JP3195971B2 - 道路用シート - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、道路に敷設して用いる
凍結又は積雪防止用のシートに関するものである。ここ
でいう道路には、橋やトンネル等人間や自動車が通過す
る部分すべてが含まれる。

【０００２】

【従来の技術】北海道や東北、裏日本地方では、道路の
凍結、積雪が大きな問題である。即ち交通が遮断され、
人々の生活が脅かされるか、又は交通事故の危険性があ
るのである。

【０００３】よって、従来から道路上の積雪を朝早くか
ら、除雪自動車等によって除去することが行なわれてい
る。しかし、この方法は、その除雪自動車よりも早くか
ら作業するものや、移動する車にとっては役に立たず、
結局はすべてが除雪車の後からということになってしま
う。また、除雪した雪は道路の側に放置するといつまで
も融解せず邪魔になるため、トラックで海や川に運ばな
ければならず非常な労力と時間がかかっている。

【０００４】更に、除雪車自体が多数あるわけではない
ので、遅い地域（比較的交通量の少ないところと思われ
る）では前記した通り、自分達で除雪しなければならな
いが遠方の道路までは人手では不可能である。

【０００５】当然、このような除雪車が来ない地域もあ
り、冬場の経済活動等に大きな問題となっている。

【０００６】そこで、道路自体に積雪を防止する機能を
持たせるものとして、道路に温水を散布する方法が考案
され実施もされている。しかし、この方法はその温水自
体が凍結し、危険であることが指摘されている。これに
代わるものとして、電熱ヒーターを道路表面近くの地中
に埋設する方法が考案され実施されている。

【０００７】これは、アスファルト舗装のアスファルト
材敷設前の段階で、熱線ヒーターを道路に敷設し、その
上からアスファルトを敷設する方法である。この方法に
よると、電熱線に電気を通じると表面温度が上昇し、積
雪が融解する。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の電線埋設方法では電気代が非常に高くなり、且つ電
気ヒーターの敷設も労力と時間のかかる作業である。

【０００９】

【課題を解決するための手段】このような現状に鑑み、
本発明者は鋭意研究の結果本発明シートを完成させたも
のであり、その特徴とするところは、粘着性を有するシ
ートの裏面に発熱体を固着し、表面には天然石、セラミ
ック等の遠赤外線を放出する粒状物を固着した点にあ
る。

【００１０】粘着性を有するシートとは、粘着力を有す
るシート状体であり、基材自体が粘着力を有するもので
も、粘着力のないシートに粘着剤を塗布して製造したも
のでもよい。また、補強のため繊維（例えば、織布等を
中心部に包含）を有するものでもよい。中でも、道路業
界や建築業界において、ブチルシートと呼ばれている粘
着性シートが好適である。このシートの粘着力は、埋設
すれば不要であるが、埋設するまでの取扱い上からのも
のである。よって、後述する粒状物や発熱体が落下しな
い程度でよい。

【００１１】この粘着シートの大きさは、自由であり道
路の幅や長さによって適宜選択すればよい。通常は、５
０ｃｍ×１ｍ〜２ｍ×４ｍ程度である。また、シートの
厚みは熱伝動と強度の兼ね合いで決定されるが、通常は
５ｍｍ〜１５ｍｍ程度が好適である。

【００１２】発熱体とは、通電により発熱する物質であ
り、通常の電熱線がその代表的なものである。また、プ
ラスチック製のもの等の面状のものでもよい。これらの
発熱体は、上方に自動車が通過したり、種々の衝撃や曲
げモーメントがかかるため、線状のものは二重や三重構
造のものが好適である。勿論、これらも市販されている
ものでよい。面状のものは、弾性を有する断線のしがた
いものがよい。発熱体は粘着性を有するシートの裏面に
固着されるのであるが、この上に更にシートを設けても
よい。即ち、サンドイッチ構造にするのである。

【００１３】発熱体の固着状態、即ち、線状のもので
は、どのようなレイアウトで線を配置するか等は自由で
あり、端子の取り出しの部分や個数も自由である。勿
論、電熱線自体が複数であってもよい。これは、断線し
た場合、全ヒーターが停止するのを防止するためであ
る。

【００１４】粒状物とは、天然の小石、天然石の粉砕
物、セラミックの粉砕物等であり、その大きさは特に限
定しないが、０．０１ｍｍ〜１０ｍｍ程度が好適であ
る。この粒状物は、遠赤外線を放出するものである。勿
論、通常の天然石やセラミックはほとんどが遠赤外線を
放出するため、ここでは、多量に放出するものが望まし
いという意味である。特に遠赤外線放射用として金属酸
化物を焼結させたセラミックが好適である。これは、市
販されているものでよい。

【００１５】遠赤外線放射特性が優れたものとしては、
コージエライト質やムライト質が知られている。また、
粒状物の固着は、シート全体でも、部分的でもよい。例
えば、電気による加熱が不足しがちな端部に多く固着す
る等である。

【００１６】本発明シートの使用方法は、道路を舗装す
る場合に、最終のアスファルトを敷設する前に、本シー
トを敷設し、それぞれのシートの発熱体の端部同士を圧
着端子等で接続し、その後通常と同様の方法によりアス
ファルトを施工すればよいだけである。

【００１７】

【実施例】以下図面に示す実施例に基づいて本発明をよ
り詳細に説明する。図１は、本発明シート１の１例の平
面図である。粘着性シート２の表面に粒状物３が多数固
着されている。図２は、その底面図である。発熱体とし
ての電線４が固着されている。ここでは、粘着性シート
２として前記したブチルシートを用いている。図３は、
断面図である。中心部分に補強用の粗く織った布５が設
けられている。この補強布５によって、上方からの強い
部分荷重によるシートの破断等を防止する。

【００１８】図１（ｂ）でわかるように、電線４の端部
はシート外に突出して端子６を形成している。これは、
通常の圧着端子等で接続すればよい。

【００１９】

【発明の効果】以上詳細に説明した本発明に係るシート
は、次のような利点を有している。 電気を通すだけで道路の凍結、積雪を防止する。遠
赤外線を放出する粒状物が固着されているため、単なる
電気ヒーターと比較して、放熱効果がよい。これによ
り、前記した電気代が高いという欠点を解消する。 施工が非常に簡単であり、アスファルト舗装の途中
に本シートを載置、接続するだけである。これにより、
前記の施工の労力、費用が大きいという欠点をを解消す
る。 従来の電線埋設方式と比較して工期が短くなるた
め、道路の遮断期間が短くなる。 個人の庭や通路等にも、素人でも施工できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明シートの１例を示す平面図である。

【図２】本発明シートの１例を示す背面図である。

【図３】本発明シートの１例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 本発明シート ２ 粘着シート ３ 粒状物 ４ 電線 ５ 補強布 ６ 端子

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 粘着性を有するシートの裏面に発熱体を
   固着し、表面には天然石、セラミック等の遠赤外線を放
   出する粒状物を固着したことを特徴とする道路用シー
   ト。