JP3192707U - 屋根構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】屋根からの落雪を防止するとともに、屋根を流れる水を排水パイプを介して排水することができる屋根構造を提供する。【解決手段】屋根構造1は、水平方向Xに対して傾斜する屋根パネル11と、屋根パネル11に設けられた複数の突条体12とを備える。突条体12は、勾配方向Yへ離間して、交差方向Xへ延び、互いにほぼ平行となるように配置される。屋根パネル11の交差方向Xにおける中央部分には、勾配方向Yへ延びる流通路が形成される。突条体12は、流通路を挟んでその両側に配置され、屋根パネル11の先端縁11Bからの離間寸法は、反対端12Bに比べて通路端12Aの方が小さく、反対端12Bから通路端12Aに向かって下がるように傾斜する。流通路には屋根パネル11を貫通する開口部16を設ける。開口部16には、集水体を介して排水パイプ17が連結される。【選択図】図1
Description
この考案は、屋根からの落雪を防止するとともに、屋根を流れる水を排水パイプを介して排水する屋根構造に関する。
従来、屋根からの落雪を防ぐ屋根構造が知られている。特許文献1によれば、複数の雪止め用立上部を屋根板に取付けた屋根構造が開示される。雪止め用立上部は屋根の勾配方向に直交して延びるとともに、屋根板に対して垂直に起立する垂直部分を有する。したがって、屋根の上に積雪があった場合であっても、雪は雪止め用立上部で止められるから落雪することがない。
しかしながら、特許文献1によれば、雪止め用立上部は、両端部が屋根板の両側縁にまで延びている。したがって、雪解け水や雨水は、複数の雪止め用立上部のそれぞれを伝って、屋根板の両側縁から地面へと流れ落ちていた。豪雨の際には、勢いよく両側縁から雨水が流れるため、その雨水が両側縁から遠位へと飛び出し、隣家へと放出されてしまうという問題があった。また、気温の低い季節には、雪止め用立上部の両端部から落下する水がつららとなり、軒下を歩く人にとって危険であるという問題もあった。
この考案では、屋根からの落雪を防止するとともに、屋根を流れる水を排水パイプを介して排水することができる屋根構造を提供することを課題とする。
この考案は、水平方向に対して傾斜する屋根パネルと、前記屋根パネルの勾配方向に対して交差する方向へ延びるとともに、前記勾配方向へ離間して配置される複数の突条体とを備える屋根構造であって、前記勾配方向へ延びる流通路と、前記流通路に設けられるとともに前記屋根パネルを貫通する開口部と、前記開口部に接続された排水パイプとを備え、複数の前記突条体は、前記流通路まで延びる通路端と、その反対の反対端とを有し、前記反対端に比べて前記通路端の高さ方向における位置が低いことを特徴とする。
前記開口部と前記排水パイプとを接続する集水体をさらに備え、前記集水体は、前記開口部と同じ断面形状を有する第1環状部と、前記排水パイプと同じ断面形状を有する第2環状部とを有していてもよい。
この考案の屋根構造によれば、屋根パネルの勾配方向に対して交差する方向へ延びる突条体は、流通路まで延びる通路端とその反対の反対端とを備えるとともに、流通路には排水パイプが接続された開口部が形成されるので、突条体を伝う雨水等は流通路から開口部を介して排水パイプで排水される。したがって、屋根パネルの両側縁から隣家へと雨水が放出されることがなく、かつ、突条体の反対端においてつらら等が形成されることがない安全な屋根構造を提供することができる。
図1および図2を参照すれば、屋根構造1は、水平方向に対して傾斜する2枚の屋根パネル11と、屋根パネル11に設けられた複数の突条体12とを備える。2枚の屋根パネル11は、頂部において互いに当接する基端縁11Aと、その反対側にそれぞれ位置する先端縁11Bと、これら基端縁11Aおよび先端縁11Bの両側に位置する両側縁11C,11Cとを有する。屋根パネル11の基端縁11Aおよび先端縁11B間を繋ぐ方向を勾配方向Yとし、基端縁11Aおよび先端縁11Bにほぼ平行な方向を交差方向Xとする。
複数の突条体12は、交差方向Xへ延びるとともに勾配方向Yへ離間し、互いにほぼ平行となるように配置される。屋根パネル11の交差方向Xにおける中央近傍には、勾配方向Yへ延びる流通路15が形成される。突条体12は、流通路15を挟んで交差方向Xの両側に配置され、交差方向Xにおける一方の端部が流通路15まで延びる通路端12Aと、その反対の他方の端部である反対端12Bとを有する。反対端12Bは屋根パネル11の両側縁11C,11Cにそれぞれ位置する。屋根パネル11の先端縁11Bからの離間寸法は、反対端12Bに比べて通路端12Aの方が小さく、反対端12Bから通路端12Aに向かって下がるように傾斜する。したがって、突条体12は、交差方向Xと平行ではなく、これと交差するように配置される。
流通路15には少なくとも屋根パネル11を貫通する開口部16を設ける。開口部16は、屋根パネル11の先端縁11Bから離間し、少なくとも突条体12の一部の通路端12Aが開口部16へ臨む。開口部16の交差方向Xにおける寸法は、流通路15と同じかそれよりも大きく、勾配方向Yにおける寸法は、特に規定はないが、この実施形態においては、突条体12の勾配方向Yにおける離間寸法よりも小さくしている。開口部16には、排水パイプ17が連結される。排水パイプ17の先端は図示しない排水溝まで延びる。
屋根パネル11の両側縁11Cには、勾配方向Yへ沿って延びるリブ18を備える。リブ18は、突条体12の反対端12Bに隣接し、屋根パネル11の基端縁11Aから先端縁11Bまで延びる。リブ18は、屋根パネル11から垂直方向の寸法が、突条体12のそれと同じか、それよりも大きい。
図2を参照すれば、突条体12は、屋根パネル11に対して直角になるように起立する起立部13と、起立部13から先端縁11Bに向かって屈曲する屈曲部14とを備える。屈曲部14は、屋根パネル11とほぼ平行になるように形成される。
この実施形態において、最も先端縁11Bに近い突条体12の通路端12Aが開口部16へ臨み、他の突条体12よりも交差方向Xにおける寸法D1が小さい。すなわち他の突条体12において、流通路15を挟んで離間する寸法D2は、開口部16の交差方向Xにおける寸法D1よりも小さく、勾配方向Yにおいて開口部16の一部と通路端12Aが重なるように並ぶ。
図3および図4を参照すれば、開口部16と排水パイプ17との間には、集水体20が取り付けられる。集水体20は、開口部16側に位置する第1環状部21と、排水パイプ17側に位置する第2環状部22とを備える。第1環状部21および第2環状部22はいずれも環状を有している。この実施形態では、その断面が矩形であるが、円形であってもよいし、他の多角形であってもよい。
第1環状部21は、第2環状部22との連結部20Aからその反対側の第1開口端21Aに向かって、その断面積が広くなるとともに、第1開口端21Aは、その内側に向かう折り曲げ部21Bが形成される。折り曲げ部21Bは、開口部16とほぼ同じ形状を有する。このような折り曲げ部21Bを設けることによって、開口部16に対して位置決めしやすく、これらの間を水密に維持しやすくすることができる。
第2環状部22において、連結部20Aからその反対の第2開口端22Aに向かって、その断面積はほぼ等しく、第2開口端22Aは排水パイプ17とほぼ相似形を有しわずかに小さい。したがって、第2開口端22Aにほぼ水密に排水パイプ17を取付けることができる。第1環状部21および第2環状部22は、その一面において同一面を有するように形成される。第1環状部21と第2環状部22とが同一面を有することによって、建物の外壁等に沿って集水体20を取付けやすい。
第1環状部21の第1開口端21A近傍には、一方の面から他方の面へと延びる支持材23が取り付けられる。支持材23にはゴミが集水体20内に侵入するのを防止する多孔部材24が配置される。この実施形態において、支持材23は、複数の棒部材によって構成され、これら棒部材の上に多孔部材24を載せる。支持材23としては、棒部材の他、多孔部材24を載せて支持できるものであればこれに限定されるものではない。多孔部材24は、落ち葉等のゴミを通過させることなく、水を通過させることができるものであればよい。例えば、ステンレス製メッシュ材や透液性人工芝材などを用いることができる。また、多孔部材24を取り外し可能とすることによって、落ち葉などのゴミが多孔部材24上に溜まったときでも、これを取り除きやすくすることができる。
集水体20および排水パイプ17の内部には、電熱線を入れることができる。電熱線は集水体20および排水パイプ17の全部に配置される必要はなく、少なくともその一部に配置されればよい。電熱線を配置することによって、集水体20および排水パイプ17内を流れる水の凍結を防止することができるとともに、屋根パネル11上の積雪を溶かすこともできる。したがって、水が凍らない暖かい季節には、電熱線は不要である。
上記のような構成の屋根構造1において、降雪があった場合、雪は突条体12で屋根パネル11の勾配方向Yへの移動が規制されるから、屋根パネル11から積もった雪が落ちるのを防ぐことができる。屋根パネル11上に留まった雪は、室内から生じる熱で徐々に溶かすことができる。また、突条体12の起立部13および屈曲部14によって空隙が形成され、この空隙には雪が入りにくいから、空気の溜まり部を作ることができ、この空気によって雪の融解をさらに促すことができる。
突条体12は流通路15に向かって、通路端12Aが反対端12Bよりも下がるように傾斜しているから、融雪によって溶けた雪解け水や、降雨による雨水は、突条体12を伝って流通路15へと流れる。したがって、屋根パネル11の両側縁11C,11Cから雨水等が流出することがなく、近隣へのトラブルやつらら等を予防することができる。さらに、屋根パネル11の両側縁11Cにはリブ18が設けられているから、反対端12Bからの水の落下をより確実に防止することができる。
最も先端縁11Bに近い突条体12以外の突条体12は、流通路15を介した離間寸法が開口部16の交差方向Xにおける寸法よりも小さいので、通路端12Aまで導かれた雨水等が勾配方向Yへ落下すると、そのほとんどが開口部16へと流入する。開口部16に流入した雨水等は、集水体20を介して排水パイプ17へと流れる。集水体20の第1環状部21の断面積を大きくすることによって、開口部16を大きくすることができ、雨水等を確実に排水パイプ17へと導くことができる。
突条体12は、流通路15の交差方向Xの両側に設けることとしたので、流通路15、集水体20および排水パイプ17は、交差方向Xの中央近傍に設けることができる。集水体20および排水パイプ17は、従来、屋根パネル11の両側縁11Cに配置されることが多かったが、このように両側縁11Cに配置されると、住人の生活で生じる熱が伝わりにくく、かつ、風雨にさらされるのでこの中を流れる水が凍結しやすかった。しかし、この実施形態のように屋根パネル11の中央近傍に設けることによって、熱が伝わりやすく凍結しにくくすることができる。また、集水体20および排水パイプ17に電熱線を配置した場合には、この熱を屋根パネル11にも効率的に伝導することができ、より一層突条体12に堆積した雪を融解しやすくすることができる。
排水パイプ17は、排水溝まで延びるようにしている。したがって、地熱が排水パイプ17を介して屋根パネル11近傍まで導かれ、より一層屋根パネル11に堆積した雪を融解することができる。
排水パイプ17の先端は、排水溝に位置するようにしているが、雨水枡に位置するようにしてもよい。雨水枡に位置する場合には、より一層地熱が排水パイプ17に伝導しやすい。
排水パイプ17の先端は、排水溝に位置するようにしているが、雨水枡に位置するようにしてもよい。雨水枡に位置する場合には、より一層地熱が排水パイプ17に伝導しやすい。
上記のような構成の屋根構造1によれば、屋根パネル11の先端縁11Bに雨どいを設ける必要がないので、建物の美観を損なうことがない。また、集水体20は、屋根パネル11の開口部16に取り付けることにより、建物の外観に影響を与えることがなく、建物本来の美観を保つことができる。さらに、雨どいが積雪の重さ等によって破損した場合には、これを修繕する必要があるが、雨どいを用いることがないこの実施形態では、修繕の手間および費用が掛からない。
この実施形態において、流通路15は、屋根パネル11の交差方向X中央近傍に設けているが、いずれか一方またはその両方の側縁11C近傍に設けるものであってもよい。例えば、屋根パネル11の大きさや、形状等によって、流通路15の位置は適宜変更可能である。ただし、突条体12は流通路15に向かって下がるように傾斜させることによって、突条体12を流れる雨水を流通路15に導くことができる。
突条体12の最も先端縁11B側に位置するものは、その通路端12Aが開口部16に重なるように配置されるが、必ずしもこれらが重なる必要はない。すなわち、突条体12よりも先端縁11B側、換言すれば、勾配方向Yの下流側に開口部16を配置することによって、突条体12を伝った雨水等を開口部16に導くことができる。
集水体20および排水パイプ17としては、銅やステンレス等、この技術分野において通常用いられる材料を用いることができるほか、屋根構造1を構成する各構成部材には、本明細書に記載されている材料のほかに、この種の分野において通常用いられている、各種の公知の材料を制限なく用いることができる。また、本考案の明細書および実用新案登録請求の範囲において、用語「第1」および「第2」は、同称の要素、位置等を単に区別するために用いられている。
1 屋根構造
11 屋根パネル
12 突条体
12A 通路端
12B 反対端
15 流通路
16 開口部
17 排水パイプ
20 集水体
21 第1環状部
22 第2環状部
Y 勾配方向
X 交差方向
11 屋根パネル
12 突条体
12A 通路端
12B 反対端
15 流通路
16 開口部
17 排水パイプ
20 集水体
21 第1環状部
22 第2環状部
Y 勾配方向
X 交差方向
Claims (2)
- 水平方向に対して傾斜する屋根パネルと、前記屋根パネルの勾配方向に対して交差する方向へ延びるとともに、前記勾配方向へ離間して配置される複数の突条体とを備える屋根構造であって、
前記勾配方向へ延びる流通路と、前記流通路に設けられるとともに前記屋根パネルを貫通する開口部と、前記開口部に接続された排水パイプとを備え、
複数の前記突条体は、前記流通路まで延びる通路端と、その反対の反対端とを有し、前記反対端に比べて前記通路端の高さ方向における位置が低いことを特徴とする屋根構造。 - 前記開口部と前記排水パイプとを接続する集水体をさらに備え、
前記集水体は、前記開口部と同じ断面形状を有する第1環状部と、前記排水パイプと同じ断面形状を有する第2環状部とを有することを特徴とする請求項1記載の屋根構造。
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JP2014003188U JP3192707U (ja) | 2014-06-17 | 2014-06-17 | 屋根構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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