JP3191162B2 - 内燃機関用吸排気弁の製造方法 - Google Patents
内燃機関用吸排気弁の製造方法Info
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- JP3191162B2 JP3191162B2 JP41403390A JP41403390A JP3191162B2 JP 3191162 B2 JP3191162 B2 JP 3191162B2 JP 41403390 A JP41403390 A JP 41403390A JP 41403390 A JP41403390 A JP 41403390A JP 3191162 B2 JP3191162 B2 JP 3191162B2
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- green compact
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弁体が例えばチタン又
はチタン合金により成形され、かつステムの端面の耐摩
耗性を向上させた、内燃機関用吸排気弁の製造方法に関
する。
はチタン合金により成形され、かつステムの端面の耐摩
耗性を向上させた、内燃機関用吸排気弁の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】エンジン許容回転数を高める上で最も障
害となるのは、動弁系の重量による慣性質量の増加であ
る。動弁系の構成部品の総重量が大となると、その慣性
のために、高速回転になるほど、弁体のカムに対する追
従性能が低下し、弁体がおどり等を発生して出力低下を
招く。
害となるのは、動弁系の重量による慣性質量の増加であ
る。動弁系の構成部品の総重量が大となると、その慣性
のために、高速回転になるほど、弁体のカムに対する追
従性能が低下し、弁体がおどり等を発生して出力低下を
招く。
【0003】このような観点から、弁体を、鋼材に代え
て、低比重でかつ耐熱性にも優れるチタン又はチタン合
金により製作し、軽量化を図る試みがなされている。
て、低比重でかつ耐熱性にも優れるチタン又はチタン合
金により製作し、軽量化を図る試みがなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、弁体をチタン
又はチタン合金により製作した吸排気弁においては、そ
の硬度が、ロックウェル硬さで30〜40程度と小さ
く、かつチタン等は焼入れ硬化性が小さいため、弁開閉
に伴い大きな繰返し荷重が常に作用するステムの端面の
耐摩耗性が問題となる。
又はチタン合金により製作した吸排気弁においては、そ
の硬度が、ロックウェル硬さで30〜40程度と小さ
く、かつチタン等は焼入れ硬化性が小さいため、弁開閉
に伴い大きな繰返し荷重が常に作用するステムの端面の
耐摩耗性が問題となる。
【0005】この問題を解決するため、ステムの端面
に、中実かつ硬質のチップ材を、突合わせ抵抗溶接やろ
う付け等により結合して、ステム端面の耐摩耗性を向上
させることが試みられている。
に、中実かつ硬質のチップ材を、突合わせ抵抗溶接やろ
う付け等により結合して、ステム端面の耐摩耗性を向上
させることが試みられている。
【0006】しかし、中実かつ硬質の異種材料よりなる
チップ材を、抵抗溶接によりチタン等のステムの端面に
結合すると、互いの溶接境界層に、チタンの金属間化合
物が形成されて、もろくなり、また溶接中に酸化して溶
接強度が低下し、耐久性が問題となる。またチップ材を
ろう付等したものでは、接合強度が小さく、弁の作動中
に剥離するおそれがある。
チップ材を、抵抗溶接によりチタン等のステムの端面に
結合すると、互いの溶接境界層に、チタンの金属間化合
物が形成されて、もろくなり、また溶接中に酸化して溶
接強度が低下し、耐久性が問題となる。またチップ材を
ろう付等したものでは、接合強度が小さく、弁の作動中
に剥離するおそれがある。
【0007】本発明は、上記問題点を解決することを目
的とし、高硬度の焼結体よりなるチップ材を抵抗溶接や
ろう付け等の直接的な加熱手段によることなく、ステム
端面に強固に固着することにより、耐摩耗性、耐久性、
信頼性に優れる内燃機関用吸排気弁の製造方法を提供す
ることにある。
的とし、高硬度の焼結体よりなるチップ材を抵抗溶接や
ろう付け等の直接的な加熱手段によることなく、ステム
端面に強固に固着することにより、耐摩耗性、耐久性、
信頼性に優れる内燃機関用吸排気弁の製造方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、ステムの一
端に傘部が連設された弁体よりなる内燃機関用吸排気弁
における前記ステムの他端面に、弁体より高硬度の合金
粉末を圧縮して予めステムと同径に成形した圧粉体を載
置したのち、該圧粉体と弁体とを焼着炉内において加熱
し、圧粉体を焼結体に変化させつつステムの端面に焼着
することにより、前記焼結体をチップ材としてステムの
他端面に一体的に固着することにより達成される。
端に傘部が連設された弁体よりなる内燃機関用吸排気弁
における前記ステムの他端面に、弁体より高硬度の合金
粉末を圧縮して予めステムと同径に成形した圧粉体を載
置したのち、該圧粉体と弁体とを焼着炉内において加熱
し、圧粉体を焼結体に変化させつつステムの端面に焼着
することにより、前記焼結体をチップ材としてステムの
他端面に一体的に固着することにより達成される。
【0009】
【作用】一般に、焼結体は、粒子同士の拡散結合により
形成され、その組成中には無数の気孔を有しているた
め、母材の溶融温度まで高めなくとも、接合境界層の活
性作用により、ステム端面への焼着性が高まり、高い結
合強度が得られる。その結果、ステムの他端面に固着さ
れた焼結体よりなるチップ材は、それ自身の硬度と、気
孔への含油作用により、優れた耐摩耗性を有するように
なる。また、予め圧縮して成形した圧粉体をステムの端
面に載せ、これを焼結と同時にステム端面に焼着するの
で、製造工程が簡略化されるとともに、焼着後の焼結体
よりなるチップ材の寸法精度も高まる。
形成され、その組成中には無数の気孔を有しているた
め、母材の溶融温度まで高めなくとも、接合境界層の活
性作用により、ステム端面への焼着性が高まり、高い結
合強度が得られる。その結果、ステムの他端面に固着さ
れた焼結体よりなるチップ材は、それ自身の硬度と、気
孔への含油作用により、優れた耐摩耗性を有するように
なる。また、予め圧縮して成形した圧粉体をステムの端
面に載せ、これを焼結と同時にステム端面に焼着するの
で、製造工程が簡略化されるとともに、焼着後の焼結体
よりなるチップ材の寸法精度も高まる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面に基づいて説
明する。図1は、本発明の方法により得られた吸排気弁
を示し、傘部(1)とステム(2)からなる弁体(3)は、チ
タン又はチタン合金により形成されている。
明する。図1は、本発明の方法により得られた吸排気弁
を示し、傘部(1)とステム(2)からなる弁体(3)は、チ
タン又はチタン合金により形成されている。
【0011】ステム(2)の端部には、環状のコッタ溝
(4)が設けられ、コッタ溝(4)には、図示しないバルブ
スプリング係止用のリテーナを保持するための1対のコ
ッタ(5)(5)が嵌合されている。
(4)が設けられ、コッタ溝(4)には、図示しないバルブ
スプリング係止用のリテーナを保持するための1対のコ
ッタ(5)(5)が嵌合されている。
【0012】ステム(2)の端面には、チタン又はチタン
合金よりも高硬度の材料、例えば、Fe−C−Cr−M
o系の合金粉末、又はこれにNbあるいはWを添加した
合金粉末を押し固めて加熱し焼結したチップ材(6)が焼
着されている。
合金よりも高硬度の材料、例えば、Fe−C−Cr−M
o系の合金粉末、又はこれにNbあるいはWを添加した
合金粉末を押し固めて加熱し焼結したチップ材(6)が焼
着されている。
【0013】次に、図2及び図3を参照して、上記チッ
プ材(6)の焼着要領について説明する。まず、図2に示
すように、上述した合金材料を押型に入れて圧縮し、予
めステム(2)と同径をなす所要長の圧粉体(6')を成形し
たのち、これをステム(2)の端面に載置する。
プ材(6)の焼着要領について説明する。まず、図2に示
すように、上述した合金材料を押型に入れて圧縮し、予
めステム(2)と同径をなす所要長の圧粉体(6')を成形し
たのち、これをステム(2)の端面に載置する。
【0014】ついで、図3に示すように、弁体(3)全体
を、内部を真空又は水素等の還元ガス雰囲気とした焼着
炉(7)に入れ、所定の温度(例えば、1200゜C前
後)で所定時間(30〜60分)加熱すると、圧粉体
(6')を構成している無数の金属粒子の表面が溶融され
て、互いに拡散結合され、圧粉体(6')は焼結体(6”)に
変化しつつ、ステム(2)の端面に焼着される。
を、内部を真空又は水素等の還元ガス雰囲気とした焼着
炉(7)に入れ、所定の温度(例えば、1200゜C前
後)で所定時間(30〜60分)加熱すると、圧粉体
(6')を構成している無数の金属粒子の表面が溶融され
て、互いに拡散結合され、圧粉体(6')は焼結体(6”)に
変化しつつ、ステム(2)の端面に焼着される。
【0015】これにより、ステム(2)の端面には、図1
に示すような高硬度のチップ材(6)が強固に固着され
る。
に示すような高硬度のチップ材(6)が強固に固着され
る。
【0016】このようにして製作された吸排気弁におい
ては、図1に示すように、ロッカアーム(8)(直接駆動
式の動弁機構にあってはタペット)と摺接するステム端
面の耐摩耗性が向上するのは勿論のこと、チップ材(6)
は粒子結合により成形されているので、その表面には微
細な気孔が多数形成され、この気孔への潤滑油の含油
(保油)作用が生じて、自己潤滑性を有するようにな
り、互いの摺接面の潤滑性が良好となって、耐摩耗性が
著しく向上する。
ては、図1に示すように、ロッカアーム(8)(直接駆動
式の動弁機構にあってはタペット)と摺接するステム端
面の耐摩耗性が向上するのは勿論のこと、チップ材(6)
は粒子結合により成形されているので、その表面には微
細な気孔が多数形成され、この気孔への潤滑油の含油
(保油)作用が生じて、自己潤滑性を有するようにな
り、互いの摺接面の潤滑性が良好となって、耐摩耗性が
著しく向上する。
【0017】また、圧粉体(6')は、低密度で、しかも粒
子間に気孔を有しているため、焼着炉(7)内の熱が圧粉
体(6')全体に速やかに浸透して、各粒子が均一に加熱さ
れ、粒子相互間の融着性が高まって、高密度の焼結体が
形成されるとともに、接合境界層の活性作用により、ス
テム(2)端面への焼着性が良好となって、高い結合強度
が得られる。
子間に気孔を有しているため、焼着炉(7)内の熱が圧粉
体(6')全体に速やかに浸透して、各粒子が均一に加熱さ
れ、粒子相互間の融着性が高まって、高密度の焼結体が
形成されるとともに、接合境界層の活性作用により、ス
テム(2)端面への焼着性が良好となって、高い結合強度
が得られる。
【0018】なお、実施例では、ステム(2)が中実材と
なった吸排気弁に適用した例について説明したが、本発
明は、弁体(3)における傘部(1)からステム(2)の適所
までに至る中心軸線上に、中空孔を穿設してなる中空
弁、又は中空孔内に金属ナトリウム等の冷却媒体が封入
された中空弁にも適用しうる。
なった吸排気弁に適用した例について説明したが、本発
明は、弁体(3)における傘部(1)からステム(2)の適所
までに至る中心軸線上に、中空孔を穿設してなる中空
弁、又は中空孔内に金属ナトリウム等の冷却媒体が封入
された中空弁にも適用しうる。
【0019】弁体(3)の材料としては、上記チタン又は
チタン合金以外に、アルミニウム合金やマルテンサイト
系の耐熱鋼(SUH3)等でもよく、またチップ材(6)
の材料も、上記実施例のものに限定されるものではな
い。
チタン合金以外に、アルミニウム合金やマルテンサイト
系の耐熱鋼(SUH3)等でもよく、またチップ材(6)
の材料も、上記実施例のものに限定されるものではな
い。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、ステムの端面に、高硬
度の焼結体よりなるチップ材を、焼着により接合したの
で、従来の抵抗溶接やろう付け等に比して、高い結合強
度が得られる。
度の焼結体よりなるチップ材を、焼着により接合したの
で、従来の抵抗溶接やろう付け等に比して、高い結合強
度が得られる。
【0021】しかも、結合後においては、焼結体自身の
硬度と、その気孔への含油による自己潤滑性とにより、
優れた耐摩耗性を有する。
硬度と、その気孔への含油による自己潤滑性とにより、
優れた耐摩耗性を有する。
【0022】また、予め圧縮して成形された圧粉体の焼
結と、そのステム端面に対する焼着とが同時に行なわれ
るため、製造工程が簡略化され、生産性を高めることが
できるとともに、焼着後の焼結体よりなるチップ材の寸
法精度も高まるため、それの後加工も省略することがで
きる。
結と、そのステム端面に対する焼着とが同時に行なわれ
るため、製造工程が簡略化され、生産性を高めることが
できるとともに、焼着後の焼結体よりなるチップ材の寸
法精度も高まるため、それの後加工も省略することがで
きる。
【図1】本発明を適用して得られた吸排気弁の正面図で
ある。
ある。
【図2】本発明の実施に際し、ステムの端面に圧粉体を
載置した状態を示す要部の正面図である。
載置した状態を示す要部の正面図である。
【図3】同じく、圧粉体の焼結と、そのステム端面への
焼着工程を示す要部の正面図である。
焼着工程を示す要部の正面図である。
(1)傘部 (2)ステム (3)弁体 (4)コッタ溝 (5)コッタ (6)チップ材 (6')圧粉体 (6”)焼結体 (7)焼着炉 (8)ロッカアーム
Claims (1)
- 【請求項1】 ステムの一端に傘部が連設された弁体よ
りなる内燃機関用吸排気弁における前記ステムの他端面
に、弁体より高硬度の合金粉末を圧縮して予めステムと
同径に成形した圧粉体を載置したのち、該圧粉体と弁体
とを焼着炉内において加熱し、圧粉体を焼結体に変化さ
せつつステムの端面に焼着することにより、前記焼結体
をチップ材としてステムの他端面に一体的に固着するこ
とを特徴とする内燃機関用吸排気弁の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP41403390A JP3191162B2 (ja) | 1990-12-26 | 1990-12-26 | 内燃機関用吸排気弁の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP41403390A JP3191162B2 (ja) | 1990-12-26 | 1990-12-26 | 内燃機関用吸排気弁の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04224211A JPH04224211A (ja) | 1992-08-13 |
JP3191162B2 true JP3191162B2 (ja) | 2001-07-23 |
Family
ID=18522572
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP41403390A Expired - Fee Related JP3191162B2 (ja) | 1990-12-26 | 1990-12-26 | 内燃機関用吸排気弁の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3191162B2 (ja) |
-
1990
- 1990-12-26 JP JP41403390A patent/JP3191162B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04224211A (ja) | 1992-08-13 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |