JP3191960B2 - Si基体の加工方法 - Google Patents

Si基体の加工方法

Info

Publication number
JP3191960B2
JP3191960B2 JP27637691A JP27637691A JP3191960B2 JP 3191960 B2 JP3191960 B2 JP 3191960B2 JP 27637691 A JP27637691 A JP 27637691A JP 27637691 A JP27637691 A JP 27637691A JP 3191960 B2 JP3191960 B2 JP 3191960B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
porous
substrate
etching
layer
mask
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27637691A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0590115A (ja
Inventor
清文 坂口
隆夫 米原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP27637691A priority Critical patent/JP3191960B2/ja
Priority to EP92116486A priority patent/EP0534474B1/en
Priority to DE69232347T priority patent/DE69232347T2/de
Publication of JPH0590115A publication Critical patent/JPH0590115A/ja
Priority to US08/582,221 priority patent/US5868947A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3191960B2 publication Critical patent/JP3191960B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic Table or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/30Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26
    • H01L21/302Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26 to change their surface-physical characteristics or shape, e.g. etching, polishing, cutting
    • H01L21/306Chemical or electrical treatment, e.g. electrolytic etching
    • H01L21/3063Electrolytic etching

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Weting (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Pressure Sensors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子、光透過性
基板、X線マスク及び、微細機械機構等に応用され得る
Si基体及びその加工方法に関し、特に、直下に支持体
なしに形成された無支持薄層を有する構造のSi基体の
工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】バルクSiのエッチング加工方法として
は、化学エッチング、反応性イオンエッチング、RIE
(Reactive lon Etching)、電解
研磨、がよく知られている。
【0003】化学エッチング法は、レジスト、Si3
4 、あるいはSiO2 などをマスクとして、Si基板を
エッチング液に浸潤させ、マスクで覆われていない部分
のみをエッチングする方法である。
【0004】また反応性イオンエッチング法は、レジス
ト、Si34 、あるいはSiO2などをマスクとし
て、反応性イオン雰囲気中で、マスクで覆われていない
部分のみをエッチングする方法である。
【0005】また電解研磨法は、HF溶液、KOH溶液
中などでSiを電極として、電気分解反応によりSiを
削ってしまう方法である。よく知られている方法は、希
HF溶液中でSiを陽極、白金あるいは金を陰極として
電流を流すと陽極側の電気分解反応によって、Siがエ
ッチングされるという、陽極エッチング(Anodic
Etching)である。
【0006】一方、多孔質Siは、Uhlir等によっ
て1956年に半導体の電解研磨の研究過程において発
見された(A.Uhlir,Bell Syst.Te
ch.J.,vol.35,333(1956))。
【0007】また、ウナガミ等は陽極化成におけるSi
の溶解反応を研究し、HF溶液中のSiの陽極反応には
正孔が必要であり、その反応は、次のようであると報告
している(T.ウナガミ、J.Electroche
m.soc.,vol.127,476(198
0))。
【0008】 Si+2HF+(2−n)e+ →SiF2 +2H+ +ne- (1) SiF2 +2HF→SiF4 +H2 (2) SiF4 +2HF→H2 SiF6 (3) または、 Si+4HF+(4−λ)e+ →SiF4 +4H+ +λe- (4) SiF4 +2HF→H2 SiF6 (5) ここで、e+ およびe- はそれぞれ正孔と電子を表して
いる。また、nおよびλはそれぞれSi1原子が溶解す
るために必要な正孔の数であり、n>2またはλ>4な
る条件が満たされた場合に多孔質Siが形成されるとし
ている。
【0009】このように、多孔質Siを作製するために
は、正孔が必要であり、N型Siに比べてP型Siの方
が多孔質Siに変質しやすい。しかし、N型Siも正孔
の注入があれば、多孔質Siに変質することが知られて
いる。(R.P.Holmstrom and J.
Y.Chi,Appl.Phys.Lett.,vo
l.42,386(1983))。
【0010】この多孔質Si層は、単結晶Siの密度
2.33g/cm3 に比べて、HF溶液濃度を50〜2
0%に変化させることでその密度を1.1〜0.6g/
cm3の範囲に変化させることができる。
【0011】また、この多孔質Si層は透過電子顕微鏡
による観察によれば、平均約600オングストローム程
度の径の孔が形成され、その密度は単結晶Siに比べる
と、半分以下になるにもかかわらず、単結晶性は維持さ
れており、多孔質層の上部へ単結晶Si層をエピタキシ
ャル成長させることも可能である。
【0012】一般にSi単結晶を酸化すると、その体積
は約2.2倍に増大するが、多孔質Siの密度を制御す
ることにより、その体積膨張を抑制することが可能とな
り、基板の反りと表面残留単結晶層に導入されるクラッ
クを回避できる。
【0013】単結晶Siの多孔質Siに対する酸化後の
体積比Rは次のように表すことができる。
【0014】 R=2.2×(A/2.33) (6) ここでAは、多孔質Siの密度である。もしR=1、す
なわち酸化後の体積膨張がない場合には、A=1.06
(g/cm3 )となり、多孔質Si層の密度を1.06
にすれば、体積膨張を抑制することができる。
【0015】また、多孔質層は、その内部に大量の空隙
が形成されているために、密度が半分以下に減少する。
その結果、体積に比べて表面積が飛躍的に増大するた
め、その化学エッチング速度は、通常の単結晶層のエッ
チング速度に比べて、著しく増速される。
【0016】本発明において、非常に重要な多孔質Si
のエッチングについて述べる。
【0017】現在、多孔質Siは、すべてと言ってよい
程、作製されたままの形でその後の工程(エピタキシャ
ル成長や酸化)が行なわれており、多孔質Si自体の加
工は行われていない。この理由は、多孔質Siを制御よ
く加工したり、取り除いたりする事が難しいためであ
る。つまり、多孔質Siのエッチングを制御よく行った
例は未だ報告されていない。
【0018】また、一般に、 P=(2.33−A)/2.33 (7) をPorosityといい、陽極化成時に、この値を3
0〜55%に調節することによって、酸化多孔質Siを
単結晶Siの酸化膜と同程度の質にすることができる。
Porosityは P=(m1−m2)/(m1−m3) (8) または、 P=(m1−m2)/ρAt (9) m1:陽極化成前の全重量 m2:陽極化成後の全重量 m3:多孔質Siを除去した後の全重量 ρ :単結晶Siの密度 A :多孔質化した面積 t :多孔質Siの厚さ で表されるが、多孔質化する領域の面積を正確に算出で
きない場合も各々ある。この場合は、式(8)が有効で
あるが、m3を測定するためには、多孔質Siをエッチ
ングしなければならない。
【0019】また、上記した多孔質Si上のエピタキシ
ャル成長において、多孔質Siはその構造的性質のた
め、ヘテロエピタキシャル成長の際に発生する歪みを緩
和して、欠陥の発生を抑制することが可能である。しか
しながら、この場合も、多孔質SiのPorosity
が非常に重要なパラメーターとなることは明らかであ
る。したがって、上記のPorosityの測定は、こ
の場合も必要不可欠である。
【0020】多孔質Siをエッチングする方法として
は、1.NaOH水溶液で多孔質Siをエッチングする
(G.Bonchil,R.Herino,K.Bar
la,and J.C.Pfister,J.Elec
trochem.Soc.,vol.130,no.
7,1611(1983))。2.非多孔質Siをエッ
チングすることが可能なエッチング液で多孔質Siをエ
ッチングする。が知られている。
【0021】上記2の方法は、通常、フッ硝酸系のエッ
チング液が用いられるが、このときのSiのエッチング
過程は、 Si+2O→SiO2 (10) SiO2 +4HF→SiF4 +H2 O (11) に示される様に、Siが硝酸で酸化され、SiO2 に変
質し、そのSiO2 をフッ酸でエッチングすることによ
りSiのエッチングが進む。
【0022】非多孔質Siをエッチングする方法として
は、上記フッ硝酸系エッチング液の他に、 エチレンジアミン系 KOH系 ヒドラジン系 などがある。
【0023】これらのことから、多孔質Siの選択エッ
チングを行うためには、上記非多孔質Siエッチング液
以外で多孔質Siをエッチングすることのできるエッチ
ング液を選ぶ必要がある。従来行われている多孔質Si
の選択エッチングは、NaOH水溶液をエッチング液と
した方法だけである。
【0024】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記従来の各方法は、それぞれ下記のような解決すべき課
題がある。
【0025】上記バルクSiエッチング方法では、エッ
チングする領域とエッチングしない領域とでは、材料の
差がないため、マスクを必要とする。
【0026】化学エッチングでは、横方向にオーバーエ
ッチングされたり、異方性エッチングでは、低エッチン
グレート面が現われ、表面に垂直な壁面だけでエッチン
グ部を構成することは不可能である。また、Si基板の
面方位によっても形状が変化してしまう。
【0027】RIE法では、垂直にエッチングすること
はできるが、数百μm〜数mmもの厚いSiをくり貫く
ことは、ほとんど不可能である。
【0028】電解研磨法では、電流を流すため、エッチ
ング前に、表面や裏面にマスク以外の絶縁物や半導体層
を設けることは困難である。
【0029】以上のように、従来の各方法には解決すべ
き課題がある。次に、多孔質Siのエッチングについて
述べる。
【0030】上記したように、フッ硝酸系のエッチング
液では、多孔質Siがエッチングされるが、非多孔質S
iもエッチングされてしまう。
【0031】また、従来行われているNaOH水溶液を
用いた多孔質Siの選択エッチング方法では、Naイオ
ンがエッチング表面に吸着することは避けられない。こ
のNaイオンは、不純物汚染の主たる原因となり、可動
なうえ、界面準位を形成するなどの悪影響を与えるのみ
で、半導体プロセスにおいて導入されてはならない物質
である。
【0032】本発明の目的は、半導体プロセス上悪影響
をおよぼさない湿式化学エッチング液を用いて、非多孔
質Siをエッチングせずに、効率よく、均一に多孔質S
iのみを選択的に化学エッチングする方法を提供するこ
とである。
【0033】また、本発明の目的は、選択的に、容易
に、かつ均一に、バルクSiを加工し、X線マスク、光
透過性基板、マイクロマシンニング等に応用できるSi
基体及びその加工方法を提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した課題を
解決するための手段として、非多孔質Si基体の表面に
エッチング停止層を形成する工程と、該非多孔質Si基
体の所定の領域を該非多孔質Si基体の裏面から該表面
まで部分的に多孔質化する工程と、部分的に多孔質化さ
れた該領域をエッチング液により選択的にエッチング除
去することにより空洞を形成する工程と、を含み、該エ
ッチング停止層の該空洞に接する部分を無支持薄層とす
るSi基体の加工方法であって、 前記エッチング液は、
アルコール及び過酸化水素水の少なくともいずれか一方
と、弗酸と、を含む混合液であることを特徴とするSi
基体の加工方法を提供するものである。
【0035】
【0036】また、前記多孔質化する工程は、弗酸を含
む溶液を用いた陽極化成によりなされるSi基体の加工
方法でもある。
【0037】また、前記エッチング停止層は、複数の層
からなるSi基体の加工方法でもある。
【0038】
【作用】本発明に用いられる多孔質Siは、陽極化成時
の電流の流れに沿って形成されるため、マスクや不純物
分布を設けることなどにより、電流の流れを制御するこ
とができ、ほぼ任意の形状に非多孔質Siを加工するこ
とが可能となり、垂直に、精度良く、厚いSi基体を貫
くことも可能となり、更には、多孔質Siを選択エッチ
ングする前に表面や裏面に絶縁層や半導体層を設けるこ
とができる。
【0039】本発明に用いられる多孔質Siの選択エッ
チング方法は、非多孔質Siに対してはエッチング作用
を持たず、さらには、通常の半導体プロセスで用いられ
ており、既にその汚染の極めて少ないことが確認されて
いる弗酸、あるいは、弗酸に、アルコール、過酸化水素
水のうち少なくとも1種類を添加した混合液を選択エッ
チング液として用いることを特徴とする。
【0040】特に、アルコールを添加することによっ
て、エッチングによる反応生成気体の気泡を、瞬時にエ
ッチング表面から、撹はんすることなく、除去でき、均
一にかつ効率よく多孔質Siをエッチングすることがで
きる。
【0041】また、過酸化水素水を添加することによっ
て、シリコンの酸化を増速し、反応速度を無添加にくら
べて増速することが可能となり、更に過酸化水素水の比
率を変えることにより、その反応速度を制御することが
できる。
【0042】また、本発明は、非多孔質Si基体を部分
的に1ケ所以上多孔質Siに変質させ、一方の面にエッ
チング防止膜を使用せずに、本エッチング液により極め
て効率よくかつ高精度に多孔質Si領域を除去し、該非
多孔質Si基体に部分的に1ケ所以上、他方の面のエッ
チング停止層まで貫通する空洞領域を形成し、その空洞
上に、連続な薄層を直下の支持体なしに作製することを
可能にした加工法を提案するものである。
【0043】さらに、上記加工法により、X線マスク、
光透過性基板、およびマイクロマシンニング等に応用で
きるSi基体を作製することができる。
【0044】また、最終的に無支持薄層となる層を多層
構造とすることにより、基板に隣接している層が機械的
(構造的)に弱い場合、その補強をすることができる。
【0045】また基板と異種材料でこの薄層を形成する
場合、その熱膨張係数の差によってその界面には応力が
蓄積されており、薄層直下の支持体が除去された時に、
その応力が開放され、たるんだり、裂けたりする場合が
ある。従って、このような場合、多層構造とすることに
よって、このような、たるみや、裂け等を防止すること
ができる。
【0046】(実施態様例1)図9から図12に、多孔
質Siと非多孔質Si個別に各々に対する、弗酸、弗酸
とアルコールとの混合液、弗酸と過酸化水素水との混合
液、および弗酸とアルコールと過酸化水素水との混合液
によるエッチング特性をそれぞれ示す。
【0047】多孔質Siは単結晶Siを陽極化成によっ
て作成し、その条件を以下に示す。陽極化成によって形
成する多孔質Siの出発材料は、単結晶Siに限定され
るものではなく、他の結晶構造のSiでも可能である。
【0048】 印加電圧: 2.6(V) 電流密度: 30(mA・cm-2) 陽極化成溶液:HF:H2 O:C25 OH=1:1:
1 時間: 2.4(時間) 多孔質Siの厚み: 300(μm) Porosity: 56(%) 図9に、多孔質Siと単結晶Siを弗酸に浸潤し、撹は
んしたときのエッチングされた多孔質Siと単結晶Si
の厚みのエッチング時間依存性を示す。
【0049】上記条件により作成した多孔質Siを、室
温において49%弗酸(白丸)に浸潤し、撹はんした。
のちに、該多孔質Siの厚みの減少を測定した。多孔質
Siは急速にエッチングされ、40分ほどで90μm、
更に、80分経過させると205μmも、高度の表面性
を有して、均一にエッチングされる。エッチング速度は
溶液濃度及び、温度に依存する。
【0050】また、500μm厚の単結晶Siを室温に
おいて49%弗酸(黒丸)に浸潤し、撹はんした。のち
に、該単結晶Siの厚みの減少を測定した。単結晶Si
は、80分経過した後にも、60オングストローム以下
しかエッチングされなかった。
【0051】図10に、多孔質Siと単結晶Siを弗酸
とアルコールとの混合液に撹はんすることなしに浸潤し
たときのエッチングされた多孔質Siと単結晶Siの厚
みのエッチング時間依存性を示す。
【0052】上記条件により作成した多孔質Siを室温
において49%弗酸とアルコールとの混合液(10:
1)(白丸)に撹はんすることなしに浸潤した。のち
に、該多孔質Siの厚みの減少を測定した。多孔質Si
は急速にエッチングされ、40分ほどで85μm、更
に、80分経過させると195μmも、高度の表面性を
有して、均一にエッチングされる。エッチング速度は溶
液濃度及び、温度に依存する。
【0053】特に、アルコールを添加することによっ
て、エッチングによる反応生成気体の気泡を、瞬時にエ
ッチング表面から、撹はんすることなく、除去でき、均
一にかつ効率よく多孔質Siをエッチングすることがで
きる。
【0054】また、500μm厚の単結晶Siを室温に
おいて49%弗酸とアルコールとの混合液(10:1)
(黒丸)に撹はんすることなしに浸潤した。のちに、該
単結晶Siの厚みの減少を測定した。単結晶Siは、8
0分経過した後にも、60オングストローム以下しかエ
ッチングされなかった。
【0055】図11に、多孔質Siと単結晶Siを弗酸
と過酸化水素水との混合液に浸潤し、撹はんしたときの
エッチングされた多孔質Siと単結晶Siの厚みのエッ
チング時間依存性を示す。
【0056】上記条件により作成した多孔質Siを室温
において49%弗酸と30%過酸化水素水との混合液
(1:5)(白丸)に浸潤し、撹はんした。のちに、該
多孔質Siの厚みの減少を測定した。多孔質Siは急速
にエッチングされ、40分ほどで112μm、更に、8
0分経過させると256μmも、高度の表面性を有し
て、均一にエッチングされる。エッチング速度は溶液濃
度及び、温度に依存する。
【0057】特に、過酸化水素水を添加することによっ
て、シリコンの酸化を増速し、反応速度を無添加にくら
べて増速することが可能となり、更に過酸化水素水の比
率を変えることにより、その反応速度を制御することが
できる。
【0058】また、500μm厚の単結晶Siを室温に
おいて49%弗酸と30%過酸化水素水との混合液
(1:5)(黒丸)に浸潤し、撹はんした。のちに、該
単結晶Siの厚みの減少を測定した。単結晶Siは、8
0分経過した後にも、60オングストローム以下しかエ
ッチングされなかった。
【0059】図12に、多孔質Siと単結晶Siを弗酸
とアルコールと過酸化水素水との混合液に撹はんするこ
となしに浸潤したときのエッチングされた多孔質Siと
単結晶Siの厚みのエッチング時間依存性を示す。
【0060】上記条件により作成した多孔質Siを室温
において49%弗酸とアルコールと30%過酸化水素水
との混合液(10:6:50)(白丸)に撹はんするこ
となしに浸潤した。のちに、該多孔質Siの厚みの減少
を測定した。多孔質Siは急速にエッチングされ、40
分ほどで106μm、更に、80分経過させると244
μmも、高度の表面性を有して、均一にエッチングされ
る。エッチング速度は溶液濃度及び、温度に依存する。
【0061】特に、アルコールを添加することによっ
て、エッチングによる反応生成気体の気泡を、瞬時にエ
ッチング表面から、撹はんすることなく、除去でき、均
一にかつ効率よく多孔質Siをエッチングすることがで
きる。
【0062】特に、過酸化水素水を添加することによっ
て、シリコンの酸化を増速し、反応速度を無添加にくら
べて増速することが可能となり、更に過酸化水素水の比
率を変えることにより、その反応速度を制御することが
できる。
【0063】また、500μm厚の単結晶Siを室温に
おいて49%弗酸とアルコールと30%過酸化水素水と
の混合液(10:6:50)(黒丸)に撹はんすること
なしに浸潤した。のちに、該単結晶Siの厚みの減少を
測定した。単結晶Siは、80分経過した後にも、60
オングストローム以下しかエッチングされなかった。
【0064】エッチング後の多孔質Siと単結晶Siを
水洗し、その表面を二次イオンにより微量分析したとこ
ろ何等不純物は検出されなかった。
【0065】次に、図1に、本発明の実施態様例のSi
基体の加工方法を説明する。
【0066】本例は、非多孔質Siの表面裏面とも部分
的にマスクで覆い、露出した部分を表面から裏面まで多
孔質化し、その後エッチング停止層として作用し、かつ
最終的に無支持薄層となりうる層を形成する場合の例を
示す。
【0067】まず図1(a)に示すように、非多孔質S
i51の表面裏面ともマスク52で覆い、部分的に窓を
あける。ここで、マスクとして、弗酸に対して耐性の強
いポリイミド膜、アピエゾンワックス、高抵抗のエピタ
キシャル膜や高抵抗の非エピタキシャル堆積膜などが用
いられる。
【0068】次に、露出した部分を表面から裏面まで多
孔質化53する(図1(b))。
【0069】その後、マスク材52を剥離し(図1
(c))、どちらか一方の面に、エッチング停止層、か
つ最終的に無支持薄層となりうる層54を形成する(図
1(d))。
【0070】なお、この最終的に無支持薄層となりうる
層は、多層としても何らさしつかえない。
【0071】次に、上記4種類のエッチング液のうち1
種類を用いて、多孔質Si53のみを選択的に湿式化学
エッチングして除去する。
【0072】マスク52がエピタキシャル層などのよう
に、本加工品の応用に対してなんら悪影響を与えない場
合には、エッチング停止層54を被覆しない面のマスク
52を剥離する必要はないことは明かである。
【0073】図1(e)に本例の完了図を示す。このよ
うに、非多孔質Si51を部分的に1ケ所以上任意の形
状で、直下に支持体のない膜54を片面に残して、穴を
開けることができる。
【0074】ここで、マスク52を表面裏面とも面内の
同位置に配置すれば、穴の壁面は表面に垂直になり、ず
らして配置すれば、壁面は斜めになる。
【0075】(実施態様例2)図2、図3に、非多孔質
Siの表面を部分的にマスクで覆い、露出した部分から
裏面まで多孔質化し、その後エッチング停止層として作
用し、かつ最終的に無支持薄層となりうる層を形成する
場合の例を示す。
【0076】まず、図2(a)、図3(a)に示すよう
に、非多孔質Si61または71の表面をマスク62ま
たは72で覆い、部分的に窓をあける。ここで、マスク
として、弗酸に対して耐性の強いポリイミド膜、アピエ
ゾンワックス、高抵抗のエピタキシャル膜や高抵抗の非
エピタキシャル堆積膜などが用いられる。
【0077】次に、露出した部分から裏面まで多孔質化
(63または73)する(図2、図3(b))。
【0078】その後、マスク材(62,72)を剥離す
る(図2(c)、図3(c))。
【0079】次に、どちらか一方の面に、エッチング停
止層、かつ最終的に無支持薄層となりうる層64または
74を形成する(図2(d)、図3(d))。図2は、
マスクを剥離した面にエッチング停止層64を被覆する
例、図3は、マスクを被覆しない面にエッチング停止層
74を被覆する例を示している。
【0080】なお、この最終的に無支持薄層となりうる
層は、多層としても何らさしつかえない。
【0081】次に、上記4種類のエッチング液のうち1
種類を用いて、多孔質Si63または73のみを選択に
湿式化学エッチングして除去する。
【0082】マスクがエピタキシャル層などのように、
本加工品の応用に対してなんら悪影響を与えない場合に
は、エッチング停止層を被覆しない面のマスクを剥離す
る必要はないことは明かである。
【0083】図2(e)および図3(e)に本例の完了
図を示す。このように、非多孔質Siを部分的に1ケ所
以上任意の形状で、片面に直下(直上)に支持体のない
膜を残して、穴を開けることができる。
【0084】(実施態様例3)図4に、非多孔質Siの
表面裏面とも部分的に高抵抗化し、露出した低抵抗部分
を表面から裏面まで多孔質化し、その後エッチング停止
層、かつ最終的に無支持薄層となりうる層を形成する場
合の例を示す。
【0085】まず、図4(a)に示すように、非多孔質
Si81の表面裏面とも部分的に高抵抗化82する。片
面におのおの少なくとも1ケ所以上の低抵抗領域81が
露出している。高抵抗領域82は、イオン注入、あるい
は不純物拡散など非堆積法により形成させる。
【0086】次に、露出した低抵抗部分81を表面から
裏面まで多孔質化83する(図4(b))。
【0087】その後、どちらか一方の面にエッチング停
止層として作用し、かつ最終的に無支持薄層となりうる
層84を形成する(図4(c))。
【0088】なお、この最終的に無支持薄層となりうる
層は、多層としても何らさしつかえない。
【0089】次に、上記4種類のエッチング液のうち1
種類を用いて、多孔質Si83のみを選択的に湿式化学
エッチングして除去する。
【0090】図4(d)に本例の完了図を示す。このよ
うに、非多孔質Siを部分的に1ケ所以上任意の形状
で、直下に支持体のない薄膜を片面に残して、穴を開け
ることができる。
【0091】ここで、高抵抗領域を表面裏面とも面内の
同位置に配置すれば、穴の壁面は表面に垂直になり、ず
らして配置すれば、壁面は斜めになる。
【0092】(実施態様例4)図5、図6に、非多孔質
Siの表面に部分的に高抵抗化し、露出した低抵抗部分
から裏面まで多孔質化し、その後エッチング停止層とし
て作用し、かつ最終的に無支持薄層となりうる層を形成
する場合の例を示す。
【0093】図5(a)、図6(a)に示すように、非
多孔質Si91または101の表面を部分的に高抵抗化
(92または102)する。片面に少なくとも1ケ所以
上の低抵抗領域91または101が露出している。高抵
抗領域92または102は、イオン注入、あるいは不純
物拡散など非堆積法により形成させる。
【0094】次に、露出した低抵抗部分から裏面まで多
孔質化(93または103)する(図5(b)、図6
(b))。
【0095】その後、どちらか一方の面に、エッチング
停止層、かつ最終的に無支持薄層となりうる層94また
は104を形成する(図5(c)、図6(c))。
【0096】なお、この最終的に無支持薄層となりうる
層は、多層としても何らさしつかえない。
【0097】次に、上記4種類のエッチング液のうち1
種類を用いて、多孔質Si93または103のみを選択
的に湿式化学エッチングして除去する。図5は、低抵抗
領域を形成した面にエッチング停止層を被覆する例、図
6は、低抵抗領域を形成しない面にエッチング停止層を
被覆する例を示している。
【0098】図5(d)および図6(d)に本例の完了
図を示す。このように、非多孔質Siを部分的に1ケ所
以上任意の形状で、直下(直上)に支持体のない薄膜を
片面に残して、穴を開けることができる。
【0099】(実施態様例5)図7に、エッチング停止
層として作用し、かつ最終的に無支持薄層となりうる層
を形成した後に、非多孔質Siの表面に部分的にマスク
で覆い、露出した部分からエッチング停止層まで多孔質
化する場合の例を示す。
【0100】まず、図7(a)に示すように、非多孔質
Si111の片面にエッチング停止層として作用し、か
つ最終的に無支持薄層となりうる層112を形成する。
【0101】なお、この最終的に無支持薄層となりうる
層は、多層としても何らさしつかえない。
【0102】次に、図7(b)に示すように、非多孔質
Siのエッチング停止層112とは反対側の面をマスク
113で覆い、部分的に窓をあける。ここで、マスク1
13として、弗酸に対して耐性の強いポリイミド膜、ア
ピエゾンワックス、高抵抗のエピタキシャル膜や高抵抗
の非エピタキシャル堆積膜などが用いられる。
【0103】次に、露出した部分からエッチング停止層
112まで多孔質化114する(図7(c))。
【0104】その後、マスク材113を剥離し、上記4
種類のエッチング液のうち1種類を用いて、多孔質Si
114のみを選択的に湿式化学エッチングして除去す
る。
【0105】マスク113がエピタキシャル層などのよ
うに、本加工品の応用に対してなんら悪影響を与えない
場合には、エッチング停止層112を被覆しない面のマ
スク113を剥離する必要はないことは明かである。
【0106】図7(d)に本例の完了図を示す。このよ
うに、非多孔質Siを部分的に1ケ所以上任意の形状
で、直下に支持体のない薄膜を片面に残して、穴を開け
ることができる。
【0107】(実施態様例6)図8に、エッチング停止
層として作用し、かつ最終的に無支持薄層となりうる層
を形成した後に、非多孔質Siの表面に部分的に高抵抗
化し、露出した低抵抗部分からエッチング停止層まで多
孔質化する場合の例を示す。
【0108】まず、図8(a)に示すように、非多孔質
Si121の片面にエッチング停止層として作用し、か
つ最終的に無支持薄層となりうる層122を形成する。
【0109】なお、この最終的に無支持薄層となりうる
層は、多層としても何らさしつかえない。
【0110】次に、図8(b)に示すように、非多孔質
Siのエッチング停止層122とは反対側の面を部分的
に高抵抗化123する。片面に少なくとも1ケ所以上の
低抵抗領域121が露出している。高抵抗領域123
は、イオン注入、あるいは不純物拡散など非堆積法によ
り形成させる。
【0111】次に、露出した低抵抗部分121からエッ
チング停止層122まで多孔質化124する(図8
(c))。
【0112】その後、上記4種類のエッチング液のうち
1種類を用いて、多孔質Si124のみを選択的に湿式
化学エッチングして除去する。
【0113】図8(d)に本例の完了図を示す。このよ
うに、非多孔質Siを部分的に1ケ所以上任意の形状
で、直下に支持体の内薄膜を片面に残して、穴を開ける
ことができる。
【0114】
【実施例】(実施例1)200μm厚の低抵抗単結晶S
i基板上の両面に、マスクとして1μmのポリイミド膜
を塗布し形成した。このとき、露出しているSi領域
が、各面に少なくとも1ケ所以上存在していた。また、
露出しているSi領域を、表面裏面とも面内で同位置に
配置した。これによって次の陽極化成で、非多孔質Si
領域を残すためのマスクが形成された。
【0115】次に、HF溶液中において陽極化成を行っ
た。
【0116】陽極化成条件は以下のとおりであった。
【0117】 電流密度: 30(mA・cm-2) 陽極化成溶液:HF:H2 O:C25 OH=1:1:
1 時間: 1.6(時間) 多孔質Siの厚み: 200(μm) Porosity: 56(%) これにより表面から裏面までマスクのない部分が多孔質
化された。
【0118】この後、マスクを除去し、どちらか一方の
面にエッチング停止層として作用し、かつ最終的に無支
持薄層となりうる層として、単結晶Si層をMBE(分
子線エピタキシ:Molecular Beam Ep
itaxy)法により0.5μm形成した。成長条件
は、以下の通りである。
【0119】 温度 : 700℃ 圧力 : 1×10-9Torr 成長速度 : 0.1nm/sec この基板を49%弗酸に浸潤し、撹はんした。78分後
には、多孔質Siのみが選択的に除去され、単結晶Si
膜まで穴が開き、その穴が少なくとも1ケ所以上、部分
的に形成された単結晶Si基板が得られた。この穴の壁
面は、表面に垂直であった。ここでは、穴の開口部の形
状、大きさは、マスクパターンのみで決定され、その大
きさに、用いた基板の大きさ以下という制限があるだけ
であった。
【0120】最終的に、Si基板表面に、直下に支持体
のない薄層(Membrane)が形成された。
【0121】(実施例2)200μm厚の低抵抗単結晶
Si基板上両面に、マスクとしてアピエゾンワックスを
部分的に塗布した。このとき、露出しているSi領域
が、各面に少なくとも1ケ所以上存在していた。また、
露出しているSi領域を、表面裏面とも面内で同位置に
配置した。これによって、次の陽極化成で、非多孔質S
i領域を残すためのマスクが形成された。
【0122】次に、HF溶液中において陽極化成を行っ
た。
【0123】陽極化成条件は前述の実施例1と同様にし
た。
【0124】これにより、表面から裏面までマスクのな
い部分が多孔質化された。
【0125】この後、マスクを除去し、どちらか一方の
面にエッチング停止層として作用し、かつ最終的に無支
持薄層となりうる層として、LPCVD法によりSi3
4膜を0.5μm形成した。形成条件は次の通りであ
る。
【0126】 ガス: SiH2 Cl2 +NH3 温度: 800℃ 形成速度: 3nm/min この基板を49%弗酸とアルコール(10:1)との混
合液に浸潤した。82分後には、多孔質Siのみが選択
的に除去され、Si34 膜まで穴が開き、その穴が少
なくとも1ケ所以上、部分的に形成された単結晶Si基
板が得られた。この穴の壁面は、表面に垂直であった。
ここでは、穴の開口部の形状、大きさは、マスクパター
ンのみで決定され、その大きさに、用いた基板の大きさ
以下という制限があるだけであった。
【0127】最終的に、Si基板表面に直下に支持体の
ない薄層(Membrane)が形成された。
【0128】(実施例3)200μm厚の低抵抗単結晶
Si基板上両面に、マスクとして蒸着法により非晶質S
iを形成した。形成条件は次の通りであった。
【0129】 温度: 200℃ 圧力: 1×10-9Torr 堆積速度: 0.1nm/sec その後、非晶質Si層上にリソグラフィー技術によりレ
ジストをパターニングし、非晶質Si層が露出している
領域を低抵抗単結晶Si基板が露出するまで、RIE
(反応性イオンエッチング:Reactive lon
Etching)法によりエッチングした。このと
き、露出しているSi領域が、各面に少なくとも1ケ所
以上存在していた。また、露出しているSi領域を、表
面裏面とも面内で同位値に配置した。これによって、次
の陽極化成で、非多孔質Si領域を残すためのマスクが
形成された。
【0130】次に、HF溶液中において陽極化成を行っ
た。
【0131】陽極化成条件は前述の実施例1と同様にし
た。
【0132】これにより、表面から裏面までマスクのな
い部分が多孔質化された。
【0133】この後、非晶質Siを熱燐酸によるエッチ
ングで除去し、どちらか一方の面にエッチング停止層と
して作用し、かつ最終的に無支持薄層となりうる層とし
て、CVD法によりSiC膜を0.5μm形成した。形
成条件は次の通りであった。
【0134】 ガス: SiH4 +CH4 温度: 1100℃ この基板を49%弗酸と30%過酸化水素水(1:5)
との混合液に浸潤し、撹はんした。62分後には、多孔
質Siのみが選択的に除去され、SiC膜まで穴が開
き、その穴が少なくとも1ケ所以上、部分的に形成され
た単結晶Si基板が得られた。この穴の壁面は、表面に
垂直であった。ここでは、穴の開口部の形状、大きさ
は、マスクパターンのみで決定され、その大きさに、用
いた基板の大きさ以下という制限があるだけであった。
【0135】最終的に、Si基板表面に直下に支持体の
ない薄層(Membrane)が形成された。
【0136】(実施例4)200μm厚の低抵抗単結晶
Si基板上両面に、マスクとして1μmのポリイミド膜
を塗布し形成した。このとき、露出しているSi領域
が、各面に少なくとも1ケ所以上存在していた。また、
露出しているSi領域を、表面裏面とも面内で同位置に
配置した。これによって、次の陽極化成で、非多孔質S
i領域を残すためのマスクが形成された。
【0137】次に、HF溶液中において陽極化成を行っ
た。
【0138】陽極化成条件は前述の実施例1と同様とし
た。
【0139】これにより、表面から裏面までマスクのな
い部分が多孔質化された。この後、マスクを除去し、ど
ちらか一方の面にエッチング停止層として作用し、かつ
最終的に無支持薄層となりうる層として、減圧CVD法
により単結晶Si膜を1μm形成した。形成条件は次の
通りであった。 ソースガス: SiH4 キャリアガス: H2 温度: 850℃ 圧力: 1×10-2Torr 成長時間: 3.3nm/sec この基板を49%弗酸とアルコールと30%過酸化水素
水(10:6:50)との混合液に浸潤した。65分後
には、多孔質Siのみが選択的に除去され、単結晶Si
膜まで穴が開き、その穴が少なくとも1ケ所以上、部分
的に形成された単結晶Si基板が得られた。この穴の壁
面は、表面に垂直であった。ここでは、穴の開口部の形
状、大きさは、マスクパターンのみで決定され、その大
きさに、用いた基板の大きさ以下という制限があるだけ
であった。
【0140】最終的に、Si基板表面に直下に支持体の
ない薄層(Membrane)が形成された。
【0141】(実施例5)200μm厚の低抵抗単結晶
Si基板上両面に、マスクとして1μmのポリイミド膜
を塗布し形成した。このとき、露出しているSi領域
が、各面に少なくとも1ケ所以上存在していた。また、
露出しているSi領域を、表面裏面で、ずらして配置し
た。これによって、次の陽極化成で、非多孔質Si領域
を残すためのマスクが形成された。
【0142】次に、HF溶液中において陽極化成を行っ
た。
【0143】陽極化成条件は前述の実施例1と同様とし
た。
【0144】これにより、表面から裏面までマスクのな
い部分が多孔質化された。
【0145】この後、マスクを除去し、どちらか一方の
面にエッチング停止層として作用し、かつ最終的に無支
持薄層となりうる層として、プラズマCVD法により単
結晶Si膜を1μm形成した。形成条件は次の通りであ
る。
【0146】 ガス: SiH4 高周波電力: 100W 温度: 800℃ 圧力: 1×10-2Torr 成長速度: 2.5nm/sec この基板を49%弗酸とアルコールと30%過酸化水素
水(10:6:50)との混合液に浸潤した。65分後
には、多孔質Siのみが選択的に除去され、単結晶Si
まで穴が開き、その穴が少なくとも1ケ所以上、部分的
に形成された単結晶Si基板が得られた。この穴の壁面
は、マスクの開口部のずれの分だけ表面に対して斜めで
あった。ここでは、穴の開口部の形状、大きさは、マス
クパターンのみで決定され、その大きさに、用いた基板
の大きさ以下という制限があるだけであった。
【0147】最終的に、Si基板表面に直下に支持体の
ない薄層(Membrane)が形成された。
【0148】(実施例6)200μm厚のP型低抵抗単
結晶Si基板上片面に、N型高抵抗のエピタキシャルS
i層をMBE(分子線エピタキシ:Molecular
Beam Epitaxy)法により、0.5μm形
成した。成長条件は、以下の通りである。
【0149】 温度: 700℃ 圧力: 1×10-9Torr 成長速度: 0.1nm/sec その後、エピタキシャルSi層上にリソグラフィー技術
によりレジストをパターニングし、エピタキシャルSi
層が露出している領域を低抵抗単結晶Si基板が露出す
るまで、RIE(反応性イオンエッチング:React
ive lonEtching)法によりエッチングし
た。このとき、露出している低抵抗領域が、各面に少な
くとも1ケ所以上存在していた。これによって、次の陽
極化成で、非多孔質Si領域を残すためのマスクが形成
された。
【0150】次に、HF溶液中において陽極化成を行っ
た。
【0151】陽極化成条件は前述の実施例1と同様とし
た。
【0152】これにより、表面から裏面までマスクのな
い部分を通して多孔質化された。
【0153】この後、N型高抵抗Si領域をエチレンジ
アミン+ピロカテコールでエッチングし除去し、マスク
除去面にエッチング停止層として作用し、かつ最終的に
無支持薄層となりうる層として、LPE(液相エピタキ
シ:LiquidPhase Epitaxy)法によ
り単結晶Si膜を3μm形成した。形成条件は次の通り
であった。
【0154】 溶媒: Sn 成長温度: 900℃ 成長雰囲気: H2 成長時間: 30min この基板を49%弗酸とアルコールと30%過酸化水素
水(10:6:50)との混合液に浸潤した。65分後
には、多孔質Siのみが選択的に除去され、単結晶Si
膜まで穴が開き、その穴が少なくとも1ケ所以上、部分
的に形成された単結晶Si基板が得られた。ここでは、
穴の開口部の形状、大きさは、マスクパターンのみで決
定され、その大きさに、用いた基板の大きさ以下という
制限があるだけであった。
【0155】本実施例の選択エッチング液は、弗酸とア
ルコールと過酸化水素水との混合液を用いたが、実施態
様例で挙げた他の3種類のエッチング液でも同様の結果
が得られた。
【0156】最終的に、Si基板表面に直下に支持体の
ない薄相(Membrane)が形成された。
【0157】(実施例7)200μm厚の低抵抗単結晶
Si基板上片面に、高抵抗のエピタキシャルSi層を減
圧CVD(化学気相堆積:Chemical Vapo
r Deposition)法により、0.5μm形成
した。成長条件は、以下の通りである。
【0158】 ソースガス: SiH4 キャリアガス: H2 温度: 850℃ 圧力: 1×10-2Torr 成長速度: 3.3nm/sec その後、エピタキシャルSi層上にリソグラフィー技術
によりレジストをパターニングし、エピタキシャルSi
層が露出している領域を低抵抗単結晶Si基板が露出す
るまで、RIE(反応性イオンエッチング:React
ive lonEtching)法によりエッチングし
た。このとき、露出している低抵抗領域が、少なくとも
1ケ所以上存在していた。これによって、次の陽極化成
で、非多孔質Si領域を残すためのマスクが形成され
た。
【0159】次に、HF溶液中において陽極化成を行っ
た。
【0160】陽極化成条件は前述の実施例1と同様とし
た。
【0161】これにより、表面から裏面までマスクのな
い部分を通して多孔質化された。
【0162】この後、マスクとは反対側の面にエッチン
グ停止層として作用し、かつ最終的に無支持薄層となり
うる層として、Si34 膜を0.5μm形成した。形
成条件は次の通りであった。
【0163】 ガス: SiH2 Cl2 +NH3 温度: 800℃ 形成速度: 3nm/min この基板を49%弗酸とアルコールと30%過酸化水素
水(10:6:50)との混合液に浸潤した。65分後
には、多孔質Siのみが選択的に除去され、Si34
膜まで穴が開き、その穴が少なくとも1ケ所以上、部分
的に形成された単結晶Si基板が得られた。ここでは、
穴の開口部の形状、大きさは、マスクパターンのみで決
定され、その大きさに、用いた基板の大きさ以下という
制限があるだけであった。
【0164】本実施例の選択エッチング液は、弗酸とア
ルコールと過酸化水素水との混合液を用いたが、実施態
様例で挙げた他の3種類のエッチング液でも同様の結果
が得られた。
【0165】最終的に、Si基板表面に直下に支持体の
ない薄層(Membrane)が形成された。
【0166】(実施例8)200μm厚のP型低抵抗
(1×1019cm-3)単結晶Si基板上両面に、レジス
トによりマスクをし、その開口部をイオン注入、およ
び、それに続く熱処理によって高抵抗領域を形成した。
注入および熱処理条件は次の通りであった。
【0167】 イオン種: P+ エネルギー: 120keV 注入量: 2×1014cm-2 熱処理: 900℃、30min このとき、イオン注入されなかった低抵抗領域が、各面
に少なくとも1ケ所以上存在していた。また、露出して
いるSi領域が、表面裏面とも面内で同位値になるよう
に配置した。これによって、次の陽極化成で、非多孔質
Si領域を残すためのマスクが形成された。
【0168】次に、HF溶液中において陽極化成を行っ
た。
【0169】陽極化成条件は前述の実施例1と同様とし
た。
【0170】これにより、表面から裏面までイオン注入
されてない部分が多孔質化された。この後、どちらか一
方の面にエッチング停止層として作用し、かつ最終的に
無支持薄層となりうる層として、MBE法により単結晶
Si膜を0.5μm形成した。形成条件は次の通りであ
った。
【0171】 温度: 700℃ 圧力: 1×10-9Torr 成長速度: 0.1nm/sec この基板を49%弗酸に浸潤し、撹はんした。78分後
には、多孔質Siのみが選択的に除去され、単結晶Si
膜まで穴が開き、その穴が少なくとも1ケ所以上、部分
的に形成された単結晶Si基板が得られた。この穴の壁
面は、表面に垂直であった。ここでは、穴の開口部の形
状、大きさは、イオン注入時のパターンのみで決定さ
れ、その大きさに、用いた基板の大きさ以下という制限
があるだけであった。
【0172】本実施例の高抵抗領域形成にはイオン注入
法を用いたが、拡散法でも同様の結果が得られた。
【0173】最終的に、Si基板表面に直下に支持体の
ない薄層(Membrane)が形成された。
【0174】(実施例9)200μm厚のP型低抵抗
(2×1017cm-3)単結晶Si基板上両面に、レジス
トによりマスクをし、その開口部をイオン注入、およ
び、それに続く熱処理によって高抵抗領域を形成した。
注入および熱処理条件は次の通りであった。
【0175】 イオン種: H+ エネルギー: 100keV 注入量: 2×1015cm-2 熱処理: 500℃、30min このとき、イオン注入されなかった低抵抗領域が、各面
に少なくとも1ケ所以上存在していた。また、露出して
いるSi領域が、表面裏面とも面内で同位値になるよう
に配置した。これによって、次の陽極化成で、非多孔質
Si領域を残すためのマスクが形成された。
【0176】次に、HF溶液中において陽極化成を行っ
た。
【0177】陽極化成条件は前述の実施例1と同様とし
た。
【0178】これにより、表面から裏面までイオン注入
されていない部分が多孔質化された。
【0179】この後、どちらか一方の面にエッチング停
止層として作用し、かつ最終的に無支持薄層となりうる
層として、LPCVD法によりSi34 膜を0.5μ
m形成した。形成条件は次の通りであった。
【0180】 ガス: SiH2 Cl2 +NH3 温度: 800℃ 成長速度: 3nm/min この基板を49%弗酸とアルコール(10:1)との混
合液に浸潤した。82分後には、多孔質Siのみが選択
的に除去され、Si34 膜まで穴が開き、その穴が少
なくとも1ケ所以上、部分的に形成された単結晶Si基
板が得られた。この穴の壁面は、表面に垂直であった。
ここでは、穴の開口部の形状、大きさは、イオン注入時
のパターンのみで決定され、その大きさに、用いた基板
の大きさ以下という制限があるだけであった。
【0181】本実施例の高抵抗領域形成にはイオン注入
法を用いたが、拡散法でも同様の結果が得られた。
【0182】最終的に、Si基板表面に直下に支持体の
ない薄層(Membrane)が形成された。
【0183】(実施例10)200μm厚のN型低抵抗
(1×1019cm-3)単結晶Si基板上両面に、レジス
トによりマスクをし、その開口部をイオン注入、およ
び、それに続く熱処理によって高抵抗領域を形成した。
注入および熱処理条件は次の通りであった。
【0184】 イオン種: B+ エネルギー: 150keV 注入量: 4×1014cm-2 熱処理: 900℃、30min このとき、露出しているSi領域が、各面に少なくとも
1ケ所以上存在していた。また、露出しているSi領域
を、表面裏面とも面内で同位値に配置した。これによっ
て、次の陽極化成で、非多孔質Si領域を残すためのマ
スクが形成された。
【0185】次に、HF溶液中において陽極化成を行っ
た。
【0186】陽極化成条件は前述の実施例1と同様とし
た。
【0187】表面から裏面までイオン注入されていない
部分が多孔質化された。この後、どちらか一方の面にエ
ッチング停止層として作用し、かつ最終的に無支持薄層
となりうる層として、CVD法によりSiC膜を0.5
μm形成した。形成条件は次の通りであった。
【0188】 ガス: SiH4 +CH4 温度: 1100℃ この基板を49%弗酸と30%過酸化水素水(1:5)
との混合液に浸潤し、撹はんした。62分後には、多孔
質Siのみが選択的に除去され、SiC膜まで穴が開
き、その穴が少なくとも1ケ所以上、部分的に形成され
た単結晶Si基板が得られた。この穴の壁面は、表面に
垂直であった。ここでは、穴の開口部の形状、大きさ
は、イオン注入時のパターンのみで決定され、その大き
さに、用いた基板の大きさ以下という制限があるだけで
あった。
【0189】本実施例の高抵抗領域形成にはイオン注入
法を用いたが、拡散法でも同様の結果が得られた。
【0190】最終的に、Si基板表面に直下に支持体の
ない薄層(Membrane)が形成された。
【0191】(実施例11)200μm厚のP型低抵抗
(1×1019cm-3)単結晶Si基板上両面に、レジス
トによりマスクをし、その開口部をイオン注入、およ
び、それに続く熱処理によって高抵抗領域を形成した。
注入および熱処理条件は次の通りであった。
【0192】 イオン種: P+ エネルギー: 120keV 注入量: 2×1014cm-2 熱処理: 900℃、30min このとき、イオン注入されなかった領域が、各面に少な
くとも1ケ所以上存在していた。また、露出しているS
i領域を、表面裏面とも面内で同位値に配置した。これ
によって、次の陽極化成で、非多孔質Si領域を残すた
めのマスクが形成された。
【0193】次に、HF溶液中において陽極化成を行っ
た。
【0194】陽極化成条件は前述の実施例1と同様とし
た。
【0195】これにより、表面から裏面までイオン注入
されていない部分が多孔質化された。
【0196】この後、どちらか一方の面にエッチング停
止層として作用し、かつ最終的に無支持薄層となりうる
層として、減圧CVD法により単結晶Si膜を1μm形
成した。形成条件は次の通りであった。
【0197】 ソースガス: SiH4 キャリアガス: H2 温度: 850℃ 圧力: 1×10-2Torr 成長速度: 3.3nm/sec この基板を49%弗酸とアルコールと30%過酸化水素
水(10:6:50)との混合液に浸潤した。65分後
には、多孔質Siのみが選択的に除去され、単結晶Si
膜まで穴が開き、その穴が少なくとも1ケ所以上、部分
的に形成された単結晶Si基板が得られた。この穴の壁
面は、表面に垂直であった。ここでは、穴の開口部の形
状、大きさは、イオン注入時のパターンのみで決定さ
れ、その大きさに、用いた基板の大きさ以下という制限
があるだけであった。
【0198】本実施例の高抵抗領域形成にはイオン注入
法を用いたが、拡散法でも同様の結果が得られた。
【0199】最終的に、Si基板表面に直下に支持体の
ない薄層(Membrane)が形成された。
【0200】(実施例12)200μm厚のP型低抵抗
(1×1019cm-3)単結晶Si基板上両面に、レジス
トによりマスクをし、その開口部をイオン注入、およ
び、それに続く熱処理によって高抵抗領域を形成した。
注入および熱処理条件は次の通りであった。
【0201】 イオン種: P+ エネルギー: 120keV 注入量: 2×1014cm-2 熱処理: 900℃、30min このとき、イオン注入されなかった低抵抗領域が、各面
に少なくとも1ケ所以上存在していた。また、露出して
いるSi領域を、表面裏面で、ずらして配置した。これ
によって、次の陽極化成で、非多孔質Si領域を残すた
めのマスクが形成された。
【0202】次に、HF溶液中において陽極化成を行っ
た。
【0203】陽極化成条件は前述の実施例1と同様とし
た。
【0204】これにより、表面から裏面までイオン注入
されていない部分が多孔質化された。
【0205】この後、どちらか一方の面にエッチング停
止層として作用し、かつ最終的に無支持薄層となりうる
層として、バイアススパッタ法により単結晶Si膜を1
μm形成した。
【0206】 RF周波数: 100MHz 高周波電力: 600W Arガス圧力: 8×10-3Torr 直流バイアス: −200V 基板直流バイアス:+5V 温度: 300℃ 成長時間: 120min この基板を49%弗酸とアルコールと30%過酸化水素
水(10:6:50)との混合液に浸潤した。65分後
には、多孔質Siのみが選択的に除去され、単結晶Si
膜まで穴が開き、その穴が少なくとも1ケ所以上、部分
的に形成された単結晶Si基板が得られた。この穴の壁
面は、マスクの開口部のずれの分だけ表面に対して斜め
であった。ここでは、穴の開口部の形状、大きさは、イ
オン注入時のパターンのみで決定され、その大きさに、
用いた基板の大きさ以下という制限があるだけであっ
た。
【0207】本実施例の高抵抗領域形成にはイオン注入
法を用いたが、拡散法でも同様の結果が得られた。
【0208】最終的に、Si基板表面に直下に支持体の
ない薄層(Membrane)が形成された。
【0209】(実施例13)200μm厚のP型低抵抗
(1×1019cm-3)単結晶Si基板上片面に、レジス
トによりマスクをし、その開口部をイオン注入、およ
び、それに続く熱処理によって高抵抗領域を形成した。
注入および熱処理条件は次の通りであった。
【0210】 イオン種: P+ エネルギー: 120keV 注入量: 2×1014cm-2 熱処理: 900℃(30min) このとき、イオン注入されなかった低抵抗領域が、少な
くとも1ケ所以上存在していた。これによって、次の陽
極化成で、非多孔質Si領域を残すためのマスクが形成
された。
【0211】次に、HF溶液中において陽極化成を行っ
た。
【0212】陽極化成条件は前述の実施例1と同様とし
た。
【0213】これにより、表面から裏面までイオン注入
されていない部分を通して多孔質化された。この後、イ
オン注入面にエッチング停止層として作用し、かつ最終
的に無支持薄層となりうる層として、MBE法により単
結晶Si膜を1μm形成した。形成条件は次の通りであ
った。
【0214】 温度: 700℃ 圧力: 1×10-9Torr 成長速度: 0.1nm/sec この基板を49%弗酸とアルコールと30%過酸化水素
水(10:6:50)との混合液に浸潤した。65分後
には、多孔質Siのみが選択的に除去され、単結晶Si
膜まで穴が開き、その穴が少なくとも1ケ所以上、部分
的に形成された単結晶Si基板が得られた。ここでは、
穴の開口部の形状、大きさは、イオン注入時のパターン
のみで決定され、その大きさに、用いた基板の大きさ以
下という制限があるだけであった。 本実施例の高抵抗
領域形成にはイオン注入法を用いたが、拡散法でも同様
の結果が得られた。
【0215】本実施例の選択エッチング液は、弗酸とア
ルコールと過酸化水素水との混合液を用いたが、実施態
様例で挙げた他の3種類のエッチング液でも同様の結果
が得られた。
【0216】最終的に、Si基板表面に直下に支持体の
ない薄層(Membrane)が形成された。
【0217】(実施例14)200μm厚のP型低抵抗
(1×1019cm-3)単結晶Si基板上片面に、レジス
トによりマスクをし、その開口部をイオン注入、およ
び、それに続く熱処理によって高抵抗領域を形成した。
注入および熱処理条件は次の通りであった。
【0218】 イオン種: P+ エネルギー: 120keV 注入量: 2×1014cm-2 熱処理: 900℃、30min このとき、イオン注入されなかった低抵抗領域が、少な
くとも1ケ所以上存在していた。これによって、次の陽
極化成で、非多孔質Si領域を残すためのマスクが形成
された。
【0219】次に、HF溶液中において陽極化成を行っ
た。
【0220】陽極化成条件は以下のとおりとした。
【0221】 電流密度: 15(mA・cm-2) 陽極化成溶液:HF:H2 O:C25 OH=1:1:
1 時間: 2.6(時間) 多孔質Siの厚み: 200(μm) Porosity: 56(%) これにより、表面から裏面までイオン注入されていない
部分を通して多孔質化された。
【0222】この後、イオン注入面とは反対側の面にエ
ッチング停止層として作用し、かつ最終的に無支持薄層
となりうる層として、LPCVD法によりSi34
を0.5μm形成した。形成条件は次の通りであった。
【0223】 ガス: SiH2 Cl2 +NH3 温度: 800℃ 成長速度: 3nm/min この基板を49%弗酸とアルコールと30%過酸化水素
水(10:6:50)との混合液に浸潤した。65分後
には、多孔質Siのみが選択的に除去され、Si34
膜まで穴が開き、その穴が少なくとも1ケ所以上、部分
的に形成された単結晶Si基板が得られた。ここでは、
穴の開口部の形状、大きさは、イオン注入時のパターン
のみで決定され、その大きさに、用いた基板の大きさ以
下という制限があるだけであった。
【0224】本実施例の高抵抗領域形成にはイオン注入
法を用いたが、拡散法でも同様の結果が得られた。
【0225】本実施例の選択エッチング液は、弗酸とア
ルコールと過酸化水素水との混合液を用いたが、実施態
様例で挙げた他の3種類のエッチング液でも同様の結果
が得られた。
【0226】最終的に、Si基板表面に直下に支持体の
ない薄層(Membrane)が形成された。
【0227】(実施例15)200μm厚の低抵抗単結
晶Si基板上両面に、マスクとしてアピエゾンワックス
を部分的に塗布した。このとき、露出しているSi領域
が、各面に少なくとも1ケ所以上存在していた。また、
露出しているSi領域を、表面裏面とも面内で同位置に
配置した。これによって、次の陽極化成で、非多孔質S
i領域を残すためのマスクが形成された。
【0228】次に、HF溶液中において陽極化成を行っ
た。
【0229】陽極化成条件は前述した実施例1と同様と
した。
【0230】これにより、表面から裏面までマスクのな
い部分が多孔質化された。
【0231】この後、マスクを除去し、どちらか一方の
面にエッチング停止層として作用し、かつ最終的に無支
持薄層となりうる層として、LPCVD法によりSi3
4膜を0.1μm、SiO2 膜を1μm、Si34
膜を0.1μm、この順序で形成した。形成条件は次の
通りである。
【0232】 (Si34 膜) ガス: SiH2 Cl2 +NH3 温度: 800℃ 形成速度: 3nm/min (SiO2 膜) ガス: N2 希釈の1%SiH4 45SCCM O2 60SCCM N2 50SCCM 温度: 400℃ 形成速度: 0.1μm/min この基板を49%弗酸とアルコール(10:1)との混
合液に浸潤した。82分後には、多孔質Siのみが選択
的に除去され、Si34 膜まで穴が開き、その穴が少
なくとも1ケ所以上、部分的に形成された単結晶Si基
板が得られた。この穴の壁面は、表面に垂直であった。
ここでは、穴の開口部の形状、大きさは、マスクパター
ンのみで決定され、その大きさに、用いた基板の大きさ
以下という制限があるだけであった。
【0233】最終的に、Si基板表面に直下に支持体の
ない薄層(Membrane)が形成された。
【0234】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
通常の半導体プロセスに適用でき、かつ、非多孔質Si
をエッチングしない弗酸、あるいは弗酸に、アルコー
ル、過酸化水素水のうち少なくとも1方を混合した液を
湿式化学エッチング液として、非多孔質Si基体内に部
分的に1ケ所以上設けられた多孔質Si領域を、高精度
に、均一に選択的化学エッチングすることにより、非多
孔質Siを加工し、任意の形状で、任意の大きさで、片
面から反対の面のエッチング停止層までの穴をあけるこ
とが可能になり、最終的に、エッチング停止層が支持体
なしに薄層(Membrane)として形成できる。
【0235】また、アルコールを添加することによっ
て、エッチングによる反応生成気体の気泡を、瞬時にエ
ッチング表面から、撹はんすることなく、除去でき、均
一にかつ効率よく極めて平坦に多孔質Siをエッチング
することができる。
【0236】また、過酸化水素水を添加することによっ
て、シリコンの酸化を増速し、反応速度を無添加にくら
べて増速することが可能となり、更に過酸化水素水の比
率を変えることにより、その反応速度を制御することが
できる。
【0237】本発明に用いられる多孔質Siは、陽極化
成時の電流の流れに沿って形成されるため、マスクや不
純物分布を設けることなどにより、電流の流れを制御す
ることができ、ほぼ任意の形状に非多孔質Siを加工す
ることが可能となる。
【0238】また、本発明によれば、非多孔質Si基体
を部分的に1ケ所以上多孔質Siに変質させ、一方の面
にエッチング防止膜を使用せずに、本エッチング液によ
り極めて効率よくかつ高精度に多孔質Si領域を除去
し、該非多孔質Si基体に部分的に1ケ所以上裏面のエ
ッチング停止層まで貫通する穴を開けることが可能とな
る。
【0239】さらに、本発明によれば、X線マスク、光
透過性基板、およびマイクロマシンニング等に応用でき
るSi基体を作製することが可能となる。
【0240】また、最終的に無支持薄層となる層を1層
以上の多層構造とすることにより、薄層の強度を増すこ
とができ、また基板と薄層の材料との熱膨張係数の差に
より生じる応力にも対抗して、たるみや裂けのない無支
持薄層を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施態様例の基本工程断面図
【図2】本発明の第2の実施態様例の基本工程断面図
【図3】本発明の第2の実施態様例の基本工程断面図
【図4】本発明の第3の実施態様例の基本工程断面図
【図5】本発明の第4の実施態様例の基本工程断面図
【図6】本発明の第4の実施態様例の基本工程断面図
【図7】本発明の第5の実施態様例の基本工程断面図
【図8】本発明の第6の実施態様例の基本工程断面図
【図9】多孔質と非多孔質Siの、弗酸によるエッチン
グ特性
【図10】多孔質と非多孔質Siの、弗酸とアルコール
との混合液によるエッチング特性
【図11】多孔質と非多孔質Siの、弗酸と過酸化水素
水との混合液によるエッチング特性
【図12】多孔質と非多孔質Siの、弗酸とアルコール
と過酸化水素水との混合液によるエッチング特性
【符号の説明】
51 非多孔質Si基板 52 マスク 53 多孔質Si領域 54 エッチング停止層 61 非多孔質Si基板 62 マスク 63 多孔質Si領域 64 エッチング停止層 71 非多孔質Si基板 72 マスク 73 多孔質Si領域 74 エッチング停止層 81 低抵抗非多孔質Si基板 82 高抵抗Si領域 83 多孔質Si領域 84 エッチング停止層 91 低抵抗非多孔質Si基板 92 高抵抗Si領域 93 多孔質Si領域 94 エッチング停止層 101 低抵抗非多孔質Si基板 102 高抵抗Si領域 103 多孔質Si領域 104 エッチング停止層 111 低抵抗非多孔質Si基板 112 高抵抗Si領域 113 多孔質Si領域 114 エッチング停止層 121 低抵抗非多孔質Si基板 122 エッチング停止層 123 高抵抗Si領域 124 多孔質Si領域

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非多孔質Si基体の表面にエッチング停
    止層を形成する工程と、該非多孔質Si基体の所定の領
    域を該非多孔質Si基体の裏面から該表面まで部分的に
    多孔質化する工程と、部分的に多孔質化された該領域を
    エッチング液により選択的にエッチング除去することに
    より空洞を形成する工程と、を含み、該エッチング停止
    層の該空洞に接する部分を無支持薄層とするSi基体の
    加工方法であって、 前記エッチング液は、アルコール及び過酸化水素水の少
    なくともいずれか一方と、弗酸と、を含む混合液である
    ことを特徴とするSi基体の加工方法。
  2. 【請求項2】 前記多孔質化する工程は、弗酸を含む溶
    液を用いた陽極化成によりなされる請求項1記載のSi
    基体の加工方法。
  3. 【請求項3】 前記エッチング停止層は、複数の層から
    なる請求項1記載のSi基体の加工方法。
JP27637691A 1991-09-20 1991-09-30 Si基体の加工方法 Expired - Fee Related JP3191960B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27637691A JP3191960B2 (ja) 1991-09-30 1991-09-30 Si基体の加工方法
EP92116486A EP0534474B1 (en) 1991-09-27 1992-09-25 Method of processing a silicon substrate
DE69232347T DE69232347T2 (de) 1991-09-27 1992-09-25 Verfahren zur Behandlung eines Substrats aus Silizium
US08/582,221 US5868947A (en) 1991-09-20 1996-01-03 Si substrate and method of processing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27637691A JP3191960B2 (ja) 1991-09-30 1991-09-30 Si基体の加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0590115A JPH0590115A (ja) 1993-04-09
JP3191960B2 true JP3191960B2 (ja) 2001-07-23

Family

ID=17568567

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27637691A Expired - Fee Related JP3191960B2 (ja) 1991-09-20 1991-09-30 Si基体の加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3191960B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0590115A (ja) 1993-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5868947A (en) Si substrate and method of processing the same
JP3143473B2 (ja) シリコンオンポーラスシリコン;製造方法及び材料
EP0554795B1 (en) Semiconductor device substrate and process for preparing the same
KR100246902B1 (ko) 반도체기판 및 그의 제작방법
EP0553855B1 (en) Semiconductor device substrate and process for producing the same
EP0553859B1 (en) Semiconductor substrate and process for producing the same
EP0843345B1 (en) Method of manufacturing a semiconductor article
KR100236689B1 (ko) Soi기판의 제조방법
TW404061B (en) Semiconductor substrate and method of manufacturing the same
US4380865A (en) Method of forming dielectrically isolated silicon semiconductor materials utilizing porous silicon formation
US5427055A (en) Method for controlling roughness on surface of monocrystal
TWI242796B (en) Substrate and manufacturing method therefor
JP2001168308A (ja) シリコン薄膜の製造方法、soi基板の作製方法及び半導体装置
JP2901031B2 (ja) 半導体基材及びその作製方法
TW200406893A (en) Substrate and manufacturing method therefor
JP3191960B2 (ja) Si基体の加工方法
Lin et al. 100‐μm‐wide silicon‐on‐insulator structures by Si molecular beam epitaxy growth on porous silicon
JP3201793B2 (ja) Si基体の加工方法
JPH04346418A (ja) 半導体基材の作製方法
JP3157030B2 (ja) 半導体基体とその作製方法
US20040040492A1 (en) Substrate and manufacturing method therefor
JPH0590113A (ja) Si基体及びその加工方法
JPH0590114A (ja) Si基体及びその加工方法
JPH0590241A (ja) Si基体の加工方法
Cao et al. Origin of mosaic structure obtained during the production of porous silicon with electrochemical etching

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090525

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100525

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100525

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110525

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees