JP6064870B2 - 変位計および材料試験機 - Google Patents

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Description

この発明は、負荷が与えられた試験片の変位を計測する変位計およびこの変位計を備える材料試験機に関する。
材料試験を実行する材料試験機においては、試験片の両端部を一対のつかみ具により把持した状態で、つかみ具の一方を他方に対して近接または離隔させることによって試験片に負荷を与えている。そして、負荷を与えられた試験片の変位は、変位計により測定される。
特許文献1には、一対の固定具を試験片の上下の標点に取り付け、引張荷重を試験片に与えたときの一対の固定具の相対変位を差動トランス式変位検出器で検出することにより、試験片の伸びを計測する伸び計が記載されている。
特開平6−201309号公報
図6は、従来の変位計における変位伝達機構を構成するレバー部材97の概要図である。図7は、従来の変位計における突起部材92の先端形状の拡大図である。図8は、従来の変位計におけるレバー部材97の支点、作用点、力点の位置関係を説明する模式図である。図9は、従来の変位計における、てこ比の変動を説明するグラフである。なお、図9のグラフの横軸は角度(ラジアン)、縦軸はてこ比である。
変位計には、試験片に付された標点位置で試験片を挟持するとともに試験負荷を受けた試験片の変位に追動する上下一対のアームと、差動トランス式の変位検出器との間に、上下一対のアームの相対的な位置変位を変位検出器の鉄心95に伝達するレバー部材97が配設されている。レバー部材97は変位計のフレームに固定された軸93を支点として上下に揺動可能であり、変位検出器側に作用点、試験片に接続されたアーム側に力点を配し、てこの原理により試験片に生じた変位を変位検出器に伝達する変位伝達機構を構成する。図6に示す例では、上下一対のアームのうち下アーム96が上下動すると、てこの原理に従って変位検出器の鉄心95が上下動し、下アーム96の移動量と鉄心95の移動量とが一定の割合で連動して変化することにより、試験片の変位が測定できる。
レバー部材97には、変位検出器の鉄心95の下端面との当接する作用点および下アーム86の上端面との当接する力点に、それぞれ円錐形状の突起部材92が配設されている。円錐形状の突起部材92は、円柱部材を旋盤加工することにより作成されることから、拡大してみると、図7に示すように、意図しない丸みが先端に生じている。従来のレバー部材97においては、軸93の中心を支点Oとして、鉄心95に当接する突起部材92の先端と、下アーム96に当接する突起部材92の先端とが、同一直線90上に配置されるように、レバー部材97に各突起部材92を取り付けていた。このため、突起部材92の先端部分の丸み断面が半径rの円弧であったとすると、レバー部材97が図6に示す水平位置から角度θ傾いたときには、図8に示すように、水平位置でのてこ比と同じてこ比となる位置、すなわち、角度θだけ傾いた直線90上で突起部材92が鉄心95および下アーム96に当接せず、ずれた位置で当接してしまう。
てこ比を一定に保つことができる直線90上の理想的な突起部材92と鉄心95の接触点および突起部材92と下アーム96の接触点と、これらの部材の実際の接触点のずれ量eは、下記式(1)により求められる。ただし、ここでは、支点Oから突起部材92と鉄心95との接触点までを結ぶ線の傾きの角度θとのずれ、および、支点Oから突起部材92と下アーム95との接触点までを結ぶ線の傾きの角度θとのずれは無視するものとする。
Figure 0006064870
例えば、レバー部材97の水平位置での支点‐作用点間距離a=10mm、支点‐力点間距離b=50mmであり、突起部材92の円弧の半径r=0.2mmであると仮定したとき、角度θの範囲でレバー部材97が移動すると、てこ比の値は以下の式(2)と表すことができる。
Figure 0006064870
角度θが変化しても、レバー部材97の水平位置でのてこ比の値a/b=0.2が保たれていることが理想であるが、従来では、図9のグラフに示すように、角度θが±30度(±0.52ラジアン)の範囲で変化すると、実際のてこ比は、理想のてこ比の値である0.2よりも約±1.2%変動する。このようなてこ比の変動は、レバー部材97を介して変位検出器に伝達される試験片に生じた変位の検出精度に影響を及ぼすことになる。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、てこ比を一定に保つことにより試験片の変位の検出精度を向上させた変位計および材料試験機を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、力点部材を試験片側に配設するとともに作用点部材を変位検出器側に配設したレバー部材を有することにより、てこの原理を用いて試験負荷を受けたときの試験片の変位を前記変位検出器に伝達する変位伝達機構を備える変位計であって、前記レバー部材に配設された前記作用点部材は、断面形状に円形要素を有する突起部材を含み、その円形要素の中心を原理的作用点とするものであり、前記レバー部材に配設された力点部材は、断面形状に円形要素を有する突起部材を含み、その円形要素の中心を原理的力点とするものであり、前記レバー部材の支点と、前記原理的作用点と、前記原理的力点とを、同一直線上に位置させたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、力点部材を試験片側に配設するとともに作用点部材を変位検出器側に配設したレバー部材を有することにより、てこの原理を用いて試験負荷を受けたときの試験片の変位を前記変位検出器に伝達する変位伝達機構を備える変位計であって、前記レバー部材に配設された前記作用点部材は、断面形状に円形要素を有する突起部材を含み、その円形要素の中心を原理的作用点とするものであり、前記レバー部材の支点と、前記原理的作用点と、力点とを、同一直線上に位置させたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記力点部材は、前記レバー部材の先端に形成され、前記試験片に当接するためのエッジである。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記作用点部材の突起部材は球体である。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の変位計において、前記力点部材の突起部材は球体である。
請求項6に記載の発明は、試験片に対して試験力を与える負荷機構と、試験片に与えた試験力量を計測する試験力計測機構と、試験力を与えたときの試験片の変位量を計測する変位計測機構を備えた材料試験機において、前記変位計測機構の内に請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の変位計を備えたことを特徴とする。
請求項1から請求項6に記載の発明によれば、てこの原理により試験片の変位を変位検出器に伝達する変位伝達機構を有する変位計において、てことして動作するレバー部材の作用点および/または力点となる位置に円形要素を有する突起部材を採用し、この円形要素の円中心(原理的作用点、原理的力点)が、てこの支点と同一直線上となるように突起部材含む作用点部材および/または力点部材をレバー部材に配設することから、レバー部材の傾きの程度にかかわらず、てこ比を一定に保つことができる。このため、試験片に生じた変位を、レバー部材を介して変位検出器に伝達するときに、てこ比のズレによる伝達倍率に変動が生じることがなく、より正確に試験片の変位を変位検出器で検出することが可能となる。
請求項4および請求項5に記載の発明によれば、突起部材を、半径の精度がよいものを低コストで作成可能である球体とすることで、突起部材のレバー部材への配設を容易に行うことができるとともに、低コストで変位検出精度を向上させた変位計を制作することが可能となる。
この発明に係る材料試験機の概要図である。 第1実施形態に係る変位計40の概要図である。 変位伝達機構を構成するレバー部材47を拡大して示す断面図である。 変位計40におけるレバー部材47の支点、作用点、力点の位置関係を説明する模式図である。 第2実施形態に係る変位計70の概要図である。 従来の変位計における変位伝達機構を構成するレバー部材97の概要図である。 従来の変位計における突起部材92の先端形状の拡大図である。 従来の変位計におけるレバー部材97の支点、作用点、力点の位置関係を説明する模式図である。 従来の変位計における、てこ比の変動を説明するグラフである。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係る材料試験機の概要図である。
この材料試験機は、テーブル16と、床面に立設された一対の支柱19と、各支柱19の内部におけるテーブル16上に鉛直方向を向く状態で回転可能に立設された一対のねじ棹11と、これらのねじ棹11に沿って移動可能なクロスヘッド13と、このクロスヘッド13を移動させて試験片10に対して試験力を付与するための負荷機構30とを備える。なお、図1においては、一対の支柱19のうち紙面左側の支柱19を取り払った状態を図示している。
クロスヘッド13は、一対のねじ棹11に対して、図示を省略したナットを介して連結されている。各ねじ棹11の下端部は、負荷機構30に連結されており、負荷機構30における動力源としてのモータからの動力が、一対のねじ棹11に伝達される構成となっている。一対のねじ棹11が同期して回転することにより、クロスヘッド13は、これら一対のねじ棹11に沿って昇降する。
クロスヘッド13には、試験片10の上端部を把持するための上つかみ具21が付設されている。一方、テーブル16には、試験片10の下端部を把持するための下つかみ具22が付設されている。引張試験を行う場合には、試験片10の両端部をこれらの上つかみ具21および下つかみ具22により把持した状態で、クロスヘッド13を上昇させることにより、試験片10に試験力(引張荷重)を負荷する。このときに、試験片10に作用する試験力はロードセル14によって検出され、制御部23に入力される。また、試験片10に生じた変位は、試験片10に取り付けられた接触式の変位計40により測定される。
制御部23はCPU等を備えるコンピュータやシーケンサーによって構成される。図1に示すように、この制御部23には、ロードセル14と、負荷機構30と、変位計40が接続される。そして、制御部23は、ロードセル14からの試験力データや変位計40からのデータを取り込んで、データ処理を実行する。このような制御部23での演算等の処理により、試験片10に対する試験力と試験片10の変位量が求められる。
図2は、第1実施形態に係る変位計40の概要図である。図2(a)は、変位計40の正面概要図であり、説明の便宜上、変位検出部41、取付部42の軸55を内装するガイド部材54、変位伝達機構を構成するレバー部材47を部分的に断面図で示している。図2(b)は、下アーム52の平面図である。
この変位計40は、差動トランス式の変位検出器が収容された変位検出部41と試験片10に変位計40を取り付けるための取付部42とから構成される。変位検出部41は、変位検出器を構成する鉄心45と、この鉄心45の移動を検知するコイル44を内蔵する枠体43を備え、枠体43には、変位伝達機構を構成するレバー部材47が、軸46を支点として揺動可能に配設されている。
取付部42は、変位検出部41の枠体43と連結されたガイド部材54と、ガイド部材54に接続された上アーム51と、上アーム51のアーム枠53を貫通するとともにガイド部材54に内装された軸55の下端に取り付けられた下アーム52とを備える。
上アーム51と下アーム52は、試験片10を挟持する部分を中心とした基本的な構造に関しては同様の構造を有する。上アーム51および下アーム52は、平面視において略コの字形状のアーム枠53を有し、アーム枠53の変位検出部41側には先端が試験片10を向くナイフエッジ57が配設されている。また、アーム枠53の変位検出部41とは逆側となる端部には、先端に圧子58を設けた調節ネジ56が、アーム枠53に形成された孔を貫通して圧子58が試験片10を向くように配設されている。そして、上アーム51および下アーム52は、オペレータが調整ネジ56を手動で操作して圧子58を試験片10に押し付けることで、ナイフエッジ57と圧子58とにより試験片10を挟持する。これにより、変位計40が試験片10に取り付けられる。なお、オペレータの手動により動作する調整ネジ56に換えて、空圧により動作する調整固定具を用いて試験片10を挟持させるようにしてもよい。
下端が下アーム52と連結された軸55は、試験力が与えられた試験片10の変位に伴う上アーム51と下アーム52との相対的な距離変化に連動して上下動する。軸55は下アーム52とともに移動し、試験片10に変位計40を取り付ける時には、上アーム51のナイフエッジ57と下アーム52のナイフエッジ57との距離が、標線間距離(GL)と一致するように、下アーム52の位置が調整可能となっている。そして、試験片10に変位計40が取り付けられた後には、軸55と下アーム52は、試験片10の変位(伸び)に伴って、図2(a)に実線で示す位置と仮想線で示す位置の間を上下動可能である。また、下アーム52のアーム枠53の変位検出部41側の上面には、レバー部材47において、後述する力点部材における突起部材が当接する平坦面59が設けられている。
図3は、変位伝達機構を構成するレバー部材47を拡大して示す断面図である。図4は、変位計40におけるレバー部材47の支点、作用点、力点の位置関係を説明する模式図である。
この変位計40における変位伝達機構は、てこの原理により、取付部42の上アーム51および下アーム52の相対的な距離変化を変位検出部41に伝達するレバー部材47により構成される。下アーム52が試験片10の変位に伴って上下動すると、てこの原理に従って変位検出部41の鉄心45が上下動し、下アーム52の移動量と鉄心45の移動量とが一定の割合で連動して変化することにより、試験片10の変位が測定できる。このてこの原理による変位伝達機構は、レバー部材47における支点、作用点、力点を配する位置、すなわち、てこ比を変更することにより、試験片10の変位を拡大または縮小して、あるいは等倍で変位検出部41に伝達する。
レバー部材47は、軸46の軸心である支点Oを中心に揺動可能であり、このレバー部材47には、突起部材を有する作用点部材および力点部材が配設されている。レバー部材47には、外周に雄ネジ溝が形成された支持筒63の先端に球体62が嵌めこまれた接触部材61が配置されている。この接触部材61は、この発明の作用点部材および力点部材であり、球体62は、この発明の突起部材として機能する。そして、接触部材61は、変位検出部41の鉄心45と当接する球体62の中心P、および、下アーム52の平坦面59と当接する球体62の中心Qが、レバー部材47の支点Oと同一直線60上となるように、レバー部材47に配設される。すなわち、レバー部材47に設けられ、支持筒63の雄ネジ溝に対応する雌ネジ溝が形成された貫通孔に、高さを調整しつつ接触部材61をねじ込むことにより、レバー部材47にてこの作用点および力点を配している。なお、接触部材61が当接する鉄心45の底面と平坦面59は、両方とも滑らかな平面として加工してあり、ともに水平方向に広がっている。また、接触部材61は球が柱体の先端に埋め込まれたボールプランジャー様のものを利用することができる。
なお、この実施形態での直線60は、レバー部材47を支点、作用点、力点を配したてことしたときの、てこの軸線である。また、この実施形態においては、球体62と鉄心45の下端面との滑り摩擦は十分に小さいので、レバー部材47の揺動動作をスムーズに行うことができる。そのために、球体62と鉄心45の下端面との滑り摩擦、および、球体62と平坦面59との滑り摩擦がなるべく小さくなるように、鉄心45の下端面および平坦面59の各表面は鏡面状に研磨しておくのが良い。また、球体62は支持筒63に対して回動自在にしてもよい。
レバー部材47における接触部材61を配置する貫通孔は、この実施形態では、支点Oから球体62の中心Qまでの距離が、支点Oから球体62の中心Pまでの距離の5倍となる間隔で形成されている。すなわち、てこ比の値が0.2となるように、支点Oから作用点となる球体62の中心Pまでの距離、および、支点Oから力点となる球体62の中心Qまでの距離が決められている。
ここで、中心Pを原理的作用点、中心Qを原理的力点と考えることができる。そのように考えることでこの発明の原理をよく理解することができる。すなわち、この発明では、てこの原理におけるてこ比を考察するときに、球体62と鉄心45の下端面との現実の接触点である作用点に換えて作用点と同等に扱う点を原理的作用点、球体62と平坦面59との現実の接触点である力点に換えて力点と同等に扱う点を原理的力点としている。
図4に示すように、レバー部材47が水平位置にあるとき、変位検出部41の鉄心45の下端と球体62との接触点(作用点)は、直線60から球体62の半径rだけ上の位置にあり、下アーム52の平坦面59と球体62との接触点(力点)は、直線60から球体の半径rだけ下の位置にある。ここで、支点Oから球体62の中心Pまでの距離を10mm、支点Oから球体62の中心Qまでの距離を50mmとし、レバー部材47が水平位置から支点Oを軸に角度θだけ上方に傾いたとすると、変位検出部41の鉄心45の下端と球体62との接触点の位置(水平位置から鉛直方向の高さ位置)は、下記式(3)で、下アーム52の平坦面59と球体62との接触点の位置(水平位置から鉛直方向の高さ位置)は、下記式(4)で表すことができる。
Figure 0006064870
Figure 0006064870
このときの鉄心45の下端と球体62との当接点の鉛直方向の移動距離は下記式(5)と、また、下アーム52の平坦面59と球体62との接触点の鉛直方向の移動距離は下記式(6)と表すことができる。
Figure 0006064870
Figure 0006064870
この式(5)および式(6)から理解されるように、レバー部材47が水平位置にあったときからの各接触点の鉛直方向の移動距離は、球体62の中心Pおよび球体62の中心Qの鉛直方向の移動距離と等しくなる。そして、中心Pと中心Qの鉛直方向の移動距離を計算するときのてこ比は、下記式(7)で表される。
Figure 0006064870
すなわち、式(7)から理解されるように、てこ比の値は角度θの変化の影響を受けることなく、一定の値(0.2)に保たれる。
なお、この実施形態では、作用点部材および力点部材の突起部材に同一半径rの球体62を用いたが、球体62の半径は異なる半径でもよい。この発明においては、各球体の中心が軸46の軸心である支点Oを通る同一直線60上あればよく、半径の違いは、レバー部材47が水平位置にあるときの各球体と平面(鉄心45の下端または下アーム52の平坦面59)との初期の当接位置を決めるときのオフセット量として扱えばよい。
このように、この実施形態においては、レバー部材47に対して力を加えている実際の力点よりも力が加わる方向に一定の距離(半径r)だけ離れた位置を原理的力点とし、鉄心45の鉛直方向の運動を変化させている力が作用している実際の作用点よりも力が作用する方向に一定の距離(半径r)だけ離れた位置を原理的作用点としている。そして、これらの原理的力点および原理的作用点を、支点Oを通る同一直線60上に位置させたことで、てこ比をてことして機能するレバー部材47の傾きにかかわらず、一定に保つことを可能としている。すなわち、この発明における原理的力点および原理的作用点は、予め決められたてこ比に基づいて作用点を力点を配するための点であり、実際の力点および作用点からの距離がてこの傾きにかかわらず変化しないてこ軸線上の点でもある。
次に、この発明の他の実施形態に係る変位計70について説明する。図5は、第2実施形態に係る変位計70の概要図である。図5(a)は、変位計70の正面概要図であり、説明の便宜上、変位検出部71、取付部72、変位伝達機構を構成するレバー部材77を部分的に断面図で示している。図5(b)は、レバー部材77を拡大して示す断面図である。
この変位計70は、差動トランス式の変位検出器が収容された変位検出部71と試験片10に変位計70を取り付けるための取付部72とから構成される。変位検出部71は、変位検出器を構成する鉄心75と、この鉄心75の移動を検知するコイル74を内蔵する枠体73を備える。
取付部72は、変位検出部71の枠体73に連結されたガイド部材84と、ガイド部材84に接続されたアーム81とを備える。ガイド部材84の下方には、レバー部材77が軸76を支点として揺動可能に配設されている。なお、この軸76は、ガイド部材84において、より試験片10に近い側、または、より変位検出部71に近い側に移動させることが可能となっている。また、ガイド部材84の上方側面には、先端が試験片10を向くナイフエッジ87が配設されている。
アーム81は、アーム枠83を有する。アーム枠83の変位検出部71とは逆側となる端部には、先端に押さえ部材88を設けた調節ネジ86が、アーム枠83に形成された孔を貫通して押さえ部材88が試験片10と接触可能に配設されている。また、アーム枠83の変位検出71側の端部は、ガイド部材84にネジ等により固定されている。アーム81は、オペレータが調整ネジ86を手動で操作して押さえ部材88の上側エッジと下側当接部とを試験片10に向けて押し付けることで、ナイフエッジ87と押さえ部材88の上側エッジおよびレバー部材77の先端エッジ79と押さえ部材88の下側当接部の4点で試験片10を支持する。これにより、変位計70が試験片10に取り付けられる。なお、オペレータの手動により動作する調整ネジ86に換えて、空圧により動作する調整固定具を用いて試験片10を挟持させるようにしてもよい。
レバー部材77の変位検出部71側には、上述した第1実施形態と同様の接触部材61が配設されている。この実施形態において、接触部材61は、この発明の作用点部材である。また、レバー部材77の試験片10側には、試験片10に当接する先端エッジ79が形成されている。この実施形態において、先端エッジ79は、この発明における力点部材に相当する。そして、接触部材61は、球体62の中心が、軸76の中心(支点)と、先端エッジ79の頂点(力点)とを通る同一直線60上となるように、レバー部材77に配設されている。すなわち、レバー部材77に設けられ、支持筒63の雄ネジ溝に対応する雌ネジ溝が形成された貫通孔に、高さを調整しつつ接触部材61をねじ込むことにより、レバー部材77にてこの作用点を配している。この実施形態では球62の中心が原理的作用点となっており、支点と原理的作用点と力点とが同一直線60上に位置されることになる。
この変位計70を試験片10に取り付けるときには、ナイフエッジ87と先端エッジ79の頂点との距離が、標線間距離(GL)と一致するように、レバー部材77の傾きを調整する。試験が開始された後には、試験片10の変位に伴ってレバー部材77の先端エッジ79の位置が移動するとともにレバー部材77の傾きが変化し、これに連動して変位検出部71の鉄心75が移動する。
また、レバー部材77には、軸76に係合可能な孔部78が複数設けられ、ガイド部材84における軸76の配設位置を移動させたときに、異なる孔部78を軸76に係合させることにより、てこ比を容易に変更することが可能となっている。
上述した第1実施形態に係る変位計40では、変位伝達機構を構成するレバー部材47に2個の接触部材61を、それぞれこの発明の作用点部材および力点部材として配設したが、この第2実施形態に係る変位計70では、レバー部材77に1個の接触部材61を作用点部材として配設している。
力点となる先端エッジ79の先端は、試験片10の表面に食い込むように当接しており、従来の円錐形状の突起部材のように、先端の意図しない丸みにより試験片10に対する当接位置が変化することはほとんどない。このため、支点‐力点間距離は変動しないと考えてよい。
一方で、作用点部材に従来の円錐形状の突起部材を採用していた場合には、先に図8から図9を参照して説明したように、支点‐作用点間の距離が変動することになる。そうすると、てこ比に変動が生じる。この第2実施形態に係る変位計70では、作用点に配置されていた従来の円錐形状の突起部材に換えて、球体62を採用することで、てこ比の値を一定に保つことが可能となっている。また、鉄心75の下端面は滑らかな平面として加工してあり、球体62と当接面である鉄心75の下端面との滑り摩擦は十分に小さいので、レバー部材77の揺動動作もスムーズに行うことができる。
なお、上述した第1および第2実施形態では、てこに力を与える部材および/またはてこからの力が作用する部材と接触する突起部材として球体を採用したが、てこの軸線となる直線60と直交する回転軸を有する円柱状部材を突起部材としてもよい。レバー部材47、77の揺動面での断面形状が円形の部材であれば、この発明の突起部材として採用することができる。ただし、突起部材として円柱状部材を採用した場合には、回転軸を直線60と正確に直交させる必要がある。このため、突起部材としては球体を採用する方が、取り付け時に円柱状部材のように回転軸の調整をおこなう必要がないため、レバー部材47、77の配設が容易である。
このように、この発明は、てこの原理により試験片10の変位を変位検出器に伝達する変位伝達機構を有する変位計において、作用点および/または力点となる位置に配置する部材の先端に意図的にアールを形成し、この円形要素であるアールの円中心(原理的作用点、原理的力点)を基準として、支点に対して作用点および力点となる部材を、てことして動作する部材に配設することで、てこ比を一定に保つことができる。このため、試験片10の変位を変位検出器に伝達するときに、てこ比のズレにより伝達倍率に変動が生じることがなく、より正確に試験片10の変位を変位検出器で検出することが可能となる。
また、上述した第1および第2実施形態では、変位検出部41、71に差動トランス式の変位検出器を配置したが、これに限定されない。変位伝達機構を構成する部材の移動に連動して変化する要素を検出可能な構成を有する検出器(例えば、特開2004−069415公報に記載の位置検出器)であれば、この発明の変位計における変位検出器として採用することが可能である。
10 試験片
11 ねじ棹
13 クロスヘッド
14 ロードセル
16 テーブル
19 支柱
21 上つかみ具
22 下つかみ具
23 制御部
30 負荷機構
40 変位計
41 変位検出部
42 取付部
43 枠体
44 コイル
45 鉄心
46 軸
47 レバー部材
51 上アーム
52 下アーム
53 アーム枠
54 ガイド部材
55 軸
56 調節ネジ
57 ナイフエッジ
58 圧子
60 直線
61 当接部材
62 球体
63 支持筒
70 変位計
71 変位検出部
72 取付部
73 枠体
74 コイル
75 鉄心
76 軸
77 レバー部材
78 孔部
79 先端エッジ
81 アーム
83 アーム枠
84 ガイド部材
87 エッジナイフ
88 押さえ部材

Claims (6)

  1. 力点部材を試験片側に配設するとともに作用点部材を変位検出器側に配設したレバー部材を有することにより、てこの原理を用いて試験負荷を受けたときの試験片の変位を前記変位検出器に伝達する変位伝達機構を備える変位計であって、
    前記レバー部材に配設された前記作用点部材は、断面形状に円形要素を有する突起部材を含み、その円形要素の中心を原理的作用点とするものであり、
    前記レバー部材に配設された力点部材は、断面形状に円形要素を有する突起部材を含み、その円形要素の中心を原理的力点とするものであり、
    前記レバー部材の支点と、前記原理的作用点と、前記原理的力点とを、同一直線上に位置させたことを特徴とする変位計。
  2. 力点部材を試験片側に配設するとともに作用点部材を変位検出器側に配設したレバー部材を有することにより、てこの原理を用いて試験負荷を受けたときの試験片の変位を前記変位検出器に伝達する変位伝達機構を備える変位計であって、
    前記レバー部材に配設された前記作用点部材は、断面形状に円形要素を有する突起部材を含み、その円形要素の中心を原理的作用点とするものであり、
    前記レバー部材の支点と、前記原理的作用点と、力点とを、同一直線上に位置させたことを特徴とする変位計。
  3. 請求項2に記載の変位計において、
    前記力点部材は、前記レバー部材の先端に形成され、前記試験片に当接するためのエッジである変位計。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の変位計において、
    前記作用点部材の突起部材は球体である変位計。
  5. 請求項1に記載の変位計において、
    前記力点部材の突起部材は球体である変位計。
  6. 試験片に対して試験力を与える負荷機構と、試験片に与えた試験力量を計測する試験力計測機構と、試験力を与えたときの試験片の変位量を計測する変位計測機構を備えた材料試験機において、
    前記変位計測機構の内に請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の変位計を備えたことを特徴とする材料試験機。
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