JP3193272U - スタータチェーンガイド装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動二輪車等において、スタータチェーンにおけるエンジン始動時に張り側となる部分に過大テンションを作用させることなく、スタータチェーンの稼働の安定を図るスタータチェーンガイド装置を提供する。【解決手段】スタータチェーンガイド装置100であって、エンジン本体側に固定される取付ブラケット10と、スタータチェーン5の被ガイド部5Gに摺接するガイド部30を備え、このガイド部30の位置をスタータチェーン5の被ガイド部5Gに対する交差方向にて調整可能とするように、取付ブラケット10に移動可能に取付けられるガイドアーム20と、ガイドアーム20の取付ブラケット10に対する移動をロックするアームロック手段40とを有してなるもの。【選択図】図1

Description

本考案は自動二輪車等のためのスタータチェーンガイド装置に関する。
従来、自動二輪車等では、スタータモータ側の駆動スプロケットと、エンジンのクランク軸側の被動スプロケットとにスタータチェーンを巻き掛けている。スタータモータの回転力がスタータチェーンを介してクランキングし、着火させることにより、エンジンを始動させるものである。スタータモータと駆動スプロケットの間のトルク伝達経路にはワンウエイクラッチが設けられ、エンジン運転中のクランク軸の回転力がスタータモータに伝達されない機構になっている。
このとき、従来技術では、スタータチェーンにおける、エンジン始動時にスタータモータの回転力を受けて張り側となる部分にチェーンテンショナを設けている。チェーンテンショナは、スプリングの弾発力により、スタータチェーンにおける上記エンジン始動時に張り側となる部分を押圧し、スタータチェーンに常にテンションを付加するものである。
従来技術では、スタータチェーンにおけるエンジン始動時に張り側となる部分に常に、スプリングの弾発力に基づくテンションが付加されているため、以下の問題点がある。
(1)エンジン始動時に、着火ミスによってクランク軸が逆回転状態で着火すると、クランク軸が逆回転方向のままの爆発行程となり、スタータチェーンにおけるエンジン始動時に張り側となる部分に過大テンション(リバウンドによる過大テンション)が作用する。
(2)エンジンの加減速運転時に、スタータチェーンにおけるエンジン始動時に張り側となる部分は、加速時に大きく弛んだ後に、減速時に大きく張って過大テンション(ジャンピングによる過大テンション)が作用するものになる。
(3)上述(1)、(2)において、過大テンションが作用したスタータチェーンに対し、スプリングの弾発力によって押付けられているチェーンテンショナは、当該スプリングを弾性変形させて大きく弾り返され、スタータチェーンの反対側に位置するクラッチハウジングカバーに接触する。クラッチハウジングカバーに接触したチェーンテンショナは、異音を発生するとともに、クラッチハウジングカバーを削って切粉状の破片を生じ、ひいてはクランクケース内のオイル中に沈殿した破片がエンジン寿命を縮める。
(4)エンジンの通常運転中にも、チェーンテンショナはスプリングの弾発力に基づくテンションをスタータチェーンに付加し続け、これが余計なフリクションロスの原因となり、スタータチェーンの寿命を縮める。
本考案の課題は、スタータチェーンにおけるエンジン始動時に張り側となる部分に過大テンションを作用させることなく、スタータチェーンの稼働の安定を図ることにある。
請求項1に係る考案は、スタータモータ側の駆動スプロケットと、エンジンのクランク軸側の被動スプロケットとに巻き掛けられた、スタータチェーンにおけるエンジン始動時に張り側となる被ガイド部をガイドするスタータチェーンガイド装置であって、エンジン本体側に固定される取付ブラケットと、スタータチェーンの被ガイド部に摺接するガイド部を備え、このガイド部の位置をスタータチェーンの被ガイド部に対する交差方向にて調整可能とするように、取付ブラケットに移動可能に取付けられるガイドアームと、ガイドアームの取付ブラケットに対する移動をロックするアームロック手段とを有してなるようにしたものである。
請求項2に係る考案は、請求項1に係る考案において更に、前記ガイドアームが取付ブラケットにスイング可能に取付けられてなるようにしたものである。
請求項3に係る考案は、請求項1又は2に係る考案において更に、前記アームロック手段がロックバーからなり、ロックバーの一端部がガイドアームに連結されるとともに、ロックバーの他端ねじ部が取付ブラケットに設けたバー受部に挿通され、該他端ねじ部に螺着された上下のナットにより該バー受部を上下から挟持してなるようにしたものである。
請求項4に係る考案は、請求項3に係る考案において更に、前記ロックバーの一端部がガイドアームにピン結合されるとともに、前記バー受部が取付ブラケットにピン結合されてなるようにしたものである。
請求項5に係る考案は、請求項1〜4のいずれかに係る考案において更に、前記ガイドアームが備えるガイド部がクッション部材からなり、クッション部材は、一端部が取付ブラケットに枢支される状態で、中間部の裏面部がガイドアームに載置されてなるようにしたものである。
(請求項1)
(a)スタータチェーンに何らのテンションが付与されない初期セット状態で、ガイドアームのガイド部をスタータチェーンにおけるエンジンが始動時に張り側となる被ガイド部に摺接可能にし、かつこの被ガイド部に生ずる弛みをほぼなくす当初ガイド位置に設定し、ガイドアームの取付ブラケットに対する移動をアームロック手段によってロックする。これにより、ガイドアームのガイド部は、エンジン始動時にスタータモータの回転力に基づくテンションがスタータチェーンに作用しても、或いはエンジン始動後にクランク軸の回転力に基づくテンションがスタータチェーンに作用しても、上述の初期セット状態で設定された当初ガイド位置に固定化される。
(b)上述(a)により、エンジン始動時に、着火ミスによってクランク軸が逆回転状態で着火し、クランク軸が逆回転方向のまま爆発行程となり、スタータチェーンにおけるエンジン始動時に張り側となる被ガイド部に過大テンションが作用しても、ガイドアームは移動しない。
また、上述(a)により、エンジンの加減速運転時に、スタータチェーンにおけるエンジン始動時に張り側となる被ガイド部が、加速時に大きく弛んだ後に、減速時に大きく張って過大テンションの発生を招くものになっても、ガイドアームは移動しない。
即ち、ガイドアームのガイド部が上述の如くに初期セット状態で設定された当初ガイド位置に固定されていて、スタータチェーンの反対側に位置するクラッチハウジングカバーに接触する如くがなく、その接触による異音を生ずることがない。また、その接触によってクラッチハウジングカバーを削る等を生ずることがない。
(c)上述(a)により、エンジンの通常運転中にも、ガイドアームのガイド部は上述の如くに初期セット状態で設定された当初ガイド位置に固定されていて、余計なテンション、ひいては余計なフリクションロスを発生させることがなく、スタータチェーンの寿命を損なうことがない。
また、ガイドアームのガイド部がスタータチェーンにおけるエンジン始動時に張り側となる被ガイド部に生ずる弛みをほぼなくす当初ガイド位置に設定され続けており、スタータチェーンがクラッチハウジングカバー寄りに大きく弛む等がない。これにより、スタータチェーンは駆動スプロケットや被動スプロケットから外れることがなく、安定した周回経路上に維持される。
(d)スタータチェーンが経年伸びを生じたときには、ガイドアームのガイド部の位置を調整することにより、前述(a)の当初ガイド位置を容易に修正できる。
(請求項2)
(e)前記ガイドアームが取付ブラケットにスイング可能に取付けられる。ガイドアームを取付ブラケットに対してスイングさせることにより、ガイドアームを簡易に移動し、ガイドアームのガイド部の位置を簡易に調整できる。
(請求項3)
(f)ガイドアームに連結されたロックバーのねじ部を取付ブラケットに設けたバー受部に挿通し、このロックバーのねじ部に螺着してある上下のナットがバー受部を上下から挟持する位置を変更することにより、ガイドアームの新たなロック位置を簡易に設定替えし、ガイドアームのガイド部によるガイド位置を簡易に調整できる。
(請求項4)
(g)前記ロックバーの一端部がガイドアームにピン結合されるとともに、前記バー受部が取付ブラケットにピン結合される。ガイドアームの移動範囲に対応するロックバーの移動スペースを減縮することができる。また、ロックバーのねじ部に螺着してある上下のナットでバー受部を上下から挟持するとき、上下のナットをバー受部の上下面に面接触状態で密着させ、上下のナットでバー受部を挟持するロック状態の安定を図ることができる。
(請求項5)
(h)前記ガイドアームが備えるガイド部がクッション部材からなり、クッション部材は、一端部が取付ブラケットに枢支される状態で、中間部の裏面部がガイドアームに載置される。スタータモータの回転力、又はクランク軸の回転力、もしくはそれらの回転力の変動に起因するテンションがスタータチェーンに作用するとき、ガイド部を構成するクッション部材の弾性変形により、それらのテンションを吸収できる。スタータチェーンガイド装置の作動の安定と寿命の向上を図ることができる。
図1はクランクケースの内部を示す正面斜視図である。 図2はスタータチェーンガイド装置の初期セット状態を示す正面斜視図である。 図3はスタータチェーンガイド装置を取付ブラケットが一部を破断して示す正面斜視図である。 図4は図3のIV−IV線に沿う、クッション部材の断面図である。 図5はバー受部の断面図である。
図1は、自動二輪車(四輪自動車等の他の車両でも可)において、エンジン本体の位置を構成するクランクケース1から不図示のクランクカバーを取外し、クランクケース1の内部のクラッチ2、スタータモータ側の駆動スプロケット3、クランク軸6の側の被動スプロケット4、スタータチェーン5を示している。クラッチ2は、クラッチハウジング2A、クラッチハウジングカバー2Bを有している。
即ち、この自動二輪車では、駆動スプロケット3と被動スプロケット4にスタータチェーン5を巻き掛け、不図示のスタータモータの回転力が駆動スプロケット3、スタータチェーン5、被動スプロケット4を介してエンジンのクランク軸6に伝達され、エンジンをクランキングして着火させることにより、エンジンを始動させるものである。尚、スタータモータと駆動スプロケット3の間のトルク伝達経路には不図示のワンウエイクラッチが設けられ、エンジン運転中のクランク軸6の回転力がスタータモータに伝達されない機構になっている。
ここで、エンジンのクランク軸6は図1におけるN方向を正回転方向とする。従って、スタータチェーン5は、スタータモータの回転力をクランク軸6に伝達してクランク軸6を正回転させるエンジンの始動時には、駆動スプロケット3に引き込まれる下側(図1の正面視でクラッチ2に近い側)が張り側Aとなり、駆動スプロケット3から送り出される上側(図1の正面視でクラッチ2から遠い側)が弛み側Bになる。尚、クランク軸6の正回転力が入力されるエンジン運転中には、被動スプロケット4に引き込まれる上側(図1の正面視でクラッチ2から遠い側)が張り側となり、被動スプロケット4から送り出される下側(図1の正面視でクラッチ2に近い側)が弛み側になる。
しかるに、本発明では、スタータチェーン5におけるエンジン始動時に張り側Aとなる部分を被ガイド部5Gというものとし、スタータチェーン5の被ガイド部5Gをスタータチェーンガイド装置(以下、ガイド装置という)100によってガイドする。
ガイド装置100は、図1〜図3に示す如く、エンジン本体側となるクランクケース1に固定される取付ブラケット10を有する。取付ブラケット10は、2枚の金属製取付板11、11の間にそれらの各取付板11に直交する複数本の連結ロッド12を挟み、各連結ロッド12の両端部のそれぞれに各取付板11を固定し、両取付板11、11を平行配置して構成される。取付ブラケット10は、一方の取付板11から他方の取付板11に向けて挿通される2本の固定ボルト13(図1、図2)によりクランクケース1に固定される。
ガイド装置100は、スタータチェーン5の被ガイド部5Gに摺接するガイド部30を備えたガイドアーム20を有する。ガイドアーム20は、ガイド部30の位置をスタータチェーン5の被ガイド部5Gに対する交差方向(被ガイド部5Gに対して接近/離隔する方向)にて調整可能とするように、取付ブラケット10に移動可能に取付けられる。本実施例において、ガイドアーム20は、取付ブラケット10における2枚の取付板11、11に渡り、かつそれらの各取付板11に直交するように固定された支軸21にスイング可能に取付けられる。本実施例の支軸21は中空軸とされ、その中空軸に前述の固定ボルト13が挿通される。
尚、ガイドアーム20は金属板の折曲げ成形体とされ、中央背板部20Aと、中央背板部20Aの両側縁部から直角に折曲げられた両側板部20B、20Bとを備える。ガイドアーム20は、両側板部20B、20Bを取付ブラケット10の両取付板11、11の内側に添い設け、両側板部20B、20Bに設けた取付孔を前述の支軸21に挿通して取付けられる。
ガイド部30は、クッション部材31からなる。クッション部材31は、ガイドアーム20に一体接合される等により固定化されても良いが、本実施例ではガイドアーム20と別体をなして該ガイドアーム20に付帯される。
即ち、本実施例のクッション部材31は、スタータチェーン5の被ガイド部5Gがチェーン走行方向で後述する如くに描く湾曲状ラインに沿って長尺状をなす概ね弓形レバー状をなす。クッション部材31は、本実施例では、図4に示す如く、金属製本体部31Aの全外周、もしくは一端部を除く全外周に硬質ゴム等からなるクッション材31Bを被覆して構成される。クッション部材31は、本体部31Aの一端部をカール状に曲げ成形する等により設けた円筒状取付部32を、取付ブラケット10における2枚の取付板11、11に渡り、かつそれらの各取付板11に直交するように固定された支軸33に枢支される。そして、クッション部材31は、取付ブラケット10の支軸33に枢支される状態で、クッション材31Bにおける長手方向中間部の裏面側で凸状(円弧状)をなしてクッション性が高められた膨出状裏面部31Cを、ガイドアーム20における中央背板部20Aの上に載置する。また、クッション部材31は、取付ブラケット10の支軸33に枢支される状態で、クッション材31Bの全長に渡る表面部31Dをスタータチェーン5の被ガイド部5Gに摺接可能にする。
尚、クッション部材31はその長手方向に直交する横断面視で、図4に示す如く、クッション材31Bの概ね全長に渡る表面部31Dの両側縁部に左右の凸状立上り部31Eを備え、表面部31Dの上面に左右の立上り部31Eが区画する溝状摺接路31Fを形成し、スタータチェーン5の被ガイド部5Gをこの溝状摺接路31F内にて安定的に摺接ガイド可能にする。
ガイド装置100は、ガイドアーム20の取付ブラケット10に対する移動(本実施例ではスイング移動)をロックするアームロック手段40を有する。
アームロック手段40はロックバー41からなり、ロックバー41の一端部に設けた枢支部41Aがガイドアーム20に回転可能にピン結合される。枢支部41Aは、ガイドアーム20における両側板部20B、20Bに渡り、かつそれらの各側板部20Bに直交するように固定された支軸42にピン結合される。
また、取付ブラケット10は2枚の取付板11、11に渡り、かつそれらの各取付板11に直交するように固定された支軸43を備え、この支軸43にバー受部44を回転可能にピン結合している。バー受部44は、図5に示す如く、金属板の折曲げ成形体とされ、中央背板部44Aと、中央背板部44Aの両側縁部から直角に折曲げられた両側板部44B、44Bとを備える。バー受部44は、両側板部44B、44Bを取付ブラケット10の各取付板11、11の内側に添い設け、両側板部44B、44Bに設けた取付孔を上述の支軸43に挿通してピン結合される。
アームロック手段40は、ガイドアーム20にピン結合されたロックバー41の他端ねじ部41Bを、取付ブラケット10に上述の如くにピン結合したバー受部44の背板部44Aが備える取付孔44Cに挿通する。そして、ロックバー41のねじ部41Bに螺着された上下のナット45、46により該バー受部44の背板部44Aを上下から挟持する。これにより、ガイドアーム20の取付ブラケット10に対する前述したスイング移動がロックされる。
ガイド装置100は以下の如くにセットされる。
(1)取付ブラケット10を2本の固定ボルト13によりクランクケース1に固定する。
このとき、駆動スプロケット3と被動スプロケット4に巻き回されているスタータチェーン5は、クランク軸6を正回転させる状態下で、被動スプロケット4に引き込まれる上側が、クランクケース1に固定してある上側チェーンガイド7に遊びのない適正な張り状態となるように設定済とされる。
(2)ガイドアーム20のガイド部30(クッション材31)を、スタータチェーン5における被ガイド部5Gに接触可能にし、かつこの被ガイド部5Gに生ずる弛みをほぼなくす当初ガイド位置に設定し、ガイドアーム20の取付ブラケット10に対するスイング移動をアームロック手段40によってロックする。具体的には以下の通りである。
i. ガイド部30を構成するクッション部材31を図2に示す如くに指先で持ち上げてスタータチェーン5の被ガイド部5Gに当て、このときの被ガイド部5Gにたるみがないようにクッション部材31により被ガイド部5Gをチェーン周回路の内方側へ若干押し込む状態にしたとき、ガイド部30を構成するクッション部材31の膨出状裏面部31Cがガイドアーム20の背板部20Aとの間に僅かなクリアランス(例えば1mm〜2mmのクリアランス)を形成する位置を当該ガイド部30の当初ガイド位置とする。
ii. ガイド部30の当初ガイド位置が上記i.により決まったら、アームロック手段40におけるロックバー41のねじ部41Bに螺着してある上ナット45をバー受部44の背板部44Aの上面に密着させる。続いて、ロックバー41のねじ部41Bに螺着してある下ナット46をバー受部44の背板部44Aの下面に密着させ、上下のナット45、46によりバー受部44の背板部44Aを上下から挟持する。
ガイド装置100は上述(2)の初期セット状態で、スタータチェーン5の被ガイド部5Gはガイドアーム20に設けたガイド部30(クッション部材31)によりチェーン周回路の内方側に若干押し込まれ、チェーン走行方向で湾曲状ラインを描く(図1)。スタータチェーン5は、このように設定された状態で、スタータモータの回転力やクランク軸6の回転力によりそのチェーン周回路を周回するとき、適度な弛みを保有しながら駆動スプロケット3と被動スプロケット4に適度な巻き掛け角度をもって巻き掛けられ、安定的に周回するものになる。
従って、本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)スタータチェーン5に何らのテンションが付与されない初期セット状態で、ガイドアーム20のガイド部30をスタータチェーン5におけるエンジンが始動時に張り側となる被ガイド部5Gに摺接可能にし、かつこの被ガイド部5Gに生ずる弛みをほぼなくす当初ガイド位置に設定し、ガイドアーム20の取付ブラケット10に対する移動をアームロック手段40によってロックする。これにより、ガイドアーム20のガイド部30は、エンジン始動時にスタータモータの回転力に基づくテンションがスタータチェーン5に作用しても、或いはエンジン始動後にクランク軸6の回転力に基づくテンションがスタータチェーン5に作用しても、上述の初期セット状態で設定された当初ガイド位置に固定化される。
(b)上述(a)により、エンジン始動時に、着火ミスによってクランク軸6が逆回転状態で着火し、クランク軸6が逆回転方向のまま爆発行程となり、スタータチェーン5におけるエンジン始動時に張り側となる被ガイド部5Gに過大テンションが作用しても、ガイドアーム20は移動しない。
また、上述(a)により、エンジンの加減速運転時に、スタータチェーン5におけるエンジン始動時に張り側となる被ガイド部5Gが、加速時に大きく弛んだ後に、減速時に大きく張って過大テンションの発生を招くものになっても、ガイドアーム20は移動しない。
即ち、ガイドアーム20のガイド部30が上述の如くに初期セット状態で設定された当初ガイド位置に固定されていて、スタータチェーン5の反対側に位置するクラッチハウジングカバー2Bに接触する如くがなく、その接触による異音を生ずることがない。また、その接触によってクラッチハウジングカバー2Bを削る等を生ずることがない。
(c)上述(a)により、エンジンの通常運転中にも、ガイドアーム20のガイド部30は上述の如くに初期セット状態で設定された当初ガイド位置に固定されていて、余計なテンション、ひいては余計なフリクションロスを発生させることがなく、スタータチェーン5の寿命を損なうことがない。
また、ガイドアーム20のガイド部30がスタータチェーン5におけるエンジン始動時に張り側となる被ガイド部5Gに生ずる弛みをほぼなくす当初ガイド位置に設定され続けており、スタータチェーン5がクラッチハウジングカバー2B寄りに大きく弛む等がない。これにより、スタータチェーン5は駆動スプロケットや被動スプロケットから外れることがなく、安定した周回経路上に維持される。
(d)スタータチェーン5が経年伸びを生じたときには、ガイドアーム20のガイド部30の位置を調整することにより、前述(a)の当初ガイド位置を容易に修正できる。
(e)前記ガイドアーム20が取付ブラケット10にスイング可能に取付けられる。ガイドアーム20を取付ブラケット10に対してスイングさせることにより、ガイドアーム20を簡易に移動し、ガイドアーム20のガイド部30の位置を簡易に調整できる。
(f)ガイドアーム20に連結されたロックバー41のねじ部41Bを取付ブラケット10に設けたバー受部44に挿通し、このロックバー41のねじ部41Bに螺着してある上下のナット45、46がバー受部44を上下から挟持する位置を変更することにより、ガイドアーム20の新たなロック位置を簡易に設定替えし、ガイドアーム20のガイド部30によるガイド位置を簡易に調整できる。
(g)前記ロックバー41の一端部がガイドアーム20にピン結合されるとともに、前記バー受部44が取付ブラケット10にピン結合される。ガイドアーム20の移動範囲に対応するロックバー41の移動スペースを減縮することができる。また、ロックバー41のねじ部41Bに螺着してある上下のナット45、46でバー受部44を上下から挟持するとき、上下のナット45、46をバー受部44の上下面に面接触状態で密着させ、上下のナット45、46でバー受部44を挟持するロック状態の安定を図ることができる。
(h)前記ガイドアーム20が備えるガイド部30がクッション部材31からなり、クッション部材31は、一端部が取付ブラケット10に枢支される状態で、中間部の膨出状裏面部31Cがガイドアーム20に載置される。スタータモータの回転力、又はクランク軸6の回転力、もしくはそれらの回転力の変動に起因するテンションがスタータチェーン5に作用するとき、ガイド部30を構成するクッション部材31(特に、クッション材31Bの膨出状裏面部31C)の弾性変形により、それらのテンションを吸収できる。スタータチェーンガイド装置100の作動の安定と寿命の向上を図ることができる。
以上、本考案の実施例を図面により詳述したが、本考案の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本考案に含まれる。例えば、ガイドアームは取付ブラケットに取付けられた状態で、スイング移動するものに限らず、平行移動するものであっても良い。
また、アームロック手段のロックバーはガイドアームに回転可能にピン結合されるものに限らず、固定されるものでも良い。
また、アームロック手段のバー受部は取付ブラケットに回転可能にピン結合されるものに限らず、取付ブラケットに固定され、もしくは取付ブラケットの一部にて構成されるものでも良い。
また、ガイドアームのガイド部は、ガイドアームと別体のクッション部材からなるものに限らず、ガイドアームに一体的に固定化されてなるものでも良い。
本考案によれば、自動二輪車等において、スタータチェーンにおけるエンジン始動時に張り側となる部分に過大テンションを作用させることなく、スタータチェーンの稼働の安定を図ることができる。
1 クランクケース(エンジン本体)
3 駆動スプロケット
4 被動スプロケット
5 スタータチェーン
5G 被ガイド部
6 クランク軸
10 取付ブラケット
20 ガイドアーム
30 ガイド部
31 クッション部材
40 アームロック手段
41 ロックバー
44 バー受部
45、46 ナット
100 スタータチェーンガイド装置

Claims (5)

  1. スタータモータ側の駆動スプロケットと、エンジンのクランク軸側の被動スプロケットとに巻き掛けられた、スタータチェーンにおけるエンジン始動時に張り側となる被ガイド部をガイドするスタータチェーンガイド装置であって、
    エンジン本体側に固定される取付ブラケットと、
    スタータチェーンの被ガイド部に摺接するガイド部を備え、このガイド部の位置をスタータチェーンの被ガイド部に対する交差方向にて調整可能とするように、取付ブラケットに移動可能に取付けられるガイドアームと、
    ガイドアームの取付ブラケットに対する移動をロックするアームロック手段とを有してなるスタータチェーンガイド装置。
  2. 前記ガイドアームが取付ブラケットにスイング可能に取付けられてなる請求項1に記載のスタータチェーンガイド装置。
  3. 前記アームロック手段がロックバーからなり、ロックバーの一端部がガイドアームに連結されるとともに、ロックバーの他端ねじ部が取付ブラケットに設けたバー受部に挿通され、該他端ねじ部に螺着された上下のナットにより該バー受部を上下から挟持してなる請求項1又は2に記載のスタータチェーンガイド装置。
  4. 前記ロックバーの一端部がガイドアームにピン結合されるとともに、前記バー受部が取付ブラケットにピン結合されてなる請求項3に記載のスタータチェーンガイド装置。
  5. 前記ガイドアームが備えるガイド部がクッション部材からなり、
    クッション部材は、一端部が取付ブラケットに枢支される状態で、中間部の裏面部がガイドアームに載置されてなる請求項1〜4のいずれかに記載のスタータチェーンガイド装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017061197A (ja) * 2015-09-24 2017-03-30 スズキ株式会社 車両用駆動装置
JP2018154212A (ja) * 2017-03-17 2018-10-04 スズキ株式会社 車両用駆動装置

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