JP3194781B2 - 弾性表面波装置 - Google Patents

弾性表面波装置

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JP3194781B2
JP3194781B2 JP12005692A JP12005692A JP3194781B2 JP 3194781 B2 JP3194781 B2 JP 3194781B2 JP 12005692 A JP12005692 A JP 12005692A JP 12005692 A JP12005692 A JP 12005692A JP 3194781 B2 JP3194781 B2 JP 3194781B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、通信や各種電子シス
テムなどに用いられる弾性表面波装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図13は、例えば特開昭60−6538
1号公報に示された、従来のこの種の弾性表面波装置の
構成を示したものである。図13において、1は弾性表
面波が伝搬する基板、2は弾性表面波の導波路、3は弾
性表面波を励振あるいは受信するすだれ状電極である。
図14は、図13のすだれ状電極3の構成を詳しく示し
たものであり、図14中の4は電極指である。
【0003】次に、この従来例の動作について説明す
る。図13において、左右2つのすだれ状電極3にそれ
ぞれ電気信号を入力することにより、基板1上に弾性表
面波が励振される。この弾性表面波は、基板1上を伝搬
し、導波路2に到達する。弾性表面波は導波路2に入射
した後、導波路2に沿って伝搬する。左右2つのすだれ
状電極3により励振された弾性表面波は、それぞれ、導
波路2を逆方向に伝搬し、ある位置ですれちがう。この
とき非線形作用によって2つの弾性表面波の積の成分が
生じる。導波路2は積分電極として作用し、導波路2の
各々の位置で生じた積の成分は、導波路2全体で加算さ
れ、再び電気信号として導波路2から出力される。導波
路2での加算は、弾性表面波が導波路2を通過するのに
要する時間にわたっての時間積分に対応している。した
がって、出力電気信号は、2つの入力電気信号の畳み込
み積分となり、図13に示した弾性表面波装置はコンボ
ルバとして動作する。
【0004】図14において、弾性表面波は、電極指4
が互いに交差している部分から励振される。この交差部
分では、電極指4は、導波路2側から見て凹形となるよ
うに湾曲させてある。この湾曲形状は、仮に、弾性表面
波が導波路2中を伝搬してきて、導波路2の端部から放
射されるとしたときに、放射された弾性表面波の等位相
点を結んでできる形状に合わせてある。したがって、電
極指4の各点から励振された弾性表面波は、導波路2の
端部に同相で到達する。言い換えれば、すだれ状電極3
から励振された弾性表面波は、導波路2の端部に集束す
るので、弾性表面波を効率よく導波路2に入射できる。
【0005】一方、電極指4の交差幅は、両端の一部を
除いては、導波路2側から見て徐々に大きくしてあり、
隣り合う電極指4が交差する領域の端部を結んでできる
形状は、点線で示すように、滑らかな曲線にしている。
【0006】電極指4の上記交差幅は、次のように決定
されている。図14に示すように、導波路2の延長方向
をZ軸とし、基板1の表面においてZ軸と垂直な方向を
X軸とする。図15のa1は、仮に、弾性表面波が導波
路2中を伝搬してきて、導波路2の端部から放射される
としたとき、放射された弾性表面波のX軸方向に沿った
振幅分布である。このときのZ座標は、すだれ状電極3
が設置されている、ある場所に固定してある。弾性表面
波の振幅は、図15に示すように、中心で大きく両端部
で小さくなる分布をしている。
【0007】一方、すだれ状電極3では、電極指4が交
差している部分で弾性表面波は一様に受信されるから、
上記と同じZ座標の位置におけるX軸方向に沿った受信
効率は、図16のa2に示すように矩形状となる。この
ことは、電極指4が交差している部分で弾性表面波が励
振され、励振振幅のX軸方向に沿った分布が、図16の
a2に示すように矩形状となると考えれば分かりやす
い。特開昭60−65381号公報では、次式
【0008】
【数1】
【0009】で表面波への変換効率Tpを定義してい
る。ここで、*印は複素共役を表している。電極指4の
交差幅Wを変化させると、(1)式のTpは変化し、あ
るWの値で最大となる。特開昭60−65381号公報
では、Tpが最大となるWを、上記Z座標の位置におけ
る電極指4の交差幅として決定している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
弾性表面波装置では、位相分布を考慮して電極指4を湾
曲させて弾性表面波を集束させるとともに、振幅分布も
考慮して変換効率Tpが最大になるように交差幅Wを決
定することにより、効率の向上を図っていた。しかしな
がら、従来の弾性表面波装置では、図15に示したa1
は中央で凸形状しており、図16に示したa2は矩形状
に限定された条件のもとで、変換効率Tpを最大にする
ように交差幅Wを決定していたため、必ずしも、電気信
号と弾性表面波との相互交換の大きな効率を得られない
という問題点があった。
【0011】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、弾性表面波を導波路に効率良
く入射させるようにすることにより、電気信号と弾性表
面波との相互交換効率の高い弾性表面波装置を得ること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る弾
性表面波装置は、弾性表面波が伝搬する基板1上に、弾
性表面波の導波路2と、弾性表面波を励振あるいは受信
するすだれ状電極3とを備え、上記すだれ状電極3を構
成する電極指4の少なくとも一部を、上記導波路側から
見て凹形となるように湾曲させ、かつ、隣り合う上記電
極指4が交差する領域の端部を結んでできる線の形状の
少なくとも一部を、弾性表面波の伝搬方向に沿って複数
の凹凸を有するのこぎり歯状にしたことを特徴とするも
のである。
【0013】請求項2の発明に係る弾性表面波装置は、
弾性表面波が伝搬する基板1上に、弾性表面波の導波路
2と、弾性表面波を励振あるいは受信するすだれ状電極
3とを備え、上記すだれ状電極3を構成する電極指4の
少なくとも一部を、上記導波路側から見て凹形となるよ
うに湾曲させ、かつ、上記電極指のライン幅を交差幅方
向に対して場所により変化させたことを特徴とするもの
である。
【0014】請求項3の発明に係る弾性表面波装置は、
少なくとも一部に薄膜を設けた基板1と、弾性表面波の
導波路2と、弾性表面波を励振あるいは受信するすだれ
状電極3とを備え、上記すだれ状電極3を構成する電極
指4の少なくとも一部を、上記導波路側から見て凹形と
なるように湾曲させ、かつ、上記すだれ状電極3を配置
した領域の上記薄膜の厚さを交差幅方向に対して場所に
より変化させたことを特徴とするものである。
【0015】
【作用】請求項1の発明においては、すだれ状電極3の
電極指4が交差する領域の端部を結んでできる線の境界
線の形状の少なくとも一部を、弾性表面波の伝搬方向に
沿ってのこぎり歯状にしたので、すだれ状電極3から、
交差幅方向に対して中心部で大きく両端部で小さい振幅
をもつ弾性表面波が励振されるため、弾性表面波が導波
路2に効率よく入射し、したがって電気信号と弾性表面
波との相互交換効率が高くなる。
【0016】請求項2の発明においては、すだれ状電極
3の電極指4のライン幅を交差幅方向に対して場所によ
り変化させたので、すだれ状電極3から、交差幅方向に
対して中心部で大きく両端部で小さい振幅をもつ弾性表
面波が励振されるため、弾性表面波が導波路2に効率よ
く入射し、したがって電気信号と弾性表面波との相互交
換効率が高くなる。
【0017】請求項3の発明においては、すだれ状電極
3の部分の薄膜の厚さを交差幅方向に対して場所により
変化させたので、すだれ状電極3から、交差幅方向に対
して中心部で大きく両端部で小さい振幅をもつ弾性表面
波が励振されるため、弾性表面波が導波路2に効率よく
入射し、したがって電気信号と弾性表面波との相互交換
効率が高くなる。
【0018】
【実施例】実施例1. 図1は、この発明の実施例1の弾性表面波装置を示す構
成図である。図1において、1は基板、2は導波路、3
はすだれ状電極である。図2は、この発明の実施例1の
すだれ状電極3の構成を示したものであり、図2中の4
は電極指である。
【0019】次に、この実施例1の動作について説明す
る。図1において、基板1上に設けられた左右のすだれ
状電極3にそれぞれ電気信号を入力し、弾性表面波を励
振させる。上記弾性表面波は導波路2に入射し、導波路
2の各位置で積の成分が生じる。この積の成分を導波路
2にわたって加算することにより、導波路2から畳み込
み積分出力が得られる。以上の動作は、図13に示した
従来例と同様である。
【0020】図2において、すだれ状電極3を構成する
電極指4の一部が導波路2側から見て凹形となるように
湾曲している。これは、電極指4から励振された弾性表
面波を同相で導波路2の端部に入射させるためである。
これについては、図10に示した従来例と同様である。
【0021】しかし、図2では、従来例と異なり、すだ
れ状電極3を構成する電極指4の交差する部分の領域の
端部を結んでできる線の形状を、点線で示すように、弾
性表面波の伝搬方向に対してのこぎり歯状にしている。
このため、隣接する電極指4を、数本まとめて考える
と、電極指4から励振される弾性表面波の振幅は交差幅
方向、すなわち、X軸方向に沿って、中央部で大きく両
端部で徐々に小さくなる分布となる。
【0022】これについて、図3、図4および図5を参
照しながら詳細に説明する。図3は、すだれ状電極3の
一部拡大図である。図4は、各電極指4から励振される
弾性表面波の振幅分布図である。図5は、隣接する数本
の電極指4から励振された弾性表面波が合成されたとき
の振幅分布図である。図4において、記号#1、#2、
#3、・・・を付して示す振幅分布は、図3において、
それぞれ、記号#1、#2、#3、・・・を付して示す
電極指4から励振された弾性表面波の振幅分布に対応し
ている。図4に示した各振幅分布は矩形状である。しか
し、これらを合成して得られる振幅分布は、図5に示す
ように、概略、中央で大きく、両端で小さくなる形状と
なる。
【0023】ところで、前記(1)式のTpは、a1と
a2が同じ形をしているときに最も大きくなり、Tpが
1となる。すなわち、cを任意の定数として、次式が成
り立つとき、最も変換効率Tpが大きくなる。
【0024】
【数2】
【0025】また、a1とa2が類似の形状をしている
方が、変換効率Tpは大きくなる。
【0026】図5の振幅分布は、図16に示した従来の
矩形状の励振振幅分布に比べ、図15に示した振幅分布
a1により近い形状になっている。したがって、前記
(1)式に示した交換効率Tpを従来に比べて大きくす
ることができ、電気信号と弾性表面波との相互交換効率
の高い弾性表面波装置を得ることができる。
【0027】実施例2. 図6は、この発明の他の実施例(実施例2)を示したも
のであり、すだれ状電極3の構成を示している。図6に
おいて、2から4は図2と同様のものである。なお、こ
の実施例2では、弾性表面波装置の全体構成は実施例1
で示した図1と同様である。
【0028】図6において、すだれ状電極3を構成する
電極指4の一部を導波路2側から見て凹形となるように
湾曲させている。これは、実施例1と同様である。しか
しながら、図6では、従来と異なり、電極指4のライン
幅が、交差幅方向に対して中央部で太く、両端部で細く
なるように、場所により異ならせている。
【0029】実施例2の動作は、実施例1と同様である
ので説明を省略する。
【0030】次に、実施例2の効果について、図7と図
8を参照しながら説明する。図7は、文献「弾性表面波
工学」、柴山幹夫監修、電子通信学会、1983年発
行、p.62から引用したもので、電極指ライン幅と励
振振幅の関係を示す図である。図7において、横軸は、
電極指4のライン幅を電極指4の配列間隔で規格化した
値である。縦軸は、弾性表面波の規格化された励振振幅
を表す。また、Nは高調波の次数を表しており、次数N
が1のときは基本波を表している。
【0031】図7から分かるように、励振振幅は、電極
指4のライン幅に依存して変化する。特に、基本波で
は、電極指4のライン幅を太くするにしたがって、励振
振幅は大きくなる。したがって、図6に示した実施例2
では、電極指4のライン幅を、交差幅方向に対し中央部
で太く、両端部で細くなるように、場所により異ならせ
ているので、励振される弾性表面波の振幅は、図8に示
すように、交差幅方向に対し中央部で大きく両端部で小
さくなる分布となる。
【0032】図8の励振振幅分布は、図16に示した従
来の矩形状の励振振幅分布に比べ、図15に示した振幅
分布a1により近い形状になっている。したがって、
(1)式に示した変換効率Tpを従来に比べて大きくす
ることができ、電気信号と弾性表面波との相互交換効率
の高い弾性表面波装置を得ることができる。
【0033】この発明では、上述した基本波を用いる構
成に限らず高調波を用いてもよい。この場合、図8から
分かるように、電極指4のライン幅の変化が小さくて
も、弾性表面波の励振振幅を大きく変化することができ
る。したがって、電極指4のライン幅をわずかに変化さ
せるだけで、図15に近い形状の振幅分布が得られる。
また、高調波の次数とライン幅の関係によっては、電極
指4のライン幅が小さいほうが、励振振幅が大きくなる
場合もある。この場合は、ライン幅を中央部で狭く両端
部で広くすれば同様の効果が得られる。
【0034】さらに、図7においては、電極指4のライ
ン幅を、交差幅方向に徐々に変化させた場合を示してい
るが、本発明はこれに限らず、ライン幅を階段状に変化
させてもよく、この場合も同様の効果が得られる。
【0035】実施例3. 図9は、この発明の実施例3の弾性表面波装置の構成図
である。図9において、1から3は、図1に示した実施
例1と同様のものであり、5は薄膜である。図9におい
て、基板1上に、上記基板1と異なる材料または異なる
組成からなる薄膜5を形成している。図10は、この発
明の実施例3のすだれ状電極3の構成を示したものであ
る。図10において、4は図2と同様の電極指である。
図11は、図10にAAaで示した線に沿って基板1を
切断し、これを横から見たときの断面図を示したもので
ある。図10および図11において、Wは電極指4の交
差している部分を示している。図11において、薄膜5
の厚さを、交差部の中央部で厚く両端部で薄くなるよう
に、場所により異ならせている。
【0036】実施例3の動作は、実施例1および実施例
2と同様である。
【0037】次に、実施例3の効果について、図12を
参照しながら説明する。図12は、文献「弾性表面波工
学」、柴山幹夫監修、電子通信学会、1983年発行、
p.73から引用したものであり、すだれ状電極3にお
ける薄膜5の厚さhに対する電気機械結合係数の変化を
示したものである。ただし、図中の横軸は、khで表し
ている。ここで、kは弾性表面波の波数である。また、
図12では、基板1はSiとし、薄膜5はZnOとした
場合の、弾性表面波の高次モードであるセザワ波に対す
る電気機械結合係数が示されている。電気機械結合係数
が大きいほど弾性表面波の励振振幅は大きくなるので、
図12において、縦軸の電気機械結合係数は、励振され
る弾性表面波の振幅に対応していると考えられる。
【0038】図12から分かるように、薄膜5の厚さに
より電気機械結合係数は変化し、khが1から2の範囲
では、薄膜5の厚さを厚くするほど電気機械結合係数は
大きくなる。したがって、図11において、薄膜5の厚
さをkhが1から2の範囲で変化させれば、励振される
弾性表面波の振幅を、交差幅方向に対し中央部で大きく
両端部で小さくできる。したがって、この時の振幅分布
は図8に示したものと同様になる。以上より、実施例3
においても、上述した実施例1および実施例2と同様の
理由により、(1)式に示した交換効率Tpを従来に比
べて大きくすることができ、電気信号と弾性表面波との
相互交換効率の高い弾性表面波装置を得ることができる
効果がある。
【0039】実施例3では、一例として、基板1と薄膜
5をそれぞれSi、ZnOとしたときについて説明した
が、基板1と薄膜5の材料または組成の組み合わせは種
々考えられる。弾性表面波が励振されるものであれば、
どのような組み合わせを用いてもよい。また、弾性表面
波としてセザワ波以外のモードを用いても構わない。こ
れらの組み合わせによっては、薄膜5の厚さが薄いほう
が励振振幅が大きくなる場合もあり、この場合は、薄膜
5の厚さを中央部で薄く両端部で厚くすればよい。ま
た、図9および図11においては薄膜5が一層の場合を
示しているが、本発明はこれに限らず、薄膜5が二層以
上ある多層構造に適用してもよい。さらに、図11にお
いては、薄膜5の厚さを、交差幅方向に徐々に変化させ
た場合を示しているが、本発明はこれに限らず、厚さを
階段状に変化させてもよく、この場合も同様の効果が得
られる。
【0040】また、図9では、一例として、すだれ状電
極3や導波路2を薄膜5の上に形成した場合を示した
が、本発明はこれに限らず、すだれ状電極3や導波路2
を、基板1と薄膜5の間に形成してもよい。また、薄膜
5を基板1表面の全体に設ける必要はなく、導波路2を
基板1上の薄膜5のない部分に直接に形成してもよい。
【0041】以上の実施例1から実施例3においては、
すだれ状電極3の電極指4を円弧状に湾曲させた場合を
示したが、本発明はこれに限らず、電極指4の円弧状の
形状を、多角形状の形状で近似してもよく、さらに、電
極指4の円弧状の形状を、階段状の形状で近似してもよ
い。また、以上の実施例では、すだれ状電極3の電極指
4をシングル電極で示しているが、本発明はこれに限ら
ず、電極指4にダブル電極やその他の電極を用いても構
わない。また、以上の実施例では、電極指4の配列間隔
は場所によらず一定として示しているが、本発明はこれ
に限らず、電極指4の配列間隔を場所により変化させた
構造の電極、いわゆるチャープ電極を用いてもよい。さ
らに、以上の実施例では、導波路2の形状が直線状であ
る場合を示しているが、導波路2がU字形などに湾曲し
ている形状であってもよいし、2つの導波路2を用い
た、いわゆるデュアル形であってもよい。
【0042】さらに、以上の実施例1から実施例3にお
いては、この発明に係る弾性表面波装置を、コンボルバ
として動作させた場合について説明したが、この発明
は、導波路を使用した、いかなる弾性表面波装置へも適
用できるものであり、この発明を用いれば、実施例1か
ら実施例3において説明したように、弾性表面波をすだ
れ状電極3から導波路へ効率よく導波できる効果や、導
波路から放射した弾性表面波をすだれ状電極3で効率よ
く受信できる効果が得られる。
【0043】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、すだれ状電極
の電極指が交差する領域の端部を結んでできる線の境界
線の形状の少なくとも一部を、弾性表面波の伝搬方向に
沿って複数の凹凸を有するのこぎり歯状にしたので、す
だれ状電極から、交差幅方向に対して中心部で大きく両
端部で小さい振幅をもつ弾性表面波が励振されるため、
弾性表面波が導波路に効率よく入射し、したがって電気
信号と弾性表面波との相互交換効率の高い弾性表面波装
置が得られる効果がある。また、伝搬方向の重み付けを
任意に選べる上、さらに、「複数の凹凸を有するのこぎ
り歯状の形状」を所要のものとすることにより、交差幅
方向に所要の分布を与えることができるようになる。
【0044】請求項2の発明によれば、すだれ状電極の
電極指のライン幅を交差幅方向に対して場所により変化
させたので、すだれ状電極から、交差幅方向に対して中
心部で大きく両端部で小さい振幅をもつ弾性表面波が励
振されるため、弾性表面波が導波路に効率よく入射し、
したがって電気信号と弾性表面波との相互交換効率の高
い弾性表面波装置が得られる効果がある。
【0045】請求項3の発明によれば、すだれ状電極を
配置した領域の薄膜の厚さを交差幅方向に対して場所に
より変化させたので、すだれ状電極から、交差幅方向に
対して中心部で大きく両端部で小さい振幅をもつ弾性表
面波が励振されるため、弾性表面波が導波路に効率よく
入射し、したがって電気信号と弾性表面波との相互交換
効率の高い弾性表面波装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1の弾性表面波装置の構成図
である。
【図2】上記実施例1のすだれ状電極の構成図である。
【図3】上記実施例1のすだれ状電極の一部拡大図であ
る。
【図4】上記実施例1のすだれ状電極における各電極指
から励振される弾性表面波の振幅分布図である。
【図5】上記実施例1のすだれ状電極において隣接する
数本の電極指から励振された弾性表面波が構成されたと
きの振幅分布図である。
【図6】この発明の実施例2の弾性表面波装置の構成図
である。
【図7】上記実施例2の効果を説明するための電極指ラ
イン幅と励振振幅の関係を示す図である。
【図8】上記実施例2の効果を説明するための励振振幅
分布図である。
【図9】この発明の実施例3の弾性表面波装置の構成図
である。
【図10】上記実施例3のすだれ状電極の構成図であ
る。
【図11】図10にAAaで示した線に沿って基板を切
断し、これを横から見たときの断面図である。
【図12】上記実施例3の効果を説明するためのすだれ
状電極における薄膜の厚さに対する電気機械結合係数の
変化を示す図である。
【図13】従来の弾性表面波装置の構成図である。
【図14】上記従来例のすだれ状電極の構成図である。
【図15】上記従来例の動作を説明するための励振振幅
分布図である。
【図16】上記従来例の動作を説明するための受信効率
を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 導波路 3 すだれ状電極 4 電極指 5 薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和高 修三 鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱電機株 式会社 電子システム研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−65381(JP,A) 電子通信学会技術研究報告Vol. 77,No.171(US77−49),1977年 11月21日,p.25〜32 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/145

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性表面波が伝搬する基板上に、弾性表
    面波の導波路と、弾性表面波を励振あるいは受信するす
    だれ状電極とを設けてなる弾性表面波装置において、上
    記すだれ状電極を構成する電極指の少なくとも一部を、
    上記導波路側から見て凹形となるように湾曲させ、か
    つ、隣り合う上記電極指が交差する領域の端部を結んで
    できる線の形状の少なくとも一部を、弾性表面波の伝搬
    方向に沿って複数の凹凸を有するのこぎり歯状にしたこ
    とを特徴とする弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】 弾性表面波が伝搬する基板上に、弾性表
    面波の導波路と、弾性表面波を励振あるいは受信するす
    だれ状電極とを設けてなる弾性表面波装置において、上
    記すだれ状電極を構成する電極指の少なくとも一部を、
    上記導波路側から見て凹形となるように湾曲させ、か
    つ、上記電極指のライン幅を交差幅方向に対して場所に
    より変化させたことを特徴とする弾性表面波装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも一部に薄膜を設けた基板と、
    弾性表面波の導波路と、弾性表面波を励振あるいは受信
    するすだれ状電極とを備えた弾性表面波装置において、
    上記すだれ状電極を構成する電極指の少なくとも一部
    を、上記導波路側から見て凹形となるように湾曲させ、
    かつ、上記すだれ状電極を配置した領域の上記薄膜の厚
    さを交差幅方向に対して場所により変化させたことを特
    徴とする弾性表面波装置。
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電子通信学会技術研究報告Vol.77,No.171(US77−49),1977年11月21日,p.25〜32

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