JP3195106B2 - 平面型磁気素子の製造方法 - Google Patents

平面型磁気素子の製造方法

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JP3195106B2
JP3195106B2 JP04300893A JP4300893A JP3195106B2 JP 3195106 B2 JP3195106 B2 JP 3195106B2 JP 04300893 A JP04300893 A JP 04300893A JP 4300893 A JP4300893 A JP 4300893A JP 3195106 B2 JP3195106 B2 JP 3195106B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超小型薄型の平面インダ
クタ、平面トランスなどの平面型磁気素子の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子機器の小型化が盛んに進
められ、これに伴って機器全体に占める電源の容積比率
は増大する傾向にある。これは、各種の回路がLSI化
される一方で、電源部に必須の回路要素であるインダク
タンスやトランスなどのインダクタンス素子の小型軽量
化が遅れているためである。
【0003】そこで、これらインダクタンス素子を平面
型にして小型化するための種々の試みがなされている。
例えば、平面インダクタとしては、ポリイミドなどの絶
縁基板上に導体膜を形成した後、湿式エッチング法でパ
ターニングして形成されたスパイラル平面コイル上に絶
縁層を載せ、さらにこれらの両面をフェライト板やアモ
ルファス合金箔などの磁性体で挟んだ構造のものが知ら
れている。同様に、平面型トランスとしては、絶縁層を
介して1次側のスパイラルコイルと2次側のスパイラル
コイルとを形成し、これらの両面を絶縁層で挟み、さら
にこれらの両面を磁性体で挟んだ構造のものが知られて
いる。
【0004】また、半導体装置の製造に用いられるのと
同様な薄膜プロセスのみを用いて平面型磁気素子を製造
しようとする試みもある。例えば、平面インダクタは以
下のようにして製造される。Si基板表面に、下地絶縁
膜、磁性膜、および層間絶縁膜を順次成膜する。この層
間絶縁膜上に導体膜を形成した後、例えばフォトリソグ
ラフィーにより平面コイルを形成する。平面コイルの線
間を埋め上面を覆う層間絶縁膜、および磁性膜を順次成
膜する。さらに、磁性膜の加工、磁界中熱処理、特性評
価を行った後、ダイシングする。
【0005】また、平面トランスは以下のようにして製
造される。Si基板表面に、下地絶縁膜、磁性膜、およ
び層間絶縁膜を順次成膜する。この層間絶縁膜上に導体
膜を形成した後、例えばフォトリソグラフィーにより1
次側の平面コイルを形成する。1次側の平面コイルの線
間を埋め上面を覆う層間絶縁膜を成膜する。この層間絶
縁膜上に導体膜を形成した後、例えばフォトリソグラフ
ィーにより2次側の平面コイルを形成する。2次側の平
面コイルの線間を埋め上面を覆う層間絶縁膜、および磁
性膜を順次成膜する。さらに、磁性膜の加工、磁界中熱
処理、特性評価を行った後、ダイシングする。しかし、
従来の方法には以下に示すように多くの欠点があるた
め、平面型磁気素子の製造は実用化されていない。
【0006】第1に、薄膜プロセスを用いた平面型磁気
素子の製造では、薄膜の積層に伴う温度履歴により発生
する応力を緩和する技術、およびコイルの線間の絶縁を
確保できる絶縁物埋め込み技術などが確立されていな
い。このため、製造されるインダクタンス素子の歩留ま
りが低下し、製品コストの上昇を招く。また、このよう
な方法で製造された平面型磁気素子では、内部に応力が
残留しているため、いわゆる逆磁歪効果によって磁気異
方性分散が発生する。この結果、高周波損失が増加し、
インダクタンス素子としての品質係数Qが小さくなり、
実用に供することができなくなる。
【0007】第2に、ポリイミドなどの絶縁基板上で導
体膜をパターニングして形成した平面コイルと、アモル
ファス合金箔やフェライト板などの磁性膜を用いる方法
では、厚みの減少およびサイズの微細化に限界があり、
コイルの線間の間隔を小さくできないためにインダクタ
ンスが劣化し、Q値が小さくなるという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
方法で製造された平面型磁気素子は、小型化に必須の動
作周波数の高周波化に対応できないという問題があっ
た。本発明は、コストパフォーマンスに優れた超小型薄
型の平面型磁気素子を簡便に製造できる方法を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の平面型磁気素子
の製造方法は、第1の基板上のチップとして区画される
領域にそれぞれ平面コイルを形成する工程と、第2の基
板上に磁性膜を形成し、かつ前記第1の基板上に形成さ
れる平面コイルの端子に対応してスルーホールを形成す
る工程と、前記第1の基板上の平面コイルと前記第2の
基板上の磁性膜とを互いに面するように配置し絶縁膜を
介して互いに密着させる工程と、前記第1および第2の
基板をダイシングしてチップ状の平面型磁気素子を形成
する工程とを具備したことを特徴とする。
【0010】本発明において、平面コイルのパターンと
しては、スパイラルパターン、ミアンダーパターンな
ど、各種のパターンが利用可能である。ただし、インダ
クタンスを向上させるには、スパイラルパターンが最も
適している。
【0011】これらの平面コイルは、以下のような方法
により形成できる。(1)基板上に薄膜プロセスにより
導体膜を形成し、微細加工技術によりパターニングして
形成する。なお、平面コイルの両面が磁性膜で挟まれた
素子を製造する場合には、平面コイルを形成する側の基
板上に磁性膜および絶縁膜を形成した後、前記と同様に
平面コイルを形成してもよい。(2)ポリイミドなどの
絶縁基板上に導体膜を形成した後、湿式エッチング法で
パターニングして形成する。(3)銅箔と絶縁層とを重
ね合わせ、ロール状に巻いた後、スライスする。
【0012】また、平面コイルの数は用途に応じて様々
に選択できる。複数の平面コイルを用いる場合、これら
の配置関係は、特に限定されない。例えば、全ての平面
コイルを積層する、一部の平面コイルを積層し残りの平
面コイルを横並びに配置する、全ての平面コイルを横並
びに配置する、など随意に選択できる。複数の平面コイ
ルを用いる場合には、上記製法のうち1種または2種以
上を用いて作製する。
【0013】本発明においては、平面コイルと別に、基
板上に磁性膜を形成する。基板は、用途に応じて、多結
晶絶縁基板、単結晶絶縁基板、ガラスなどのアモルファ
ス材料、Al2 3 やAlNなどのセラミックス材料な
どが選択される。具体的には、SiやGaAsなどの半
導体用基板、SiO2 やMgOなどの酸化物基板などが
用いられる。磁性膜は、用途に応じて、高周波での磁性
体損失の少ないアモルファス合金膜、飽和磁化の大きい
Fe系磁性膜、2種以上の磁性膜を積層した多層膜、磁
性膜と絶縁膜とを積層した多層膜、3Tに近い磁化を有
するFe8 Nエピタキシャル膜、磁化は小さいが高周波
特性に優れた酸化物磁性膜(フェライト膜など)などが
用いられる。
【0014】これらの磁性膜は、そのまま利用してもよ
いし、熱処理により保磁力を低減してもよい。また、以
下に示すような各種の方法で、磁気異方性を制御しても
よい。(1)基板材料として単結晶材料を用い、基板と
のエピタキシャル成長を利用して単結晶磁性膜を形成
し、磁性膜に結晶磁気異方性を付与する。(2)基板上
にアモルファス合金膜を形成し、磁界中アニールによる
誘導磁気異方性を導入する。(3)磁性膜にエネルギー
ビームを(例えばレーザなどのフォトンビームあるいは
イオンビームなどの粒子ビーム)照射することにより、
磁性膜に磁気異方性を導入する。
【0015】本発明においては、このようにして磁性膜
が形成された基板を、平面コイルに磁性膜側を対向させ
て、前述した平面コイルの少なくとも一方の面(両面で
もよい)に密着させることにより、平面型磁気素子を製
造する。
【0016】また、平面トランスを製造する場合には、
基板上に形成された磁性膜の上に絶縁膜を介して平面コ
イルを形成し、この基板を平面コイルと密着させること
もできる。
【0017】なお、これら両者の間は原則的に絶縁す
る。絶縁層としては、厚さ数μmの極薄ポリイミドフィ
ルム、平面コイル上または磁性膜上に薄膜プロセスによ
り形成された厚さ1μm程度の絶縁膜、液状レジストを
塗布した後ベーキングして固化させたもの、熱圧着のた
めの熱可塑性樹脂などを用いることができる。以下、本
発明の方法の例を図面を参照してより詳細に説明する。
図1は、一方のシリコン基板上に平面コイルを、他方の
基板上に磁性膜を形成し、両者を密着させる方法を説明
するものである。
【0018】まず、第1のSi基板101上に熱酸化膜
(図示せず)、磁性膜102、および層間絶縁膜(図示
せず)を順次成膜する。この層間絶縁膜上に、導体膜を
形成した後、フォトリソグラフィーにより平面コイル1
03を形成する。さらに、平面コイルの線間を埋め、そ
の上面を覆う層間絶縁膜(図示せず)を成膜する。この
層間絶縁膜に平面コイルの端子を取り出すためのコンタ
クトホールを形成する。コンタクトホールに電極金属を
埋め込み、必要に応じて配線を形成する。
【0019】一方、第2のシリコン基板111上に熱酸
化膜(図示せず)を成膜する。第1の基板上に形成され
た平面コイルの端子位置に対応するように、スルーホー
ル112を形成する。スルーホール112に電極金属を
埋め込み、平坦化する。スクライブライン113を形成
する。この基板111の裏面側に磁性膜114を成膜す
る。これらの工程において適宜、絶縁膜の平坦化、磁界
中での磁性膜の熱処理などを行う。
【0020】このようにして得られた2つのシリコン基
板101、111を位置合わせして貼り合わせ、ダイシ
ングして平面インダクタを製造する。さらに、特性評価
を行う。なお、第1または第2のシリコン基板には、予
め能動素子を形成しておいてもよい。
【0021】図2は、シリコン基板の代わりに、有機材
料系基板を用いた例を示すものである。まず、第1の有
機材料系基板121上に、図1の場合と同様に、磁性膜
122、層間絶縁膜、平面コイル123を形成する。さ
らに、平面コイルの線間を埋め、その上面を覆う層間絶
縁膜を成膜する。この層間絶縁膜に平面コイルの端子を
取り出すためのコンタクトホールを形成する。コンタク
トホールに電極金属を埋め込み、必要に応じて配線を形
成する。一方、第2の有機材料系基板131上に磁性膜
132を成膜する。スルーホール133を打ち抜いて、
電極金属を埋め込み、平坦化する。磁性膜132が形成
された面の裏面側にスクライブライン134を形成す
る。これら2つの基板121、131を位置合わせして
貼り合わせ、ダイシングして平面インダクタを製造す
る。
【0022】図3は、絶縁テープを用いた例を示すもの
である。まず、図1と同様に、Si基板101上に熱酸
化膜、磁性膜102、および層間絶縁膜を順次成膜す
る。この層間絶縁膜上に、導体膜を形成した後、フォト
リソグラフィーにより平面コイル103を形成する。さ
らに、平面コイルの線間を埋め、その上面を覆う層間絶
縁膜を成膜する。この層間絶縁膜に平面コイルの端子を
取り出すためのコンタクトホールを形成する。コンタク
トホールに電極金属を埋め込み、必要に応じて配線を形
成する。一方、端子穴が設けられた絶縁テープ141上
に磁性膜(図示せず)を形成し、テープを所定長さに切
断する。この磁性膜が形成された絶縁テープ141を、
Si基板101上の平面コイル103上に接着した後、
ダイシングする。
【0023】なお、図1のような方法で平面トランスを
製造する場合、端子を取り出すためのスルーホールの形
成方法について、図4を参照して説明する。なお、この
図では、一部の絶縁膜を図示していない。第1のSi基
板101上に熱酸化膜、磁性膜102、および層間絶縁
膜を順次成膜する。この層間絶縁膜上に、1次側の平面
コイル103を形成する。さらに、平面コイル103と
接続する電極104を形成する。一方、第2のシリコン
基板111上に熱酸化膜を成膜し、スルーホール112
を形成する。この基板111上に磁性膜114を成膜
し、さらに層間絶縁膜を介して2次側の平面コイル11
5および電極116を形成する。さらに、層間絶縁膜1
17を形成する。このようにして得られた2つのシリコ
ン基板101、111を位置合わせして貼り合わせる。
さらに、第2のシリコン基板111上の電極116に対
応する位置にスルーホール118を形成する。
【0024】本発明において、平面コイルと磁性膜との
相対的な配置関係は特に限定されない。ただし、平面コ
イルにより発生する磁束と、磁性膜の磁化の方向とがほ
ぼ直交するように配置し、磁化過程において磁化のロー
テーションだけを利用するようにすれば、インダクタン
ス素子としての特性、特に高周波特性を向上できるので
好ましい。
【0025】本発明の方法を用いれば、薄膜プロセスを
用いた場合でも、平面コイルと磁性膜とを別々の基板上
に形成するので、個々の基板上に積層される薄膜の数が
従来よりも少なくなる。このため、薄膜の積層に伴って
発生する応力を低減することでき、製造後に残留する内
部応力も低減するため、逆磁歪効果による磁気異方性の
分散も発生しにくくなる。このため、製造されるインダ
クタンス素子の歩留まりが向上する。また、高周波損失
を低減でき、インダクタンス素子としての品質係数Qを
向上できる。
【0026】さらに、本発明の方法により、インダクタ
ンス素子と能動素子とを1チップ化して、マイクロ電源
などに応用することができる。図5に、本発明の方法に
より製造されたDC−DCコンバータを有する安定化電
源回路の回路図を示す。この回路は、制御IC201に
よってパワーMOSトランジスタ202のオン時間を制
御して、入力直流電源の出力を高周波に変換し、これを
インダクタンス203、ダイオード204、コンデンサ
205からなる整流平滑回路で直流に戻して安定化する
ものである。図5の破線で囲まれた部分が1チップとし
て形成され、図5の一点鎖線で囲まれた部分が1パッケ
ージとして形成されている。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 実施例1
【0028】図6(a)に示すように、Si基板11上
に熱酸化膜12を形成した。その上に、スパッタ法によ
り厚さ10μmのAl膜13を形成した。図6(b)に
示すように、このAl膜13を微細加工技術を用いて加
工することにより、1ユニットが幅10μm、ギャップ
5μm、ターン数30、外形5mm角の方形スパイラル
コイル14からなるパターンを形成した。図6(c)に
示すように、導体間ギャップにポリイミド15を埋め込
み、熱硬化させた。図6(d)に示すように、Si基板
11の裏面をスライシング加工して、その厚みを10μ
mまで減少させた。その後、1ユニットごとに切断し、
5mm角、厚さ14μmのスパイラルコイル付きSi基
板を形成した。
【0029】図7(a)に示すように、別の基板として
表面が(100)面である単結晶MgO基板21を用
い、その上にイオンビームスパッタ法により磁性膜とし
て厚さ1μmのFe膜22を形成した。その上にスパッ
タ法により厚さ1μmのSiO2 膜23を形成した。磁
性膜と基板との方位関係は、Fe(100)がMgO
(100)に平行、Fe<100>がMgO<110>
に平行であった。このことから、Fe膜22がMgO基
板21上にエピタキシャル成長していることがわかっ
た。また、Fe膜22の磁気特性は、飽和磁化21k
G、保磁力1.0Oeであった。これを結晶の<100
>に平行な直線上でカットし、外形が5.5mm角の正
方形状磁性膜を形成した。図7(b)に示すように、平
面コイル付きSi基板11の上下を、2枚の磁性膜付き
MgO基板22で挟んで密着し、平面インダクタを作製
した。
【0030】図8に示すように、Feの磁化容易軸は<
100>であるため、本実施例におけるコイルと磁性膜
との配置では、スパイラルコイル14から発生する磁束
は磁性膜22の困難軸方向に向いているため、磁化過程
はいわゆる磁化のローテションのみで行われることにな
る。本実施例の平面インダクタについて、インダクタン
スおよびQの周波数特性を図9に、インダクタンスの出
力電流依存性(直流重畳特性)を図10に示す。 実施例2
【0031】図11(a)に示すように、ポリイミドフ
ィルム31上にCuフォイルを張り付け、湿式エッチン
グ法により、ライン/スペース=200μm/50μ
m、外形が7mm角のミアンダーコイル32を形成し
た。
【0032】図11(b)に示すように、別の基板とし
てガラス基板41を用い、その上にスパッタ法により厚
さ2μmのアモルファスCoZrNb膜42を形成し
た。これを8mm角に切断し、450℃で20分間、1
kOeの磁界中アニールすることにより、磁界印加方向
に10Oeの磁気異方性を付与した。
【0033】図11(c)に示すように、コイル付きポ
リイミドフィルム31と磁性膜付きガラス基板41と
を、コイルにより発生する磁束と磁気異方性の方向とが
直交するように配置してポリイミドフィルム43を挟ん
で接着させ、平面インダクタを作製した。本実施例の平
面インダクタについて、インダクタンスの周波数特性を
図12に示す。 実施例3
【0034】図13(a)に示すように、Si基板51
上に真空蒸着法により厚み1μmの単結晶MgO膜52
を形成した。MgOの表面の面方位は(100)であっ
た。その上にイオンビーム法により、厚み2μmの単結
晶Fe膜53を形成した。その上にスパッタ法によりS
iO2 膜54を形成した。さらに、その上にスパッタ法
によりAl膜を形成した。このAl膜を微細加工技術を
用いてパターニングし、スパイラルコイル55を形成し
た。
【0035】図13(b)に示すように、別の基板とし
て単結晶MgO基板61を用い、その上にスパッタ法に
より単結晶Fe膜62を形成した。さらに、その上にス
パッタ法によりMgO膜63を形成した。図13(c)
に示すように、実施例1と同様の方位関係で、コイル付
きSi基板51と磁性膜付きMgO基板61とを密着
し、平面インダクタを作製した。本実施例の平面インダ
クタについて、インダクタンスの周波数特性を図14に
示す。
【0036】さらに、本発明を用いることにより、例え
ば図15に示すような平面トランス、または図15に示
すような平面インダクタと平面トランスとの複合素子、
など多様な平面インダクタンス素子を簡便かつ低コスト
で製造できる。
【0037】図15の平面トランスは、2つのAlN基
板71上に、それぞれCoZrNb/SiO2 多層膜7
2、SiO2 膜73、およびCuコイル74(それぞれ
の基板上での巻数が異なる)を形成したものを、ポリイ
ミドフィルム75を挟んで接着させたものである。
【0038】図16の複合素子では、2つのAl2 3
基板81上に、それぞれフェライト膜82、SiO2
83を形成したものが用いられている。一方の基板に
は、SiO2 膜83上にさらにAlコイル87が一部形
成されている。これらの間に、種々の素子を構成する部
材が挟まれている。例えば、Si基板86上にSiO2
膜85を介して形成されたAlコイル84が挟まれてい
る。また、3層のCuスライスコイル88を、各コイル
の間にポリイミドフィルム89を介在させて積層したも
のが挟まれている。さらに、基板の一部上に形成された
Alコイル87に対応する部分に、Cuスライスコイル
88およびポリイミドフィルム89が挟まれている。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の方法を用い
れば、高効率・大容量で超小型薄型の平面型磁気素子を
簡便にかつ低コストで製造でき、携帯用途を中心とする
電子機器の小型軽量化に大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により、一方のシリコン基板上に平面コ
イルを形成し、他方のシリコン基板上に磁性膜を形成し
て、両者を貼り合わせて平面インダクタを製造する方法
を説明する図。
【図2】本発明により、一方の有機材料系基板上に平面
コイルを形成し、他方の有機材料系基板上に磁性膜を形
成して、両者を貼り合わせて平面インダクタを製造する
方法を説明する図。
【図3】本発明により、シリコン基板上に平面コイルを
形成し、絶縁テープ上に磁性膜を形成して、両者を貼り
合わせて平面インダクタを製造する方法を説明する図。
【図4】本発明により、平面トランスを製造する方法を
説明する図。
【図5】DC−DCコンバータを示す回路図。
【図6】(a)〜(d)は、本発明の実施例1における
スパイラルコイル付き基板の製造工程を示す断面図。
【図7】(a)および(b)は、本発明の実施例1にお
ける磁性膜付き基板および平面インダクタの製造工程を
示す断面図。
【図8】本発明の実施例1の平面インダクタについて、
コイルにより発生する磁束と磁性体の磁化容易軸との方
位関係を示す説明図。
【図9】本発明の実施例1の平面インダクタについて、
インダクタンスおよびQの周波数特性を示す特性図。
【図10】本発明の実施例1の平面インダクタについ
て、インダクタンスの出力電流依存性(直流重畳特性)
を示す特性図。
【図11】(a)〜(c)は、本発明の実施例2におけ
る平面インダクタの製造工程を示す断面図。
【図12】本発明の実施例2の平面インダクタについ
て、インダクタンスの周波数特性を示す特性図。
【図13】(a)〜(c)は、本発明の実施例3におけ
る平面インダクタの製造工程を示す断面図。
【図14】本発明の実施例3の平面インダクタについ
て、インダクタンスの周波数特性を示す特性図。
【図15】本発明の他の実施例における平面トランスの
断面図。
【図16】本発明のさらに他の実施例における平面イン
ダクタと平面トランスとの複合素子の断面図である。
【符号の説明】
11…Si基板、12…熱酸化膜、13…Al膜、14
…スパイラルコイル、15…ポリイミド、21…MgO
基板、22…Fe膜、23…SiO2 膜、31…ポリイ
ミドフィルム、32…ミアンダーコイル、41…ガラス
基板、42…CoZrNb膜、43…ポリイミドフィル
ム、51…Si基板、52…MgO膜、53…Fe膜、
54…SiO2 膜、61…MgO基板、62…Fe膜、
63…MgO膜、71…AlN基板、72…CoZrN
b/SiO2 多層膜、73…SiO2 膜、74…Cuコ
イル、75…ポリイミドフィルム、81…Al2 3
板、82…フェライト膜、83…SiO2 膜、84…A
lコイル、85…SiO2膜、86…SiO2 基板、8
7…Alコイル、88…Cuスライスコイル、89…ポ
リイミドフィルム、101…第1のSi基板、102…
磁性膜、103…平面コイル、104…電極、111…
第2のSi基板、112…スルーホール、113…スク
ライブライン、114…磁性膜、115…2次側の平面
コイル、116…電極、117…層間絶縁膜、118…
スルーホール、121…第1の有機材料系基板、122
…磁性膜、123…平面コイル、131…第2の有機材
料系基板、132…磁性膜、133…スルーホール、1
34…スクライブライン、141…絶縁テープ、201
…制御IC、202…パワーMOSトランジスタ、20
3…インダクタンス、204…ダイオード、205…コ
ンデンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 敏郎 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平2−121310(JP,A) 特開 昭49−41849(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 17/00 - 17/08 H01F 41/00 - 41/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の基板上のチップとして区画される
    領域にそれぞれ平面コイルを形成する工程と、第2の基
    板上に磁性膜を形成し、かつ前記第1の基板上に形成さ
    れる平面コイルの端子に対応してスルーホールを形成す
    る工程と、前記第1の基板上の平面コイルと前記第2の
    基板上の磁性膜とを互いに面するように配置し絶縁膜を
    介して互いに密着させる工程と、前記第1および第2の
    基板をダイシングしてチップ状の平面型磁気素子を形成
    する工程とを具備したことを特徴とする平面型磁気素子
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記磁性膜が形成される第2の基板とし
    て単結晶基板を用い、前記磁性膜に結晶磁気異方性を導
    入することを特徴とする請求項1記載の平面型磁気素子
    の製造方法。
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