JP3015065B2 - 排水管内のクリーニング方法 - Google Patents
排水管内のクリーニング方法Info
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Description
ーニング方法に係るもので、高層住宅その他ビルなどの
排水管の清掃工事に利用される。
洗浄法が一般に公知である。これは、ホースの先端に噴
射の推力によって自転するノズルを取り付け、このホー
スを管内に挿入し、ホース内に高圧水を送って前記ノズ
ルから水流を噴射させつつ管内を移動させ、噴出する水
流の衝撃力で管の内壁面に付着したスライムを除去する
ものである。
の曲がり管部を有する排水管に挿入するために、ワイヤ
ーでブレードしたホースを用い、150kg/cm2以下の噴射
圧力で噴射させる方法、3b以下の管径の排水管に同じく
ワイヤーでブレードしたホースを挿通し、10kg/cm2以下
の低い噴射圧力で噴射させる方法などもある。
排水管などでは、排水中に脂肪分が多量に含まれてい
る。この脂肪分は粘性が高く、しかも常温で固形化する
から管の内壁面に付着し易く、これが蓄積すると管央部
にせり出して水流を阻害し、排水管が詰まる主要な原因
となっている。このような排水管の通水不良の状態は縦
管と横管では異なっており、縦管では、第2図に示すよ
うに、固形化した脂肪を主構成分とするスライム(m)
は縦管(1a)の内壁面に付着し管央部に盛り上がって通
水面積を縮小させているが、横管では、第3図に示すよ
うに、スライム(m)は横管(2a)の両側から上部の内
壁面に付着して通水面積を減少させている。
している固形化した脂肪を完全に除去することが重要で
あるが、前述した従来の方法には次のような問題点があ
った。
る水流の衝撃力で除去されるが、この場合でも管内にお
いてノズルの位置が偏るため、除去にむらが生じて管の
内面を均一にクリーニングできないとともに、管壁に膜
状になって付着しているスライム層までは均一に除去で
きないから、クリーニング後に固形脂肪が再び付着しや
すい。
2、噴射水量を30〜100/cm2にして行っているが、洗浄
効果を上げるために噴射圧力及び噴射水量を大きくする
と、管を損傷して接続部などに水洩れを生じるほか、管
内の気圧が変化して各器具の封水が切れるというトラブ
ルが発生する。
及び第5図示のソベント(商品名)通気継手のような曲
がり管にワイヤーでブレードしたホースを通す方法で
は、管の損傷を防ぐために150kg/cm2以下の噴射圧力で
噴射させるので、スライムの取り残しの部分を生ずるほ
か、とくに、管壁に膜状になって付着しているスライム
層を完全に除去することはできない。
浄化槽が設備された場合は別として、多くはそのまま一
挙に河川又は下水道を通って下水処理場に流れ込む。こ
のスライム、とくに、固形脂肪の量は、1世帯(4人家
族標準)の1日当り排出する固形化脂肪分10g×非清掃
日数×清掃総世帯数となるからきわめて多量であり、こ
れが流れ込む河川では水質汚濁などの公害を生じ、下水
処理場では下水処理負荷量が一挙に増加し、処理能力を
超えた過負荷状態を惹起する。
における高圧水に生化学的処理剤を添加するか、又はそ
の溶液を排水管内に流し込み、排水管の詰まりの主原因
である固形脂肪を分解させてクリーニングする方法を提
供するものである。
移動させ、高圧水を噴射させて排水管内をクリーニング
する方法において、前記高圧水に所要量の生化学的処理
剤を加えて噴射させることを特徴としている。
水管付着物乾量1g当り10〜100uの脂肪分解能力の酵素量
を有し、膨潤化剤として炭酸水素ナトリウムを加え、水
溶液中PH9を上限としたことを特徴とする。
ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウムの1又
は複数を加えること、酵素としてプロテアーゼ、アミラ
ーゼを単独に又は併用して加えること、酵素活性の保持
剤としてN−アシルアミノ酸を加えることもできる。
を管内で移動させ、150kg/cm2以下の噴射圧力で水を噴
射させて排水管内をクリーニングする方法では、前記水
に前述した生化学的処理剤を加えるものである。
内に挿入する以前、又はワイヤーを挿入してスライムを
破砕すると同時か若しくは破砕した後、前述した生化学
的処理剤に、酒石酸、酒石酸水素カリウム、クエン酸そ
の他の起泡剤の1又は複数を加えた溶液を管内に流し込
むものである。
れを排水管の予定の位置まで挿入し、ポンプを作動さ
せ、ノズルから生化学的処理剤を溶解した水(以下「処
理水流」という)を噴射させつつ管内を移動させる。
撃力によって細かく破砕され、破砕された細小片は管壁
にぶっかって飛散する処理水流により乱方向に弾かれて
瞬間的に撹拌された状態となり、各細小片にはそのほぼ
全面に処理水流が付着され、酵素リパーゼによって固形
脂肪が分解され、溶出して流れ落ちる。また、管央部の
スライムが除去されたのち、管壁に付着している膜状の
スライム層の表面にも処理水流が飛散して付着するの
で、このスライム層も同様に分解される。
し撹拌させることができる程度であればよく、前記膜状
のスライム層を剥離させるほどの高い圧力にする必要は
ない。この場合、噴出ノズルが管内で偏っていても、激
しく噴射される処理水流が管の内部で飛散して殆ど全内
面に付着するから、スライムが除去されずに残ることは
なく管壁は均一にクリーニングされる。
も作用するが、さらに、スライム中の固形脂肪を細小な
ブロック状又は粒状に分散させ膨潤化させる作用を有し
ており、酵素リパーゼの分解活性の作用する面積を拡大
させている。また、N−アシルアミノ酸は、処理剤の保
存性を高めるとともに、水に溶解後の酵素活性を持続さ
せるために作用する。
は、ホースを誘導用のワイヤーでブレードして管内に挿
入する。この場合でも、噴射圧力は前述のように低い圧
力でよいから、管の接続部などに少しも損傷を与えずに
前述したクリーニング作用が行われる。とくに、このよ
うな複雑な配管内では、噴射される処理水流が管の内部
で飛散してミスト状、霧状になりその全内面に付着して
固形脂肪を分解するから、従来法では除去しがたい部分
の管壁でも確実にクリーニングされる。
入する以前か、又はワイヤーを挿入してスライムを破砕
すると同時か若しくはその後に、前述した生化学的処理
剤に、酒石酸、酒石酸水素カリウム、クエン酸その他の
起泡剤の1又は複数を加えた溶液を排水管内に流し込
む。これにより、前記と同様に固形脂肪が酵素リパーゼ
で分解されて溶出する。この際、酒石酸及び酒石酸水素
カリウムは、その起泡力でスライムの固形脂肪を撹拌分
散して酵素リパーゼの分解作用面積をより拡大させるた
め、リパーゼの分解作用は一段と向上する。このように
閉塞度の高い排水管では、一挙に多量の噴射水量でスラ
イムを除去すると、スライムが一時に剥離されて管の他
の部分又は分岐管などを逆に閉塞するおそれがあるが、
この方法によればこの点が解決される。
単独に又は併用して加えると、スライムに含まれる蛋白
質、炭水化物などが同時に分解される。
これを説明する。
る本発明の方法の概念図である。図において(3)は高
圧水を圧送するポンプ、(4)はポンプの吐出口に接続
されたホース、(5)はホースの先端に取り付けた噴射
用のノズルで、噴射による推力で噴射口部が自転するよ
うになっており、これらは従来と同様である。
あるが、さらに、生化学的処理剤の定量供給部(6)を
設け、ポンプ(3)で加圧される水に適量の処理剤を投
与するようにしてある。したがって、ノズル(5)から
噴射される高圧水には、前記処理剤が所要の割り合いで
混入され溶解した状態となっている。
としているが、酵素量その他の配合は排水管の詰まりの
程度に応じて調整される。その具体例を示せば次の通り
である。
維持された詰まりの状態)の排水管をクリーニングする
場合。
う調整する。なお、酵素量1uは、オリーブ油から脂肪酸
1マイクロモル/1minを遊離する能力である。
総計60の水に一時に、又は経時的に加え、噴射圧力80
kg/cm2内で管壁に噴射させる。本発明では、後述するよ
うに、ノズル(5)からの噴射圧力は管内のスライムを
破砕すれば充分であり、管壁に付着した膜状のスライム
層までを剥離させて洗い落す必要はないから、この程度
の低い圧力でよい。
ず、管央部にせり出しているスライム(m)が処理水流
の衝撃力によって細かく破砕され、破砕された細小片は
管壁にぶっかって飛散する処理水流により乱方向に弾か
れて瞬間的に撹拌された状態となり、各細小片にはその
ほぼ全面に処理水流が付着し、酵素リパーゼによって固
形脂肪が分解されて落下する。また、管央部にせり出し
たスライムが除去されたのち、管壁に付着している膜状
のスライム層(m′)の表面にも処理水流が飛散して付
着するので、このスライム層も同様に分解される。この
ため、ノズル(5)からの噴射圧力はスライムを破砕し
撹拌できる程度のものであればよく、前記膜状のスライ
ム層を剥離させるほどの高圧力にする必要はない。この
場合、噴出ノズル(5)が管内で偏っていても、激しく
噴射される処理水流が管の内部で飛散して殆ど全内面に
付着するから、スライムが除去されずに残るようなこと
はなく、管壁は均一にクリーニングされる。
4であるから、これを加えたのみで処理剤の水溶液のPH
は上限9に保たれるが、さらに、スライム中の固形脂肪
を分散させ膨潤化させる作用をもつており、これによっ
て酵素リパーゼの分解活性の作用面積を拡大させてい
る。次にその試験例を示す。
油脂に対する分散作用をみたもので、試験材には固形5
号ラードを用いた。双方とも水50ccを25℃に保ち、一方
には炭酸水素ナトリウム7.5gを入れ、PH8.1にして5号
ラードを浸漬しその状態をみた。
解酵素リパーゼを加え、10分後における固形5号ラード
のほぼ同一な分散状態から前記リパーゼの量を測定した
ものである。双方とも水50ccを25℃に保ち、一方には炭
酸水素ナトリウム0.5gを入れ、PH8.0にして5号ラード
を浸漬した。なお、水に加えたリパーゼはPH7を最高活
性点とし、水で活性化するものを用いた。
油脂が細かなブロック状ないし粒状に分散され、その表
面積が増大することがわかる。また、リパーゼが浸潤し
て作用する面積がより広範になるため確実に脂肪が分解
され、同一の分解効果をあげるのに必要な量は水の10分
の1でよいことがわかる。
ら、分解後のスライムの流動物が河川等に流れでても公
害上の問題は生じない。また、N−アシルアミノ酸は、
処理剤の保存性を高めるとともに、水に溶解後の酵素活
性を持続させるように作用する。
第5図示のソベント(商品名)通気継手(7)のような
曲がり管には、第6図に示すように、ホース(4)を誘
導用のワイヤー(8)でブレードして管内に挿入する。
この場合でも、噴射圧力は前述のように低い圧力でよい
から、管の接続部などに少しも損傷を与えないとともに
前述したクリーニング作用が行われる。とくに、このよ
うな複雑な配管内では、噴射される処理水流が管の内部
で飛散してミスト状、霧状になりその全内面に付着する
から、従来法では除去し難い部分の管壁でも確実にクリ
ーニングできる。
ーニングするには、ホース(4)、ノズル(5)を排水
縦管(1)の予定の位置(最下部の下水道接続口)まで
挿入し、ポンプ(3)を作動させ、ノズル(5)から処
理水流を噴射させつつ挿入口まで引き戻してくる。な
お、排水縦管(1)のクリーニング終了後、次に排水横
管(2)をクリーニングするが、これは、各横管のそれ
ぞれの末端開口部(2b)から縦管(1)内にまでホース
(4)、ノズル(5)を挿入し、上記と同様にして行う
のである。この横管(2)の内部では、ノズル(5)は
管の下側に偏って移動するが、前述したように処理水流
が管の内部で飛散しミスト状、霧状になって上側を含め
その全内面に付着するので、酵素リパーゼの分解作用に
より管壁が均一にクリーニングされる。
なりほぼ閉塞した状態)の排水管をクリーニングする場
合。
調整する。
し、滞留水量30(直ちに排水されずに管内に滞留する
水量)の排水管に流し込む。この流し込みは、ワイヤー
を管内に挿入する以前か、又はワイヤーを挿入してスラ
イムを破砕すると同時か、若しくは破砕したのちのいず
れでもよい。
成分である固形脂肪が酵素リパーゼで分解されて溶出す
る。この際、酒石酸及び酒石酸水素カリウムは、その起
泡力でスライムを撹拌して固形脂肪を膨潤化させ、酵素
リパーゼの分解作用面積を拡大させる。この起泡剤とし
ては、上記のほか、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、尿
酸、フマル酸、フマル酸ナトリウムなどを用いることが
できる。
水量でスライムを除去すると、管央部のスライムが一時
に剥離されて管の他の部分又は分岐管などを逆に閉塞す
るおそれがあるが、この実施例の方法によれば、約5〜
10分間でスライムが分解されて溶出するから、管の他の
部分又は分岐管などを閉塞することなくスライムを除去
することができる。
ゼ、アミラーゼを単独に又は併用して加えると、スライ
ムに含まれる蛋白質、炭水化物なども同時に分解させる
ことができる。
有している。
砕して瞬間的に撹拌させ各細小片のほぼ全面に処理水流
を付着させればよく、管壁に付着した膜状のスライム層
を剥離させる圧力を要しないので、従来の高圧水洗浄法
に比して低い噴射圧力で足り、接続部の水洩れ、各器具
の封水切れなどの管損傷を来たすことがない。
リウムの分散膨潤化作用によってその表面積が増大さ
れ、これにリパーゼが作用するのでその分解作用が効果
的に行われ、管央部のスライムは勿論、管壁に付着した
膜状のスライム層にも処理水流が飛散して付着するから
同様に分解されるもので、管壁に固形脂肪を残すことな
く完全にクリーニングすることができる。とくに、曲が
り管などの複雑な排水管内で従来法では除去が困難であ
った部分にも、処理水流が飛散して付着するから管内を
均一な状態で確実にクリーニングできる。
又は下水道に流れるので、河川の水質汚濁、下水処理場
の処理負荷量の一時的な増大が防止されるとともに、生
化学的処理剤のPH値は微アルカリであるから、分解され
た溶出流により公害を生ずることはない。
縦管のスライム閉塞状態を示す断面図、第3図は排水横
管の同状態の断面図、第4図は洗浄作用の説明図、第5
図は通気継手の斜面図、第6図は曲がり管挿入時のホー
スの一部斜面図である。 1……排水縦管、2……排水横管、 3……ポンプ、4……ホース、 5……ノズル、6……定量供給部、 8……ワイヤー。
Claims (7)
- 【請求項1】ホースとその先端のノズルを排水管内で移
動させ、該ノズルから高圧水を噴射させて前記排水管内
をクリーニングする方法において、前記高圧水に脂肪分
解酵素を主剤とする所要量の生化学的処理剤を加えて噴
射させることを特徴とした排水管内のクリーニング方
法。 - 【請求項2】前記生化学的処理剤は、主剤が酵素リパー
ゼで、雑排水管付着物乾量1g当り10〜100uの脂肪分解能
力の酵素量を有し、膨潤化剤として炭酸水素ナトリウム
を加え、水溶液中PH9を上限としたものである請求項1
記載の排水管内のクリーニング方法。 - 【請求項3】請求項2の生化学的処理剤に、PH調整剤と
して炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウ
ムの1又は複数を加える請求項1記載の排水管内クリー
ニング方法。 - 【請求項4】請求項2の生化学的処理剤にプロテアーゼ
及び/又はアミラーゼを加える請求項1記載の排水管内
のクリーニング方法。 - 【請求項5】請求項2の生化学的処理剤にN−アシルア
ミノ酸を加える請求項1記載の排水管内のクリーニング
方法。 - 【請求項6】前記ホースがワイヤーでブレードされてお
り、前記高圧水の噴射圧力が150kg/cm2以下である請求
項1ないし5のいずれかに記載の排水管内のクリーニン
グ方法。 - 【請求項7】前記ワイヤーを前記排水管内に挿入する以
前、又は前記ワイヤーを挿入してスライムを破砕すると
同時か若しくは破砕後に、前記生化学的処理剤に酒石
酸、酒石酸水素カリウム、クエン酸その他の起泡剤の1
又は複数を加え、この溶液を前記排水管内に流し込むこ
とを特徴とした請求項6記載の排水管内のクリーニング
方法。
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JP2114750A Expired - Fee Related JP3015065B2 (ja) | 1990-04-27 | 1990-04-27 | 排水管内のクリーニング方法 |
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JP6104214B2 (ja) * | 2014-09-18 | 2017-03-29 | アクア技研株式会社 | 排水管の洗浄方法 |
JP7043037B2 (ja) * | 2017-03-16 | 2022-03-29 | 有限会社第一化学工業所 | 竪管等の管内エフロの除去兼固着防止方法及びその装置 |
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1990
- 1990-04-27 JP JP2114750A patent/JP3015065B2/ja not_active Expired - Fee Related
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