JP3196081B2 - 濾 材 - Google Patents

濾 材

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JP3196081B2
JP3196081B2 JP25228191A JP25228191A JP3196081B2 JP 3196081 B2 JP3196081 B2 JP 3196081B2 JP 25228191 A JP25228191 A JP 25228191A JP 25228191 A JP25228191 A JP 25228191A JP 3196081 B2 JP3196081 B2 JP 3196081B2
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仁吾 中沢
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、液体や気体等の各種
流体から混在する固体粒子を濾過又は濾過集塵するため
の濾材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば図7に示すようなファ
インセラミックス製の濾過基材1を積層することによ
り、隣接する前記基材1間で形成される間隙から液体や
気体等の各種流体の流動層のみを通過させ、混在する固
体粒子を分離することにより濾過又は濾過集塵を行って
いた。
【0003】この濾過基材1は略中央部に通孔10を有
する薄板円盤状に形成されているとともにその表裏両面
には前記流動層のみを通過させる間隙を形成するための
複数の突起12が突出形成されている。
【0004】そして、前記濾過基材1を複数枚同芯状に
積層して円筒状の濾材を形成せしめ、この円筒状の濾材
の外周側に位置せしめた流体から、前記濾材の内周側へ
と、隣接する濾過基材1間のそれぞれにおいて形成され
る多層の間隙の夫々より小さな固体粒子及び流動層のみ
を通過させることにより濾過又は濾過集塵を行う。
【0005】上記のようなファインセラミックス製の濾
過基材1を用いた場合には、硬く摩耗しにくいとともに
何回でも反復使用ができるという優れた特徴がある。
【0006】ところが、ファインセラミックス製の濾過
基材1は前記のような優れた特徴を有している反面、衝
撃に弱いのでこの濾過基材1を積層して円筒状の濾材を
形成する際に濾過基材1自体が割れたり一部が欠落し易
いという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明で
は、ファインセラミックス製の濾過基材を用いた濾材で
ありながら従来よりこれが割れたり一部が欠落したりさ
せにくくすることが可能な濾材を提起することを課題と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、この発明では次のような技術的手段を講じている。
【0009】即ちこの発明の濾材は、濾過基材を積層す
ることにより隣接する前記基材間で形成される間隙から
流動層を通過させ混在する固体粒子を分離する濾材であ
って、ファインセラミックス製の主濾過基材1の積層体
間に、この主濾過基材1より軟質の材質で形成された他
の濾過基材2を挿入してなり、積層してその両端で固定
をする際に夫々の濾過基材1・2には軸芯方向に荷重が
かかることを特徴とする。
【0010】
【作用】上記の手段を採用した結果、この発明は以下の
ような作用を有する。
【0011】この発明の濾材は、ファインセラミックス
製の主濾過基材1を積層する際に、主濾過基材1の積層
体間にこの主濾過基材1より軟質の材質で形成された他
の濾過基材2を挿入してなるので、濾過基材を積層する
際に積層体の軸芯方向にかかる主濾過基材1への荷重
は、主濾過基材1よりも軟質の材質で形成された他の濾
過基材2によって緩衝されうる。
【0012】
【実施例】以下、この発明の濾材を実施例として示した
図面に従って説明する。
【0013】図1は、2枚のファインセラミックス製の
主濾過基材1の間にこの主濾過基材1より軟質の材質で
形成された他の濾過基材2を挿入した状態を示したもの
である。
【0014】主濾過基材1は酸化ジルコニアを主体とし
たファインセラミックスにより成型されており、図2に
示すように、略中央部に通孔10を有する薄板円盤状に
形成されているとともにその表裏両面には濾過又は濾過
集塵するための間隙3(図1参照)を形成するための複
数の溝11が円盤の内周側と外周側との間に形成されて
いる。溝11は円盤の中心点からの放射状の線に対して
一定角度傾斜させて形成しているとともに、この溝11
は表裏両面の正面から見た際に夫々同じ方向に傾斜して
いる。つまり、2枚の主濾過基材1同士を重ね合わせた
場合に、接合面の相対する溝11は逆方向に傾斜するよ
うにしている。この実施例ではこのような形状を採用し
ているが、勿論、図7に示すようなその表裏両面に複数
の突起12が突出形成されている形状でも、更にはその
他の形状でもよい。
【0015】主濾過基材1より軟質の材質で形成された
他の濾過基材2として、ポリプロピレン製のものを用い
た。この他に、四フッ化エチレンたるテフロン(デュポ
ン社商標)等を使用することができる。このポリプロピ
レン製の濾過基材2は主濾過基材1とほぼ同様の大きさ
で略中央部に通孔10を有する薄板円盤状に形成されて
いるが、表裏両面には溝11は形成されておらずに平面
形状としている。この実施例では表裏両面を平面形状と
しているが、このような平面形状に限らず突起12や溝
11が形成されていてもよい。又、更に他の濾過基材を
併用してもよい。
【0016】上記のように構成された主濾過基材1と他
の濾過基材2とを用い、主濾過基材1の間にこの主濾過
基材1より軟質の材質で形成された他の濾過基材2を図
1のように挿入すると、後に概略を説明する図5に示す
ような濾過装置4を構成する際に次のような利点があ
る。
【0017】それは、先ず濾過基材1・2を複数枚同芯
状に積層してその両端で固定することにより円筒状の濾
材5(図4参照)を形成せしめるのであるが、この固定
をする際に夫々の濾過基材1・2には軸芯方向に荷重が
かかる。従来は、ファインセラミックス製の濾過基材1
ばかりを積層していたため、固定する際の荷重による何
らかの衝撃によりいずれかの濾過基材1が割れたりその
一部が欠落したりしていた。ところが、かかる濾過基材
1への衝撃荷重は、主濾過基材1よりも軟質の材質で形
成された他の濾過基材2によって緩衝されるうので、主
濾過基材1が割れたりその一部が欠落したりすることを
非常に少なからしめることができた。
【0018】又、この実施例のように表裏両面を平面形
状とした他の濾過基材2を用いた場合には、主濾過基材
1との間に形成される間隙3が主濾過基材1同士を積層
した際に形成される間隙3の約半分の大きさになるの
で、これにより分離すべき固体粒子の粒径を制御するこ
とも可能である。
【0019】図3乃至図6は上述のような濾過基材1・
2を用いて構成した濾過装置4の一例(この装置では全
ての主濾過基材1間に他の濾過基材2を挿入している。
但し、必ずしもこのように互い違いに構成する必要はな
く、何箇所かに他の濾過基材2を挿入すれば足りる)で
あり、その構成及び使用状態の概略を説明する。
【0020】図3は濾過又は濾過集塵により得られた流
動層を導き出すための筒6(以下、流動層導出筒とい
う)を示している。この流動層導出筒6は複数の通孔6
0が各面に穿設されるとともに円筒状に形成する濾材5
(図4参照)の内周側に挿入すべき中空の角筒61と、
その両端に溶接により取付けられたボルト部62・63
とから成る。両端のボルト部のうち流動層の導出側のも
の62にのみその軸芯方向に導孔64(図5又は6参
照)が穿設され、この導孔64から濾過又は濾過集塵に
より得られた流動層が導き出される。
【0021】導孔64を有するボルト部62はワッシャ
ー65及びスプリングワッシャー66を介してナット6
7により流動層区画壁8に取付けられる。流動層区画壁
8は濾過又は濾過集塵以前の未処理の流体の収容槽9
(以下、未処理槽という)と処理済の流動層の収容槽9
0(以下、処理済槽という)との混合を防止するための
ものである。
【0022】流動層導出筒6の外周側に円筒状の濾材5
を形成する際には、前記ナット67の螺合を解除して流
動層導出筒6を流動層区画壁8から取り外した後、その
他端側のボルト部63に螺合せしめたナット68とワッ
シャー69とスプリングワッシャー70との間に、上述
のようにファインセラミックス製の主濾過基材1の積層
体間にこの主濾過基材1より軟質の材質で形成された他
の濾過基材2を挿入する態様で積層する。然る後、流動
層区画壁8に固定する(図4参照)。
【0023】図5及び図6はこの濾過装置4の使用状態
を説明するもので、流体を濾過又は濾過集塵する際に
は、次のようにして行う。
【0024】未処理槽9の下端部近傍に設けた流入口9
1から濾過又は濾過集塵すべき流体をこの未処理槽9に
流入させる。この以前に、図6に示すように濾材5の周
囲に公知の方法で濾過助剤層92をプレコートして形成
させておいてもよい。濾過助剤として、固液分離のため
にはケイソウ土を、水質向上のためには活性炭を、海水
淡水化のためにはイオン交換樹脂を、油水分離のために
はオガ屑を、排水処理のためにはパークカーボンを使用
できる。
【0025】未処理槽9の流体にある程度圧力をかけて
いくと、濾材5の隣接する濾過基材1・2間の多層の間
隙3の夫々より大きな粒径の固体粒子が分離され、前記
間隙3(濾過助剤でプレコートした場合には、前記間隙
3及び濾過助剤層92)より小さな固体粒子及び流動層
のみを前記濾材5の内周側へと通過させることにより濾
過又は濾過集塵を行う。
【0026】濾材5の内周側へと到った流動層は、通孔
60を介して流動層導出筒6内に到り導孔64から処理
済槽90へと送られる。こうして、流体の濾過又は濾過
集塵を行うことができる。ある程度濾過又は濾過集塵を
行い濾滓が溜まってくると一旦この濾過操作を中断し、
所謂逆洗浄をおこなう。
【0027】
【発明の効果】この発明は上述のような構成を有するも
のであり、ファインセラミックス製の主濾過基材1の積
層体の軸芯方向にかかる主濾過基材1への荷重は、主濾
過基材1よりも軟質の材質で形成された他の濾過基材2
によって緩衝されうるので、ファインセラミックス製の
濾過基材を用いた濾材でありながら従来よりこれが割れ
たり一部が欠落したりさせにくくすることが可能な濾材
を提供することが出来る。
【0028】また、夫々の濾過基材1・2には、積層し
てその両端で固定をする際に軸芯方向に荷重がかかる
が、積層体間に挿入された軟質の濾過基材2によって主
濾過基材1の割れが抑制されるので、締め付け圧を加減
しつつも荷重を増していくことができ、これにより隣接
する前記基材1・2間で形成される間隔の設定を微調整
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の濾材の、主濾過基材間への他の濾過
基材の挿入状態の一実施例を説明するための一部断面
図。
【図2】図1の濾材を形成する主濾過基材の全体斜視
図。
【図3】この発明の濾材を用いて構成する濾過装置の一
例に用いる流動層導出筒及び流動層区画壁の側面図。
【図4】図3の流動層導出筒の外周側に円筒状の濾材を
形成した状態を説明する側面図。
【図5】この発明の濾材を用いて構成した濾過装置の一
例の使用状態を説明する断面図。
【図6】図5の濾過装置に濾過助剤をプレコートした上
での使用状態を説明する断面図。
【図7】従来技術を説明するための主濾過基材の一例の
全体斜視図。
【符号の説明】
1 主濾過基材 2 他の濾過基材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 39/20 B01D 29/46 B01D 39/14 B01D 46/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濾過基材を積層することにより隣接する
    前記基材間で形成される間隙から流動層を通過させ混在
    する固体粒子を分離する濾材であって、ファインセラミ
    ックス製の主濾過基材1の積層体間に、この主濾過基材
    1より軟質の材質で形成された他の濾過基材2を挿入し
    てなり、積層してその両端で固定をする際に夫々の濾過
    基材1・2には軸芯方向に荷重がかかることを特徴とす
    る濾材。
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