JP2900692B2 - 真空マイクロ増幅素子 - Google Patents

真空マイクロ増幅素子

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JP2900692B2
JP2900692B2 JP7974392A JP7974392A JP2900692B2 JP 2900692 B2 JP2900692 B2 JP 2900692B2 JP 7974392 A JP7974392 A JP 7974392A JP 7974392 A JP7974392 A JP 7974392A JP 2900692 B2 JP2900692 B2 JP 2900692B2
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emitter
electrode
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anode
insulator
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秀男 巻島
邦夫 蔦木
裕則 井村
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NEC Corp
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Nippon Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空マイクロエレクト
ロニクス技術を用いた真空マイクロ増幅素子に関し、特
に高周波増幅素子に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は真空マイクロエレクトロニクス技
術を用いたスピントタイプと呼ばれる従来の増幅素子の
断面図である。半導体基板1の上に先端が尖ったエミッ
タ2および絶縁層3、ゲート4が作られ、ゲート4と離
れた位置にゲート4と平行にアノード5が置かれてい
る。半導体基板1とアノード5で囲まれた空間は真空に
保持されている。ゲート4とアノード5はエミッタ2を
基準としてそれぞれ異なった値の正の電圧が印加され、
ゲート4には交流の信号も加えられる。エミッタ2の先
端は極めて鋭く作られているので、この部分には高い電
界が加わる。ゲート4に印加された電圧に応じた量の電
子がエミッタ2から放出され、電子はゲート4とアノー
ド5で形成される電界によって加速されアノード5に到
達する。
【0003】図8は真空マイクロエレクトロニクス技術
を用いた別の従来の増幅素子の断面図である。図8にお
いては、エミッタ2、ゲート4、アノード5は同一平面
上にあり、ゲート4、アノード5にはエミッタ2を基準
として正の電圧が印加され、電子はエミッタ2の先端か
ら放出されアノード5に到達する。なお、6は絶縁基板
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図7に示す従来の構造
において、増幅される信号はエミッタ2と同電位にある
半導体基板1とゲート4の間に入力する。ところが、半
導体基板1とゲート4とは厚さ1μm以下の絶縁層3を
介して面しているため、高周波特性に最も強く影響する
入力静電容量が大きくなり、十分な高周波の特性が得ら
れない。絶縁層3を厚くすることによって、半導体基板
1とゲート4との間の静電容量を削減することもできる
が、エミッタ2の先端の電界を十分高く保つためにはエ
ミッタ2の先端とゲート4の半導体基板1の表面からの
距離をほぼ等しくする必要がある。このためには、エミ
ッタ2の高さを絶縁層3の厚さとほぼ等しくする必要が
あるが、これには製造上多くの困難が伴う。さらに、こ
の方法では周波数特性の改善の効果は少ない。
【0005】図8に示す従来の構造においては、エミッ
タ2とゲート4との間の静電容量を小さくできるという
利点はあるが、ゲート4に印加した正の電位によりエミ
ッタ2から放出された電子がゲート4にもはいる可能性
がある。このため、放出された電流が有効に利用されず
利得が低下し、効率が低下し、ゲート4を不要に加熱す
るため信頼性の低下原因ともなる。エミッタ2を鋸歯状
にしてエミッタ2の電子を放出しない位置に島状にゲー
ト4を置けばエミッタ2に電子が入射するのを防ぐこと
ができる。しかし、このような構造では素子の周波数特
性を決定するもうひとつのパラメータである相互コンダ
クタンス(ゲート電圧の変化に対するアノード電流の変
化)を大きくできず、したがって周波数特性も十分では
ない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の増幅素子は、エ
ミッタとアノードに対して、僅かに低い平面上にゲート
を置き、エミッタに近いゲートの端部をエミッタの先端
よりもアノードから遠い位置にし、アノード寄りのゲー
トの端部を、エミッタの先端とアノードのエミッタ寄り
の端部との間の中間点よりもエミッタ寄りに置いてい
る。
【0007】
【作用】本発明の素子においては、ゲートをエミッタの
極めて近くに配置することによって大きな相互コンダク
タンスを実現するとともにゲートとエミッタ間の静電容
量を削減することによって周波数特性を大幅に改善し、
エミッタとアノードに対するゲートの位置を規定するこ
とによってゲートに電流が流れるのを防止することがで
きる。この結果、高い周波数まで動作し、利得が高く、
効率が良く、信頼性の高い真空マイクロエレクトロニク
スによる増幅素子を実現できる。
【0008】
【実施例】次に本発明について図面を参照して詳細に説
明する。図1は本発明の第1の実施例を示す増幅素子の
断面図である。図1において、2はエミッタ、4はゲー
ト、5はアノード、6は絶縁基板である。ゲート4のエ
ミッタ2寄りの端部Aはエミッタ2の先端Cよりもエミ
ッタ2側すなわち図面の左寄りにあり、ゲート4のアノ
ード5寄りの端部Bはアノード5のエミッタ2寄りの端
部Dとエミッタ2の先端Cとの中間点よりもエミッタ2
寄りにある。
【0009】この素子を動作させるには、エミッタ2の
電位を基準として、アノード5に例えば200V、ゲー
ト4に数10Vの電圧を印加することによりエミッタ2
の先端よりゲート4の電圧に応じた電子が放出される。
エミッタ2から放出される電子の量は、エミッタ2の材
料、エミッタ2の先端の尖鋭さ、ならびにエミッタ2の
周辺の電極構造とその電圧の影響を受ける。ゲート4の
エミッタ2寄りの端部Aをエミッタ2で構成した“庇”
の奥に位置させるとエミッタ2の先端C付近の電界が強
くなり、さらにゲート4の電圧の影響を強く受けるよう
になる。この結果、ゲート電圧の変化に対する電流の変
化すなわち相互コンダクタンス(gm )を大きくするこ
とができる。また、エミッタ2とゲート4とは誘電体を
挟まずに互いに面しているので、エミッタ2とゲート4
とを近づけても静電容量は大きくはならない。
【0010】図2には、本発明に関わる構造(図2
(a))および従来の構造(図2(b))の等電位面な
らびにエミッタ2から放射された電子の電子ビーム軌道
12を示す。図2(a)においては、エミッタ2より放
射された電子ビーム12はアノード5に到達しているの
に対し、図2(b)ではゲート4に入射していることが
わかる。また、図2(a)においては、エミッタ2付近
の等電位面が密であり強い電界がエミッタ2の先端に加
わるのに対し、図2(b)ではエミッタ2先端の電界が
弱く、ゲート4の電位変化に対する放射電流変化が小さ
いことがわかる。したがって、本発明に関わる構造(図
2(a))では従来の構造(図2(b))と比較して相
互コンダクタンスを大きくできることが明らかである。
【0011】電子ビーム12がゲート4にはいるかアノ
ード5に到達するかはゲート4のアノード5側の端部の
位置によって強く影響されることは図2に示す通りであ
るが、ゲート4とアノード5の電位、凹部の深さ、エミ
ッタ2とアノード5の距離等の影響も受ける。しかし、
ゲート4のアノード5寄りの側端を、エミッタ2の先端
とアノード5のエミッタ寄りの側端との間の中間点より
もエミッタ2に近い位置にすれば、広い範囲の電極形状
ならびに広い範囲のゲート2電位、アノード5電位に対
しても電子ビーム12はゲート4には入射しないことが
シミュレーションの結果により確認されている。
【0012】次に、この素子の製作法を図3に従って示
す。はじめに、第1の絶縁層である窒化珪素(Si3
4 )層7を半導体基板上に積層する。次に、ゲートとな
る金属層を積層し、リソグラフィー、エッチングにより
パターンを形成してゲート4をつくる。次に、第2の絶
縁層である酸化珪素(SiO2 )層8を積層し、この上
にエミッタ、アノードとなる金属層9を積層する(図3
(a))。次に、リソグラフィー、エッチングによって
金属層9にパターンを形成し、アノード5およびエミッ
タ2を形成する。この時、エミッタ2の先端のみを弱く
エッチングすることによって尖鋭化を図る(図3
(b))。次に、エミッタ2およびアノード5をマスク
として、フッ化水素のような溶液によって選択的エミッ
チングを行い、酸化珪素層8の金属でカバーされていな
い部分を除去するとともに金属層の端部付近も除去す
る。この結果、図3(c)に示すようにエミッタ2およ
びアノード5が酸化珪素層8から突出し、ゲート4の付
近には酸化珪素層8がない状態とする。このようにして
形成された酸化珪素層8と窒化珪素層7で絶縁基板6が
作られる。
【0013】本発明の第2の実施例を図4、図5に示
す。図4は第2の実施例を示す素子の断面図で、基本構
成は図1に示す第1の実施例と同じである。図5は図4
に示す第2の実施例の製作法を示す。はじめに、第1の
絶縁層である窒化珪素層7を半導体基板上に積層し、次
に、第2の絶縁層である酸化珪素層8を積層する。この
上にエミッタ2およびアノード5となる金属層9を積層
し、リソグラフィー、エッチングによって金属層9のパ
ターンを作り、エミッタ2の一部とアノード5を形成す
る。この時、エミッタ2の先端の尖鋭化を図る。次に、
エミッタ2およびアノード5をマスクとして、フッ化水
素のような溶液によって選択的エッチングを行い、酸化
珪素層8の金属でカバーされていない部分を除去すると
ともにゲート4およびエミッタ2の端部付近も除去する
(図5(a))。次に、リソグラフィーによりレジスト
を図5(b)のようなパターンに残し、ゲート4となる
金属層11を斜め方向すなわち図面上で右上の方向から
蒸着する。レジスト10の上に積層された金属をリフト
オフ法によってレジスト10とともに除去し、さらにフ
ッ化水素のような溶液によって酸化珪素層8の金属層の
端部付近を選択的に除去する(図5(c))。
【0014】図6は本発明の第3の実施例を示す素子の
断面図である。エミッタ2の上にさらに絶縁層13およ
び金属の補助電極14が設けられている。エミッタ2を
基準としてゲート4およびアノード5に印加する電圧は
第1、第2の実施例と同様にそれぞれ数10V、200
Vであり、補助電極14にはゲート4に印加する電圧に
ほぼ等しい電圧が加えられている。補助電極14によっ
て、エミッタ2の電位から補助電極14の電位までの等
電位面がエミッタ2と補助電極14の近くに作られるの
で、エミッタ2の先端には強い電界が作られる。これを
ゲート4の電圧で制御できるので、相互コンダクタンス
をさらに大きくすることができる。エミッタ2と補助電
極14との間の静電容量は信号の入力容量には影響を与
えないので、エミッタ2と補助電極14の間に絶縁層1
3を挟んでも周波数特性には悪影響を及ぼさない。
【0015】第1から第3までの実施例を通して、エミ
ッタ2を十分薄い金属層で構成すれば必ずしも先端を尖
らす必要はない。また、エミッタ2の厚さを変えて先端
を尖らす代わりに、鋸歯状のパターンにしてその先端を
尖らせても同様に先端に強い電界を作ることができる。
さらに、これらを組み合わせてより強い電界を作る構造
も本発明の思想に含まれ、本発明の効果が発揮される。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の素子にお
いては、ゲートをエミッタの極めて近くに配置すること
によって大きな相互コンダクタンスを実現するととも
に、ゲートの面積を可能な限り小さく抑え、ゲートとエ
ミッタの面する部分の誘電体をなくすことによりゲート
とエミッタ間の静電容量を削減して周波数特性を大幅に
改善し、エミッタとアノードに対するゲートの位置を規
定することによってゲートに電流が流れるのを防止する
ことができる。したがって、本発明によれば、高い周波
数まで動作し、利得が高く、効率が良く、信頼性の高い
増幅素子を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す素子の断面図であ
る。
【図2】(a),(b)は、第1の実施例および従来の
素子の等電位面ならびに電子ビーム軌道を示す図であ
る。
【図3】(a),(b),(c)は本発明の第1の実施
例の素子の製作方法を示す工程断面図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示す素子の断面図であ
る。
【図5】(a),(b),(c)は本発明の第2の実施
例の素子の製作方法を示す工程断面図である。
【図6】本発明の第3の実施例を示す素子の断面図であ
る。
【図7】従来の増幅素子を示す断面図である。
【図8】従来の他の増幅素子を示す断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 エミッタ 3,13 絶縁層 4 ゲート 5 アノード 6 絶縁基板 7 窒化珪素層 8 酸化珪素層 9,11 金属層 10 レジスト 12 電子ビーム 14 補助電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−40332(JP,A) 特開 平3−295131(JP,A) 特開 平3−225725(JP,A) 特開 昭63−274048(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 21/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一あるいは複数の絶縁材料で構成され
    表面に凹部を形成した絶縁体と、前記絶縁体の凹部表面
    に形成した第1の電極と、前記絶縁体の凹部を挟んで相
    対する第1および第2の表面上に形成した第2および第
    3の電極とで構成され、少なくとも前記第2の電極は前
    記絶縁体の第1の平面から凹部に向かって突き出した構
    造を有し、前記第2の電極に近い前記第1の電極の端部
    と前記第3の電極の端部との間隔は、前記第2の電極の
    端部と前記第3の電極の端部との間隔よりも大きく、前
    記第3の電極に近い前記第1の電極の端部は、前記第2
    の電極の前記凹部に向かって突き出した部分の端部と前
    記第3の電極の前記凹部に面した端部との中間点よりも
    前記第2の電極に近い位置にあることを特徴とする真空
    マイクロ増幅素子。
  2. 【請求項2】 単一あるいは複数の絶縁材料で構成され
    表面に凹部を形成した絶縁体と、前記絶縁体の凹部表面
    に形成した第1の電極と、前記絶縁体の凹部を挟んで相
    対する第1および第2の表面上に形成した第2および第
    3の電極と、前記第2の電極の近くに形成された前記第
    2の電極を基準として正の電圧を印加する第4の電極と
    を有することを特徴とする真空マイクロ増幅素子。
JP7974392A 1992-04-01 1992-04-01 真空マイクロ増幅素子 Expired - Lifetime JP2900692B2 (ja)

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JPH05325798A JPH05325798A (ja) 1993-12-10
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