JP3194557B2 - 情報記録ディスクの芯出し方法及び機構 - Google Patents

情報記録ディスクの芯出し方法及び機構

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JP3194557B2
JP3194557B2 JP03498694A JP3498694A JP3194557B2 JP 3194557 B2 JP3194557 B2 JP 3194557B2 JP 03498694 A JP03498694 A JP 03498694A JP 3498694 A JP3498694 A JP 3498694A JP 3194557 B2 JP3194557 B2 JP 3194557B2
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  • Holding Or Fastening Of Disk On Rotational Shaft (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば記録再生装置等
における情報記録ディスクの芯出し機構に係り、芯出し
精度を高めることの出来る芯出し方法及び機構に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、情報記録ディスクに記録した情報
を再生しようとする時、データのトラック位置とヘッド
の位置を正確に合せて、例えばCD再生の場合であれ
ば、1.6μmのピッチのピット信号を正確にトレース
して信号を検出する必要がある。そして、このヘッドの
ピックアップ位置を正確にするため、従来では例えばト
ラッキングサーボによってピックアップ位置の補正がな
される。
【0003】ところが、このようなトラッキングサーボ
によって補正しても、その改善度との兼ね合い等から残
留成分が残ってオフトラック公差を生じ、例えばCD再
生の場合であればオフトラック公差が±0.1μmを越
えると、信号を正しく読むことが出来なくなるため、ト
ラッキングサーボによる改善前のトレース誤差を出来る
だけ小さくする必要がある。
【0004】そこで、ディスクを所定の位置に正確に位
置決めするための機構として、例えば特公平2−470
26号のような位置決め機構が提案されている。
【0005】この位置決め機構は、ターンテーブルの中
心軸であるガイドシャフト(スピンドル)に遊合する半
球体スリーブ(アダプタ)を備えており、この半球体ス
リーブの上面を球状の曲面に形成するとともに、中心か
ら偏芯した底面の一端側をバネで上方に付勢することで
半球体スリーブを球心を中心にして傾かせるようにして
いる。そして、この半球体スリーブにディスク穴を嵌合
させることで、ガイドシャフトと半球体スリーブの遊合
間隔に起因する位置誤差を無くすようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記技
術の場合、半球体スリーブの製作に手間がかかり、コス
ト高になるという問題があった。すなわち、上面を球面
加工する場合にはNC旋盤等の高価な装置が必要であ
り、また、例えば金型のインジェクション成形等によっ
て大量生産するような場合は、成形時の収縮、ヒケ等に
よって高精度の芯出しを行う部品としては精度不足にな
り、追加工をして仕上げなければ使えないという問題が
ある。
【0007】また、長期使用という観点から見た場合
に、ディスク穴に接触する半球体スリーブの摩耗を考え
ると、球面は芯出し精度保持に対する余裕度が少なく、
球面形状が変化するような偏摩耗が生じると、芯出し精
度が急激に低下する。
【0008】更に、半球体スリーブの底面の一端側をバ
ネで押上げて傾かせているため、ガイドシャフトと半球
体スリーブの遊合部の一部が常に接触することとなって
摩耗が激しくなり該スリーブの上下動にひっかかりが生
じるような虞れがあり、しかも、例えば押上げバネとし
て低荷重のバネを使用すれば、半球体スリーブの上下動
に支障が生じて正確な芯出しが行われず、反対に高荷重
のバネを使用して円滑な上下動を優先させようとする
と、上方から押え付けるディスククランプとの間でディ
スクを変形させる虞れが生じる。
【0009】従って、簡易に且つ安価に構成することが
出来、しかも長期間使用しても精度低下の少ない記録デ
ィスクの芯出し方法及び機構が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものであり、第1の発明は、ディスクを載置
して回転自在なターンテーブルと、前記ターンテーブル
の中心に設けたガイドシャフト部に対し摺動隙間をもっ
て嵌合し、且つ、スプリングによってディスク挿入側に
付勢されながら前記ガイドシャフト部に沿って摺動する
共に、前記ディスクの中心穴に挿入させるためのテー
パ面をディスク挿入側に一体に形成したテーパスリーブ
とを備え、前記ターンテーブル上に前記ディスクを載置
した状態で前記ディスクの中心穴の穴径に応じて前記テ
ーパ面に前記ディスクの中心穴が合致するように前記テ
ーパスリーブをスプリング力に抗して前記ガイドシャフ
ト部に沿って移動させることで前記ディスクの芯出しを
する情報記録ディスクの芯出し方法において、前記テー
パスリーブに形成した前記テーパ面のテーパ角を、前記
摺動隙間によって前記テーパスリーブが傾斜することで
生じる偏心量が、この摺動隙間内を前記テーパスリーブ
が横ずれすることで発生する偏心量と同一、或いはそれ
以下となるように設定したことを特徴とする情報記録デ
ィスクの芯出し方法である。また、第2の発明は、ディ
スクを載置して回転自在なターンテーブルと、前記ター
ンテーブルの中心に設けたガイドシャフト部に対し摺動
隙間をもって嵌合し、且つ、スプリングによってディス
ク挿入側に付勢されながら前記ガイドシャフト部に沿っ
て摺動する共に、前記ディスクの中心穴に挿入させる
ためのテーパ面をディスク挿入側に一体に形成したテー
パスリーブとを備え、前記ターンテーブル上に前記ディ
スクを載置した状態で前記ディスクの中心穴の穴径に応
じて前記テーパ面に前記ディスクの中心穴が合致するよ
うに前記テーパスリーブをスプリング力に抗して前記ガ
イドシャフト部に沿って移動させることで前記ディスク
の芯出しをする情報記録ディスクの芯出し機構におい
て、前記摺動隙間のために前記テーパスリーブが傾斜す
る際の回転中心を、前記ガイドシャフト部の中心線上
で、且つ前記テーパスリーブの摺動面の軸方向長さの中
央とした時に、前記テーパスリーブに形成した前記テー
パ面のテーパ角を、前記回転中心と、前記テーパ面に前
記ディスクの中心穴が当接する当接点とを結ぶ直線に対
して略直角になるように設定したことを特徴とする情報
記録ディスクの芯出し機構である。
【0011】
【作用】一般的にトレース誤差が発生する要因として、
第1に、ディスク製造時の問題であるディスクの中心に
対するディスクトラックの偏心、第2に、ディスクをセ
ットする時に問題となるディスクの回転中心からの偏心
の2点が考えられるが、第1の点に関しては、製造メー
カーに対し例えばCDであれば±70μm以内等の所定
の規格化が要求されている。そこで、本案では第2の要
因によるトレース誤差を小さくすることでオフトラック
公差の最小化を図っている。
【0012】つまり、ディスク穴に嵌合する芯出し用の
テーパスリーブの上面を直線テーパに形成し、このテー
パスリーブのテーパ角度の設定を、摺動隙間によってテ
ーパスリーブが傾斜することで生じる偏心量が、この摺
動隙間内をテーパスリーブが横ずれすることで発生する
偏心量と同一、或いはそれ以下となるように設定すれ
ば、ディスク偏心量を殆ど零にすることが出来、芯出し
精度が高まる。
【0013】又、摺動隙間のためテーパスリーブが傾斜
する際の回転中心と、テーパ面にディスクの中心穴が当
接する当接点とを結ぶ直線に対して略直角になるように
することで、テーパスリーブが傾斜することに起因する
ディスク偏心量を殆ど零にすることが出来る。
【0014】
【実施例】本発明のディスクの芯出し方法及び機構の実
施例について、添付した図面に基づき説明する。図1は
ディスク・クランプ機構の説明図、図2は図1の要部拡
大図、図3、図4は偏心発生の状態を説明する説明図で
ある。
【0015】図1に示すように、ディスク・クランプ装
置は、モータ1によって垂直軸まわに回転自在なターン
テーブル2を備え、このターンテーブル2は、例えば中
心のガイドシャフト部2aの上部にマグネット3を備え
ている。
【0016】又、このターンテーブル2の上面には、上
記ガイドシャフト部2aを取り囲むように環状凹部4が
形成され、この環状凹部4内にテーパスリーブ5が設け
られている。
【0017】このテーパスリーブ5は、前記ガイドシャ
フト2aに対して摺動隙間s(図2)を持って嵌合して
おり、このガイドシャフト2aに沿って上下に摺動自在
とされるとともに、前記ターンテーブル2上に設けられ
たスプリング6によって上方に付勢されている。
【0018】又、このテーパスリーブ5の上面は、上方
に向けて細るテーパ面5aとされ、このテーパ面5aに
ディスクDの中心穴hを嵌め合わせることが出来るよう
にしている。
【0019】又、ターンテーブル2の上方には、セット
したディスクDの中心穴h周縁の上面を押え付けてクラ
ンプするマグネットクランプ7が、上下動自在に設けら
れている。
【0020】前記テーパスリーブ5の下方のスプリング
6は、ディスクDの中心穴hの穴径のバラツキを吸収す
る機能を果たす。すなわち、ディスクDの中心穴hの穴
径は、例えば15.0mmから15.1mmと規格化さ
れており、この範囲内で穴径が大きい時はクランプ状態
になるとテーパスリーブ5が高い位置に上昇して芯出し
を行い、逆に穴径が小さい時はクランプ状態になるとテ
ーパスリーブ5が低い位置に下降して芯出しを行う。
【0021】ところで、図2に示す前記摺動隙間sは、
テーパスリーブ5の円滑な上下動のため設定されている
ものであるが、この摺動隙間sは機構部の温度環境、材
質の違い、加工精度等に起因して5μmから10μm o
-p程度必要である。
【0022】しかしながら、このような摺動隙間sは主
として次のような2つの要因によってディスクDの偏心
を引き起こす。つまり、その1は、図4の鎖線に示すよ
うに、テーパスリーブ5が摺動隙間s分横ずれすること
による偏心であり、この場合の偏心量をxとする。又、
その2は、図3の鎖線に示すように、テーパスリーブ5
が傾斜することによる偏心であり、この時の偏心量をy
とする。
【0023】そして、前者の偏心量xについて考える
と、今、摺動隙間sを7.5μm o−pとした場合に
は最大15μm p−pとなる。又、後者の偏心量yに
ついては図2に示す式の通りであり、yが微小であれば
y=(cosβ/tant−sinβ)r×s/(q×sinα)で
表わされ、又、この偏心量yはテーパスリーブ5のテー
パ角tの影響をも受けることが判る。
【0024】ここで、上記した偏心量yの式を導くにあ
たって、テーパスリーブ5が傾く時の回転中心O(ガイ
ドシャフト部2aの中心線上で、且つテーパスリーブ5
の摺動面の軸方向長さの中央)から、テーパ面5aにデ
ィスクDの中心穴hが当接する当接点Pまでの距離をr
とし、この間を結ぶ直線と水平線のなす角をβとし、回
転中心Oとテーパスリーブ5の摺動面下端までの距離を
qとし、この間を結ぶ直線と水平線のなす角をαとし、
テーパスリーブ5のテーパ角をtとしている。尚、ガイ
ドシャフト部2aの径はdで表わしている。この際、前
述したように、ディスクDの中心穴hの穴径は、例えば
15.0mmから15.1mmと規格化されているの
で、ターンテーブル2上にディスクDを載置した状態で
ディスクDの中心穴hの穴径に応じてテーパ面5aにデ
ィスクDの中心穴hが合致するようにテーパスリーブ5
をスプリング6の力に抗してガイドシャフト部2aに沿
って移動させている。これによって、ディスクDの中心
穴hが当接するテーパ面5a上の当接点PはディスクD
の中心穴hの穴径に応じて変わるものであり、また、前
記した回転中心Oの位置もディスクDの中心穴hの穴径
に応じてガイドシャフト部2aの中心線に沿って上下動
するものである。
【0025】そして今、従来の構成寸法を、d=2.5
mm、r=8.1mm、q=1.78mm、s=7.5
μm、α=45゜、β=22゜、t=45゜とすれば、
yは最大54μm p-pとなる。
【0026】そこで、本案はテーパスリーブ5のテーパ
角tを適切にして後者の偏心量yを無くそうとするもの
である。
【0027】そこで本案は、まず上記yを求める式のう
ち、(cosβ/tant−sinβ)を零にすれば偏心量yが
零になることに着目した。すなわちこの場合は、tant
=1/tanβとなり、t+β=90度の関係が成り立
つ。つまり、前述のような構成例であれば、βが22度
であるためテーパ角tは68度となり、テーパ角tに6
8度を選択すれば、テーパスリーブ5はいくら傾いても
偏心量yは生じないことになる。
【0028】そして、このt+β=90度になるという
ことは、言い換えると図5に示すように、回転中心Oと
ディスクDの当接点Pを結ぶ直線O―Pに対してテーパ
面5aが直角に交差することを意味する。
【0029】次に、テーパスリーブ5が横ずれすること
によって生じる偏心量xについて考察する。テーパスリ
ーブ5が摺動隙間s分だけ一杯横ずれすると、偏心量x
は摺動隙間sの値に一致し、この時は前記テーパスリー
ブ5の傾きによる偏心量yは発生しない。そして、横ず
れによる偏心量xがsより小さくなるに連れて傾きによ
る偏心量yが大きくなり、横ずれによる偏心量xが零と
なる中央の状態で傾きによる偏心量yは最大となる。
【0030】そこで今、横ずれと傾きが複合して生起す
る状態を考えると、横ずれによる偏心量xと傾きによる
偏心量yの総和はある値を越えることはなく、一方が増
えると他方が小さくなる関係から、この偏心量x、yの
総和は略一定になるものと予測される。そこでその最大
値が、例えば最大の横ずれが発生した時の値と略同一と
仮定すれば、この値は摺動隙間sの値となり、上記構成
例の場合であれば、7.5μmである。
【0031】又、テーパスリーブ5のテーパ角tをいく
ら精密に保持しても、トータルとして摺動隙間s分の
7.5μmが生じる可能性が残っているとするならば、
厳密に偏心量yを零に設定する必要性に乏しく、最大に
傾斜する時(横ずれによる偏心量xが零の時)の偏心量
yが、7.5μmの範囲に保持出来ればよいということ
が出来る。
【0032】従って、前記の構成例から、傾きによる偏
心量yが7.5μm以下になるテーパ角tを求めると、
60度から77度の範囲であることが算出される。つま
り、図5に示す回転中心OとディスクDの当接点Pを結
ぶ直線O―Pに対して、テーパ面5aが約80度から1
00度の範囲で交差する関係にあり、この範囲であれ
ば、偏心量x、yのトータルを7.5μm以下に抑える
ことが出来る。
【0033】次に、前記構成寸法のうち、テーパ角tと
摺動隙間sを変えてトレース誤差を測定した実験データ
について、表1から表3に基づき説明する。
【0034】テーパ角t45度、摺動隙間7.5μmの
トレース誤差量
【表1】
【0035】表1は、テーパ角tを45度、摺動隙間s
を7.5μmに設定した状態でCDディスクを再生し、
トラッキングサーボオフ(改善前)でトレース誤差を測
定した測定値である。そして、1回測定した後、ディス
クをターンテーブルから取り外し、ディスクの位相を4
5度程度ずらして再セットして測定し、これを10回繰
り返した。
【0036】この結果、平均のトレース誤差zは44.
7μmであり、標準偏差σは14.4μmであった。こ
の際、偏芯の測定値は正である。これは偏芯ベクトルの
振幅のみを測定しているためである。そして偏芯の分布
差は変数が負の値をとらない分布型、例えばx2分布と
かF分布を用いて検討するのが正しいが、ここでは正規
分布のxmean−3σ値が負数とはなっていない点に注目
し、取扱い易い正規分布で扱うことにする。このため、
正規分布として考えると、3σ=43.3μmであり、
1.4μmo-pから88μm o-pの範囲に99.7%の
測定値がはいると予測出来る。
【0037】テーパ角t68度、摺動隙間5μmのトレ
ース誤差量
【表2】
【0038】次に表2は、テーパ角tを68度、摺動隙
間sを5μmにして上記と同様の手順で測定したもので
ある。この結果、平均のトレース誤差zは23.9μm
であり、標準偏差σは1.7μmであった。このため、
正規分布として考えると、3σ=5.1μmであり、1
8.8μmo-pから29μm o-pの範囲に99.7%の
測定値がはいると予測出来、上記の場合に較べて最大値
が59μm o-p減少しているが、摺動隙間sが7.5μ
mとした場合には、テーパ角tの変更に伴う改善値は4
0μm o-pに相当する。そしてこの改善値は、トラッキ
ングサーボ改善後の残留成分の減少に充分効果のある値
である。
【0039】テーパ角t60度、摺動隙間5μmのトレ
ース誤差量
【表3】
【0040】次に表3は、テーパ角tを60度、摺動隙
間sを5μmにして上記と同様の手順で測定したもので
ある。この結果、平均のトレース誤差zは25.6μm
であり、標準偏差σは2.8μmであった。このため、
正規分布として考えると、3σ=8.4μmであり、1
7.2μmo-pから34μm o-pの範囲に99.7%の
測定値がはいると予測出来、表1の場合に較べて最大値
が54μm o-p減少しているが、摺動隙間sが7.5μ
mとした場合には、テーパ角tの変更に伴う改善値は3
5μm o-pに相当する。そしてこの改善値も、トラッキ
ングサーボ改善後の残留成分の減少に充分効果のある値
である。
【0041】従って、以上の実験結果からも、テーパ角
tを60度から77度の範囲に保持すれば、オフトラッ
ク量の軽減に有効であることが実証された。
【0042】また、以上のような機構において、テーパ
スリーブ5の上面は直線テーパであるため、テーパ面の
加工は通常の旋盤等を用いて容易に行え、精度出しも容
易である。
【0043】また、長期間使用した時のテーパ面の摩耗
の進行は、正規の当接部から離れるに従って摩耗量が多
くなることから、テーパ面の形状は正規の当接部を中心
にして球面状に変化するような傾向を示すが、かかる形
状変化は芯出し精度に急激に悪影響を及ぼさない。つま
り、摩耗に対する余裕度が大きい。
【0044】しかも、ガイドシャフト2aとテーパスリ
ーブ5間には摺動隙間sが設定されており遊合部に摩耗
が生じにくい。
【0045】次に、図6はマグネットクランプ7側にテ
ーパスリーブ5を設けるようにした構成例図であるが、
この場合も前記と同様の芯出し機構を採用することが出
来る。
【0046】すなわち、この場合はモータ1によって垂
直軸まわりに回転自在なターンテーブル2の中央部にセ
ンタシャフト8が突設され、このセンタシャフト8の周
囲にマグネット3が固着されている。
【0047】一方、マグネットクランプ7には中央のガ
イドシャフト2aを取り囲むような環状凹部4が形成さ
れ、この環状凹部4内にテーパスリーブ5が設けられて
ガイドシャフト2aに対して摺動隙間sを持って摺動自
在に嵌合している。
【0048】そして、このテーパスリーブ5はスプリン
グ6によって下方に付勢されるとともに、ガイドシャフ
ト2aの下端部は大径とされ、この大径部でテーパスリ
ーブ5の抜け出しを防止している。
【0049】又、このガイドシャフト2aの中心には、
前記センタシャフト8を挿入せしめることの出来る挿通
孔9を設けている。
【0050】こうして構成した芯出し機構の作用は前述
の場合と同様であり、つまり、マグネットクランプ7を
降下させてガイドシャフト2aの挿通孔9にセンタシャ
フト8を挿入させるとともに、テーパスリーブ5のテー
パ面5aをディスクDの中心穴hに嵌め合わせて芯出し
するが、テーパ面5aのテーパ角tを60度から77度
の範囲にすることで、芯出し精度が高まる。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明はディスクを載置
して回転自在なターンテーブルと、前記ターンテーブル
の中心に設けたガイドシャフト部に対し摺動隙間をもっ
て嵌合し、且つ、スプリングによってディスク挿入側に
付勢しながら前記ガイドシャフト部に沿って摺動すると
共に、前記ディスクの中心穴に挿入させるためのテーパ
面をディスク挿入側に一体に形成したテーパスリーブと
を備え、前記ターンテーブル上に前記ディスクを載置し
た状態で前記ディスクの中心穴の穴径に応じて前記テー
パ面に前記ディスクの中心穴が合致するように前記テー
パスリーブをスプリング力に抗して前記ガイドシャフト
部に沿って移動させることで前記ディスクの芯出しをす
情報記録ディスクの芯出し方法において、ディスクを
セットする際の偏心量を最小にするために、テーパ面の
テーパ角を所定の範囲に設定するようにした。すなわ
、セット操作によるバラツキ、つまり、トラッキング
サーボによる改善前のトレース誤差のバラツキ(正規分
布とした場合の標準偏差)を小さくすることが出来る。
従って、安定したトラキングサーボがかかり、オフトラ
ック量の小さい高精度の読み出し等が出来る。そしてテ
ーパスリーブの加工も容易であり、精度出しも簡単であ
る。また、ガイドシャフトとテーパスリーブの摺動遊合
部に摩耗は生じにくく、且つテーパ面の摩耗によって急
激に芯出し精度が低下するような不具合もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディスク・クランプ機構の説明図
【図2】図1の要部拡大図
【図3】テーパスリーブの傾きによる偏心発生の状態を
説明する説明図
【図4】テーパスリーブの横ずれによる偏心発生の状態
を説明する説明図
【図5】本願のテーパスリーブの説明図
【図6】他の構成例図
【符号の説明】
2…ターンテーブル、2a…ガイドシャフト、5…テー
パスリーブ、5a…テーパ面、D…ディスク、O…回転
中心、P…当接点、h…中心穴、s…摺動隙間、t…テ
ーパ角、x…テーパスリーブの横ずれによって生じる偏
心量、y…テーパスリーブの傾斜によって生じる偏心
量。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディスクを載置して回転自在なターンテー
    ブルと、 前記ターンテーブルの中心に設けたガイドシャフト部に
    対し摺動隙間をもって嵌合し、且つ、スプリングによっ
    てディスク挿入側に付勢されながら前記ガイドシャフト
    部に沿って摺動する共に、前記ディスクの中心穴に挿
    入させるためのテーパ面をディスク挿入側に一体に形成
    したテーパスリーブとを備え、 前記ターンテーブル上に前記ディスクを載置した状態で
    前記ディスクの中心穴の穴径に応じて前記テーパ面に前
    記ディスクの中心穴が合致するように前記テーパスリー
    ブをスプリング力に抗して前記ガイドシャフト部に沿っ
    て移動させることで前記ディスクの芯出しをする情報記
    録ディスクの芯出し方法において、 前記テーパスリーブに形成した前記テーパ面のテーパ角
    を、前記摺動隙間によって前記テーパスリーブが傾斜す
    ることで生じる偏心量が、この摺動隙間内を前記テーパ
    スリーブが横ずれすることで発生する偏心量と同一、或
    いはそれ以下となるように設定したことを特徴とする情
    報記録ディスクの芯出し方法。
  2. 【請求項2】ディスクを載置して回転自在なターンテー
    ブルと、 前記ターンテーブルの中心に設けたガイドシャフト部に
    対し摺動隙間をもって嵌合し、且つ、スプリングによっ
    てディスク挿入側に付勢されながら前記ガイドシャフト
    部に沿って摺動する共に、前記ディスクの中心穴に挿
    入させるためのテーパ面をディスク挿入側に一体に形成
    したテーパスリーブとを備え、 前記ターンテーブル上に前記ディスクを載置した状態で
    前記ディスクの中心穴の穴径に応じて前記テーパ面に前
    記ディスクの中心穴が合致するように前記テーパスリー
    ブをスプリング力に抗して前記ガイドシャフト部に沿っ
    て移動させることで前記ディスクの芯出しをする情報記
    録ディスクの芯出し機構において、 前記摺動隙間のために前記テーパスリーブが傾斜する際
    の回転中心を、前記ガイドシャフト部の中心線上で、且
    つ前記テーパスリーブの摺動面の軸方向長さの中央とし
    た時に、前記テーパスリーブに形成した前記テーパ面の
    テーパ角を、前記回転中心と、前記テーパ面に前記ディ
    スクの中心穴が当接する当接点とを結ぶ直線に対して略
    直角になるように設定したことを特徴とする情報記録デ
    ィスクの芯出し機構。
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