JP3196636B2 - 建造物の床暖房システム、およびそれ用の床構造パネル - Google Patents

建造物の床暖房システム、およびそれ用の床構造パネル

Info

Publication number
JP3196636B2
JP3196636B2 JP08881996A JP8881996A JP3196636B2 JP 3196636 B2 JP3196636 B2 JP 3196636B2 JP 08881996 A JP08881996 A JP 08881996A JP 8881996 A JP8881996 A JP 8881996A JP 3196636 B2 JP3196636 B2 JP 3196636B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
floor
heater
space
warm air
room
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08881996A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09250768A (ja
Inventor
司 久 一 庄
Original Assignee
有限会社庄司興業
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 有限会社庄司興業 filed Critical 有限会社庄司興業
Priority to JP08881996A priority Critical patent/JP3196636B2/ja
Publication of JPH09250768A publication Critical patent/JPH09250768A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3196636B2 publication Critical patent/JP3196636B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Floor Finish (AREA)
  • Central Air Conditioning (AREA)
  • Central Heating Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】この発明は、建造物の室内を経済的に暖
める建造物の床暖房システム、およびそれに使用する床
構造パネルに関するものであり、特に、熱源として、フ
ァンヒータータイプのような安価で安全な家庭用暖房機
を採用し、特に、我が国の標準的な建築様式である木造
住宅に最適な暖房形式となり得る新規な床暖房システム
と、その床暖房システムを実現するために採用して有利
であり、且つ工場生産可能な床構造パネルとを提供しよ
うとするものである。
【0002】
【従来の技術】現在、建築される多くの住宅は、壁面内
の縦方向の空洞部をはじめ、床面下あるいは天井面上
等、室内を囲む構造部あるいは仕上げ部にグラスウール
やロックウール、ウレタンフォーム等の断熱材を入れ、
室内廻りの断熱効果を高めるようにした構造に建築する
のが極めて一般化しているが、断熱材の充填あるいは添
設具合によっては、隙間を冷風が通過して、室内の熱を
奪い、充分な断熱性を確保することができず、最近で
は、それらの欠点を補う目的から、高機密・高断熱構造
の住宅が脚光を浴びてきている。
【0003】こうして、住宅の構造自体は、従前までの
ものに比較して遥かに断熱機能に秀れたものとなってき
ていて、住宅内で必要とするエアコンデショニングは、
中央制御方式にしろ、各室個別方式にしろ、必要とする
計算値上の熱カロリーは、確かに総量で大幅に節約可能
となってきており、かなり経済的に維持・管理すること
が可能になってはいる。しかし、特に、東北地方やその
他の地域の山間部のような地域における暖房効果を、そ
れら改善された住宅内に住まいする人の体感温度で判断
してみると、必ずしも満足できる暖房効果が得られてい
るとはいえず、多くの場合、複数の暖房器具、例えば、
セントラルヒーティングや石油暖房機といった室内全体
用の暖房システムあるいは器具に、ホットカーペットや
炬燵を局所暖房器具として併用しているのが実情で、結
果的に要する暖房費は、従前までのそれと大差がないも
のとなってしまっている。
【0004】これら計算値上の効果と体感上の効果との
ズレは、室内における熱エネルギーの大部分が、人の生
活・行動に深く係わっている床面から1.5メートル程
度までの範囲内に止まっておらず、熱の対流現象によっ
て、それよりも上の層、即ち天井側に滞ってしまう結
果、住まう人にとって、計算値上で与えられた熱エネル
ギーだけでは、到底快適な生活を送るために必要な暖房
効果が体感できなくなってしまっているということに起
因しているものと思われる。
【0005】そこで、こうした現象を回避するために、
エアサイクル住宅と称される新しいシステムによる住宅
の提案もなされ、室内に澱む暖気や冷気が、強制的に住
宅内全体に循環し、住宅内が全層に渡って極力均質化さ
れたエアコンディションとなるようにしたものが既に開
発、実用化されているが、このシステムによる住宅で
は、その構造が複雑で建築費がかさんしまうことと、各
室のプライバシイの確保が難しいといった難点が伴うた
めか、それ程の普及を見るまでには至らず終いで、それ
らよりも構造、施工上で簡便な床暖房、即ち、床構造内
に各種フロアヒィーティングを予め組み込んでしまうよ
うにした住宅が、ここにきて再注目され始めている。
【0006】この床暖房は、韓国等のオンドルや中国の
カン等で広く知られた、言わば伝統的な暖房形式の一つ
であって、我が国においても、熱源をスチームや温水に
頼るようにした床構造のものから、熱線を埋め込んだヒ
ートパネルを敷き込んでいくもの等が、かなり旧い時代
から周知され、且つまた、多くの実施例も見出だすこと
ができ、それらは、如何に経済的で信頼性の高いものを
実現するかという点で改良に改良を積み重ねてきた歴史
を有している。
【0007】しかし、これまでに試みられてきたものの
多くは、熱源をスチームや温水、熱線等といった熱供給
手段に特別な機構、構造を要するものに限った開発、研
究となってしまっていたことから、どうしてもその設備
費や施工費をある限度以下に下げることが難しいという
構造・機構上に由縁した経済的な制約を受け、しかも、
暖房システムとしての維持・管理費についても割高に付
いてしまうという課題を抱えてきた結果、我が国のよう
な木造建築様式による住宅(仮令それが高機密・高断熱
住宅に進歩してきているとしても)の暖房システムとし
て、常に暖気が足元から体感できる床暖房システムが最
適であるということが解ってはいても、現実的には、な
かなか普及が進まず、現状では、先にも見たとおり、フ
ロアカーペットのような、言わば局所的な床暖房を、他
の暖房手段に組み合わせて済ませているというのが実情
である。
【0008】本願発明者は、以上のような実情が放置で
きず、木造住宅建築に携わる者の一人として、床暖房シ
ステムに拘り続け、建築構造への取り込みが容易で、し
かも、維持・管理費に多くを費やすことのない実用的な
床暖房システムの実現化を目指し、様々な試行錯誤を長
年に渡って繰り返してきたところ、家庭用暖房機として
定着している石油ストーブが、現在では、往年のグラス
ウール芯タイプのものから、石油ファンヒータータイプ
の石油ストーブに代表される灯油帰化方式タイプに移行
して、安全性と熱効率とが格段に改善されたことに着目
し、このファンヒータータイプの石油ストーブを熱源と
した建造物の暖房システムの研究開発に着手し、既に、
本願発明者の手による特公平3−41733号発明(但
し、この発明では、必ずしもファンヒータータイプの石
油ストーブに熱源を限ってはいない。)のような、特別
に設けた加熱室内に、石油ストーブを含む各種熱源から
の暖気をまとめ、それを強制的に床下や壁体空間、軒
下、路面下、生ゴミ乾燥室まで、パイピングによって供
給する熱エネルギー供給システム等の開発、実用化に成
功した。
【0009】この発明は、既に開発済みの上記熱供給シ
ステムが、特別な加熱室を要していて建築構造上である
程度の制約を受けると共に、パイピィング等の面からも
施工上に特別な配慮を有することになっていたことと、
何よりも経済性の面で、より安価な建造物の熱供給シス
テムの実現化が必要とされていること、および、特に木
造住宅(マンションのような、躯体構造はコンクリート
構造であっても、内部構造を木造としている建造物も含
め)の暖房形式として床暖房システムが最適であること
等の理由から、それらの課題に対応すべく、更なる改
良、開発を継続してきた結果、遂に以下において詳述す
るとおりの画期的な床暖房システムと、それに用いられ
る床構造パネルの実現化に成功したものであり、以下
で、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その
構成を詳述することとする。
【0010】
【発明の構成】図面に示すこの発明を代表する実施例か
らも明確に理解されるように、この発明に包含される建
造物の暖房システムは、基本的に次のような構成から成
り立っている。即ち、建造物の主たる床面と、それより
も低くした下床面部とによって主たる床面下に暖気空間
を形成すると共に、居間、その他適宜居室の室内空間に
面した壁体の一部に埋め込み状であって、据付床部が同
室内の主たる床面よりも低くなるよう規制して暖房機設
置空間部を形成する一方、該暖房機設置空間部の据付床
部と同室内床面との段差を利用して、暖房機の熱風口ガ
ラリ直前に着脱自在に装着したダクトを、暖気空間部内
に自由に通して据付床部から離れた居室あるいは同近傍
の主たる床面下適所にまで配管し、暖房機設置空間部に
据え付けたファンヒータータイプの暖房機からの熱風
を、一部は暖房機設置空間部に面した室内空間に直接、
その他は、暖房機の熱風口ガラリ直前に着脱自在に装着
したダクトを通じ、暖房機の面した室内床下の暖気空間
部と共に、暖房機の面していない室内床下の暖気空間部
にも供給するようにし、1台のファンヒータータイプの
暖房機からの熱風で、暖房機の面している室内を直接且
つ主たる床面を通して間接に暖気すると共に、暖房機の
面していない室内は主たる床面を通して間接に暖気する
ようにした構成を要旨とする建造物の床暖房システムで
ある。
【0011】対象とする建造物は、特に構造形式を特定
するものではないが、主として、我が国伝統の一般木造
住宅を対象とし、建造物の室内で床を形成する、主たる
床面の下に暖気空間部、例えば、現場で、主たる床面の
下方所定位置に、別途下床面部を形成して両者間に暖気
空間部を実現するようにしたり、後述する実施例のよう
に、工場等において予め暖気空間部を形成した下地床構
造面部と断熱構造の下床面部とを上下に所定間隙を保持
して一体化した構造からなる床構造パネルを搬入、組み
立てて暖気空間部が形成される。
【0012】暖気空間部は、ファンヒーター方式の石油
暖房機からの熱風が効率的且つ満遍なく行き届くよう、
極力暖気の流れを配慮した構造、例えば、熱風の流れを
妨げる構造部材や補助部材を極力少なく設置したり、部
材断面やその配置具合を考慮した上で形成されるように
すべきであり、暖房機からの熱風風量に応じた最適な空
間、例えば上下間隔が、略90mmから150mm程度
の間隙からなる空間が確保されるようににしたものとす
ると好都合のものとなる。
【0013】また、ファンヒータータイプの暖房機は、
極一般的に市販されている家庭用の石油ファンヒーター
に代表されるような、気化燃焼方式で熱気が強制的にフ
ァンで送り出されるようにした、安全性が高く、しかも
燃焼効率の良い一般家庭用の石油ストーブが対象とな
り、このタイプの暖房機の場合、熱風口直前に可燃物を
置くことを禁止すると共に、暖房機天板上に1m以上の
空間が確保されるか、不燃性構造物とする意外、特にそ
の使用に関する規制はなく、したがって、この発明で採
用する暖房機もその指定された使用となるよう、当然配
慮した使用となることは言うまでもない。
【0014】暖房機設置空間部は、暖房機熱風口から
の、上記した暖気空間部への暖気の誘導に便利な位置に
設置されればよく、必ずしも特別な空間部を形成せず、
例えば、室内の床面と同一の床面を据付床部とし、単に
見栄えを良くするため、あるいは収まりが良くなるよう
に、室内に面した壁の一部を刳り貫き、埋め込み状とな
るように形成した極一般的な暖房設置空間部をそのまま
採用しても何等差し支えはなく、その場合には、暖房機
熱風口が主たる床面の上に位置する配置具合となるた
め、熱風口ガラリ前に着脱自在に取着する下記のダクト
を、直前で下方に折り曲げ、主たる床面下に熱風が誘導
されるようにする工夫を必要とすると共に、見栄え上か
ら、主たる床面上に露出するダクトを目隠しするための
適宜カバー部材等を組み合わせる必要が生ずる。
【0015】したがって、この暖房機設置空間部の据付
床部を、室内の主たる床面よりも低く、最適には、暖房
機熱風口が主たる床面の下に位置する配置具合が実現さ
れるようにした据付床部となるよう、暖房機設置空間部
全体が、壁の一部に埋め込み状で、且つ所定寸法だけ下
方に沈んだ構造のものに形成されるようにし、その段差
を利用して、暖房機熱風口から前方直線上に下記ダクト
を差し向ければ済むような構成のものとすべきである。
【0016】ダクトは、耐熱性に優れた素材から形成さ
れ、簡単に屈曲可能な構造のフレキシブルパイプである
ことが望ましいが、トタンやステンレス等の金属製の筒
を適宜繋ぎ合わせていく極普通のパイプであっても、勿
論差し支えはなく、必要があれば、それらの外周をグラ
スウールその他の耐熱性断熱材で覆い、熱効率が下がら
ないようにする等の配慮を施したものとする。なお、ダ
クトは、ファンヒーターに対して着脱自在に取付可能な
ものとし、安価に購入可能なファンヒータータイプの各
社各様の暖房機に対しても適宜対応可能なものとなし、
暖房機またはダクト等が故障または老朽化した場合であ
っても、簡単に暖房機またはダクトを交換できるように
構成されている。
【0017】
【関連する発明1】上記したこの発明の基本的な構成か
らなる床暖房システムに関連し、この発明には、その床
暖房システムに使用する床構造パネルも包含しており、
その構成の要旨は、基本的に次のとおりのものである。
即ち、建造物の主たる床面側となる床下地構造面部と、
該床下地構造面部から所定間隔を隔てた下方に平行配置
される断熱構造とした下床面部とが、熱風の流動に支障
を来す虞の少ない細棒材で上下に連結、一体化され、床
下地構造面部と床断熱構造面部との間に暖気空間部が形
成されると共に、平面形で単位基準面積となる大きさに
形成されてなる床構造パネルである。
【0018】細棒材は、暖気空間部にあって、流動する
暖気に抵抗を掛け難い部材あるいは部材断面、例えば暖
気の流れ方向に細長断面となる角材、鋼板、あるいはそ
れらの組み合わせからなるものとするようにし、また、
その配置も、上下の床下構造面部と下床面部とを連結、
一体化して充分な床強度が確保されるようにしたものと
するだけではなく、暖気の流れに抵抗が掛かり、暖気が
当該暖気空間部内全体に行き渡る上で支障を来すことの
ない配置が予め計算され、しかも工場生産に都合の良い
ものとなるようにしたものとしなければならない。
【0019】なお、該細棒材上下の仕口構造は、細棒材
自体に特別な接続構造、例えばT字金具を取着したり、
鋼板であればそれ自体を屈曲加工して形成したものとす
ることも勿論可能である外、床下構造面部および下床面
部の各面構造を実現するため、暖気空間部側に位置する
こととなる部材、例えば根太あるいはそれに相当する部
材側面にボルト・ナット締めするものとしたり、あるい
は、この根太あるいはそれに相当する部材側に接続金具
を取着しておき、それら取着金具を介して細棒材上下端
を接続一体化するようにしたり、あるいはまた、適宜公
知の仕口構造を採用して一体化したものとする。以下で
は、上記した構成からなるこの発明の床暖房システム
と、それ用の床構造パネルとの理解を深めるため、幾つ
かの具体的な実施例を説示していくこととする。
【0020】
【実施例1】図1の暖房機設置空間部の側断面図、図2
の床構造を示す斜視図を参照して、本願発明の暖房シス
テムの一実施例について以下に説明する。図に示される
建造物1は、部屋2の床を形成する主床部3および壁体
4とを備え、該壁体4の主床部3近傍の一部には、部屋
2から外側(実施例では屋外に突出状となる実施例とし
ているが、場合によっては隣室の飾り棚を兼用するよう
にしたものや、押入等の格納部内に収容されてしまうよ
うにしたものを含む。)に突出状となる如くした暖房機
設置空間部5を形成するため、壁体4と一体化した囲い
部5aが形成されている。
【0021】該暖房機収容空間部5の床部は、建造物1
の土台1aの上に支持された据付床部1bによって形成
されており、該据付床部1bは、部屋2の主床部3の下
側約90mmから150mmの間隙を置いて形成する下
床面部3bの延長部に形成され、下床面部3bと同一面
とされている。主床部3と下床面部3bとの間には暖気
空間部6が、所定間隙を確保した構造で形成されてい
る。
【0022】上記暖房機収容空間部5が面する部屋2
で、壁体4の下方に開放する部分には、ガラリ戸5cが
開閉自在に設置され、家庭用のファンヒーター7を設置
されても、内部が目隠しされるようにしてある。据付床
部1b上に設置されるファンヒーター7の熱風口ガラリ
7aの前面一部には、放出端部が上記暖気空間部6側に
延長されたアルミコルゲートパイプ製のダクト7bの根
元側を装着するための、別体の取付金具7cが着脱自在
に装着され、該取付金具7cの接続部に、上記したダク
ト7bの根元が接続されると共に、先端側を暖気空間部
6の中に望ませ、ファンヒーター7からの暖気の一部を
暖気空間部6内に連続して供するようにしてある。一
方、該取付金具7cから外れたファンヒーター7の熱風
口7aからは、直接、その前方のガラリ戸5cに向けて
熱風が噴き出し、ガラリ戸5cを潜り抜けた暖気によっ
て部屋2内を通常のファンヒーター7によるような暖房
効果が得られるようにしてある。
【0023】また、上記下床面部3aおよび主床部3
は、夫々面板材として厚合板が採用され、その暖気空間
部6側となる面で、暖気の流れ方向に向けて根太材が平
行配置で取着、一体化され、それら根太材相互間を細棒
材3b,3b,……で連結、一体化した構造に形成する
ことによって暖気空間部6が確保され、下床面部の下面
を、束材9,9,……で水平に保持した大引8,8,…
…で支持している。
【0024】なお、主床部3と下床面部3aとを所定間
隙に維持している細棒材3b,3b,……には、夫々補
強用金具3c,3c,……で補強された構造とされ、ま
た、その水平耐力を維持するために斜設片3e,3e,
……、あるいは斜設棒3d,3d,……が要所要所に取
り付けられた構造に形成されている。これら斜設片3
e、あるいは斜設棒3dは、その設置箇所によって選択
使用されることになり、夫々暖気の流れに抵抗が掛から
ない状態、例えば斜設片3eの場合であれば、その板厚
部分が暖気の風向き方向となるようにした使用箇所に採
用してある。図中、3fは、暖気空間部6に連通する通
気口を示している。
【0025】この実施例で示す主床部3と下床面部3
a、それらを一体化する細棒材3b,3b,……や斜設
棒3dあるいは斜設片3eは、予め工場において、長さ
が1間(1.8m)、幅が1/2間(0.9m)の定形
寸法とした既成パネルとして量産され、建築する建造物
の床で、床暖房を計画する床面積に応じた枚数が搬入さ
れ、既に現場施工されている大引き8,8,……上に敷
き並べて固定することによって床を形成するようにした
ものの事例としたものであり、該床構造パネルには、特
に下床面部上に、暖気の透過損失を防止するため、図示
にはしていないがウレタンフォーム板等の断熱材が添設
使用され、断熱効果の高い機能的なパネルに形成された
ものとすることもある。
【0026】
【実施例2】図3の建造物全体に対して本願発明の暖房
システムを適用した状態を示す概略的側断面図、図4の
暖房機設置空間を示す側断面図、および、図5のダクト
を装着する装着部材が取着されたファンヒーターを示す
斜視図には、本願発明に包含される他の実施例が示され
ており、この図中に示される床暖房システムの構造は、
上記実施例1を更に発展させ、1台のファンヒーター7
で、1つの部屋2のみではなく、建造物1の全体の部屋
2,2,…に対して暖気を供給し、直接部屋2内に流入
させ、また、床面を通して間接的に暖房するようにした
ことを特徴とする事例である。
【0027】ファンヒーター7は、暖房機設置空間部5
内で、地上に形成した設置台を据付床部5bとして設置
されて、暖房機収容空間部5の密閉性を確保するため、
囲い部5a以外の空間を閉ざす目的で閉鎖壁1cが形成
されている。ファンヒーター7の熱風口ガラリ7aに
は、取付金具11を介して、複数本に分岐されたアルミ
コルゲートパイプ製のダクト7bの基部が装着されてい
る。
【0028】なお、取付金具11は、図5の斜視図に示
されているように、逆L字状を成す如く上側を上記ファ
ンヒーター7の前面上部に沿うように折曲されて形成さ
れ、その幅寸法は、該噴き出し口部分7aの幅寸法の中
央部のみを覆う状態に形成され、噴き出し口部分7aと
の間に約5cmの隙間を形成する如く支持、結合されて
いる。そして、該取付金具11は、ファンヒーター7の
天板面に沿う上面の左右に設けられて、伸縮自在、且
つ、基端側および先端側に設けられた調節ねじにより調
節固定可能な取着腕11a,11aにより、ファンヒー
ター7の幅寸法に合わせて取付されている。そして、取
付金具11の前面中央部には、水平方向に円形のスリー
ブを形成する取着筒11bが設けられ、該取着筒11b
に対して、連結環11cにより、上記アルミコルゲート
パイプ製のダクト7bが連結されるように構成されてい
る。
【0029】複数本に分岐されたダクト7b,7b,…
…は、1階および2階の各部屋2,2,……の二重構造
をなした床の暖気空間部6,6,……まで延長され、暖
気を目的の暖気空間部6まで供給することができるよう
に構成されている。上記各部屋2,2,…の壁面および
天井面の一部には通気部2a,2a,…が形成されてお
り、送風された暖風が室内に直接流入し、配気されるよ
うに形成されており、1台の家庭用温風ファンヒーター
7で、家の全ての部屋の床暖房を実現することが可能と
なるようにしている。
【0030】なお、暖房機設置空間部5の囲い部5aに
は、図3に示すように、外側に開く扉5dを設け、ファ
ンヒーター7の設置が室外から行えるように構成されて
おり、また、床下部および天井裏部には、通風口1d,
1d,…が設けられ、夏には開放し、風通しを良くする
ことができるように構成されている。
【0031】
【作用】この発明の床暖房システムを実施例1を事例と
して説明すれば、ファンヒーター7からの熱風は、暖房
機収容空間部5の据付床部5aを、主床部3よりも低く
し、熱風口ガラリ7aに着脱自在に取着したダクト7b
が、その段差を利用して略直線上に延ばしていって暖気
空間部6入り口辺りに簡単に誘導でき、暖房機からの熱
風が、ダクト7bの曲り部等によってその流れが弱めら
れることもなく、極めて円滑に供給されるようにしてい
るため、床面3下全体が、暖房機の熱風によって略平均
に暖められ、部屋2は、主床部3を通じた間接的な暖房
により、快適な暖房効果を体感できることになる。
【0032】ダクト7bに供給されなかった熱風は、ガ
ラリ戸5cを通じて直接部屋2内に流入され、暖房機に
よるこれまでどおりの暖房効果を発揮することになる
外、主床部3に通気口3fが形成されている場合には、
暖気空間部6内に導入された暖気を室内に抜けさせ、暖
気空間部6内における暖気の流れを円滑化させる作用
と、室内暖房を促進する作用とを果たすものとすること
ができる。なお、これら暖気の流れを円滑にする作用
は、予め主床部3と下床面部3aとを一体化している細
棒材3b,3b,……の断面形状やそれらの配置具合、
および斜設片3e,3e,……や斜設棒3d,3d,…
…の断面形状、その配置部分の選択等を計算されたもの
とすることによって、更に有利なものとすることができ
る。
【0033】また、実施例2に示される床暖房システム
に代表されるように、この発明の床暖房システムでは、
アルミコルゲートパイプをダクト7bに採用し、単に暖
房機設置空間部5が直接面する部屋2の床下だけではな
く、他の部屋2,2,……の床下の暖気空間部6への暖
気の供給も比較的簡単に実施可能とするものであり、場
合によっては、2階床下にも暖気空間部6を形成し、そ
れら箇所への暖気の供給さへも可能とするものであり、
暖房機の熱要領を適宜最適なものに選択すれば、1台の
暖房機7により、建造物1内の所要となる各部屋の床暖
房することが可能となる。
【0034】
【効果】以上のとおりの構成からなる発明の建造物の床
暖房システムは、従前までのような特別な熱源を全く必
要とせず、安全で熱効率の良い一般家庭用のファンヒー
タータイプの暖房機をそのまま床暖房システムの熱源に
採用することを可能とし、極めて経済的で住宅内への設
置も簡単になる床暖房システムを実現し得ているもので
あり、特に、我が国住宅の標準的な建築様式である木造
住宅であって、基本的に個別暖房方式を採用する住宅等
(それが仮に高機密・高断熱住宅であったとしても)の
暖房システムに採用されることによって、より効果的な
暖房を可能にするという大きな特徴を有している。
【0035】特に、暖房機設置空間部の据付床部を、主
たる床面よりも低い位置に形成し、主床部との段差を利
用して暖房機からの熱風を暖気空間部に供給し易くする
構造としたものでは、勿論暖気の供給がし易くなるとい
う効果が得られることは言うまでもなく、そのための建
築構造が極めて簡潔なものとなって、床暖房のための特
別な工事が殆ど不要になることから、従前までのものの
ような床暖房のための特別な設備、施工が必要となって
高価に付き、床暖房システムの採用を躊躇しなければな
らないといった弊害を遍く払拭することができ、床暖房
システムの普及がそれだけ容易になり、より多くの人々
が、冬期間等の寒冷な時期に、安価な負担で住宅内の快
適な生活を享受することができるという秀れた特徴も兼
ね備えている。
【0036】また、この床暖房システムの暖気空間部
は、現場施工によっても勿論建築可能ではあるものの、
それ用の床構造パネルとして工場生産によるものとし、
それら工場生産されて十分に品質管理され、しかも低廉
化を果たした建築部材によって暖気空間部を形成するよ
うにしたものでは、部材費は固よりのこと、現場施工費
についても大幅に経済的なものとすることができ、上記
した効果がより一層助長されるものとなる。
【0037】特に、実施例1で示すものでは、上記した
特徴のある床暖房システムを効果的に実現する上で極め
て有効であり、床構造パネルの製造も極めて容易なもの
となり、この発明の床暖房システムの普及、浸透に大い
に威力を発揮するものとすることができ、また、実施例
2によるものでは、住宅内の複数の部屋への床暖房の最
も基本的なシステムを具体的に示し、1台の暖房機によ
っても、住宅内の所要な複数の部屋における床暖房が、
実施例1の床暖房システムに併用して容易に実施可能と
なることを如実に理解できるものとしている。
【0038】叙上の如く、本願発明に包含される新規な
建造物の暖房システム、およびそれ用の床構造パネル
は、従前までに開発されてきた、他のあらゆる床暖房シ
ステムや、エアサイクル住宅等の設備に比較して、極め
て、効率的且つ経済的な床暖房を実現することを可能と
するものであり、一頃のような隆盛に陰りの見られる建
築業界の新たな戦略として有用であるばかりではなく、
寒冷地に居住する人々からも、冬期間等を安価な負担で
快適に送ることができる暖房システムとして高く評価さ
れることとなって、この床暖房システム、およびそれ用
の床構造パネルは、今後ますます需要を伸ばし、社会的
に貢献するものになることが予想される。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明の建造物の暖房システム、およびそれ
用の床構造パネルの技術的思想を具現化した幾つかの代
表的な実施例を示すものである。
【図1】この発明に包含される暖房機設置空間部廻りを
中心とした要部側断面図である。
【図2】この発明に包含される床構造パネルによる暖気
空間部の一部断面を含むものの要部斜視図である。
【図3】この発明の暖房システムを建造物全体に取り入
れた状態を示す側断面図である。
【図4】図3の暖房機の他の設置例を示す側断面図であ
る。
【図 5】暖房機に対する着脱自在な取付金具の取付け
構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 建 造 物 2 部 屋 3 主 床 部 3a 同 下床部 3b 同 細棒材 3c 同 補強金具 3d 同 斜設棒 3e 同 斜設片 3f 同 通気孔 4 壁 体 5 暖房機設置空間部 5a 同 囲い部 5b 同 据付床部 5c 同 ガラリ戸 6 暖気空間部 7 家庭用温風ファンヒーター 7a 同 熱風口ガラリ 7b ダクト 8 大 引 9 束

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建造物の主たる床面と、それよりも低く
    した下床面部とによって主たる床面下に暖気空間を形成
    すると共に、居間、その他適宜居室の室内空間に面した
    壁体の一部に埋め込み状であって、据付床部が同室内の
    主たる床面よりも低くなるよう規制して暖房機設置空間
    部を形成する一方、該暖房機設置空間部の据付床部と同
    室内床面との段差を利用して、暖房機の熱風口ガラリ直
    前に着脱自在に装着したダクトを、暖気空間部内に自由
    に通して据付床部から離れた居室あるいは同近傍の主た
    る床面下適所にまで配管し、暖房機設置空間部に据え付
    けたファンヒータータイプの暖房機からの熱風を、一部
    は暖房機設置空間部に面した室内空間に直接、その他
    は、暖房機の熱風口ガラリ直前に着脱自在に装着したダ
    クトを通じ、暖房機の面した室内床下の暖気空間部と共
    に、暖房機の面していない室内床下の暖気空間部にも供
    給するようにし、1台のファンヒータータイプの暖房機
    からの熱風で、暖房機の面している室内を直接且つ主た
    る床面を通して間接に暖気すると共に、暖房機の面して
    いない室内は主たる床面を通して間接に暖気するように
    したことを特徴とする建造物の床暖房システム。
  2. 【請求項2】 建造物の主たる床面側となる床下地構造
    面部と、該床下地構造面部から所定間隔を隔てた下方に
    平行配置される断熱構造とした下床面部とが、熱風の流
    動に支障を来す虞の少ない細棒材で上下に連結、一体化
    され、床下地構造面部と床断熱構造面部との間に暖気空
    間部が形成されると共に、それらの全体平面形が単位基
    準面積となる大きさに形成されてなる、請求項1記載の
    床暖房システムに使用する床構造パネル。
JP08881996A 1996-03-17 1996-03-17 建造物の床暖房システム、およびそれ用の床構造パネル Expired - Fee Related JP3196636B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08881996A JP3196636B2 (ja) 1996-03-17 1996-03-17 建造物の床暖房システム、およびそれ用の床構造パネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08881996A JP3196636B2 (ja) 1996-03-17 1996-03-17 建造物の床暖房システム、およびそれ用の床構造パネル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09250768A JPH09250768A (ja) 1997-09-22
JP3196636B2 true JP3196636B2 (ja) 2001-08-06

Family

ID=13953537

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08881996A Expired - Fee Related JP3196636B2 (ja) 1996-03-17 1996-03-17 建造物の床暖房システム、およびそれ用の床構造パネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3196636B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009115355A (ja) * 2007-11-05 2009-05-28 Eco Power:Kk 冷暖房システム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09250768A (ja) 1997-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5176209B2 (ja) 温風床暖房システムおよびその設置方法
KR101078605B1 (ko) 복사 냉난방 시스템 및 그 시공방법
JP6095606B2 (ja) 室内冷暖房方法、室内冷暖房装置
HU217496B (hu) Eljárás és berendezés épületek fűtésére és hűtésére, valamint hőszigetelő falburkolat
JP3196636B2 (ja) 建造物の床暖房システム、およびそれ用の床構造パネル
WO2000001989A1 (fr) Panneau pour conditionnement d'air notamment de locaux et systeme l'utilisant
FI101493B (fi) Rakennus
JP2001311232A (ja) 温湿度調整機能付き住宅
JP2005201601A (ja) 建物の暖房システム。
JP2007107334A (ja) 建物
KR101081669B1 (ko) 복사 냉난방 기능 및 국부 배기 기능을 가진 경량 콘크리트 패널 및 이를 이용한 벽체구조
US2375556A (en) Space heating system for buildings
JP3123276U (ja) 住宅構造
JP7287683B2 (ja) 家屋
RU22641U1 (ru) Мобильное здание
KR101052537B1 (ko) 건축물의 난방 방법 및 그 장치
JP3387880B2 (ja) 省エネ建物
JP2908060B2 (ja) 家 屋
KR101122262B1 (ko) 벽난로를 이용한 건축물 실내바닥 온도조절장치
JP3114100B1 (ja) 省エネ建物
JP2001323562A (ja) 建物、外壁構造及び建物ユニット
JP3074263U (ja) 既成根太支持枠体、およびそれ用の細断面束様材
JP3054559U (ja) 屋外設置式石油給湯暖房装置
FABER PANEL HEATING. STRUCTURAL AND BUILDING ENGINEERING DIVISION.
JP2002220888A (ja) 省エネルギー建造物及びその建造工法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080608

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090608

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees