JP3190930B2 - 電界放出型電子銃素子及びその製造方法 - Google Patents
電界放出型電子銃素子及びその製造方法Info
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Description
素子に関する。
報告されているものに、同径2段電極型電子銃及び同一
平面2重電極型電子銃がある。
回応用物理学会連合講演会予稿集)の構造を示す断面図
である。シリコン単結晶基板121を加工して形成され
た尖頭形状のエミッタ122があり、エミッタ先端とほ
ぼ同じ高さにゲート電極123がある。ゲート電極12
3上に絶縁層を介して収束レンズ電極124が形成され
ている。基板上方から見たゲート電極123、収束レン
ズ電極124の開口は、エミッタ122を中心としたほ
ぼ同径の円形開口である。
れている。そのため、ゲート電極123を基板121に
対して正電位とした際に、エミッタ122の先端近傍の
電界は極めて強くなり、この部分に基板内の自由電子が
引き寄せられる。ゲート電極123の電位を高くする
と、エミッタ122の先端に誘引された電子は、先端か
ら外部空間に飛び出す、すなわち電界放出される。ゲー
ト電圧を大きくすれば、この電子放出量は多くなる。エ
ミッタ122から放出された電子ビームは、自己内部の
反発力やゲート電極123の電場を受けて拡散する。収
束レンズ電極124はそれが形成する電界によって、こ
の電子ビームを収束させるために設けられている。ゲー
ト電極123、収束レンズ電極124に、それぞれエミ
ッタ122を基準として約80V、約5Vの正電圧を印
加すれば、収束平行電子ビーム127を得ることができ
る。
電子銃の製造方法を説明する工程図であって、主要な工
程における断面構造を順に示したものである。シリコン
単結晶上の熱酸化膜を直径1μm程度の円形に加工し、
これをエッチングマスク130とする。エッチングマス
ク130を用い、反応性プラズマエッチングにより、シ
リコン単結晶基板121を等方的にエッチングした後、
シリコン単結晶基板121の表面に熱酸化膜131を形
成する(図11)。次に鉛直方向から真空蒸着法によ
り、酸化シリコン層132及びニオブ(Nb)膜133
を順次積層する(図12)。さらに真空蒸着法により、
酸化シリコン層134及びニオブ膜135を順次積層す
る(図13)。最後にエッチングマスク130を湿式エ
ッチングし、エミッタ122の尖頭上に積層された構造
物を除去する。これはいわゆるリフトオフの工程であ
り、この工程により図10に示した電子銃の構造は完成
する。残ったニオブ膜133、135はそれぞれゲート
電極123、収束レンズ電極124となる。
電極型電子銃(第42回応用物理学会連合講演会予稿
集)の構造を示す断面図、上面図である。シリコン単結
晶基板141を加工して、尖頭形状のエミッタ142が
形成されている。ゲート電極143及びその外側に収束
レンズ電極144が同一平面上に形成され、この平面は
エミッタ先端とほぼ同じ高さにある。エミッタ142の
先端は極めて鋭く形成されているので、上記同径2段電
極型電子銃と同様に、ゲート電極143に正電圧を印加
することにより係る電圧に応じた量の電子を電界放出さ
せることができる。エミッタ142から放出された電子
ビームは、自己内部の反発力やゲート電極143の電場
を受けて拡散する。収束レンズ電極144はそれが形成
する電界によって、この電子ビームを収束させるために
設けられている。ゲート電極143、収束レンズ電極1
44に、それぞれエミッタ142を基準として約80V
の正電圧、約−10Vの負電圧を印加すれば、収束平行
電子ビーム147を得ることができる。
型電子銃の製造方法を説明する工程図であって、主要な
工程における断面構造を順に示したものである。シリコ
ン単結晶上の熱酸化膜を直径1μm程度の円形に加工
し、これをエッチングマスク150とする。エッチング
マスク150を用い、反応性イオンエッチング(RI
E)により、シリコン単結晶基板141を等方的にエッ
チングした後、シリコン単結晶基板141の表面に熱酸
化膜151を形成する(図16)。次に鉛直方向から真
空蒸着法により、酸化シリコン層152及びニオブ(N
b)膜153を順次積層する。続いてエッチングマスク
150を湿式エッチングし、エミッタ142の尖頭上に
積層された構造物を除去する(図17)。最後に、ニオ
ブ膜153をパターニングして、ゲート電極143及び
収束レンズ電極144を一括して形成し、図14、図1
5に示した電子銃の構造は完成する。
ンズ電極の形成する電界が電子ビームを収束するために
は、その電圧はゲート電極に比べて相当に低くする必要
がある。つまり、収束レンズ電極の電圧はゲート電極の
電圧に比べて低い方が電子ビームの収束がよい。しかし
その一方で、上記従来技術の同径2段電極型電子銃にお
いては、収束レンズ電極124は、ゲート電極123が
エミッタ122上に形成する電界を低減するような影響
を及ぼすため、エミッタ122から放出される電子ビー
ム電流(エミッション電流)が低減するという問題点が
あった。
ンズ電極124とを垂直方向に間隔を置いて設けたこと
に起因する。つまり、収束レンズ電極124からエミッ
タ122を臨むことができる配置であるため、エミッタ
122が収束レンズ電極124の電圧の影響を直接受け
るのである。
型電子銃においては、収束レンズ電極144がエミッタ
142を臨む位置にないため、上記問題点は緩和され
る。しかしその一方で、ゲート電極143と収束レンズ
電極144とを同一層にリソグラフィ技術により形成し
ているため、次のような問題点があった。
き込むため、収束レンズ電極144の一部に切欠きを形
成する必要がある。このため、収束レンズ電極144の
形成する電界の対称性が破れ、電子ビームスポットが線
状に拡がり点状に収束しない。
4がエミッタ142を形成したのと別のマスクを用いて
ニオブ膜144にパターニングされるので、エミッタ1
42に対してセルフアラインでは形成されず、マスクの
目合わせずれに起因する相対的な位置ずれを生ずる。こ
のため、ゲート電極143、収束レンズ電極144の形
成する電界がエミッタ142に対して対称にならない。
4の電極間ギャップ、電極幅及びゲート電極143の開
口径がリソグラフィ技術で決まるパターンルールの制約
を受けるため、1電子銃当たりの素子面積が大きくな
り、素子の微細化・高集積化に不利である。
が得られるとともに電子ビームの収束効果が高く、かつ
高集積化に有利な、電界放出型電子銃素子及びその製造
方法を提供することを目的とするものである。
型電子銃素子においては、ゲート電極がエミッタの側面
及び導電性基板全面に第1の絶縁層を介して積層形成さ
れ、収束レンズ電極がゲート電極上に第2の絶縁層を介
して積層形成され、収束レンズ電極が有する第2の開口
部がゲート電極が有する第1の開口部よりも大きな径に
形成され、前記エミッタ先端とほぼ同一高さに配置され
ること、を特徴とする。
レンズ電極とエミッタとの間にゲート電極が位置し、エ
ミッタの先端から収束レンズ電極を臨めないか、または
エミッタの先端から収束レンズ電極を直接臨む立体角が
小さい。そのため、収束レンズ電極による、ゲート電極
がエミッタ上に形成する電界を低減するような影響は、
ゲート電極により遮蔽される。またゲート電極と収束レ
ンズ電極とが別々の層で形成されるため、収束レンズ電
極が切欠かれることなくゲート電極を完全に囲むことが
でき、かつゲート電極と収束レンズ電極とを互いに独立
のパターンルールに基づいて形成できる。
口及び収束レンズ電極の開口が同一高さにあることによ
り、ゲート電極が収束レンズ電極のエミッタに及ぼす電
界を遮蔽する効果が得られるので、エミッション電流が
確保される。この効果は、これら電極の開口等が同一高
さでなくても、これら電極の開口等がほぼ同一高さにあ
ることにより、エミッタの先端から収束レンズ電極を直
接臨むことができる立体角が小さい場合、特に収束レン
ズ電極がゲート電極に隠れる場合に、顕著に現れる効果
である。
いては、導電性基板がシリコン単結晶基板であることを
特徴とする。
いては、エミッタが半導体又は金属であることを特徴と
する。
いては、導電性基板がシリコン単結晶基板であり、エミ
ッタが該シリコン単結晶基板を加工して形成されるこ
と、を特徴とする。
いては、前記第1の絶縁層がシリコン熱酸化膜であるこ
とを特徴とする。
いては、前記第2の絶縁層がスパッタリング法又は真空
蒸着法により堆積されたシリコン酸化膜であることを特
徴とする。
いては、前記第1の開口部の径が0.5μm以下であ
り、前記第2の開口部の径が1.5μm以上であるこ
と、を特徴とする。
ミッタの位置において、収束レンズ電極が形成する電界
よりもゲート電極が形成する電界が支配的となる。その
ためエミッタ上における、収束レンズ電極の電界がゲー
ト電極の電界を低減する影響が小さい。
造方法においては、下記工程(1)乃至(7)を備えた
ことを特徴とする。
性基板であるシリコン単結晶基板上に形成する工程。
前記シリコン単結晶基板の一主面を等方的にエッチング
し、該エッチングマスク直下に、円錐形状又は円柱形状
の前記エミッタを形成する工程。
シリコン単結晶基板の表面に、熱酸化によって第1の絶
縁層であるシリコン熱酸化膜を形成する工程。
て使用し、スパッタリング法によって、該エッチングマ
スクの上面及び第1の絶縁層全面に選択的に、ゲート電
極となる金属膜を積層する工程。
チングマスク上に堆積した前記金属膜をマスクとして使
用し、真空蒸着法又はスパッタリング法によって、前記
金属膜上に選択的に、第2の絶縁層を堆積する工程。
ッチングマスク上に堆積した、前記金属膜及び第2の絶
縁層をマスクとして使用し、真空蒸着法又はスパッタリ
ング法によって、前記第2の絶縁層上に選択的に、収束
レンズ電極となる導電膜を堆積する工程。
ッチングマスクを選択的にエッチングし除去する工程。
電極及び収束レンズ電極の相互の位置関係は工程(1)
のエッチングマスクによって決まり、マスクの目合わせ
ずれが生じることがない。すなわちエミッタ、ゲート電
極及び収束レンズ電極がセルフアラインで形成される。
特に、ゲート電極となる金属膜と収束レンズ電極となる
導電膜との双方を、エッチングマスク直下にも回り込み
堆積するスパッタリング法で形成する場合は、各電極の
開口である第1の開口及び第2の開口の高さもセルフア
ラインでほぼ同一に形成される。また第2の絶縁層及び
収束レンズ電極となる導電膜を比較的指向性のある真空
蒸着法で形成する場合は、収束レンズ電極の開口径は、
エッチングマスク上の堆積膜の肥大した径で決まり、ゲ
ート電極と収束レンズ電極との開口径の比が大きくな
る。またゲート電極と収束レンズ電極とが別々の層で形
成されるため、収束レンズ電極が切欠かれることなくゲ
ート電極を完全に囲むことができ、かつゲート電極と収
束レンズ電極とを互いに独立のパターンルールに基づい
て形成できる。
図面を参照して説明する。図中、同一の図面符号は同一
機能の要素を指すものとし、説明を省略する。
施形態である電界放出型電子銃素子の断面構造を示す模
式図である。平坦な主面を有するシリコン単結晶基板1
に尖頭形状のエミッタ2が形成されている。シリコン単
結晶基板1の表面に絶縁層として形成したシリコン熱酸
化膜3上に、タングステン(W)で形成されたゲート電
極4がある。ゲート電極4上には、シリコン酸化膜の絶
縁層5を介してニオブ(Nb)で形成された収束レンズ
電極6がある。ゲート電極4、収束レンズ電極6は共
に、エミッタ2を中心とし、エミッタと同一の高さであ
るように形成された開口を有しており、エミッタ2の先
端はこの開口内に露出している。基板1を接地し、ゲー
ト電極4に50V程度の電圧を印加すると、エミッタ2
の先端から電子ビームが放出される。収束レンズ電極6
に−10V程度の電圧を印加すると、電子ビームは収束
された平行電子ビーム7となる。
の開口及び収束レンズ電極6の開口が同一高さにあるこ
とにより、ゲート電極4が収束レンズ電極6のエミッタ
2に及ぼす電界を遮蔽する効果が得られるので、エミッ
ション電流が確保される。この効果は、これら電極の開
口等が同一高さでなくても、これら電極の開口等がほぼ
同一高さにあることにより、エミッタ2の先端から収束
レンズ電極6を直接臨むことができる立体角が小さい場
合、特に収束レンズ電極6がゲート電極4に隠れる場合
に、顕著に現れる効果である。
施形態である電界放出型電子銃素子の断面構造を示す模
式図である。平坦な主面を有するシリコン単結晶基板1
1に尖頭形状のエミッタ12が形成されている。シリコ
ン単結晶基板11の表面に絶縁層として形成したシリコ
ン熱酸化膜13上に、タングステンで形成されたゲート
電極14がある。ゲート電極14上には、シリコン酸化
膜の絶縁層15を介してニオブで形成された収束レンズ
電極16がある。ゲート電極14、収束レンズ電極16
は共に、エミッタ12を中心とし、エミッタ12とほぼ
同一の高さであるように形成された開口を有しており、
エミッタ12の先端はこの開口内に露出している。基板
11を接地し、ゲート電極14に50V程度の電圧を印
加すると、エミッタ12の先端から電子ビームが放出さ
れる。収束レンズ電極16に−10V程度の電圧を印加
すると、電子ビームは収束された平行電子ビーム17と
なる。
口及び収束レンズ電極16の開口の高さ関係については
実施形態1と同じことが言える。
第3の実施形態である電界放出型電子銃素子の製造方法
を説明する工程図であって、主要な工程における素子の
断面構造を順に示したものである。本実施形態は、上記
実施形態1の電界放出型電子銃素子を製造する方法であ
る。
nmのシリコン熱酸化膜を形成した後、これをパターニ
ングして直径1.0μmの円形パターンのシリコン酸化
膜21を形成する。シリコン酸化膜21以外の領域は、
シリコン単結晶基板1が露出している(図3)。
クとして、等方的な反応性イオンエッチング(RIE)
(条件:エッチングガス SF6 、4.5Pa)により
シリコン基板1を選択的にドライエッチングする。シリ
コン基板1はサイドエッチングされて、エミッタとなる
高さ約1.0μmの円錐形状22が形成され、その上に
シリコン酸化膜21がオーバーハング状態で残っている
(図4)。この状態で、シリコン基板1の表面に第1の
絶縁層となる厚さ300nmのシリコン熱酸化膜23を
形成する(図5)。
銃素子の製造に用いられてきた工程と同様である。
mのタングステン膜24をRFスパッタリング法(条
件:ワーキングガス Ar、22mTorr、RF出力
250W)により堆積した状態を示している。RFス
パッタリング法は物理的蒸着法(PVD法)の一種であ
り、付着に方向性が少ない。このため、タングステン膜
24は水平なシリコン熱酸化膜23、シリコン酸化膜2
1のほか、シリコン酸化膜21がオーバーハングしてい
る円錐形状22の側面である斜面にも回り込んで付着・
成長し、またシリコン酸化膜21の側面にも成長する。
しかしシリコン酸化膜21のオーバーハングした裏面に
は付着しない領域が残る(図6)。
さ約300nmのシリコン酸化膜25を堆積し、第2の
絶縁層を形成する。そしてさらに、収束レンズ電極とな
る厚さ約150nmのニオブ膜26をRFスパッタリン
グ法により堆積する(図7)。この堆積においてもタン
グステン膜24の堆積と同様に、シリコン酸化膜25、
ニオブ膜26は、シリコン酸化膜21がオーバーハング
している円錐形状22の側面である斜面にも回り込んで
付着・成長し、またシリコン酸化膜21の上面及び側面
方向にも成長するが、シリコン酸化膜21のオーバーハ
ングした裏面には付着しない領域が残る。
エットエッチングを行うと、シリコン酸化膜21がその
オーバーハングした裏面に残された酸化膜露出部分から
エッチングされ、円錐形状22の先端からその上の構造
物27が遊離しリフトオフ除去され、電子銃の構造が完
成した図1に示された状態となる(図8)。つまり、円
錐形状22、タングステン膜24、ニオブ膜26が、そ
れぞれエミッタ2、ゲート電極4、収束レンズ電極6と
なる。
方法の特徴は、エミッタ2である円錐形状22、ゲート
電極4となるタングステン膜24の開口及び収束レンズ
電極6となるニオブ膜26の開口が互いにセルフアライ
ンに形成されることである。これはシリコン基板1のエ
ッチングに用いるシリコン酸化膜21の円形パターンが
共通してこれら円錐形状22、タングステン膜24の開
口及びニオブ膜26の開口の位置を決定することにより
実現できた。また、タングステン膜24及びニオブ膜2
6を、エッチングマスク直下にも回り込み堆積するスパ
ッタリング法で形成したことにより、これら各膜で形成
されるゲート電極4、収束レンズ電極6の各開口の高さ
もセルフアラインでエミッタ2の先端と同じ高さに形成
される。
現するため現在最適と考えられ、実際の製造に用いた材
料、具体的な製造方法及び製造パラメータを示したに過
ぎない。これら材料等については、種々の変更が可能で
あるが、本発明は上記本発明の特徴を有する全ての変更
を包含するものである。
施形態である電界放出型電子銃素子の製造方法を説明す
る工程図であって、特徴的な工程における素子の断面構
造を示したものである。本実施形態は、上記実施形態2
の電界放出型電子銃素子を製造する方法である。
るタングステン膜24を形成する工程までは実施形態3
と同様である(図6)。
4の形成に続いて、酸素雰囲気中でシリコン酸化物(S
iO)を蒸発させて行う真空蒸着法により、厚さ約40
0nmのシリコン酸化膜35(SiOx :x〜1.9)
を蒸着し、第2の絶縁層を形成する。そしてさらに、収
束レンズ電極となる厚さ約150nmのニオブ膜36を
真空蒸着法により堆積する(図9)。このシリコン酸化
膜35、ニオブ膜36の真空蒸着は、シリコン酸化膜2
1上の堆積層をマスクとして利用して行う。シリコン酸
化膜21の上に堆積するタングステン膜24、シリコン
酸化膜35は、鉛直方向ほどではないが横方向にも成長
する。つまりエミッタ間の基板領域上に堆積成長するシ
リコン酸化膜35、ニオブ膜36は、次第にその上方の
空間をシリコン酸化膜21及びその上の堆積物によって
狭められるので、上ほど膜の断面の幅が小さくなる。こ
のことは、エミッタ12の周囲に形成される収束レンズ
電極16の開口はシリコン酸化膜21上の堆積物の直径
以上の開口径に形成されるということである。
エットエッチングを行うと、シリコン酸化膜21がその
オーバーハングした裏面に残された酸化膜露出部分から
エッチングされ、円錐形状22の先端からその上の構造
物37が遊離しリフトオフ除去され、電子銃の構造が完
成した図1に示された状態となる。つまり、円錐形状2
2、タングステン膜24、ニオブ膜36が、それぞれエ
ミッタ12、ゲート電極14、収束レンズ電極16とな
る。ゲート電極14、収束レンズ電極16の開口径はそ
れぞれ0.3μm、1.6μmである。また、ゲート電
極14の開口は実施形態3と同様、エミッタ12の先端
と同じ高さに位置する。一方、シリコン熱酸化膜23の
厚さ約300nmの半分は熱酸化前のシリコン基板表面
より下にあることを考慮して、収束レンズ電極16の開
口がエミッタ12の先端と同じ高さに位置するように各
膜厚が決定されている。つまり、エミッタ12の先端、
ゲート電極14の開口、収束レンズ電極16の開口の高
さは同じとなるように形成されている。
方法の特徴は、エミッタ2である円錐形状22、ゲート
電極4となるタングステン膜24の開口及び収束レンズ
電極6となるニオブ膜36の開口が互いにセルフアライ
ンに形成されていることである。これはシリコン基板1
のエッチングに用いるシリコン酸化膜21の円形パター
ンが共通してこれら円錐形状22、タングステン膜24
の開口及びニオブ膜36の開口の位置を決定することに
より実現できた。またタングステン膜24を、エッチン
グマスク直下にも回り込み堆積するスパッタリング法で
形成することにより、ゲート電極14の開口径をシリコ
ン酸化膜21の直径1.0μmより小さくでき、一方、
ニオブ膜36を、シリコン酸化膜21上に肥大化した堆
積物をマスクとし比較的指向性のある真空蒸着法で形成
することにより、収束レンズ電極16の開口径をシリコ
ン酸化膜21の直径1.0μmより大きくできた。これ
によりゲート電極14、収束レンズ電極16の各開口径
の比を大きくすることができた。
現するため現在最適と考えられ、実際の製造に用いた材
料、具体的な製造方法及び製造パラメータを示したに過
ぎない。これら材料等については、種々の変更が可能で
あるが、本発明は上記本発明の特徴を有する全ての変更
を包含するものである。
界放出型電子銃素子によれば、エミッタ先端、ゲート電
極の開口及び収束レンズ電極の開口が、基板面からほぼ
同一高さに配置されているため、収束レンズ電極がエミ
ッタに及ぼす電界に対するゲート電極による遮蔽効果が
高い。そのためエミッション電流の確保と高い収束効果
とがより効果的に実現されるという効果がある。またゲ
ート電極及び収束レンズ電極がエミッタを完全に囲むの
で、電子ビームのスポット形状の歪みが抑制されるとい
う効果がある。
銃素子によれば、収束レンズ電極とゲート電極との開口
径の比が大きいため、エミッタに対する収束レンズ電極
の電界の影響が一層少なくなり、上記効果が大きくな
る。
の製造方法によれば、エミッタ、ゲート電極及び収束レ
ンズ電極がセルフアラインで形成される。そのためゲー
ト電極、収束レンズ電極の形成する電界がエミッタに対
して対称となり、電子ビームのスポット形状の歪みが抑
制されるという効果がある。また、ゲート電極となる金
属膜と収束レンズ電極となる導電膜との双方を、エッチ
ングマスク直下にも回り込み堆積するスパッタリング法
で形成する場合には、各電極の開口である第1の開口及
び第2の開口の高さもセルフアラインで同一に形成され
るので、上記遮蔽効果が確実に達成されるという効果が
ある。また第2の絶縁層及び収束レンズ電極となる導電
膜を比較的指向性のある真空蒸着法で形成する場合に
は、収束レンズ電極の開口径は、エッチングマスク上の
堆積膜の肥大した径で決まり、一方、ゲート電極の開口
径はシリコン熱酸化膜の膜厚で制御されるので、ゲート
電極と収束レンズ電極との開口径の比が大きくなる。こ
れによりエミッタに対する収束レンズ電極の電界の影響
が一層少なくなり、大きなエミッション電流が得られる
という効果がある。またゲート電極と収束レンズ電極と
を別々の層で形成するため、ゲート電極と収束レンズ電
極とを互いに独立のパターンルールに基づいて形成でき
るので、1電子銃当たりの素子面積を小さくでき、素子
を微細化・高集積化できるという効果がある。
造を示す断面図。
造を示す断面図。
造工程を示す断面図。
造工程を示す断面図。
造工程を示す断面図。
造工程を示す断面図。
造工程を示す断面図。
造工程を示す断面図。
造工程を示す断面図。
造を示す断面図。
造工程を示す断面図。
造工程を示す断面図。
造工程を示す断面図。
の構造を示す断面図。
の構造を示す上面図。
の製造工程を示す断面図。
の製造工程を示す断面図。
3,13,23 シリコン熱酸化膜、4,14,12
3,143 ゲート電極、5,15,21,25シリコ
ン酸化膜、6,16,124,144 収束レンズ電
極、7,17,127,147 平行電子ビーム、22
円錐形状、24 タングステン膜、26ニオブ膜。
Claims (8)
- 【請求項1】 平坦な主面を有する導電性基板と、該主
面上に形成され、円錐形状又は円柱形状であるエミッタ
と、エミッタ先端を中心とする第1の開口部を有しエミ
ッタに隣接して設けられたゲート電極と、エミッタ先端
を中心とする第2の開口部を有する収束レンズ電極とを
備え、ゲート電極が形成する電場により、エミッタの先
端から電子を電界放出させ、係る電子の軌道を収束レン
ズ電極で収束する電界放出型電子銃素子において、 前記ゲート電極が前記エミッタの側面及び前記導電性基
板全面に第1の絶縁層を介して積層形成され、 前記収束レンズ電極がゲート電極上に第2の絶縁層を介
して積層形成され、 前記第2の開口部が前記第1の開口部よりも大きな径に
形成され、前記エミッタ先端とほぼ同一高さに配置され
ること、 を特徴とする電界放出型電子銃素子。 - 【請求項2】 請求項1に記載される電界放出型電子銃
素子において、 導電性基板がシリコン単結晶基板であることを特徴とす
る電界放出型電子銃素子。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載される電界
放出型電子銃素子において、 エミッタが半導体又は金属であることを特徴とする電界
放出型電子銃素子。 - 【請求項4】 請求項1に記載される電界放出型電子銃
素子において、 導電性基板がシリコン単結晶基板であり、 エミッタが該シリコン単結晶基板を加工して形成される
こと、 を特徴とする電界放出型電子銃素子。 - 【請求項5】 請求項4に記載される電界放出型電子銃
素子において、 前記第1の絶縁層がシリコン熱酸化膜であることを特徴
とする電界放出型電子銃素子。 - 【請求項6】 請求項1乃至請求項5に記載される電界
放出型電子銃素子において、 前記第2の絶縁層がスパッタリング法又は真空蒸着法に
より堆積されたシリコン酸化膜であることを特徴とする
電界放出型電子銃素子。 - 【請求項7】 請求項1乃至請求項6に記載される電界
放出型電子銃素子において、 前記第1の開口部の径が0.5μm以下であり、 前記第2の開口部の径が1.5μm以上であること、 を特徴とする電界放出型電子銃素子。 - 【請求項8】 請求項5に記載される電界放出型電子銃
素子の製造方法であって、 下記工程(1)乃至(7)を備えたことを特徴とする電
界放出型電子銃素子の製造方法。 (1)円形のエッチングマスクを前記導電性基板である
シリコン単結晶基板上に形成する工程。 (2)前記エッチングマスクを使用して、前記シリコン
単結晶基板の一主面を等方的にエッチングし、該エッチ
ングマスク直下に、円錐形状又は円柱形状の前記エミッ
タを形成する工程。 (3)前記工程(2)でエッチングされたシリコン単結
晶基板の表面に、熱酸化によって第1の絶縁層であるシ
リコン熱酸化膜を形成する工程。 (4)前記エッチングマスクを使用し、スパッタリング
法によって、該エッチングマスクの上面及び第1の絶縁
層全面に、ゲート電極となる金属膜を積層する工程。 (5)真空蒸着法又はスパッタリング法によって、前記
金属膜全面に第2の絶縁層を堆積する工程。 (6)真空蒸着法又はスパッタリング法によって、前記
第2の絶縁層全面に、収束レンズ電極となる導電膜を堆
積する工程。 (7)湿式エッチング法によって、前記エッチングマス
クを選択的にエッチングし除去する工程。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP21581495A JP3190930B2 (ja) | 1995-08-24 | 1995-08-24 | 電界放出型電子銃素子及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0963462A JPH0963462A (ja) | 1997-03-07 |
JP3190930B2 true JP3190930B2 (ja) | 2001-07-23 |
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JP21581495A Expired - Lifetime JP3190930B2 (ja) | 1995-08-24 | 1995-08-24 | 電界放出型電子銃素子及びその製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3190930B2 (ja) |
-
1995
- 1995-08-24 JP JP21581495A patent/JP3190930B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH0963462A (ja) | 1997-03-07 |
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