JP3195952B2 - 浴槽システムの洗浄方法とその洗浄装置 - Google Patents

浴槽システムの洗浄方法とその洗浄装置

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均 林
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敬次 奥山
康彦 山地
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、浴槽と給湯器の間に
設けられた循環通水管を通して給湯器の加温水を浴槽に
供給する浴槽システムの洗浄方法とその装置に関するも
のである。
【0002】従来、浴槽と給湯器の間に設けられた循環
通水管を通して給湯器の加温水を浴槽に供給する浴槽シ
ステムにおいて、浴槽を洗浄する際には、直鎖アルキル
ベンゼンするフォン酸塩、高級アルコール、硫酸エステ
ル塩、非イオン性界面活性剤、及びEDTA、クエン酸塩等
よりなるPHがほぼ中性の洗浄剤をスポンジ等を取り、手
洗い洗浄が行われている。
【0003】また、浴槽と給湯器からなる従来の上記浴
槽システムにおいては、浴槽だけでなく、石鹸カス等の
溜まる通水管内を洗浄する場合、アルカリ洗浄液にEDT
A、クエン酸塩、ケイ酸等を配合して通水管内に送入し
て、この通水管内を循環させて浴槽及び通水管内を洗浄
することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】この場合、給湯器の
加温部は銅などの金属材料で構成されており、アルカリ
洗浄液中に含まれるEDTA、クエン酸塩が加熱部を腐
食する傾向にある。
【0005】上述の加熱部における腐食を抑制するため
に、アルカリ洗浄液中にトリアゾール等のインヒビター
を加えるなどの方法が採られているが、十分な効果が得
られていない。
【0006】
【問題点を解決するための手段】以上の問題点を解決す
るため、この発明ではEDTA、クエン酸塩の1種又は
2種以上を含むアルカリ洗浄液を浴槽と給湯器の間に設
けられた循環通水路を通して給湯器の加温水を浴槽に供
給する浴槽システムの洗浄方法において、上記アルカリ
洗浄液を上記循環通水路内から浴槽内に噴射せしめた
後、上記循環通水路内に戻し、7m/sec 以下の低速で上
記給湯器の加温部を通過させるようにした浴槽システム
の洗浄方法とその洗浄装置を提案するものである。
【0007】ここで、アルカリ洗浄液中にはEDTA乃
至クエン酸塩等の他にトリアゾール等のインヒビターを
加えてもよい。
【0008】上記アルカリ洗浄液中のEDTA、クエン
酸塩の配合割合はEDTA5〜20Wt% 、クエン酸塩5〜
20Wt% であり、EDTA乃至クエン酸塩が5Wt% 以下で
は十分な洗浄効果が得られず、EDTA乃至クエン酸塩
が20Wt% 以上では加温部が腐食、損傷される虞れがあ
る。
【0009】また、アルカリ洗浄剤を7m/sec 以下、好
ましくは2 〜3m/sec程度の低速で給湯器の加温部を通過
させるが、ここで7m/sec 以下としたのはこれ以上では
給湯器の加温部の腐食、損傷が激しくなるからである。
【0010】
【発明の効果】即ち、アルカリ洗浄液が高速で給湯器の
加温部を通過する場合には銅等で構成される加温部はそ
の摩擦により、損傷を受けるため、腐食し易いが、この
発明ではEDTA、クエン酸塩を含むアルカリ洗浄液を
上記循環通水路内から浴槽内に噴射せしめた後、7m/se
c 以下の低速で給湯器の加温部を通過させるため、加温
部が損傷を受けることも少なく、腐食を抑制することが
できる。
【0011】また、この発明においては液状のアルカリ
洗剤を使用するため、洗浄システムが可能となる。
【0012】
【実施例】以下、この発明を図示の実施例に基づいて説
明する。図1、図2はこの発明の一実施例を示すもの
で、1は浴槽、2は給湯器、3は給湯器2の第1加温
部、4は第1加温部3で加熱された加温水を浴槽1内に
循環通水する通水管を示す。
【0013】通水管4の浴槽1の底面には加温水を低速
で第1加温部3に供給するポンプ5が設けられ、更にポ
ンプ5と第1加温部3の間の通水管4には圧力センサー
6、バルブ7a、流量計8が設けられる。
【0014】また、バルブ7aと流量計8の間の通水管4
には分岐管9が設けられ、分岐管9にはバルブ7bが設け
られる。
【0015】一方、浴槽1の側部の通水管4にはバルブ
7cを介在させた洗剤注入ユニット10が設けられ、更に通
水管4の先端部と分岐管9の先端部を浴槽1内に臨ませ
てこの先端部にノズル噴射ユニット11を設ける。
【0016】また、浴槽1の底部に当たる通水管4には
排水管12を接続し、排水管12にはバルブ7dを設け、一方
給湯器2には第2加温部13を設け、この加温部13にはそ
の先端を浴槽1の上部に臨ませた給水管14を通過させ、
給水管14と通水管4とはバルブ7eを介して接続する。
【0017】なお、この実施例では組み立てを容易にす
るために、洗剤注入ユニット10、ノズル噴射ユニット11
以外にポンプ5、バルブ7dを含む系を排水制御ユニット
A、圧力センサー6、バルブ7a、7b を含む系を洗浄ユニ
ットBとしてユニット化してある。
【0018】以上の構成において、浴槽1内に加温水を
供給する場合には、給水管14内の水を第2加温部13を通
過させることにより、加熱して浴槽1内に供給する。
【0019】また、浴槽1内を洗浄する場合には、一定
期間バルブ7eを開き、通水管4内に一定量の水を供給
し、通水管4内に供給された水は第1加温部3で60℃程
度に加温され、この加温水には、バルブ7cを開いてED
TA、クエン酸塩、トリアゾールを含むアルカリ洗浄剤
を加え、アルカリ洗浄液を調整する。
【0020】このように調整されたアルカリ洗浄液はノ
ズル噴射ユニット11より浴槽1内に噴射され、浴槽1内
の洗浄が行なわれる。
【0021】浴槽1内のアルカリ洗浄液はバルブ7aを開
き、ポンプ5により通水管4を通して低速(3m/sec 程
度) で第1加温部3に供給し、ここで加温されて前述の
ような浴槽1内の洗浄に供される。
【0022】なお、第1加温部3に送られるアルカリ洗
浄液が圧力センサー6で所定の圧以上を示した場合に
は、バルブ7dを開き、アルカリ洗浄液の一部を分岐管9
に導き、ノズル噴射ユニット11より再び浴槽1内に噴射
させるようにしてもよい。
【0023】この装置では、加温されたアルカリ洗浄液
を浴槽1内に噴射した後、通水管4内を循環させるた
め、浴槽1内の洗浄と石鹸カス等の溜った通水管4内の
洗浄を効果的に行なうことができるが、この場合アルカ
リ洗浄液はポンプ5で低速で第1加温部3に供給するた
め、アルカリ洗浄液中にEDTA、クエン酸塩等が含ま
れていても、銅等の材質で構成される第1加温部3の腐
食が抑制される。
【0024】なお、以上の装置を使用して下表に示すア
ルカリ洗浄剤で洗浄した場合の洗浄性と腐食性を下記表
1に示す
【0025】
【表1】
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す浴槽システムの洗浄
装置の概略図
【図2】同上の一部欠切した斜視図
【符号の説明】 1 浴槽 2 給湯器 3 第1加温部 4 通水管 5 ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥山 敬次 埼玉県川口市上青木4−12−4ティーポ ール研究所内 (72)発明者 山地 康彦 埼玉県川口市上青木4−12−4ティーポ ール研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47L 25/00 A47K 3/00 C11D 7/26 C11D 7/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 EDTA、クエン酸塩の1種又は2種以
    上を含むアルカリ洗浄液を浴槽と給湯器の間に設けられ
    た循環通水路を通して給湯器の加温水を浴槽に供給する
    浴槽システムの洗浄方法であって、上記アルカリ洗浄液
    を上記循環通水路内から浴槽内に噴射せしめた後、上記
    循環通水路内に戻し、7m/sec 以下の低速で上記給湯器
    の加温部を通過させるようにしたことを特徴とする浴槽
    システムの洗浄方法。
  2. 【請求項2】 EDTA5〜20Wt% 、クエン酸塩5〜20
    Wt% を含むアルカリ洗浄液を使用する特許請求の範囲第
    1項記載の方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ洗浄液を上記給湯器の加温部で
    加温するようにした特許請求の範囲第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】 浴槽と給湯器の間に設けられた循環通水
    路を通して給湯器の加温水を浴槽に供給する浴槽システ
    ムの洗浄装置であって、上記循環通水路からアルカリ洗
    浄液を浴槽内に噴射せしめるノズルと、循環通水路内の
    アルカリ洗浄液を7m/sec以下の低速で上記給湯器の加
    温部に供給するポンプを設けるようにしたことを特徴と
    する浴槽システムの洗浄装置。
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