JP2004081942A - セラミック膜モジュールを用いた濾過方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コロイド状物質がセラミック製の膜チューブの細孔に詰まるのを防止でき、さらに、膜チューブの外周面に付着したコロイド状物質を逆洗によって容易に除去することができるセラミック膜モジュールを用いた濾過方法を提供する。
【解決手段】ケーシング11内に、被処理水を濾過する多数の細孔を有した直管状のセラミック製の膜チューブ13が複数設けられ、ケーシング11内に供給される被処理水に粉末状の濾過助剤を添加して、被処理水中のコロイド状物質を濾過助剤に付着させた状態で、被処理水を各膜チューブ13で全量濾過し、濾過助剤の主要粒径を膜チューブの細孔の主要孔径よりも大きく設定している。
【選択図】 図2
【解決手段】ケーシング11内に、被処理水を濾過する多数の細孔を有した直管状のセラミック製の膜チューブ13が複数設けられ、ケーシング11内に供給される被処理水に粉末状の濾過助剤を添加して、被処理水中のコロイド状物質を濾過助剤に付着させた状態で、被処理水を各膜チューブ13で全量濾過し、濾過助剤の主要粒径を膜チューブの細孔の主要孔径よりも大きく設定している。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケーシング内に、被処理流体を濾過する直管状のセラミック製の膜チューブが設けられたセラミック膜モジュールを用いた濾過方法に関するものであり、上水(浄水),下水,用水,廃水等の各処理技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、膜モジュールとしては、例えば、図6に示すように、複数本のチューブ状に形成された多孔質のセラミック膜41が、一対のヘッダ42,43で支持されて、互いに間隔をおいて平行に配列されたものがある。一方のヘッダ42には吸引室44が形成されるとともに、吸引室44を外部と連通させるための吸引口45が設けられている。また、上記一方のヘッダ42に支持されるセラミック膜41の一端部は上記吸引室44の内部に開口し、セラミック膜41の他端部は他方のヘッダ43に突き当てられている。
【0003】
これによると、吸引口45を通じて各セラミック膜41の内部に吸引圧を作用させることにより、被処理水は、セラミック膜41の外側から内側へ透過して濾過され、濾過処理水として吸引室44を経て吸引口45から排出される(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−235163号公報(第2頁、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来形式では、図7に示すように、被処理水中にコロイド状物質46が存在する場合、このコロイド状物質46がセラミック膜41の外周面に付着して緻密な付着層47を形成した。これにより、上記コロイド状物質46がセラミック膜41の細孔内に侵入して細孔内に詰まって、膜閉塞を起こしてしまい、濾過を長時間継続して行うことができないといった問題があった。
【0006】
また、セラミック膜41の内側から外側へ濾過水を逆流させて上記セラミック膜41を逆洗しても、上記セラミック膜41の細孔内に詰まったコロイド状物質46を除去することは困難であった。
【0007】
本発明は、コロイド状物質がセラミック製の膜チューブの細孔に詰まってしまうのを防止でき、さらに、膜チューブの表面に付着したコロイド状物質を逆洗によって容易に除去することが可能となるセラミック膜モジュールを用いた濾過方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本第1発明は、ケーシング内に、被処理流体を濾過する多数の細孔を有した直管状のセラミック製の膜チューブが設けられたセラミック膜モジュールを用いた濾過方法であって、
上記ケーシング内に供給される被処理流体に粉末状の濾過助剤を添加して、被処理流体中のコロイド状物質を上記濾過助剤に付着させた状態で、被処理流体を上記膜チューブで全量濾過し、上記濾過助剤の主要粒径を上記膜チューブの細孔の主要孔径よりも大きく設定するものである。
【0009】
これによると、被処理流体中のコロイド状物質は、濾過助剤のゼータ電位や吸着作用によって、濾過助剤に付着する。被処理流体が膜チューブの細孔を透過して全量濾過される際、上記コロイド状物質を付着した濾過助剤が膜チューブの表面に付着して、濾過助剤の付着層が形成される。この場合、濾過助剤の主要粒径は膜チューブの細孔の主要孔径よりも大きいため、濾過助剤および濾過助剤に付着したコロイド状物質が膜チューブの細孔内に侵入するのを防止することができ、これにより、膜閉塞を防止することができる。
【0010】
また、上記濾過助剤の付着層は粗い層であり膜チューブの表面に弱く付着しているため、膜チューブを逆洗することによって、容易に上記濾過助剤の付着層が膜チューブの表面から剥離除去される。これにより、上記濾過助剤に付着したコロイド状物質も濾過助剤と共に膜チューブの表面から容易に剥離除去される。
【0011】
また、本第2発明は、濾過助剤として、砂、シルト、珪藻土、活性炭、アンスラサイト、ゼオライト、イオン交換樹脂の少なくともいずれか1つを用いるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。
先ず、図1〜図4において、セラミック膜モジュール10の構成を説明する。
【0013】
すなわち、上記膜モジュール10のケーシング11は種々の形状を採用できるが本実施の形態では、一例として直管円筒状のものを挙げている。上記ケーシング11は両端が膜エレメント装入口11aとして開口し、膜エレメント装入口11aの外周縁にフランジ12を有している。ケーシング11は、内部に充填する複数(2個)の膜エレメント24を両側の膜エレメント装入口11aの各々から装入しており、両側の膜エレメント24の間に形成する給水空間11bに対応する位置に被処理水を供給する原水供給口14を有し、両側に濃縮水排出口15を有している。
【0014】
上記膜エレメント24は、被処理水を濾過する複数の膜チューブ13と、集束プレート16とで構成されている。上記各膜チューブ13は、セラミック製で先端を閉塞した細い直管状をなし、多数の細孔(図示省略)を有した多孔質の膜形成材のみで管壁を成形してなり、管外径A=1〜6mmφ、管壁肉厚B=0.1〜0.8mmの形状をなすものである。
【0015】
これら膜チューブ13は、所定間隔で平行に配置するとともに基端を上記集束プレート16に形成した貫通孔に装入して配置し、各膜チューブ13の基端間に充填する接着材層17によって集束プレート16に水密に集束固定している。
【0016】
上記膜エレメント24は各膜エレメント装入口11aからケーシング11の内部に充填され、集束プレート16はシール材18を介してフランジ12に水密に配置される。各膜チューブ13の基端開口13aを覆って配置される集水部19は、濾過水排出口20を有しており、シール材21を介して集束プレート16に水密に配置されており、固定ボルト22でフランジ12、集束プレート16、集水部19が一体に締め付けられて固定されている。
【0017】
次に、上記セラミック膜モジュール10を用いた濾過方法を説明する。
通常運転時、被処理水(被処理流体)は、所定の圧力に加圧された状態で、原水供給口14からケーシング11内の給水空間11bに流入し、各膜チューブ13の細孔を通って膜チューブ13の外側から内側へ流れ込む際に濾過され、膜チューブ13の細孔を透過した被処理水は濾過処理水として膜チューブ13の内部流路23を通って基端開口13aから集水部19内に流入し、濾過水排出口20から外部へ排出される。この際、濃縮水排出口15をバルブ等で閉じておくことにより、原水供給口14から供給された被処理水は膜エレメント24で全量濾過されて濾過水排出口20から排出される。
【0018】
上記通常運転時において、上記原水供給口14からケーシング11内に供給される被処理水に粉末状の濾過助剤25を添加することにより、図5に示すように、被処理水中のコロイド状物質26は、濾過助剤25のゼータ電位や吸着作用によって、上記濾過助剤25に付着する。
【0019】
そして、図5に示すように、被処理水が各膜チューブ13の細孔を透過して全量濾過される際、上記コロイド状物質26を付着した濾過助剤25が膜チューブ13の外周面(表面)に付着して、濾過助剤25の付着層27が形成される。この際、上記濾過助剤25の主要粒径を膜チューブ13の細孔の主要孔径よりも大きく設定しておくことにより、濾過助剤25および濾過助剤25に付着したコロイド状物質26が膜チューブ13の細孔内に侵入するのを防止することができ、これにより、膜閉塞を防止することができる。
【0020】
尚、上記膜チューブ13の細孔の主要孔径は0.05〜1μmの範囲であるのに対し、上記濾過助剤25の主要粒径は0.5〜20μmの範囲に設定されている。
【0021】
また、上記コロイド状物質26が付着した濾過助剤25からなる付着層27は、従来のようなコロイド状物質46(図7参照)のみからなる付着層47(図7参照)よりも粗いため、上記濾過助剤25間に流路が確保され、通水性が保たれる。これにより、従来に比べて濾過性能の低下を食い止めることができる。
【0022】
さらに、上記濾過助剤25からなる付着層27は膜チューブ13の外周面に弱く付着しているため、各膜チューブ13を逆洗することによって、容易に上記濾過助剤25の付着層27が膜チューブ13の外周面から剥離除去される。これにより、上記濾過助剤25に付着したコロイド状物質26も濾過助剤25と共に膜チューブ13の外周面から容易に剥離除去される。
【0023】
尚、上記各膜チューブ13の逆洗は、濾過処理水(又は逆洗水)を濾過水排出口20からケーシング11内に供給するとともに原水供給口14から排出することによって行われる。すなわち、逆洗運転時、濾過水排出口20から供給された濾過処理水は、膜チューブ13の基端開口13aを通り、膜チューブ13の細孔を通って膜チューブ13の内側から外側へ逆流することにより膜チューブ13を逆洗し、その後、原水供給口14から排出される。
【0024】
尚、上記濾過助剤25としては、砂、シルト、珪藻土、活性炭、アンスラサイト、ゼオライト、イオン交換樹脂の少なくともいずれか1つが用いられる。また、これらの種類の濾過助剤25のうち、吸着作用が大きいものほど、濾過助剤として適している。但し、被処理水の水質(コロイド状物質26の中身等)によって、適している濾過助剤25の種類は変わるため、被処理水の水質に応じて最適な濾過助剤25を選択している。
【0025】
上記実施の形態では、被処理流体の一例として水を挙げたが、水以外の液体であってもよい。
上記実施の形態では、通常運転時、被処理水を膜チューブ13の外側から内側へ透過させて濾過を行っているが、膜チューブ13の内側から外側へ透過させて濾過を行ってもよい。
【0026】
上記実施の形態では、濾過助剤25として、砂、シルト、珪藻土、活性炭、アンスラサイト、ゼオライト、イオン交換樹脂のいずれか1種類のみを用いてもよく、或いは、複数種類を混合して用いてもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、濾過助剤の主要粒径は膜チューブの細孔の主要孔径よりも大きいため、濾過助剤および濾過助剤に付着したコロイド状物質が膜チューブの細孔内に侵入するのを防止することができ、これにより、膜閉塞を防止することができる。
【0028】
また、濾過助剤の付着層は粗い層であり膜チューブの表面に弱く付着しているため、膜チューブを逆洗することによって、容易に上記濾過助剤の付着層が膜チューブの表面から剥離除去される。これにより、上記濾過助剤に付着したコロイド状物質も濾過助剤と共に膜チューブの表面から容易に剥離除去される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるセラミック膜モジュールの一部切欠き斜視図である。
【図2】同、セラミック膜モジュールの断面図である。
【図3】同、セラミック膜モジュールの膜エレメントの集束プレート側の断面図である。
【図4】図3におけるX−X矢視図である。
【図5】同、セラミック膜モジュールを用いた濾過時の膜チューブの断面図である。
【図6】従来の膜モジュールの断面図である。
【図7】同、膜モジュールを用いた濾過時のセラミック膜の断面図である。
【符号の説明】
10 セラミック膜モジュール
11 ケーシング
13 膜チューブ
25 濾過助剤
26 コロイド状物質
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケーシング内に、被処理流体を濾過する直管状のセラミック製の膜チューブが設けられたセラミック膜モジュールを用いた濾過方法に関するものであり、上水(浄水),下水,用水,廃水等の各処理技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、膜モジュールとしては、例えば、図6に示すように、複数本のチューブ状に形成された多孔質のセラミック膜41が、一対のヘッダ42,43で支持されて、互いに間隔をおいて平行に配列されたものがある。一方のヘッダ42には吸引室44が形成されるとともに、吸引室44を外部と連通させるための吸引口45が設けられている。また、上記一方のヘッダ42に支持されるセラミック膜41の一端部は上記吸引室44の内部に開口し、セラミック膜41の他端部は他方のヘッダ43に突き当てられている。
【0003】
これによると、吸引口45を通じて各セラミック膜41の内部に吸引圧を作用させることにより、被処理水は、セラミック膜41の外側から内側へ透過して濾過され、濾過処理水として吸引室44を経て吸引口45から排出される(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−235163号公報(第2頁、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来形式では、図7に示すように、被処理水中にコロイド状物質46が存在する場合、このコロイド状物質46がセラミック膜41の外周面に付着して緻密な付着層47を形成した。これにより、上記コロイド状物質46がセラミック膜41の細孔内に侵入して細孔内に詰まって、膜閉塞を起こしてしまい、濾過を長時間継続して行うことができないといった問題があった。
【0006】
また、セラミック膜41の内側から外側へ濾過水を逆流させて上記セラミック膜41を逆洗しても、上記セラミック膜41の細孔内に詰まったコロイド状物質46を除去することは困難であった。
【0007】
本発明は、コロイド状物質がセラミック製の膜チューブの細孔に詰まってしまうのを防止でき、さらに、膜チューブの表面に付着したコロイド状物質を逆洗によって容易に除去することが可能となるセラミック膜モジュールを用いた濾過方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本第1発明は、ケーシング内に、被処理流体を濾過する多数の細孔を有した直管状のセラミック製の膜チューブが設けられたセラミック膜モジュールを用いた濾過方法であって、
上記ケーシング内に供給される被処理流体に粉末状の濾過助剤を添加して、被処理流体中のコロイド状物質を上記濾過助剤に付着させた状態で、被処理流体を上記膜チューブで全量濾過し、上記濾過助剤の主要粒径を上記膜チューブの細孔の主要孔径よりも大きく設定するものである。
【0009】
これによると、被処理流体中のコロイド状物質は、濾過助剤のゼータ電位や吸着作用によって、濾過助剤に付着する。被処理流体が膜チューブの細孔を透過して全量濾過される際、上記コロイド状物質を付着した濾過助剤が膜チューブの表面に付着して、濾過助剤の付着層が形成される。この場合、濾過助剤の主要粒径は膜チューブの細孔の主要孔径よりも大きいため、濾過助剤および濾過助剤に付着したコロイド状物質が膜チューブの細孔内に侵入するのを防止することができ、これにより、膜閉塞を防止することができる。
【0010】
また、上記濾過助剤の付着層は粗い層であり膜チューブの表面に弱く付着しているため、膜チューブを逆洗することによって、容易に上記濾過助剤の付着層が膜チューブの表面から剥離除去される。これにより、上記濾過助剤に付着したコロイド状物質も濾過助剤と共に膜チューブの表面から容易に剥離除去される。
【0011】
また、本第2発明は、濾過助剤として、砂、シルト、珪藻土、活性炭、アンスラサイト、ゼオライト、イオン交換樹脂の少なくともいずれか1つを用いるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。
先ず、図1〜図4において、セラミック膜モジュール10の構成を説明する。
【0013】
すなわち、上記膜モジュール10のケーシング11は種々の形状を採用できるが本実施の形態では、一例として直管円筒状のものを挙げている。上記ケーシング11は両端が膜エレメント装入口11aとして開口し、膜エレメント装入口11aの外周縁にフランジ12を有している。ケーシング11は、内部に充填する複数(2個)の膜エレメント24を両側の膜エレメント装入口11aの各々から装入しており、両側の膜エレメント24の間に形成する給水空間11bに対応する位置に被処理水を供給する原水供給口14を有し、両側に濃縮水排出口15を有している。
【0014】
上記膜エレメント24は、被処理水を濾過する複数の膜チューブ13と、集束プレート16とで構成されている。上記各膜チューブ13は、セラミック製で先端を閉塞した細い直管状をなし、多数の細孔(図示省略)を有した多孔質の膜形成材のみで管壁を成形してなり、管外径A=1〜6mmφ、管壁肉厚B=0.1〜0.8mmの形状をなすものである。
【0015】
これら膜チューブ13は、所定間隔で平行に配置するとともに基端を上記集束プレート16に形成した貫通孔に装入して配置し、各膜チューブ13の基端間に充填する接着材層17によって集束プレート16に水密に集束固定している。
【0016】
上記膜エレメント24は各膜エレメント装入口11aからケーシング11の内部に充填され、集束プレート16はシール材18を介してフランジ12に水密に配置される。各膜チューブ13の基端開口13aを覆って配置される集水部19は、濾過水排出口20を有しており、シール材21を介して集束プレート16に水密に配置されており、固定ボルト22でフランジ12、集束プレート16、集水部19が一体に締め付けられて固定されている。
【0017】
次に、上記セラミック膜モジュール10を用いた濾過方法を説明する。
通常運転時、被処理水(被処理流体)は、所定の圧力に加圧された状態で、原水供給口14からケーシング11内の給水空間11bに流入し、各膜チューブ13の細孔を通って膜チューブ13の外側から内側へ流れ込む際に濾過され、膜チューブ13の細孔を透過した被処理水は濾過処理水として膜チューブ13の内部流路23を通って基端開口13aから集水部19内に流入し、濾過水排出口20から外部へ排出される。この際、濃縮水排出口15をバルブ等で閉じておくことにより、原水供給口14から供給された被処理水は膜エレメント24で全量濾過されて濾過水排出口20から排出される。
【0018】
上記通常運転時において、上記原水供給口14からケーシング11内に供給される被処理水に粉末状の濾過助剤25を添加することにより、図5に示すように、被処理水中のコロイド状物質26は、濾過助剤25のゼータ電位や吸着作用によって、上記濾過助剤25に付着する。
【0019】
そして、図5に示すように、被処理水が各膜チューブ13の細孔を透過して全量濾過される際、上記コロイド状物質26を付着した濾過助剤25が膜チューブ13の外周面(表面)に付着して、濾過助剤25の付着層27が形成される。この際、上記濾過助剤25の主要粒径を膜チューブ13の細孔の主要孔径よりも大きく設定しておくことにより、濾過助剤25および濾過助剤25に付着したコロイド状物質26が膜チューブ13の細孔内に侵入するのを防止することができ、これにより、膜閉塞を防止することができる。
【0020】
尚、上記膜チューブ13の細孔の主要孔径は0.05〜1μmの範囲であるのに対し、上記濾過助剤25の主要粒径は0.5〜20μmの範囲に設定されている。
【0021】
また、上記コロイド状物質26が付着した濾過助剤25からなる付着層27は、従来のようなコロイド状物質46(図7参照)のみからなる付着層47(図7参照)よりも粗いため、上記濾過助剤25間に流路が確保され、通水性が保たれる。これにより、従来に比べて濾過性能の低下を食い止めることができる。
【0022】
さらに、上記濾過助剤25からなる付着層27は膜チューブ13の外周面に弱く付着しているため、各膜チューブ13を逆洗することによって、容易に上記濾過助剤25の付着層27が膜チューブ13の外周面から剥離除去される。これにより、上記濾過助剤25に付着したコロイド状物質26も濾過助剤25と共に膜チューブ13の外周面から容易に剥離除去される。
【0023】
尚、上記各膜チューブ13の逆洗は、濾過処理水(又は逆洗水)を濾過水排出口20からケーシング11内に供給するとともに原水供給口14から排出することによって行われる。すなわち、逆洗運転時、濾過水排出口20から供給された濾過処理水は、膜チューブ13の基端開口13aを通り、膜チューブ13の細孔を通って膜チューブ13の内側から外側へ逆流することにより膜チューブ13を逆洗し、その後、原水供給口14から排出される。
【0024】
尚、上記濾過助剤25としては、砂、シルト、珪藻土、活性炭、アンスラサイト、ゼオライト、イオン交換樹脂の少なくともいずれか1つが用いられる。また、これらの種類の濾過助剤25のうち、吸着作用が大きいものほど、濾過助剤として適している。但し、被処理水の水質(コロイド状物質26の中身等)によって、適している濾過助剤25の種類は変わるため、被処理水の水質に応じて最適な濾過助剤25を選択している。
【0025】
上記実施の形態では、被処理流体の一例として水を挙げたが、水以外の液体であってもよい。
上記実施の形態では、通常運転時、被処理水を膜チューブ13の外側から内側へ透過させて濾過を行っているが、膜チューブ13の内側から外側へ透過させて濾過を行ってもよい。
【0026】
上記実施の形態では、濾過助剤25として、砂、シルト、珪藻土、活性炭、アンスラサイト、ゼオライト、イオン交換樹脂のいずれか1種類のみを用いてもよく、或いは、複数種類を混合して用いてもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、濾過助剤の主要粒径は膜チューブの細孔の主要孔径よりも大きいため、濾過助剤および濾過助剤に付着したコロイド状物質が膜チューブの細孔内に侵入するのを防止することができ、これにより、膜閉塞を防止することができる。
【0028】
また、濾過助剤の付着層は粗い層であり膜チューブの表面に弱く付着しているため、膜チューブを逆洗することによって、容易に上記濾過助剤の付着層が膜チューブの表面から剥離除去される。これにより、上記濾過助剤に付着したコロイド状物質も濾過助剤と共に膜チューブの表面から容易に剥離除去される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるセラミック膜モジュールの一部切欠き斜視図である。
【図2】同、セラミック膜モジュールの断面図である。
【図3】同、セラミック膜モジュールの膜エレメントの集束プレート側の断面図である。
【図4】図3におけるX−X矢視図である。
【図5】同、セラミック膜モジュールを用いた濾過時の膜チューブの断面図である。
【図6】従来の膜モジュールの断面図である。
【図7】同、膜モジュールを用いた濾過時のセラミック膜の断面図である。
【符号の説明】
10 セラミック膜モジュール
11 ケーシング
13 膜チューブ
25 濾過助剤
26 コロイド状物質
Claims (2)
- ケーシング内に、被処理流体を濾過する多数の細孔を有した直管状のセラミック製の膜チューブが設けられたセラミック膜モジュールを用いた濾過方法であって、
上記ケーシング内に供給される被処理流体に粉末状の濾過助剤を添加して、被処理流体中のコロイド状物質を上記濾過助剤に付着させた状態で、被処理流体を上記膜チューブで全量濾過し、上記濾過助剤の主要粒径を上記膜チューブの細孔の主要孔径よりも大きく設定することを特徴とするセラミック膜モジュールを用いた濾過方法。 - 濾過助剤として、砂、シルト、珪藻土、活性炭、アンスラサイト、ゼオライト、イオン交換樹脂の少なくともいずれか1つを用いることを特徴とする請求項1記載のセラミック膜モジュールを用いた濾過方法。
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---|---|---|---|
JP2002244420A JP2004081942A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | セラミック膜モジュールを用いた濾過方法 |
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JP2002244420A JP2004081942A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | セラミック膜モジュールを用いた濾過方法 |
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