JP3134732B2 - 上皿はかり - Google Patents

上皿はかり

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JP3134732B2
JP3134732B2 JP07257801A JP25780195A JP3134732B2 JP 3134732 B2 JP3134732 B2 JP 3134732B2 JP 07257801 A JP07257801 A JP 07257801A JP 25780195 A JP25780195 A JP 25780195A JP 3134732 B2 JP3134732 B2 JP 3134732B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は上皿はかりに関し、
更に詳しくは、ロバーバル機構と、荷重伝達用ののレバ
ー機構を備えた上皿はかりに関する。なお、本発明は、
電磁力平衡型の荷重感応部を備えたいわゆる電子天びん
のほか、被測定荷重の感応部としてロードセル等を備え
たいわゆるはかりにも適用することができる。
【0002】
【従来の技術】上皿はかりあるいは上皿天びんにおいて
は、一般に、図10に側面図(A)および平面図(B)
を例示し、かつ、図12(A)に機構図を示すように、
ロバーバル機構(パラレルガイドとも称される)10を
介して試料皿20を支承することにより、試料皿20が
水平を保ったまま上下に変位するように規制し、これに
よって試料皿20に対する試料の偏置に伴う誤差、いわ
ゆる偏置誤差(四隅誤差とも言う)が生じないように考
慮されている。
【0003】ロバーバル機構10は、両端部分にヒンジ
部となる可撓部11a,11bおよび12a,12bを
備えた互いに平行な上下2本の梁11および12を介し
て可動柱13を固定柱14に連結した構造を持ち、試料
皿20は可動柱13に支承される。試料皿20に作用す
る荷重は、可動柱13に連結されたレバー30を介して
ロードセルないしは電磁力発生機構等の荷重感応部40
に伝達される。
【0004】レバー30は、通常、弾性支点31によっ
て支持されるとともに、その一端側の力点32が連結片
50を介して可動柱13に連結される一方、他端側が荷
重感応部40に連結され、試料皿20に負荷された被測
定荷重を数分の一から百数十分の一のレバー比のもとに
縮小して荷重感応部40に伝達する。ここで、レバー3
0の力点32は前後回転方向(レバー30の長手方向へ
の移動、図12(A)において矢印Rで示す。以下同)
に可撓性を有しているとともに、連結片50と可動柱1
3との連結部についても、前後回転方向に可撓の連結用
弾性支点51が介在しており、この連結用弾性支点51
と可撓性の力点32によって、試料皿20に荷重が作用
することによる、可動柱13の前後方向への僅かな変位
と、レバー30の傾斜に起因する力点32の前後方向へ
の僅かな変位を吸収することが図られている。
【0005】ところで、このようなロバーバル機構10
においては、一般に、上下2本の梁11と12の平行度
が重要であり、これらの上下の梁11と12が正確に平
行になっている条件下で、はじめて試料皿20上の荷重
の偏置誤差が解消される。すなわち、図10(A)に示
す寸法HとH′が一致するように厳密に調整しなければ
偏り偏置誤差が生じる。この調整は、特に精密な電磁力
平衡型の電子天びん等においてはμmオーダー以下の精
度が必要となる等、HとH′の寸法を測定することで実
行し得る程度のものではなく、実際の調整作業では、試
料皿20上に載せた荷重を移動させつつ、各位置で計量
値が変化しないように平行度の微調整を行う。
【0006】このようなロバーバル機構の平行度を調整
するための機構としては、従来、図11に例示するよう
に、一端が固定部14に弾性的に固定され、他端が自由
となった調整用アーム71等を利用して、調整ねじ72
の回動による上下の動きをd 2 /d1 に縮小して梁11
または12の取り付け部Fを微動させるようにするのが
一般的であり(例えば実開昭63−308522号)、
更にその調整ねじ72に差動ねじを採用したもの(実開
昭63−35924号)、あるいは一方の梁の取り付け
部Fを、くさびの原理を用いて固定部14に対して微動
させる方法を採用したもの(実開昭62−40531
号)等がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年のはか
りの小型化、薄型化の要求により、従来よりもレバー比
を大きくして小さなメカニズムで大きな荷重を測定する
必要が生じているが、単純に従来品のレバー比を大きく
して装置の小型化を図った場合、偏置誤差が大きくなっ
て仕様を満足できなくなる。
【0008】すなわち、レバー比を大きくして、レバー
30の弾性支点31と力点32との間の距離。L1 を1
mm程度以下に短くした場合、荷重の大きさによって特
に前後方向への偏置誤差が変わり、上述のような調整機
構を用いて、ある荷重に対する偏置誤差を厳密に調整し
ても、別の荷重では偏置誤差が生じてしまい、はかりと
して実用できなくなってしまう。
【0009】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、レバー比を大きくして小型化および薄型化して
も、従来のように荷重の大きさによる偏置誤差の変化が
少なく、小型・薄型でしかも偏置誤差の少ない高精度の
上皿はかりの提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の第1の構成は、その実施の形態を表す図1
に示すように、両端部に可撓部を備えた互いに平行な上
下2本の梁11,12を介して可動柱13が固定柱14
に連結されてなるロバーバル機構10の、その可動柱1
3に試料皿20が支承されるとともに、その可動柱13
が、弾性支点31を有するレバー30の力点32に対
し、上下の梁11,12の間に位置する連結用弾性支点
51を介して連結され、そのレバー30によって試料皿
20上の荷重が荷重感応部40に伝達される上皿はかり
において、偏置荷重による連結用弾性支点51の前後方
向への移動が少なくなるように、上下の梁11,12の
うち、連結用弾性支点51に近い側の梁(図1において
下側梁12)の剛性を、他側の梁(同じく11)の剛性
に比して大きくしたことによって特徴づけられる。
【0011】ここで、本発明で言う梁11または12の
剛性とは、それぞれの両端に設けられた可撓部11a,
11bまたは12a,12bをも含めたものであり、ま
た、各梁11,12の剛性は、実質的には、これらの両
端部が連結される固定柱14ないしは可動柱13の水平
方向の剛性もが加味されることから、以下の構成を採用
しても同等の作用が得られる。
【0012】すなわち、上記の構成に代えて、ロバーバ
ル機構10の上下2本の梁11,12の剛性を略同等と
するとともに、これらの一端が連結される固定柱14、
もしくは、可動柱13の剛性を弱くすることで、上記と
同様に、連結用弾性支点51に遠い側の梁(図1におい
て上側梁11)の剛性を、他側の梁(同じく12)の剛
性に比して見かけ上弱くすることもでき、偏置荷重によ
る連結用弾性支点51の前後方向への移動を少なくする
ことができる。
【0013】更に、連結用弾性支点51に遠い側の梁
(図1において上側梁11)自体の剛性を他側の梁(1
2)の剛性に比して弱くすると同時に、上記のように固
定柱14もしくは可動柱13、あるいはその双方の剛性
を弱くし、これらによって総合的に連結用弾性支点51
に遠い側の梁11の剛性を弱くすることもできる。この
場合も、偏置荷重による連結用弾性支点51の前後方向
への移動を少なくすることができる。
【0014】更にまた、同じ目的を達成するための本発
明の第2の構成は、その実施の形態を表す図5に示すよ
うに、上記と同じロバーバル機構10およびレバー30
を有し、同じくレバー30の力点32が連結用弾性支点
51を介して可動柱13に連結された上皿はかりにおい
て、上下の梁11,12の剛性が略同等であり、かつ、
連結用弾性支点51の高さ方向の位置が、これらの上下
の梁11と12間の中央位置にあることによって特徴づ
けられる。
【0015】この第2の構成における各梁の剛性につい
ても、前記したようにその両端の可撓部を含めたもので
あり、更には、実質的にこれらの両端が連結される固定
柱14および可動柱13の水平方向への剛性を含めたも
のであり、その総合的な剛性としての剛性が、上下の梁
11,12で略同等であることを意味する。
【0016】
【作用】本発明者らは、従来の上皿はかりないしは上皿
天びんにおいて、レバー比をある限度を越えて大きくし
たときに、前記したように偏置誤差が大きくなり、か
つ、偏置荷重の大きさの変化によってその誤差量が変わ
る原因が、偏置誤差によるレバー比の変化であることを
見いだした。
【0017】本発明はこの対策として、前記した構成を
採用し、所期の目的を達成しようとするものである。以
下、偏置荷重によりレバー比が変化する事実と、本発明
の構成によってその点を解決できることを明らかにす
る。
【0018】図12(A)は、ロバーバル機構10の可
動柱13と、レバー30の力点32とを連結用弾性支点
51を介して連結した、図8に示した上皿はかりの機構
図であり、同図(B)はその要部拡大図で示す偏置荷重
による作用説明図である。
【0019】図12(A)において、試料皿20上の荷
重をaからbに移動させると、ロバーバル機構10の上
側の梁11には引張り力が加わり、この梁11は伸び
る。一方、下側の梁12には圧縮力が加わり、この梁1
2は縮む。また、荷重をcに移動させると、上側の梁1
1は縮み、下側の梁12は伸びる。
【0020】従来のこの種の上皿はかりにおいては、上
下の梁11と12の剛性は互いにほぼ等しく、上記した
各梁11と12の伸び量とと縮み量は略等しく、これを
δ4とすれば、偏置荷重の位置によって各部は、(B)
に示すように、上下の梁11,12の可撓部11aと1
2aを結ぶ直線の中点Pを中心として変位する。
【0021】ここで、一般に、力点32と連結用弾性支
点51との長さが長いほど精度上は好ましいため、連結
用弾性支点51の上下方向位置は、この例においては上
側の梁11と下側の梁12との中央位置よりも下側の梁
12に近い位置に設けられてA>Bとなっており、従っ
て、連結用弾性支点51は、荷重を試料皿20の中心a
に置いた状態での位置Kから、荷重をbに移動させたと
きにはKb に、同じくcに移動させたときにはKc へと
移動する。
【0022】連結用弾性支点51がKb に移動した場
合、レバー30の弾性支点31と力点32との距離L1
が実質的に小さくなった状態となり、レバー比はL1
2 からL1 ′/L2 (ただしL1 ′<L1 )となり、
逆にKc に移動した場合には、L1 が大きくなった状態
となってL1 ″/L2 (ただしL1 ″>L1 )となる。
このため、はかりのひょう量範囲内のある荷重、例えば
2kgの荷重を実際に試料皿20上で移動させ、前記し
た図11に例示したような調整機構を操作して、計量表
示値が変化しないようにロバーバル機構10の平行度の
調整を行い、偏置誤差0の状態としたときには、上記し
たレバー比の変化に起因する誤差分を、ロバーバル機構
10の平行度を狂わす形で補正していることになる。従
って、このような調整の完了後、異なる荷重、例えば4
kgを試料皿20上で移動させると、先の2kgの移動
量の半分だけ移動させた状態で、試料皿20へのモーメ
ントが先と等しく、従ってロバーバル機構10の上下の
梁11,12への引張り、圧縮力が等しくなり、K点の
移動量も等しい状態となる。しかし、この場合、荷重が
2倍となっいるため、レバー比の変化による誤差が2倍
となり、先程の補正量では補正不足となって、誤差が現
れることになる。実際には偏置誤差調整のための荷重の
移動量は半分ではなく等量であるため、4kgでの誤差
は更に大きく現れる。
【0023】以上がレバー比を大きく、しかもL1 を1
mm程度以下と短くした場合に、偏置誤差が大きくなる
原因である。さて、本発明は、偏置荷重の負荷時に上記
したようなK点(連結用弾性支点51)の移動を無くす
ことにより、偏置荷重によるレバー比の変化を防止しよ
うとするものである。
【0024】すなわち、第1の構成においては、連結用
弾性支点51が上記の従来例と同様に一方の梁側に偏っ
て位置している構成をそのまま用い、連結用弾性支点5
1に近い側の梁の剛性を、他側の梁に比して高くするこ
とにより、偏置荷重による上下の梁の伸び量並びに縮み
量を相違させ、K点の移動を防止する。上記例のように
下側の梁12が連結用弾性支点51に近い場合、下側の
梁12の剛性を上側の梁11の剛性よりも高くすること
により、図3に例示するように、偏置荷重による上側の
梁11の伸びまたは縮み量をδ1 と、下側の梁12の縮
みまたは伸び量δ2 の関係は、δ2 <δ1 となり、K点
の移動量はより小さくなり、理論的には、このδ1 とδ
2 の比を、 δ1 /δ2 =A/B ・・・・(1) とすることにより、K点の移動は無くなる。以下にこの
点を証明する。
【0025】図4に幾何学的に示すように、各部の変位
の中心Pと下側の梁11との距離をCとし、上側の梁1
1の可動柱13側の可撓部11aと下側の梁12の可動
柱13側の可撓部12aとを結ぶ線の、偏置荷重による
鉛直線に対する傾斜角をθとするとともに、そのときに
K点がK′へとδだけ移動したとすると、
【0026】
【数1】
【0027】偏置荷重によるK点の移動が0となるため
には、(5)式におけるδ=0とおいて、
【0028】
【数2】
【0029】従って(1)式を満足するとK点の移動は
無くなる。また、図8,図9に例示するように、固定柱
14または可動柱13、もしくはその双方の上側におけ
る水平方向への剛性を弱くした場合、連結用弾性支点5
1に遠い側の梁である上側の梁11の剛性は、見かけ
上、下側の梁12の剛性よりも小さくなるから、上下の
梁11と12自体の剛性に差を付けることなく、固定柱
14ないしは可動柱13の剛性を意識的に弱くしても、
以上と同等の作用が得られる。
【0030】一方、第2の構成においては、上下の梁1
1,12の剛性が従来のように互いに略等しいという構
成をそのまま用い、連結用弾性支点51の高さ方向位置
を、上下の梁11と12の中央位置とすることにより、
図6に示すように、偏置荷重による上下の梁11と12
の伸びまたは縮み量δ3 が互いに等しくなるとともに、
この伸びまたは縮みによる各部の変位の中心に連結用弾
性支点51(K点)が位置することになり、その移動が
無くなる。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の構成を電磁
力平衡型天びんに適用した実施の形態の機構図である。
【0032】ロバーバル機構10の基本的構造は、図1
0あるいは図12に示した従来のものと同等であり、両
端部にそれぞれ可撓部11a,11b、および12a,
12bを備えた上側梁11および下側梁12により、可
動柱13と固定柱14を連結した構造を持ち、可動柱1
3には試料皿20が支承される。
【0033】また、従来と同様に、この可動柱13に作
用する荷重は、弾性支点31によって支持されたレバー
30を介して荷重感応部である電磁力発生装置40に伝
達される。すなわち、レバー30の一端に設けられた力
点32が、連結片50によって連結用弾性支点51を介
して可動柱13に連結され、レバー30には支点31を
挟んで反対側に電磁力発生装置40のフォースコイル4
2が固着される。電磁力発生装置40は、永久磁石41
aを主体とする磁気回路41が作る静磁場中に、レバー
30に固着されたフォースコイル42を可動に配設した
ものであり、レバー30の変位はその他端部に形成され
たスリット33の位置を検知する変位センサ34によっ
て検出され、その変位検出結果が常に零となるようにフ
ォースコイル42に流れる電流が制御される。そして、
その電流の大きさから試料皿20上の荷重が検出され
る。
【0034】連結用弾性支点51の高さ方向位置は、ロ
バーバル機構10の上下の梁のうちの下側梁12により
近く、上側梁11と連結用弾性支点51との上下方向寸
法をA、下側梁12と連結用弾性支点51との上下方向
寸法をBとしたとき、A>Bである。
【0035】そして、下側梁12剛性は、上側梁11に
比して高くなっている。具体的には、図2(A)に例示
するように、各梁の本体部分の厚みt1 が、下側梁12
に比して上側梁11を小さくするか、あるいは、各梁の
両端の可撓部11a〜12bの厚みt2 を、それぞれ下
側梁12に比して上側梁11を小さくする。あるいはこ
れらのt1 およびt2 を上下の梁11,12で等しく
し、図2(B)に上側梁11の部分平面図を示すよう
に、この上側梁11についてのみ、撓み部Eを形成すべ
くスリットSを形成する。あるいはまた、上側梁11の
可撓部11a,11bの幅w(図2(B)参照)を、下
側梁12よりも狭くする。
【0036】上下の梁11と12の剛性の比は、偏置荷
重による上側梁11の伸びまたは縮み量をδ1 、同じく
下側梁12の伸びまたは縮み量をδ2 としたとき、 δ1 /δ2 ≒A/B ・・・・(8) となるように設定する。
【0037】以上の実施の形態において、(8)式を満
足していると、前記した図3に示したように、偏置荷重
による上下の梁11,12の伸び縮みがあっても、連結
用弾性支点51の移動がほぼ無くなり、レバー比を大き
くし、かつレバー30の弾性支点31と力点32間の距
離を1mm程度以下と小さくしても、偏置荷重が大きく
なることがない。
【0038】次に、本発明の第2の構成を、同じく電磁
力平衡型の電子天びんに適用した例について述べる。図
5はその機構図である。この図5の実施の形態におい
て、ロバーバル機構10およびレバー30に関する機
構、並びに電磁力発生装置40等の基本的構造は、上記
した実施の形態と全く同様であり、同等の部材について
は同じ符号を付してその詳細説明は省略する。
【0039】この図5に示す実施の形態の特徴は、ロバ
ーバル機構10の上側梁11と下側梁12の剛性が略同
一であるとともに、連結用弾性支点51の高さ方向位置
が、上側梁11と下側梁12との間の距離Hの中央とな
っている点にある。
【0040】この図5の構成によると、偏置荷重による
上下の梁11と12の伸びまたは縮み量が互いに等しく
δ3 となって、前記した図6に示したように、そのδ3
の伸びまたは縮みによって連結用弾性支点51は殆ど移
動しない。
【0041】ところで、以上の各実施の形態では、連結
用弾性支点51とレバー30の力点32の前後方向位置
を、上下の梁11,12の可撓部11a,12aを結ぶ
鉛直線上とした設けた例を示しており、これが理想的な
位置関係であるが、本発明は、必ずしもこのような位置
関係としなければならないのではなく、実用上は、図7
に例示するように、連結用弾性支点51および力点32
を、上下の可撓部11a,12aを結ぶ鉛直線に対して
εだけずらしてもよい。すなわち、一般に、はかりは種
々のレバー比のものを用意して、種々のひょう量に対応
しており、上記した理想的な位置関係を全てのタイプに
適用することは困難であって、最も困難な機種で適当な
ひょう量/感度が得られるように、これらの位置関係を
選ぶことがより好ましいからである。
【0042】図7のような位置関係を採用した場合、連
結用弾性支点51の位置であるK点は、偏置荷重によっ
て上下の梁11,12が伸び縮みした場合に上下にγだ
け移動することになるが、レバー30は電磁力発生装置
40が発生する電磁力によって常に一定の姿勢を保つか
ら、可動柱13の方が上下することになる。可動柱13
が上下動すると、ロバーバル機構10の上下の梁11と
12が等量だけ傾くことになり、平行度は狂わない。ま
た、ロバーバル機構10の各可撓部11a〜12bの復
元力は、梁11ないしは12の傾き量に比例し、荷重量
にはあまり影響を受けないので、結局、可動柱13の上
下量に見合う分だけ(これは試料皿20上のモーメント
に比例して増える)ロバーバル機構10の平行度を調整
して誤差0に合わせ込むことができる。以上は図1およ
び図5の実施の形態に共通しており、ε≦3mm程度ま
で実用上問題がないことを確認している。
【0043】また、以上の各実施の形態において述べた
ロバーバル機構10の上下の梁11,12の伸びおよび
縮み量δ1 等は、単に梁11ないしは12自体の伸び縮
みだけでなく、各可撓部11a〜12bの撓みを含めた
もので考える必要があることは言うまでもない。従っ
て、各実施の形態において述べた上下の梁11および1
2の剛性とは、この各可撓部11a〜12bをも含めた
剛性である。
【0044】また、実質的な各梁11,12の剛性は、
その両端がそれぞれ固定される固定柱14および可動柱
13の剛性が無視し得ない程度に弱い場合には、その固
定柱14および可動柱13の剛性による影響も含まれた
ものとなる。
【0045】従って、上下の梁11,12の剛性に差を
付ける本発明の第1の構成の変形として、固定柱14ま
たは可動柱13の剛性を弱くし、これによって連結用弾
性支点51に遠い側の梁、前記した図1の実施の形態で
は上側の梁11の剛性を、下側の梁12の剛性に比して
見かけ上弱くしても、実質的に図1,図2に示した実施
の形態と同等の作用効果を奏することができる。本発明
はこのような構成をも含む。
【0046】固定柱14または可動柱13の剛性を意識
的に弱くすることによって上側の梁11の見かけ上の剛
性を弱くする手法を、可動柱13を例にとって図8に示
す。この図8の例では、可動柱13の上側の梁11の固
着部分と皿20を支承する皿受け軸20aとの間に略鉛
直方向に伸びるスリットSを形成している。このような
スリットSの形成によって、可動柱13に対する上側の
梁11の固着部分が撓みやすくなり、上下の梁11と1
2自体の剛性を略同等としても、これらの各梁11,1
2の見かけ上の剛性は上側の梁11が相対的に弱くな
る。つまり、偏置荷重による可動柱13の撓みにより、
上側の梁11の実質的な伸びまたは縮み量が下側の梁1
2の伸びまたは縮み量よりも大きくなる。従って、偏置
荷重による上下の梁11,12の実質的な伸縮量δ1
δ2 を、前記(8)式を満足するように設定すると、図
8に二点鎖線で示すように、偏置荷重による連結用弾性
支点51のK点からの変位を無くすることができ、図
1,図2に示した実施の形態と同等の作用効果を奏する
ことができる。
【0047】また、可動柱13の剛性を意識的に弱くし
て弾性用連結支点51に近い側の梁の見かけ上の剛性を
弱くする他の手法を、図9に例示する。この図9の例に
おいては、可動柱13自体の剛性を、その水平断面の寸
法を小さくする等によって弱くし、皿受け軸20aの取
り付け部分を前方(固定柱14と反対側)に持ち出した
例であり、このような構成によっても、上記と同様に上
側の梁11の見かけ上の剛性を弱くすることができる。
この図9の例では、偏置荷重によって可動柱13は皿受
け軸20aを介してし同図に二点鎖線で示すように撓
み、上記と同様に連結用弾性支点51のK点からの変位
を無くすることができる。
【0048】更に、本発明の第1の構成においては、上
下の梁11,12の剛性を相違させると同時に、しかも
固定柱14および/または可動柱13の剛性を意識的に
弱くすることにより、連結用弾性支点51の偏置荷重に
よる移動を防止するような構成を採用することができ
る。すなわち、上下の梁11と12の各剛性と、固定柱
14および可動柱13の剛性とを併せて、総合的に、連
結用弾性支点51に近い側の梁11の剛性を他側の梁1
2の剛性に比して弱くすることで、偏置荷重のK点から
の移動を防止することも可能であり、本発明の第1の構
成はこのような形態をも含む。
【0049】更にまた、本発明の第1の構成において
は、図1の例においてはレバー30が上側梁11に近い
上側にあるものを示しているが、レバー30を下側梁1
2に近い下側に設ける場合もある。この場合、力点32
と可動柱13との連結用弾性支点51は上側梁11に近
接してともうける方が精度上有利となる。従ってこの場
合には、上側梁11の剛性を下側梁12の剛性に比して
高くする必要がある。本発明の第1の構成は、このよう
な配置の構成をも含むことは勿論であり、この場合、前
記した各例と同様な思想のもとに、下側の梁12自体の
剛性、あるいは見かけ上の剛性を弱くすればよい。
【0050】また更に、以上の各実施の形態では荷重感
応部として電磁力発生装置40を用いた電磁力平衡型の
電子天びんに本発明を適用したが、ロードセル等の他種
の荷重感応部を有する、いわゆる電子はかり等と称され
るものにも、本発明を等しく適用し得ることは言うまで
もない。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の構
成によれば、ロバーバル機構の上下の梁のうち、可動柱
とレバーの力点を繋ぐ連結用弾性支点に近い側の梁の剛
性を、他側の梁の剛性に比して大きくするか、あるい
は、固定柱ないしは可動柱の剛性をも含めてた総合的な
各梁の剛性を、実質的に上記と同様な剛性の差を付けて
いるから、偏置荷重により各梁が伸び縮みしても、従来
に比して連結用弾性支点の前後方向への移動をより少な
くすることができる。
【0052】また、本発明の第2の構成によれば、ロバ
ーバル機構の上下の梁の実質的な剛性を略同等とすると
ともに、可動柱とレバーの力点を繋ぐ連結用弾性支点の
高さ方向の位置を、これら上下の梁の中央位置としてい
るから、偏置荷重により各梁が伸び縮みしても、上記と
同様に連結用弾性支点の前後方向への移動をより少なく
することができる。
【0053】従って、第1および第2の構成のいずれに
おいても、レバー比を大きくしても従来に比して偏置誤
差の少ない上皿はかりを得ることができ、あるいは、従
来と同程度の偏置誤差を許容するならば、より小型化お
よび薄型化を達成することができ、ひいては小型化によ
るコストダウンをも達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の構成を、電磁力平衡型の電子天
びんに適用した実施の形態を示す機構図
【図2】その上側梁11の剛性を下側梁12に比して低
くするための具体的構造の説明図
【図3】図1の機構に偏置荷重を負荷したときの作用説
明図
【図4】図1の機構において、偏置荷重による連結用弾
性支点51の移動量を0とするための条件の幾何学的説
明図
【図5】本発明の第2の構成を、電磁力平衡型の電子天
びんに適用した実施の形態を示す機構図
【図6】図5の機構に偏置荷重を負荷したときの作用説
明図
【図7】連結用弾性支点51とレバー30の力点32
を、上下の梁の可撓部11a,12aを結ぶ鉛直線上に
対してずらした場合の、本発明の他の実施の形態の作用
説明図
【図8】本発明の第1の構成の他の実施の形態を表す機
構図
【図9】本発明の第1の構成の更に他の実施の形態を表
す要部機構図
【図10】ロバーバル機構とレバーを有する上皿はかり
または天びんの一般的なメカニズム構成を示す側面図
(A)および平面図(B)
【図11】調整用アームを用いた従来のロバーバル機構
の平行度調整機構の説明図
【図12】図10に示した上皿はかりの機構図(A)お
よびその要部拡大図で示す偏置荷重による作用の説明図
(B)
【符号の説明】
10 ロバーバル機構 11 上側梁 11a,11b 可撓部 12 下側梁 12a,12b 可撓部 13 可動柱 14 固定柱 20 試料皿 30 レバー 31 弾性支点 32 力点 34 変位センサ 40 荷重感応部 50 連結片 51 連結用弾性支点 S スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深井 秋博 京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所 三条工場内 (56)参考文献 特開 昭62−82328(JP,A) 実開 昭59−74340(JP,U) 実開 昭60−59931(JP,U) 実開 昭63−67829(JP,U) 実開 昭62−108835(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01G 21/24 G01G 23/01

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端部に可撓部を備えた互いに平行な上
    下2本の梁を介して可動柱が固定柱に連結されてなるロ
    バーバル機構の、その可動柱に試料皿が支承されるとと
    もに、その可動柱が、弾性支点を有するレバー機構の力
    点に対し、上記上下の梁の間に位置する連結用弾性支点
    を介して連結され、そのレバー機構によって上記試料皿
    上の荷重が荷重感応部に伝達される上皿はかりにおい
    て、偏置荷重による連結用弾性支点の前後方向への移動
    が少なくなるように、上記上下の梁のうち、上記連結用
    弾性支点に近い側の梁の剛性を、他側の梁の剛性に比し
    て大きくしたことを特徴とする上皿はかり。
  2. 【請求項2】 両端部に可撓部を備えた互いに平行な上
    下2本の梁を介して可動柱が固定柱に連結されてなるロ
    バーバル機構の、その可動柱に試料皿が支承されるとと
    もに、その可動柱が、弾性支点を有するレバー機構の力
    点に対し、上記上下の梁の間に位置する連結用弾性支点
    を介して連結され、そのレバー機構によって上記試料皿
    上の荷重が荷重感応部に伝達される上皿はかりにおい
    て、偏置荷重による連結用弾性支点の前後方向への移動
    が少なくなるように、上記上下の梁の剛性を略同等と
    し、かつ、上記固定柱の剛性を弱く、上記連結用弾性支
    点に遠い側の梁の剛性を他側の梁の剛性に比して見かけ
    上弱くしたことを特徴とする上皿はかり。
  3. 【請求項3】 両端部に可撓部を備えた互いに平行な上
    下2本の梁を介して可動柱が固定柱に連結されてなるロ
    バーバル機構の、その可動柱に試料皿が支承されるとと
    もに、その可動柱が、弾性支点を有するレバー機構の力
    点に対し、上記上下の梁の間に位置する連結用弾性支点
    を介して連結され、そのレバー機構によって上記試料皿
    上の荷重が荷重感応部に伝達される上皿はかりにおい
    て、偏置荷重による連結用弾性支点の前後方向への移動
    が少なくなるように、上記上下の梁の剛性を略同等と
    し、かつ、上記可動柱の剛性を弱く、上記連結用弾性支
    点に遠い側の梁の剛性を他側の梁の剛性に比して見かけ
    上弱くしたことを特徴とする上皿はかり。
  4. 【請求項4】 偏置荷重による連結用弾性支点の前後方
    向への移動が少なくなるように、上記2本の梁の互いの
    剛性と、上記可動柱または固定柱の剛性との双方によ
    り、上記連結用弾性支点に遠い側の梁の総合的な剛性
    を、他側の梁の総合的な剛性に比して弱くしたこと特徴
    とする、請求項1,2または3に記載の上皿はかり。
  5. 【請求項5】 両端部に可撓部を備えた互いに平行な上
    下2本の梁を介して可動柱が固定柱に連結されてなるロ
    バーバル機構の、その可動柱に試料皿が支承されるとと
    もに、その可動柱が、弾性支点を有するレバー機構の力
    点に対し、上記上下の梁の間に位置する連結用弾性支点
    を介して連結され、そのレバー機構によって上記試料皿
    上の荷重が荷重感応部に伝達される上皿はかりにおい
    て、上記上下の梁の剛性が略同等であり、かつ、上記連
    結用弾性支点の高さ方向の位置が、これらの上下の梁間
    の中央位置にあることを特徴とする上皿はかり。
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