JP3193277U - 分光光度計用積分球 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置の大幅な改造を伴うことなく、反射測定時の試料のセッティングが簡単で、しかもその試料の落下を確実に防止することのできる分光光度計用積分球を提供する。【解決手段】反射測定用開口部12の外側に、ガイド板31と支持板32を備えた支持機構3を設け、ガイド板31は、試料Sの分析対象面を当接させることによりその面が反射測定用開口部12を介して積分球1内部に臨むように配置され、かつ、ガイド板31はその頂部側が積分球1に近づく向きに鉛直方向に対して15°以下の角度で傾斜させて、分析対象面をガイド板31に当接させた状態の試料Sの下端部を支持板32で支える構成とする。これにより、試料Sを載せるだけで反射測定のセッティングを行うことが可能となり、セッティング操作の容易化と試料落下の虞をなくす。【選択図】図1
Description
本考案は紫外可視近赤外分光光度計に装着して使用される積分球に関し、特に、固体試料の反射測定を簡便に行うことのできる積分球に関する。
紫外可視近赤外分光光度計を用いて固体試料を測定する場合、付属装置として積分球が多用される。この種の積分球は、球形の内表面が硫酸バリウムなどの反射率の高い光散乱素材で覆われているとともに、分光器で波長選別された測定光を内部に導入するための測定光導入用開口部が形成され、その測定光導入用開口部からの測定光が直接照射されない位置に設けられた開口部に検出器が配置される。
試料を透過測定する場合には、試料を測定光導入用開口部の外側に配置し、試料を透過した光を積分球内に導き、その内表面で散乱された光を検出器で検出する。また、試料を反射測定する場合には、測定光導入用開口部からの測定光が照射される位置に形成された反射測定用開口部の外側に試料を配置し、試料による反射光を積分球の内表面で散乱させて検出器で検出する。
測定光導入用開口部および反射測定用開口部は、分光光度計本体の構成とも相俟って、いずれも積分球の側面部分に形成されている。試料を反射測定する場合には、反射測定用開口部に密着するように試料を配置する必要があるが、上記のように反射測定用開口部は積分球の側面部分に形成されているため、以下に示すように、その反射測定用開口部の外側に試料を保持するための機構が必要となる。
図2は、従来のこの種の積分球の構造を模式的に表す横断面図である。積分球1は筐体2内に収容され、その側方に測定光導入用開口部11が形成され、それに対向するように反射測定用開口部12が形成されている。また、この例において検出器13は積分球1の下側に臨んでいる。なお、14は参照光導入用開口部で、15’は白板である。
反射測定用開口部12の外側に試料Sを密着して配置するために、この反射測定用開口部12の外側に、試料Sを反射測定用開口部12ないしはその近傍の筐体2に押し付けるための押圧機構100が設けられている。この押圧機構100は、軸101の周りに回動自在のアーム102を設けるとともに、そのアーム102の先端に押圧板103を配した構造を有し、アーム102は軸101に設けられたバネ(図示略)により図中矢印aの向きに付勢されている。したがって、試料Sを押圧板103と筐体2の間に挟むことにより、試料Sが押圧板103によって筐体2に押し付けられ、反射測定用開口部12に臨むように保持された状態となる(例えば特許文献1参照)。
ところで、図2に示した従来の反射測定用試料の保持機構によると、試料Sを反射測定用開口部12に臨ませて保持する際に、バネによる付勢に抗して押圧板103を筐体2から引き離し、その状態で押圧板103と筐体2との間に試料Sを位置決めした後、押圧板103を解放することによって当該押圧板103と筐体2との間に試料Sを挟み込むのであるが、この操作は面倒であるばかりでなく、この保持操作時に試料Sを落下させてしまう可能性があり、落下した試料Sが破損するなどの問題がある。
このような試料保持時の落下の問題は、積分球の上方に反射測定用開口部を形成すれば解消されるが、そのためには分光光度計本体を含めた大幅な改造が必要となり、積分球を用いて透過測定をする場合や、積分球以外の付属装置を装着した測定における影響などを考えると、このような改造を行うことは現実的ではない。
本考案はこのような実情に鑑みてなされたもので、大幅な改造を伴うことなく、反射測定に際しての試料のセッティングが簡単で、しかも試料の落下を確実に防止することのできる分光光度計用積分球の提供をその課題としている。
上記の課題を解決するため、本考案の分光光度計用積分球は、分光器により順次波長選択された測定光を内部に導入するための測定光導入用開口部と、反射測定に供される試料を内部に臨ませるための反射測定用開口部を備えた積分球において、上記反射測定用開口部の外側に試料の支持機構が設けられ、この支持機構は、試料の分析対象面が上記反射測定用開口部を介して積分球内部に臨むように当該分析対象面に当接して試料の姿勢を規制するガイド板と、そのガイド板に当接する試料の下端部を支える支持板とを有し、上記ガイド板は、その頂部側が積分球に近づく向きに鉛直方向に対して15°以下の角度で傾斜していることよって特徴づけられる。
ここで、本考案においては、上記支持板が、上記ガイド板に沿って上下方向に移動可能で、かつ、その移動範囲の任意の位置で固定可能とする構成を好適に採用することができる。
本考案は、試料を載置するだけで反射測定時の規定位置への安定した位置決めを可能にすることで、課題を解決するものである。
すなわち、本考案においては、積分球の反射測定用開口部の外側に、頂部側を積分球に近づく向きに傾斜させたガイド板を配置し、そのガイド板に試料の分析対象面を当接させることによって当該分析対象面が積分球の内部に臨むようにして、その状態の試料の下端部を支持板で支える。これにより、測定のために規定位置にセッティングされた試料は、ガイド板に寄りかかった状態でその下端部が支持板で支えられた状態となり、単に試料を支持機構に載せるだけで反射測定のためのセッティングが行われ、また、その際に落下する危険性が従来に比して大幅に少なくなる。
また、支持板をガイド板に沿って上下方向に移動可能とし、任意の位置で固定できるようにすれば、大きな試料上の複数ポイントの測定が可能となるなど、より利便性が向上する。
ここで、本考案において、ガイド板の傾斜角は15°以下であれば特に限定されるものではなく、15°を越えると反射光に偏光の影響が現れるため好ましくない。この偏光の影響は、特に10°以下とすることにより実質的に完全に無視することができる。また、このガイド板の傾斜角は、5°以上とすることにより当該ガイド板上での試料の安定性が向上するためより好ましい。
本考案によれば、積分球の反射測定用開口部の外側に設けられた支持機構の上に試料を載せるだけで反射測定のためのセッティングが行われるので、その操作が従来に比して大幅に簡素化されるとともに、試料載置時に試料が落下するトラブルを実質的になくすことができる。
また、アームの先端に押圧板を設け、アームを軸の回りにバネで付勢して試料を挟み込む従来の機構に比して部品点数が少なくなり、コストを低減することができるとともに、バネで押圧する場合のような試料への負荷を軽減して、デリケートな試料における変形や損傷などの虞をなくすことができる。
以下、図面を参照しつつ本考案の実施の形態について説明する。
図1は本考案の実施の形態を模式的に表す図であり、(a)は横断面図、(b)は縦断面図である。なお、図1(a)の横断面図は図1(b)のA−A断面図、図1(b)の縦断面図は図1(a)のB−B断面図に相当する。
図1は本考案の実施の形態を模式的に表す図であり、(a)は横断面図、(b)は縦断面図である。なお、図1(a)の横断面図は図1(b)のA−A断面図、図1(b)の縦断面図は図1(a)のB−B断面図に相当する。
積分球1の本体部分は図2に示した従来のものと同じであって、側方に測定光Lを内部に導入するための測定光導入用開口部11と、反射測定に際して試料Sを積分球1内部に臨ませるための反射測定用開口部12を備えるとともに、下方に検出器13を臨ませている。また、積分球1が筐体2に収容されている点や、参照光を内部に導入するための参照光導入用開口部14を形成している点、および標準白板15を設けている点についても同じである。
さて、この実施の形態の特徴は、積分球1の反射測定用開口部12に隣接してその外側に支持機構3を設けた点にある。この支持機構3は、ガイド板31と支持板32を主体として構成され、ガイド板31は筐体2に対して固定され、支持板32はガイド板31に沿って上下方向に移動可能で、その移動範囲内の任意の位置で固定できるようになっている。
ガイド板31は、積分球1の反射測定用開口部12に接するように筐体2に固定されているとともに、このガイド板31には、反射測定用開口部12と連通するように貫通孔31aが形成されている。また、このガイド板31は、積分球1の鉛直方向の中心軸に対して、頂部側が当該中心軸に接近する向きに5〜10°程度の角度で傾斜している。
ガイド板31には、積分球1に対して固定されている側の面と反対側の面に支持板32が摺動自在に支持されており、この支持板32は、例えばガイド板31に形成された上下方向に伸びる溝に嵌まり込んで摺動し、その任意の摺動位置において例えばネジなどで固定することができる。
以上の構成において、反射測定に供される試料Sは、図1に示すように、その分析対象面がガイド板31に密着するように支持板32の上に載せられることにより、直ちに反射測定を実行する状態、つまりセッティングが完了した状態となる。すなわち、その状態では、試料Sは支持板32上でガイド板31に寄りかかるように支持され、その分析対象面がガイド板31の貫通孔31aおよび反射測定用開口部12を介して積分球1内部に臨んだ状態となる。この状態で、測定光導入用開口部11から積分球1内部に導入された測定光Lが、反射測定用開口部12および貫通孔31aを介して試料Sの分析対象面に照射され、その反射光が積分球1内面で散乱されて検出器13の受光面に集光される。
以上の実施の形態において特に注目すべき点は、反射測定を実行するための試料Sのセッティングが、単にガイド板31に分析対象面が沿うように支持板32の上に載せるだけでよい点であり、従来のバネで付勢された押圧板103と筐体2の間に挟み込む保持方法に比してセッティングの操作が極めて容易になると同時に、試料Sの落下の危険性を大幅に減少させることができる。また、試料Sは単に支持板32とガイド板31に載せるだけであるため余計な力が作用せず、デリケートな試料であっても変形や損傷を防ぐことができる。
また、以上の実施の形態において、同一試料についてその測定ポイントを変更する場合、横方向には支持板32上で試料Sをずらせばよく、縦方向には支持板32を上下方向に移動させて固定位置を変更するだけでよい、という簡単な操作で行うことができる。
ガイド板31の傾斜角度は、その上限は偏光の影響の大きさによって決定され、15°以下、好ましくは10°以下である。また、傾斜角度の下限は、試料Sがガイド板31上で安定して保持される角度であり、2〜3°以上、好ましくは5°以上である。
1 積分球
11 測定光導入用開口部
12 反射測定用開口部
13 検出器
14 参照光導入用開口部
15 標準白板
2 筐体
3 支持機構
31 ガイド板
31a 貫通孔
32 支持板
S 試料
11 測定光導入用開口部
12 反射測定用開口部
13 検出器
14 参照光導入用開口部
15 標準白板
2 筐体
3 支持機構
31 ガイド板
31a 貫通孔
32 支持板
S 試料
Claims (2)
- 分光器により順次波長選択された測定光を内部に導入するための測定光導入用開口部と、反射測定に供される試料を内部に臨ませるための反射測定用開口部を備えた積分球において、
上記反射測定用開口部の外側に試料の支持機構が設けられ、この支持機構は、試料の分析対象面が上記反射測定用開口部を介して積分球内部に臨むように当該分析対象面に当接して試料の姿勢を規制するガイド板と、そのガイド板に当接する試料の下端部を支える支持板とを有し、上記ガイド板は、その頂部側が積分球に近づく向きに鉛直方向に対して15°以下の角度で傾斜していることを特徴とする分光光度計用積分球。 - 上記支持板が、上記ガイド板に沿って上下方向に移動可能で、かつ、その移動範囲の任意の位置で固定可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の分光光度計用積分球。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014003716U JP3193277U (ja) | 2014-07-14 | 2014-07-14 | 分光光度計用積分球 |
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JP (1) | JP3193277U (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018205231A (ja) * | 2017-06-08 | 2018-12-27 | 一般財団法人雑賀技術研究所 | 積分球を用いた相対反射率測定装置及びその較正方法 |
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2014
- 2014-07-14 JP JP2014003716U patent/JP3193277U/ja not_active Expired - Fee Related
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