方法があ
る。しかし、この方法では、溶解する水量が少ない場合
には飼料に部分的に浸透するため全体に均一に混合する
ことができず、逆に水量が多い場合には飼料中の含水量
が増加してしまうため、安定した品質のものを得ること
が困難である。そして、この場合にも、水溶性ビタミン
を水に溶解させるため、水溶性ビタミン類が分解・消失
してしまう場合がある。
【0003】また、最近においては、少量の水溶性ビタ
ミン類を飼料に均一添加する場合、油中水型乳化油脂組
成物の形にして混合することも多く行われている。この
ような方法によれば、塩類や酸類からなる水溶性ビタミ
ン類を水相に含有させるため、このような油中水型乳化
油脂組成物は長期間安定な状態を維持することが困難で
あった。また、この場合でも、水溶性ビタミンが水に溶
解されているため、分解・消失してしまう場合がある。
また、水産動物用飼料においては、飼料を水中へ投入す
るため、飼料中の水溶性ビタミン類が水中に溶出してし
まうため、必要量よりも多量(約2〜5倍量)のビタミ
ン類を添加する必要があった。これを解決するために、
硬化油やワックスと乳化剤との混合物で水溶性ビタミン
類を被覆したものが開発されているが、水溶性ビタミン
類を完全に被覆するのは困難なため、水溶性ビタミン類
が水中へ溶出してしまう。また、このような水溶性ビタ
ミン類被覆物質は疎水性固体粉末であるため、ペレット
等の飼料へ添加吸着して使用することができなかった。
従って、本発明の目的は、水溶性ビタミン類が均一吸着
し、水溶性ビタミン類が劣化したり分解することがな
く、また、水中へ飼料を投入した場合にも水溶性ビタミ
ン類が溶出することのない飼料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、特定の油性組成物を飼料原料に添加した飼料
が上記目的を達成し得ることを知見した。本発明は、上
記知見に基づいてなされたもので、水溶性ビタミン類と
該水溶性ビタミン類100重量部に対して50〜400
0重量部のゼラチン及び/又はアラビアガムとを含有し
てなる固体相と、油性成分と乳化剤とを含有してなる油
相とからなり、上記固体相が平均粒子径5μm以下の微
粒子状態で油相中に分散しており、上記固体相の水分含
有量が30重量%以下であり、且つ全体の水分含有量が
20重量%以下である油性組成物を含有することを特徴
とする飼料を提供するものである。また、本発明は、水
溶性ビタミン、ゼラチン及び/又はアラビアガム並びに
水を含有する水相をゼラチン及び/又はアラビアガムの
溶解温度以上の温度に加温し、該水相と、油性成分及び
乳化剤を含有する液体状態の油相とを混合して最終的に
W/O型乳化物とし、次いで全体の水分含有量が20重
量%以下となるように脱水処理して油性組成物を得、次
いで、該油性組成物を飼料原料と混合することを特徴と
する飼料の製造方法を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、先ず、本発明の飼料につい
て詳述する。本発明の飼料は、特定の油性組成物を含有
するものである。上記特定の油性組成物とは、水溶性ビ
タミン類100重量部とゼラチン及び/又はアラビアガ
ム50〜4000重量部とを含有してなる固体相と、油
性成分と乳化剤とを含有してなる油相とからなり、上記
固体相が平均粒子径5μm以下の微粒子状態で油相中に
分散しており、且つ全体の水分含有量が20重量%以下
である油性組成物である。
【0006】先ず、本発明の飼料に添加される油性組成
物中の固体相について説明する。上記固体相は、水溶性
ビタミン類100重量部とゼラチン及び/又はアラビア
ガム50〜4000重量部、好ましくは80〜2000
重量部とを含有してなる。本発明において用いられる水
溶性ビタミン類としては、飼料分野において利用される
ものを何等制限なく用いることができ、水溶性ビタミン
類及びその塩や誘導体、コリン等であり、具体的には、
ビタミンB1 、ビタミンB2 、ビタミンB 6 、ビタミン
12、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリ
ウム、リン酸L−アスコルビルマグネシウム、L−アス
コルビン酸カルシウム、ナイアシン、パントテン酸、D
−パントテン酸カルシウム、DL−パントテン酸カルシ
ウム、ビオチン、葉酸、フォラシン、リポ酸、重酒石酸
コリン及び塩化コリン等が挙げられる。上記水溶性ビタ
ミン類は、単独で用いてもよく、又は2種類以上を組み
合わせて用いてもよい。また、油性組成物中の上記水溶
性ビタミン類の含有量は、油性組成物の固体相の全重量
に対して好ましくは0.1〜80重量%であり、更に好ま
しくは1〜70重量%である。
【0007】本発明において用いられるゼラチンとは、
動物の骨や皮に多く含まれているコラーゲンを抽出・精
製し、化学的及び酵素的に分解処理したポリペプチドの
ことをいい、食品、飼料、化粧品、医薬品、工業等の分
野で利用されているものを特に制限なく用いることがで
きる。また、漂白精製等を行った精製ゼラチンも用いる
ことができる。また、本発明において用いられるアラビ
アガムとしては、食品、飼料、化粧品、医薬品、工業等
の分野で一般に利用されているものである。本発明の油
性組成物の固体相中には、ゼラチン及びアラビアガムの
双方を含有させてもよいし、ゼラチンのみ、又はアラビ
アガムのみを含有させてもよい。上記固体相中のゼラチ
ン及び又はアラビアガムの含有量は、上記水溶性ビタミ
ン類100重量部に対して50〜4000重量部であ
り、好ましくは80〜2000重量部である。本発明の
飼料に添加される油性組成物の固体相は、上記水溶性ビ
タミン類と上記ゼラチン及び/又はアラビアガムを水に
含有させたものである。上記水としては、特に制限はな
く、精製水、蒸留水及び水道水等を用いることができ
る。
【0008】また、上記固体相には水溶性ビタミン類の
安定性を向上させるため、クエン酸、リン酸、縮合リン
酸及びそれらの塩類、及び植物性抽出物からなる群から
選択される化合物を配合することができる。上記化合物
の具体例としては、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリ
ウム、リン酸、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素
ナトリウム、メタリン酸及びメタリン酸ナトリウム等が
挙げられ、この他に、ローズマリー抽出物、茶抽出物、
こけもも抽出物及びぶどう酒抽出物等の植物性抽出物が
挙げられる。上記化合物は、単独で用いてもよく、又は
2種類以上を組み合わせて用いてもよい。上記化合物の
固体相へ配合する場合、その添加量は、水溶性ビタミン
100重量部に対して、好ましくは1〜300重量部で
あり、更に好ましくは10〜200重量部である。本発
明の油性組成物の固体相には、必要に応じて、HLBが
10を超える親水性界面活性剤を添加することができ
る。用いられる親水性界面活性剤のHLBは18以下で
あることが好ましい。HLBが10を超える親水性界面
活性剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル、リゾレシチン、サポニン、
糖脂質、蛋白質、蛋白分解物(ゼラチンを除く)、シリ
コーン系界面活性剤、アルキレンオキサイド付加界面活
性剤等が挙げられる。HLBが10を超える親水性界面
活性剤を添加する場合、その添加量は、油性組成物の全
重量に対して、好ましくは0.01〜3重量%である。
【0009】本発明の油性組成物の固体相には、必要に
応じて、ゼラチンの軟化剤として一般に用いられている
多価アルコールを添加することができる。多価アルコー
ルとしては種々のものを使用できるが、分子内に2個以
上、好ましくは2〜12個、さらに好ましくは2〜6個
の水酸基を有する水溶性の多価アルコールを用いるのが
好ましい。そのような多価アルコールとしては、例えば
グルコース、マルトース、マルチトール、ソルビタン、
ソルビトール、ショ糖、フルクトース、キシリトール、
イノシトール、エリスリトール、ペンタエリスリトー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、エチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、
トリグリセリン、ポリグリセリン(平均重合度:4〜1
0)還元澱粉糖化物、ブドウ糖果糖液糖及び果糖ブドウ
糖液糖等を挙げることができる。上記多価アルコール
は、単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて
用いてもよい。また、本発明の油性組成物の固体相に
は、必要に応じて、アラビアガム以外の増粘多糖類を添
加することもできる。該増粘多糖類としては、例えば、
キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、
カラギーナン、寒天、ペクチン、アルギン酸ナトリウ
ム、ジェランガム、カルボキシルメチルセルロース及び
メチルセルロース等が挙げられる。上記増粘多糖類は、
単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用い
てもよい。また、上記固体相には、公知の防腐剤、着色
料、香料又はpH調製剤等の添加剤を添加することがで
きる。上記多価アルコール、増粘多糖類又は添加剤を添
加する場合、その好ましい添加量は、油性組成物の固体
相の全重量に対して、多価アルコールの場合は0.1〜4
0重量%、増粘多糖類の場合は0.1〜5重量%である。
【0010】本発明の飼料に添加される油性組成物中の
固体相は、その水分含有量は30重量%以下であり、好
ましくは20重量%以下であり、更に好ましくは15重
量%以下である。上記固体相の水分含有量を30重量%
以下にする方法に特に制限はないが、例えば、減圧乾
燥、加熱乾燥、薄膜蒸留乾燥及び凍結乾燥等の方法によ
り実施することができる。本発明の飼料に添加される油
性組成物中の固体相は、平均粒子径5μm以下の微粒子
状態で、後述する油相中に分散している。固体相の平均
粒子径は、好ましくは3μm以下である。油相中に分散
する固体相を平均粒子径5μm以下の微粒子状態にする
方法に特に制限はないが、例えば、油相と水相とをゆっ
くり混合しながらホモミキサーを用いて約30分間混
合、乳化させるか、又は、高圧ホモジナイザー、マイク
ロフルイダイザー等の乳化機を用いて最終的にW/O型
乳化物を得、これをオイルポンプ等を用いて減圧脱水す
ることにより得られる。ここで、「最終的にW/O型乳
化物を得」とは、乳化段階でO/W型であっても、O/
W型及びW/O型の混合物であっても、最終的にW/O
型になれば良いという意味である。なお、本発明におい
て、固体相の平均粒子径とは、レーザー回折式粒度分布
測定装置(LA−500型、(株)堀場製作所製)を用
いて測定した値である。
【0011】次に、本発明の飼料に添加される油性組成
物中の油相について説明する。上記油相は、油性成分と
乳化剤とを含有してなる。上記乳化剤としては、食品、
飼料、化粧品、医薬品及び工業等の分野において用いら
れる公知の乳化剤を特に制限なく用いることができる。
本発明において用いられる乳化剤としては、HLBが1
0以下の界面活性剤を用いるのが好ましい。また、HL
Bが1以上の界面活性剤を用いるのが好ましい。HLB
値が10以下の界面活性剤としては、例えば、ソルビタ
ン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸
モノグリセライド、プロピレングリコール脂肪酸エステ
ル、ジグリセライド、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル、レシチン、シリコーン系界面活
性剤及びアルキレンオキサイド付加界面活性剤等が挙げ
られ、具体的にはソルビタンモノオレート、ソルビタン
ジステアレート、ポリオキシエチレン(6モル)ソルビ
タンモノステアレート、グリセリンモノステアレート、
グリセリンモノリノレート、クエン酸とグリセリンモノ
オレートのエステル化物、プロピレングリコールモノス
テアレート、グリセリンジオレート、グリセリンジリノ
レート、なたね油とグリセリンのエステル交換により得
られたジグリセライド、サフラワーとグリセリンのエス
テル交換により得られたジグリセライド、ジグリセリン
ジステアレート、ジグリセリントリステアレート、ヘキ
サグリセリントリオレート、ヘキサグリセリンペンタス
テアレート、テトラグリセリン縮合リシノレート、ポリ
グリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ショ糖トリな
いしペンタステアリン酸エステル、ポリオキシエチレン
(5モル)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(3モ
ル)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(6
モル)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(5モ
ル)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(15モル)硬
化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(20モル)ソルビト
ールテトラオレート、レシチン(日清製油(株)製、レ
シチンDX、ベイシスLP−20)及びジメチルシロキ
サン・メチル(ポリオキシエチレン5モル付加)シロキ
サン共重合体等が挙げられる。
【0012】また、本発明においては、HLB値が10
以下の界面活性剤にHLBが10以上の乳化剤を併用し
てもよく、そのような乳化剤としては、例えば、ショ糖
脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、リゾ
レシチン、サポニン、糖脂質、蛋白質、蛋白分解物(ゼ
ラチンを除く)、シリコーン系界面活性剤、アルキレン
オキサイド付加界面活性剤等がある。具体的には、ショ
糖ステアリン酸モノエステル、ヘキサグリセリンオレイ
ン酸モノエステル、デカグリセリンステアリン酸モノエ
ステル、酵素分解レシチン(日清製油(株)、ベイシス
LG−10K、ベイシスLP−20E)、キラヤサポニ
ン、大豆蛋白分解物、カゼインナトリウム、ジメチルシ
ロキサン・メチル(ポリオキシエチレン60モル付加)
シロキサン共重合体、ポリオキシエチレン(25モル)
硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレン(80モル)硬化
ヒマシ油等が挙げられる。本発明ではとりわけポリグリ
セリン縮合リシノル酸エステル単独、又はこれとポリグ
リセリン脂肪酸エステルあるいはグリセリンモノ脂肪酸
エステルやレシチンとの併用が望ましい。本発明におい
ては、上記乳化剤を単独で用いてもよく、又は2種以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0013】上記油性成分としては、食品、飼料、化粧
品、医薬品及び工業等の分野で利用される公知の油性成
分を特に制限なく用いることができる。該油性成分とし
ては、液体状態のものを用いるが、常温で液体状態のも
のでもよく、また、加温により溶解するものであれば、
特に制限なく用いることができる。該油性成分として
は、例えば、炭化水素類、エステル類、動植物性油脂
類、ワックス類、高級脂肪酸類、高級アルコール類、シ
リコーン系物質、ステロール類及び樹脂類等、又はこれ
らを酵素的処理(加水分解、エステル交換等)又は化学
的処理(エステル交換、水素添加等)したもの等を挙げ
られる。常温で液状又は流動性を示す油性成分として
は、例えば、大豆油、なたね油、コーン油、ごま油、綿
実油、サフラワー油、ひまわり油、落花生油、米胚芽
油、小麦胚芽油、ツバキ油、パーム油、オリーブ油、ホ
ホバ油、マカデミアンナッツ油、アボガド油、ヒマシ
油、アマニ油、シソ油、ユーカリ油、月見草油、タート
ル油、ミンク油、豚脂、牛脂、魚油、流動パラフィン、
イソパラフィン、ワセリン、スクワラン、スクワレン、
テレピン油、ミリスチン酸イソプロピルエステル、ミリ
スチン酸イソパルミチルエステル、ミリスチン酸2−オ
クチルドデシルエステル、2−エチルヘキサン酸セチル
エステル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリルエス
テル、トリ−カプリル酸グリセリルエステル、カプリル
酸及びカプリン酸の混合脂肪酸のトリグリセリド、ジ−
2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコールエステ
ル、リンゴ酸ジイソステアリルエステル、イソノナン酸
イソノニルエステル(3,5,5−トリメチルヘキシル
−3’,5’,5’−トリメチルヘキサノエート)、1
2−ヒドロキシステアリン酸コレステリルエステル、エ
メリー社製イソステアリン酸及び/又は高級脂肪酸とジ
ペンタエリスリトールとのモノエステルないしヘキサエ
ステル、パラメトキシケイ皮酸及び2−エチルヘキサン
酸のグリセリンエステル、パラメトキシケイ皮酸イソオ
クチルエステル、大豆硬化油、なたね硬化油、パーム硬
化油、魚硬化油、トリステアリン酸グリセリルエステ
ル、ロジン、コレステロール、フィトステロール(カン
ペステロール、スチグマステロール、シトステロール
等)、オレンジラフィー油、ラノリン、ミリスチン酸、
パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、エメ
リー社製イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、
リノレン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリ
ン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、エル
シン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサ
ヘキサエン酸、ミリスチルアルコール、セチルアルコー
ル、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコー
ル、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、パラフ
ィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、セレシ
ンワックス、ミツロウ、ワセリン、ハードファット、カ
ルナウバワックス、キャンデリラワックス、米ぬかワッ
クス、セラック、ジメチルポリシロキサン、メチルフェ
ニルポリシロキサン及び動植物由来の精油成分等が挙げ
られる。これら油性成分は、単独で用いてもよく、又は
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】本発明の飼料に添加される油性組成物の油
相中の上記乳化剤の含有量は、好ましくは0.5〜50重
量%であり、更に好ましくは1〜30重量%である。ま
た、上記油相には、公知の防腐剤、抗酸化剤、着色料又
は香料等の添加剤を添加することができる。該添加剤を
添加する場合、その添加量は、油性組成物の油相の全重
量に対して、好ましくは0.01〜5重量%である。本発
明においては、上記油相に油溶性ビタミン類及び/又は
β−カロチンを含有させることができる。上記油溶性ビ
タミン類としては、例えば、ミックストコフェロール、
dl−α−トコフェロール、ビタミンA、ビタミンD類
及びビタミンK類等が挙げられる。上記油溶性ビタミン
類は、単独で用いてもよく、または2種以上を組み合わ
せて用いてもよく、また、油溶性ビタミン類とβ−カロ
チンとを組み合わせて用いてもよい。上記油溶性ビタミ
ン類及び/又はβ−カロチンを上記油相に含有させる場
合、その含有量は、油相の全重量に対して、好ましくは
0.1〜99重量%であり、更に好ましくは1〜50重
量%である。本発明の飼料に添加される油性組成物は、
上記固体相を0.5〜80重量%、上記油相を99.5〜2
0重量%含有することが好ましく、上記固体相を5〜6
0重量%、上記油相を95〜40重量%含有することが
更に好ましい。
【0015】本発明の飼料に添加される油性組成物は、
その全体の水分含有量が20重量%以下、好ましくは1
0重量%以下、更に好ましくは5重量%以下、最も好ま
しくは3重量%以下である。上記油性組成物の全体の水
分含有量を20重量%以下にする方法に特に制限はない
が、例えば、減圧乾燥、加熱乾燥、薄膜蒸留乾燥及び凍
結乾燥等の方法により実施することができる。本発明の
飼料に含有される油性組成物の製造方法については後述
する。
【0016】本発明の飼料は、上述した油性組成物を含
有するものである。本発明の飼料の原料として用いられ
る飼料原料としては、従来公知のものを用いることがで
きる。上記飼料原料としては、例えば、穀類、豆類、イ
モ類、油粕類、ヌカ類、製造粕類、動物質飼料、ビタミ
ン、ミネラル、その他原材料から構成される組成物が挙
げられる。上記穀類、豆類及びイモ類としては、例え
ば、トウモロコシ、マイロ(グレーンソルガム)、小
麦、大麦、ライ麦、エン麦、小麦粉、玄米、アワ、大
豆、キナコ及びキャッサバ等が挙げられる。上記油粕類
としては、例えば、大豆油粕、脱皮大豆油粕、綿実油
粕、菜種油粕、ラッカセイ油粕、アマニ油粕、ゴマ油
粕、ヤシ油粕、ヒマワリ油粕、サフラワー油粕、パーム
核油粕及びカポック油粕等が挙げられる。上記ヌカ類と
しては、例えば、生米ヌカ、白酒ヌカ、脱脂米ヌカ、フ
スマ及び大麦混合ヌカ等が挙げられる。上記製造粕類と
しては、例えば、コーングルテンフィード、コーングル
テンミール、澱粉粕、糖蜜、しょうゆ粕、ビール粕、ビ
ートパルプ、バガス、豆腐粕、麦芽根及びみかんジュー
ス粕等が挙げられる。上記動物質飼料としては、例え
ば、魚粉、ホワイトフィッシュミール、フィッシュソリ
ュブル、フュッシュソリュブル吸着飼料、肉粉、肉骨
粉、血粉、フェザーミール、カニミール、エビミール、
蚕よう油粕、脱脂粉乳、乾燥ホエー及び動物性油脂等が
挙げられる。上記ミネラルとしては、例えば、食塩、塩
化カリウム、クエン酸鉄、水酸化アルミニウム、炭酸マ
グネシウム、乳酸カルシウム、硫酸マグネシウム、リン
酸二水素ナトリウム、クエン酸第二鉄、硫酸第一鉄、ヨ
ウ化カリウム及びヨウ素酸カリウム等が例示できる。上
記以外にも、大豆油、菜種油、コーン油、ゴマ油等の植
物性油脂、ビール酵母、トルラ酵母、アルファルファミ
ール、みかん皮、コーンコブミール、昆布、ワカメ、淡
水産及び海産クロレラ、セルロースパウダー及びカルボ
キシルセルロース等が使用可能である。なお、上記飼料
原料は、単独で用いてもよく、または2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0017】本発明の飼料において、上記油性組成物の
配合割合は、上記飼料原料100重量部に対して、好ま
しくは0.01〜20重量部であり、更に好ましくは
0.1〜10重量部であり、上記全水溶性ビタミン類の
濃度が全飼料中好ましくは0.001〜5重量%、更に
好ましくは0.005〜2重量%となるように上記油性
組成物を添加する。上記油性組成物を炭化水素、エステ
ル類、動植物油脂類、脂肪酸及びアルコール等で希釈後
添加してもよい。本発明の飼料の製造法に特に制限はな
いが、例えば、後述する方法によって製造することがで
きる。本発明の飼料は、畜産用及び水産用飼料の何れに
も用いることができるが、水中に投入した場合にも水溶
性ビタミンの溶出が少ないので、水産用飼料として特に
有用である。
【0018】次に、本発明の飼料の製造方法について詳
述する。本発明の飼料は、水溶性ビタミン、ゼラチン及
び/又はアラビアガム並びに水を含有する水相をゼラチ
ン及び/又はアラビアガムの溶解温度以上の温度に加温
し、該水相と、油性成分及び乳化剤を含有する液体状態
の油相とを混合して最終的にW/O型乳化物とし、次い
で全体の水分含有量が20重量%以下となるように脱水
処理し油性組成物を得、次いで、該油性組成物を飼料原
料と混合することからなる。まず、油性組成物の製造方
法について説明すると、該油性組成物は、水溶性ビタミ
ン類とゼラチン及び/又はアラビアガム並びに水、必要
に応じてクエン酸等の化合物や添加剤等を含有する水相
をゼラチン及び/又はアラビアガムの溶解温度以上の温
度に加温し、該水相と、油性成分及び乳化剤を含有する
液体状態の油相とを混合して最終的にW/O型乳化物と
し、次いで全体の水分含有量が5重量%以下となるよう
に脱水処理することにより製造することができる。上記
製造方法においては、先ず水溶性ビタミン類とゼラチン
及び/又はアラビアガムを水に混合して水相とする。該
水相中の水溶性ビタミン類の混合割合は、水相の全重量
に対して1〜30重量%であることが好ましく、また、
ゼラチン及び/又はアラビアガムの混合割合は、水相の
全重量に対して0.5〜60重量%であることが好まし
い。また、上記水溶性ビタミン類とゼラチン及び/又は
アラビアガムの配合割合は、上記水溶性ビタミン類10
0重量部に対して、ゼラチン及び又はアラビアガム50
〜4000重量部とすることが好ましく、水溶性ビタミ
ン類100重量部に対して、ゼラチン及び/又はアラビ
アガム80〜2000重量部とすることが更に好まし
い。また、上記水相には、クエン酸等の化合物や添加剤
等を添加してもよい。次いで、上記水相をゼラチン及び
/又はアラビアガムの溶解温度以上の温度、好ましくは
1〜90℃の温度に加温して、上記水相を溶融状態とす
る。
【0019】また、乳化剤及び油性成分を混合して油相
とする。該油相中の乳化剤の混合割合は、油相の全重量
に対して0.5〜50重量%であることが好ましく、1〜
30重量%であることが更に好ましい。また、上記油相
には、本発明の油性組成物の油相に含有させることがで
きる油溶性ビタミン類等を添加してもよい。次いで、上
記油相と上記水相とを混合して最終的にW/O型乳化物
とする。この場合、上記油相を、上記水相の加温温度以
上に加温することが好ましい。このように、油相を加温
することにより、常温で固体状態の油性成分を添加する
ことが可能となる。また、上記水相及び上記油相の混合
割合(上記水相の重量部/上記油相の重量部)は、好ま
しくは95/5〜1/99であり、更に好ましくは85
/15〜5/95である。上記水相と油相との混合物を
最終的にW/O型乳化物とする方法としては、従来公知
の方法を特に制限はなく用いることができ、例えば、上
記水相と油相との混合物を、プロペラ、ホモミキサー、
ホモディスパー、高圧ホモジナイザー又はマイクロフル
イダイザー等の乳化機を用いて乳化する方法が挙げられ
る。次いで、上記W/O型乳化物を、全体の水分含有量
が20重量%以下、好ましくは10重量%以下、更に好
ましくは5重量以下、最も好ましくは3重量%以下とな
るように脱水処理し、油性組成物とする。上記W/O型
乳化物の全体の水分含有量を20重量%以下とする方法
としては特に制限されないが、例えば、減圧乾燥、加熱
乾燥、薄膜蒸留乾燥及び凍結乾燥等の方法が挙げられ
る。また、上記脱水処理は、上記W/O型乳化物を加温
したままの状態で行ってもよく、上記W/O型乳化物を
室温まで冷却した後に行ってもよい。
【0020】次いで、上述のようにして得られた油性組
成物を飼料原料と混合する。用いる飼料原料、及び油性
組成物と飼料原料との配合割合等は、上述した通りであ
る。混合は、下記のように行う。上記飼料原料を粉砕機
で粉末化した後混合攪拌して飼料原料粉末を得る。次い
で、該飼料原料粉末に上述した油性組成物を添加し、更
に混合攪拌し、本発明の飼料を得る。また、上記飼料原
料粉末を加水条件でエクストルーダーやペレットミル等
の機械を用いて、ペレット状やクランブル状の形態に成
形することができ、このようなものに上記油性組成物を
添加混合することにより本発明の飼料を得ることができ
る。
【0021】
【実施例】本発明を、以下の参考例及び実施例を用いて
更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。下記実施例において、油性組成物の水分
含有量、固体相中の水分含有量及び固体相の平均粒子径
は、以下の方法により測定及び算出した値である。 〔油性組成物の水分含有量〕油性組成物約2g及び海砂
約20gを量り取り、均一に混合したものを105℃の
温度で2時間乾燥し、減少した重量より、水分含有量を
求めた。 〔固体相中の水分含有量〕油性組成物中の水分は、全て
固体相中に含まれているので、上記〔油性組成物の水分
含有量〕の項において求めた水分含有量から、下記計算
式により求めた。 固体相中の水分含有量(重量%)=油性組成物の水分含
有量/(固体相の重量+油性組成物の水分含有量)×1
00 〔固体相の平均粒子径〕油性組成物の固体相の平均粒子
径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(LA−500
型、(株)堀場製作所製)を用いて測定した。
【0022】参考例1 L−アスコルビン酸6g、ゼラチン(宮城化学工業
(株)製、ゼラチンAU)、10g及び水39gを混合
して60℃で溶解させたものを水相とし、大豆油40g
及びヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(理
研ビタミン(株)製、ポエムPR−300、HLB:
1.7)5gを混合して80℃で溶解させたものを油相
とした。該油相に前記水相をゆっくり添加しながらホモ
ミキサーを用いて60℃で、6000rpm 、20分間乳
化混合し、W/O型乳化物を得た。次いで該W/O型乳
化物をオイルポンプを用いて減圧脱水することにより、
L−アスコルビン酸含有油性組成物を得た。得られた油
性組成物の水分含有量は4.0重量%、固体相中の水分
含有量は13.7重量%、油相中に分散している固体微
粒子(以下、単に固体微粒子と略記する)の平均粒子径
は1.1μmであった。得られた油性組成物の保存安定
性について、下記方法に従って評価を行った。その結果
を表1に示す。
【0023】〔油性組成物の保存安定性〕得られた油性
組成物を、5℃及び40℃の恒温槽に入れ、1ヶ月、3
ヶ月及び6ヶ月保存した後の油性組成物の外観を肉眼で
観察した。また、油性組成物を室温に、1ヶ月、3ヶ月
及び6ヶ月保存した後の油性組成物の外観の肉眼による
観察も行った。また、低温での保存安定性についても下
記の方法により調べた。即ち、油性組成物を−30℃の
急速冷凍庫に24時間静置し、次いで−20℃の冷凍庫
に移し6ヶ月保存した後、油性組成物を25℃の温度に
昇温させ、その外観を肉眼で観察した。それぞれ、下記
評価基準に従って評価を行った。なお、製造直後の肉眼
観察についても表1に記載した。 ◎:油性組成物に異常が全く認められなかった ○:全体積の5%未満の油相分離が認められた △:全体積の5%以上の油相分離が認められた □:離水が認められた ×:沈殿物が認められた ▲:色が濃黄色に変化した ■:カビが発生した
【0024】参考例2 L−アスコルビン酸6g、クエン酸6g、ゼラチンA
U、12g及び水39gを混合して60℃で溶解させた
ものを水相とし、大豆油30g、酢酸dl−α−トコフ
ェロール(日清バーディシェ(株)製、ルタビットEア
セテート)2g、ヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸
エステル(阪本薬品工業(株)製、SYグリスターCR
−500、HLB:2)4g及びレシチン(日清製油
(株)、レシチンDX)1gを混合して80℃で溶解し
たものを油相とした。以下参考例1の方法と同様に操作
を行い、L−アスコルビン酸含有油性組成物を得た。得
られた油性組成物の水分含有量は0.2重量%、固体相
中の水分含有量は0.5重量%、固体微粒子の平均粒子
径は0.8μmであった。得られた油性組成物の保存安
定性について、参考例1と同様の評価を行った。評価結
果を表1に示す。 参考例3 L−アスコルビン酸6g、アラビアガム(三栄薬品貿易
(株)製、アラビックコールSS)15g、ソルビトー
ル液(東和化成工業(株)製、ソルビットL−70、水
分含有量30重量%)6g、酵素分解レシチン(日清製
油(株)製、ベイシスLG−10K)0.5g及び水3
2.5gを混合して60℃で溶解させたものを水相と
し、大豆油35g及びポリグリセリン脂肪酸エステル
(阪本薬品工業(株)製、SYグリスターPO−50
0、HLB:4)5gを混合して80℃で溶解したもの
を油相とした。該油相に上記水相をゆっくり添加しなが
らホモミキサーを用いて60℃で、6000rpm 、20
分間混合乳化し、更に高圧ホモジナイザーを用いて50
0kg/cm2 の圧力で乳化し、W/O型乳化物を得た。次
いで、該W/O型乳化物をオイルポンプを用いて減圧脱
水することにより、L−アスコルビン酸含有油性組成物
を得た。得られた油性組成物の水分含有量は12.5重
量、固体相中の水分含有量は26.8重量%、固体微粒
子の平均粒子径は1.6μmであった。得られた油性組
成物の保存安定性について、参考例1と同様の評価を行
った。評価結果を表1に示す。
【0025】参考例4 ビタミンB1 3g、ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、
ゼラチンAP−250)6g、グアーガム(三栄源エフ
・エフ・アイ(株)製、ビストップB−20)0.1g、
グリセリン5g及び水37.9gを混合溶解した後、ク
エン酸でpH3に調製したものを水相(60℃)とし、
大豆油25g、オレイン酸ジグリセライド18g及びグ
リセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン(株)製、エマ
ルジーMU、HLB:4.2)5gを混合して80℃で
溶解したものを油相とした。以下参考例1の方法と同様
に操作を行い、ビタミンB1 含有油性組成物を得た。得
られた油性組成物の水分含有量は7.2重量%、固体相
中の水分含有量は25.5重量%、固体微粒子の平均粒
子径は1.3μmであった。得られた油性組成物の保存
安定性について、参考例1と同様の評価を行った。評価
結果を表1に示す。 参考例5 ビタミンB1 2g、ビタミンB2 2g、クエン酸2g、
ゼラチンAP−250、4g、アラビックコールSS4
g、寒天(伊那食品工業(株)製、伊那寒天S−7)
0.1g及び水40.9gを混合して60℃で溶解させ
たものを水相とし、ルタビットEアセテート40g及び
SYグリスターCR−500、5gを混合して80℃で
溶解したものを油相とした。該油相に上記水相をゆっく
り添加しながらホモミキサーを用いて60℃で、600
0rpm 、20分間混合乳化し、更に高圧ホモジナイザー
を用いて200kg/cm2 の圧力で乳化し、W/O型乳化
物を得た。次いで、該W/O型乳化物をオイルポンプを
用いて減圧脱水することにより、ビタミンB1 及びビタ
ミンB2 含有油性組成物を得た。得られた油性組成物の
水分含有量は0.3重量%、固体相中の水分含有量は
1.2重量%、固体微粒子の平均粒子径は0.5μmで
あった。得られた油性組成物の保存安定性について、参
考例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0026】参考例6 L−アスコルビン酸13g、ローズマリー抽出物(東京
田辺製薬(株)製、RM−21C)0.5g、茶抽出物
(三共(株)製、サンフード粉末(30%))0.5
g、ゼラチンAU25g及び水31gを混合して60℃
で溶解させたものを水相とし、大豆油25g及びポエム
PR−300、5gを混合して60℃で溶解したものを
油相とした。該油相に上記水相をゆっくり添加しながら
ホモミキサーを用いて60℃で、6000rpm 、20分
間混合乳化し、W/O型乳化物を得た。次いで、該W/
O型乳化物をオイルポンプを用いて減圧脱水することに
より、L−アスコルビン酸含有油性組成物を得た。得ら
れた油性組成物の水分含有量は17.8重量%、固体相
中の水分含有量は27.7重量%、固体微粒子の平均粒
子径は0.8μmであった。得られた油性組成物の保存
安定性について、参考例1と同様の評価を行った。評価
結果を表1に示す。 参考例7 L−アスコルビン酸10g、クエン酸3g、ゼラチンA
U15g及び水38gを混合して60℃で溶解させたも
のを水相とし、大豆油30g及びポエムPR−300
3g及びレシチンDX1gを混合して60℃で溶解した
ものを油相とした。以下、参考例1と同様に操作を行
い、L−アスコルビン酸含有油性組成物を得た。得られ
た油性組成物の水分含有量は15.2重量%、固体相中
の水分含有量は28.4重量%、固体微粒子の平均粒子
径は1.0μmであった。得られた油性組成物の保存安
定性について、参考例1と同様の評価を行った。評価結
果を表1に示す。
【0027】比較参考例1 L−アスコルビン酸6g及び水49gを60℃で溶解さ
せたものを水相とし、大豆油40g及びSYグリスター
CR−500、5gを混合して80℃で溶解させたもの
を油相とした。該油相に上記水相をゆっくり添加しなが
らホモミキサーを用いて60℃で、6000rpm 、20
分間混合乳化しW/O型乳化物を得た。次いで、該W/
O型乳化物をオイルポンプを用いて減圧脱水し、乳化剤
が溶解した油性組成物を得た。脱水の途中に、L−アス
コルビン酸の結晶の沈殿を生じた。得られた油性組成物
の水分含有量は0.5重量%、固体相中の水分含有量は
4.1重量%であった。また、凝集したため、粒子径は
測定不能であり、調製して1日後には、ほとんどの固体
が沈殿し、油相部が透明になった。 比較参考例2 L−アスコルビン酸6g、ゼラチンAU、2g及び水4
7gを混合して60℃で溶解させたものを水相とし、大
豆油40g及びポエムPR−300、5gを混合して8
0℃で溶解させたものを油相とした。該油相に上記水相
をゆっくり添加しながらホモミキサーを用いて60℃
で、6000rpm 、20分間混合乳化しW/O型乳化物
を得た。次いで、該W/O型乳化物をオイルポンプを用
いて減圧脱水し、油性組成物を得た。得られた油性組成
物の油相中には、L−アスコルビン酸の結晶とゼラチン
の沈殿物が生じていた。得られた油性組成物の水分含有
量は3.1重量%、固体相中の水分含有量は17.5重
量%であった。また、凝集したため、粒子径は測定不能
であり、調製して1日後には、ほとんどの固体が沈殿
し、油相部が透明になった。
【0028】比較参考例3 L−アスコルビン酸6g、カゼインナトリウム3g及び
水46gを混合して60℃で溶解させたものを水相と
し、大豆油40g及びポエム−PR−300、5gを混
合して80℃で溶解させたものを油相とした。該油相に
上記水相をゆっくり添加しながらホモミキサーを用いて
60℃で、6000rpm 、20分間混合乳化しW/O型
乳化物を得た。次いで、該W/O型乳化物をオイルポン
プを用いて減圧脱水し、乳化剤が溶解した油性組成物を
得た。得られた油性組成物の油相中には、L−アスコル
ビン酸の結晶とカゼインナトリウムの沈殿物が生じてい
た。得られた油性組成物の水分含有量は3.7重量%、
固体相中の水分含有量は18.7重量%であった。ま
た、凝集したため、粒子径は測定不能であり、調製して
1日後には、ほとんどの固体が沈殿し、油相部が透明に
なった。 比較参考例4 L−アスコルビン酸6g、キサンタンガム(三栄源エフ
・エフ・アイ(株)製、サンエース)0.5g及び水4
8.5gを混合して60℃で溶解させたものを水相と
し、大豆油40g及びポエム−PR−300、5gを混
合して80℃で溶解させたものを油相とした。該油相に
前記水相をゆっくり添加しながらホモミキサーを用いて
60℃で、6000rpm 、20分間混合乳化しW/O型
乳化物を得た。次いで、該W/O型乳化物をオイルポン
プを用いて減圧脱水し、乳化剤が溶解した油性組成物を
得た。得られた油性組成物の油相中には、L−アスコル
ビン酸の結晶とキサンタンガムの沈殿物が生じていた。
得られた油性組成物の水分含有量は0.8重量、固体相
中の水分含有量は6.0重量%であった。また、凝集し
たため、粒子径は測定不能であり、調製して1日後に
は、ほとんどの固体が沈殿し、油相部が透明になった。
【0029】比較参考例5 L−アスコルビン酸6g及び水49gを混合して60℃
で溶解させたものを水相とし、大豆油40g及びポエム
−PR−300、5gを混合して80℃で溶解させたも
のを油相とした。該油相に前記水相をゆっくり添加しな
がらホモミキサーを用いて6000rpm で20分間、6
0℃で混合乳化することにより、L−アスコルビン酸含
有W/O型乳化物を得た。得られた乳化物の水分含有量
は49.0重量%で、乳化粒子の平均粒子径は1.5μm
であった。得られた油性組成物の保存安定性について、
参考例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示
す。 比較参考例6 L−アスコルビン酸6g及び水49gを混合して60℃
で溶解させたものを水相とし、大豆油40g及びポエム
−PR−300、5gを混合して80℃で溶解させたも
のを油相とした。該油相に前記水相をゆっくり添加しな
がらホモミキサーを用いて6000rpm で20分間、6
0℃で混合乳化し、更に高圧ホモジナイザーを用いて5
00kg/cm2 の圧力で乳化し、W/O型乳化物を得た。
乳化物の水分含有量は48.9重量%で、乳化粒子の平
均粒子径は1.0μmであった。得られた油性組成物の保
存安定性について、参考例1と同様の評価を行った。評
価結果を表2に示す。
【0030】比較参考例7 参考例6と同様に操作を行い、W/O型乳化物を得た。
次いで、該W/O型乳化物をオイルポンプを用いて参考
例6よりも短い時間減圧脱水することにより、参考例6
よりも水分含有量の多い油性組成物を得た。得られた油
性組成物の水分含有量は21.8重量%、固体相中の水
分含有量は33.0重量%、固体微粒子の平均粒子径は
1.1μmであった。得られた油性組成物の保存安定性
について、参考例1と同様の評価を行った。評価結果を
表2に示す。 比較参考例8 参考例7と同様に操作を行い、W/O型乳化物を得た。
次いで、該W/O型乳化物をオイルポンプを用いて参考
例7よりも短い時間減圧脱水することにより、参考例7
よりも水分含有量の多い油性組成物を得た。得られた油
性組成物の水分含有量は18.6重量%、固体相中の水
分含有量は33.6重量%、固体微粒子の平均粒子径は
1.6μmであった。得られた油性組成物の保存安定性
について、参考例1と同様の評価を行った。評価結果を
表2に示す。
【0031】比較参考例9〜13 参考例1〜5において、脱水処理を行なう前のW/O型
乳化物を、それぞれ比較参考例9〜13とした。それぞ
れのW/O型乳化物の水分含有量は、39.1、39.
0、34.3、38.0及び40.9重量%であり、乳
化粒子の平均粒子径は、それぞれ1.8、1.4、2.
3、2.0及び1.0μmであった。上記W/O型乳化
物の保存安定性について、参考例1と同様の評価を行っ
た。評価結果を表3に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】 比 較 参 考 例 5 6 7 8 調製直後 ◎ ◎ ◎ ◎ 5℃1ヶ月 ○□ ○□ ○□ ○□ 3ヶ月 ○□▲ ○□▲ ○□ ○□ 6ヶ月 ○□▲ ○□▲ ○□ ○□ 室温1ヶ月 ○□▲ ○□▲ ○□ ○□ 3ヶ月 ○□▲■ ○□▲■ ○□ ○□ 6ヶ月 ○□▲■ ○□▲■ ○□ ○□ 40℃1ヶ月 △□▲■ △□▲■ ○□ △□ 3ヶ月 △□▲■ △□▲■ ○□ △□ 6ヶ月 △□▲■ △□▲■ ○□▲ △□▲ 冷凍6ヶ月 △□▲■ △□▲■ △□ △□
【0034】
【表3】 比 較 参 考 例 9 10 11 12 13 調製直後 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 5℃1ヶ月 ○□ ○□ ○□ ○□ ○□ 3ヶ月 ○□ ○□ ○□ ○□ ○□ 6ヶ月 ○□▲ ○□▲ ○□▲ ○□▲ ○□▲ 室温1ヶ月 ○□▲ ○□▲ ○□▲ ○□▲ ○□▲ 3ヶ月 △□▲■ △□▲■ △□▲■ △□▲■ △□▲■ 6ヶ月 △□▲■ △□▲■ △□▲■ △□▲■ △□▲■ 40℃1ヶ月 △□▲■ △□▲■ △□▲■ △□▲■ △□▲■ 3ヶ月 △□▲■ △□▲■ △□▲■ △□▲■ △□▲■ 6ヶ月 △□▲■ △□▲■ △□▲■ △□▲■ △□▲■ 冷凍6ヶ月 △□ △□ △□ △□ △□
【0035】実施例1 頭を除去した生鰯をミキサーで粉砕した後、参考例1で
得られたL−アスコルビン酸含有油性組成物を、L−ア
スコルビン酸濃度が0.05重量%となるように添加・
混合し、本発明の飼料(生餌)を得た。得られた飼料の
ビタミン残存率について、後述する方法に従って評価を
行った。評価結果を表4に示す。 実施例2 頭を除去した生鰯をミキサーで粉砕した後、参考例4で
得られたビタミンB1含有油性組成物を、ビタミンB1
濃度が0.005重量%となるよう添加・混合すること
により、本発明の飼料(生餌)を得た。得られた飼料の
ビタミン残存率について、後述する方法に従って評価を
行った。評価結果を表4に示す。 〔ビタミン残存率の測定〕飼料を25℃の温度で12時
間及び24時間保存した後、飼料からビタミンを抽出処
理してビタミンの定量を行った。L−アスコルビン酸の
定量はヒドラジン比色法により、ビタミンB1 の定量は
高速液体クロマトグラフィーにより行った。
【0036】実施例3 小麦粉50重量%、魚粉40重量%、魚油3重量%及び
水7重量%の割合で混合した飼料原料を、エクストルー
ダーで押し出し成形することによりペレット飼料を調製
した。なお、エクストルーダー加熱温度は85℃で行っ
た。調製したペレット飼料に、参考例1で得られたL−
アスコルビン酸含有油性組成物を、L−アスコルビン酸
濃度が0.05重量%となるようペレットに添加・混合
することにより、本発明のペレット飼料を得た。得られ
た飼料のビタミン残存率及びビタミン溶出率について、
下記方法に従って評価を行った。評価結果を表5及び表
6に示す。
【0037】〔ビタミン残存率の測定〕飼料を25℃の
温度で1ヶ月及び3ヶ月保存した後、飼料からビタミン
を抽出処理してビタミンの定量を行った。L−アスコル
ビン酸の定量はヒドラジン比色法により、ビタミンB1
の定量は高速液体クロマトグラフィーにより行った。 〔ビタミン溶出試験〕500mlのビーカーに30℃の
温度の水を300ml入れ、L−アスコルビン酸又はビ
タミンB1 の濃度が20mg/100mlとなるように
飼料をビーカーに入れた。次いで、ビーカー中の溶液を
プロペラ攪拌(500rpm)し、5分、10分、30
分及び1時間後にビーカー中の溶液をサンプリングし、
ろ過した後、ろ液中のビタミン量を測定した。なお、L
−アスコルビン酸の定量は、ろ液についてヒドラジン比
色法を用いて行い、ビタミンB1 の定量は、ろ液につい
て高速液体クロマトグラフィー法により行った。
【0038】実施例4 参考例1で得られた油性組成物に代えて、参考例4で得
られたビタミンB1 含有油性組成物をビタミンB1 含量
が0.005重量%となるように用いた以外は、実施例
3と同様に操作を行い、本発明のペレット飼料を得た。
得られた飼料のビタミン残存率及びビタミン溶出率につ
いて、実施例3と同様の評価を行った。評価結果を表5
及び表6に示す。 実施例5 参考例1で得られた油性組成物に代えて、参考例6で得
られたL−アスコルビン酸含有油性組成物をL−アスコ
ルビン酸濃度が0.05重量%となるように用いた以外
は、実施例3と同様に操作を行い、本発明のペレット飼
料を得た。得られた飼料のビタミン残存率及びビタミン
溶出率について、実施例3と同様の評価を行った。評価
結果を表5及び表6に示す。
【0039】比較例1 頭を除去した生鰯をミキサーで粉砕した後、L−アスコ
ルビン酸粉末を、L−アスコルビン酸濃度が0.05重
量%となるように添加・混合し、飼料(生餌)を得た。
得られた飼料のビタミン残存率について、実施例1と同
様の評価を行った。評価結果を表4に示す。 比較例2 頭を除去した生鰯をミキサーで粉砕した後、ビタミンB
1 粉末を、ビタミンB 1 濃度が0.005重量%となる
ように添加・混合し、飼料(生餌)を得た。得られた飼
料のビタミン残存率について、実施例1と同様の評価を
行った。評価結果を表4に示す。 比較例3 小麦粉50重量%、魚粉40重量%、魚油3重量%、水
7重量%及びL−アスコルビン酸0.05重量%の割合
で混合した飼料原料を、エクストルーダーで押し出し成
形することによりペレット飼料を調製した。なお、エク
ストルーダー加熱温度は85℃で行った。得られた飼料
のビタミン残存率について、実施例3と同様の評価を行
った。評価結果を表5に示す。
【0040】比較例4 参考例1で得られた油性組成物に代えて、L−アスコル
ビン酸粉末を、L−アスコルビン酸濃度が0.05重量
%となるように用いた以外は実施例3と同様に操作を行
い、ペレット飼料を得た。L−アスコルビン酸はドライ
ペレットに吸着せず飼料の下部に集積した。 比較例5 参考例1で得られた油性組成物に代えて、10重量%濃
度のL−アスコルビン酸水溶液を、L−アスコルビン酸
濃度が0.05重量%となるように用いた以外は実施例
3と同様に操作を行い、ペレット飼料を得た。得られた
飼料のビタミン残存率及びビタミン溶出率について、実
施例3と同様の評価を行った。評価結果を、それぞれ表
5及び表6に示す。 比較例6 参考例1で得られた油性組成物に代えて、10重量%濃
度のビタミンB1 水溶液を、ビタミンB1 濃度が0.0
05重量%となるように用いた以外は実施例3と同様に
操作を行い、ペレット飼料を得た。得られた飼料のビタ
ミン残存率及びビタミン溶出率について、実施例3と同
様の評価を行った。評価結果を、それぞれ表5及び表6
に示す。
【0041】比較例7 参考例1で得られた油性組成物に代えて、比較参考例7
で得られたL−アスコルビン酸含有油性組成物を用いた
以外は、実施例3と同様に操作を行い、ペレット飼料を
得た。得られた飼料のビタミン残存率及びビタミン溶出
率について、実施例3と同様の評価を行った。評価結果
を、それぞれ表5及び表6に示す。 比較例8 参考例1で得られた油性組成物に代えて、比較参考例8
で得られたL−アスコルビン酸含有油性組成物を用いた
以外は、実施例3と同様に操作を行い、ペレット飼料を
得た。得られた飼料のビタミン残存率及びビタミン溶出
率について、実施例3と同様の評価を行った。評価結果
を、それぞれ表5及び表6に示す。
【0042】
【表4】 ビタミンの残存率(%) ビタミンの種類 製造直後 12時間後 24時間 実施例1 L−アスコルビン酸 100 98 95 実施例2 ビタミンB1 100 98 94 比較例1 L−アスコルビン酸 98 52 21 比較例2 アスコルビン酸 97 48 13
【0043】
【表5】 ビタミンの残存率(%) ビタミンの種類 製造直後 1ヶ月後 3ヶ月後 実施例3 L−アスコルビン酸 100 98 97 実施例4 ビタミンB1 100 96 92 実施例5 L−アスコルビン酸 100 94 91 比較例3 L−アスコルビン酸 19 0 0 比較例5 L−アスコルビン酸 98 65 39 比較例6 ビタミンB1 97 62 36 比較例7 L−アスコルビン酸 95 76 51 比較例8 L−アスコルビン酸 93 73 54
【0044】
【表6】 ビタミンの種類 ビタミンの溶出(%) 5分 10分 30分 1時間 実施例3 L−アスコルビン酸 0 0 0 1 実施例4 ビタミンB1 0 0 0 1 実施例5 L−アスコルビン酸 0 0 0 2 比較例5 L−アスコルビン酸 41 53 88 93 比較例6 ビタミンB1 38 48 84 91 比較例7 L−アスコルビン酸 4 9 19 33 比較例8 L−アスコルビン酸 6 11 21 30
【0045】〔給餌試験〕市販のドライペレット(富士
製粉(株)製、浜一番1P)に、参考例1で得られた油
性組成物を、L−アスコルビン酸濃度が0.1重量%と
なるよう添加・混合して本発明の飼料を得た。該飼料
を、ブリの稚魚に、3ヶ月間毎日給餌した。同一条件で
アスコルビン酸粉末を水に溶解して同量添加したドライ
ペレット(対照群)をブリの稚魚に給餌し、それぞれの
生存率及び奇形魚発生率を比較した。その結果、3ヶ月
間の両群の生存率は、対照飼料を与えたものは76%で
あったが、本発明飼料添加群では92%であった。ま
た、奇形魚発生率は対照群が11%であり、本発明品添
加群は4%であった。飼育後、対照飼料添加群及び本発
明飼料添加群の双方のブリ10匹ずつから、血清及び肝
臓を採取し、血清中及び肝臓中のL−アスコルビン酸濃
度を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。血清
中のL−アスコルビン酸濃度は、対照飼料添加群では
0.8mg/100mlであり、本発明飼料添加群では
1.7mg/100mlであった。また、肝臓中のL−
アスコルビン酸濃度は、対照飼料添加群では5.0mg
/100g湿肝臓であり、本発明飼料添加群では8.5
mg/100g湿肝臓であった。
【0046】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明は、水溶性
ビタミン類とゼラチン及び/又はアラビアガムとを含有
してなる固体相と、油性成分と乳化剤とを含有してなる
油相とからなり、上記固体相が平均粒子径5μm以下の
微粒子状態で油相中に分散しており、上記固体相の水分
含有量が30重量%以下であり、且つ全体の水分含有量
が20重量%以下である油性組成物を含有した飼料であ
り、水溶性ビタミン類が均一吸着し、水溶性ビタミン類
が劣化したり分解することがなく、また、水中へ飼料を
投入した場合にも水溶性ビタミン類が溶出することのな
いものである。また、本発明の飼料の製造方法によれ
ば、水溶性ビタミン類が均一吸着し、水溶性ビタミン類
が劣化したり分解することがなく、水中へ飼料を投入し
た場合にも水溶性ビタミン類が溶出することのない飼料
を得ることができる。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性ビタミン類と該水溶性ビタミン類
    100重量部に対して50〜4000重量部のゼラチン
    及び/又はアラビアガムとを含有してなる固体相と、油
    性成分と乳化剤とを含有してなる油相とからなり、上記
    固体相が平均粒子径5μm以下の微粒子状態で油相中に
    分散しており、上記固体相の水分含有量が30重量%以
    下であり、且つ全体の水分含有量が20重量%以下であ
    る油性組成物を含有することを特徴とする飼料。
  2. 【請求項2】 上記固体相が、クエン酸、リン酸、縮合
    リン酸及びそれらの塩類、及び植物性抽出物からなる群
    から選択される化合物を含有する、請求項1記載の飼
    料。
  3. 【請求項3】 上記乳化剤が、HLB値が10以下の界
    面活性剤である、請求項1又は2に記載の飼料。
  4. 【請求項4】 上記油相が、油溶性ビタミン類及び/又
    はβ−カロチンを含有する請求項1〜3の何れか1項に
    記載の飼料。
  5. 【請求項5】 上記油性組成物が、上記固体相を0.5〜
    70重量%含有し、上記油相を99.5〜30重量%含有
    する、請求項1〜4の何れか1項に記載の飼料。
  6. 【請求項6】 水溶性ビタミン、ゼラチン及び/又はア
    ラビアガム並びに水を含有する水相をゼラチン及び/又
    はアラビアガムの溶解温度以上の温度に加温し、該水相
    と、油性成分及び乳化剤を含有する液体状態の油相とを
    混合して最終的にW/O型乳化物とし、次いで全体の水
    分含有量が20重量%以下となるように脱水処理して油
    性組成物を得、次いで、該油性組成物を飼料原料と混合
    することを特徴とする飼料の製造方法。
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