JP3190551U - 金管楽器用のマウスピース - Google Patents

Abstract

【課題】種々の振動特性を備えたマウスピースを得ることにより、演奏者が好み又は曲想にあった振動特性を備えたマウスピースを使用することができるようにし、演奏レベルの向上を図ることができる金管楽器用のマウスピースを提供する。
【解決手段】リム１におけるリムカンター２以外の部分の外周形状を断面多角形し、又はリム１とシャンク３との間のカップ状部分４の外周形状を真円以外、例えば断面多角形、断面楕円形又は外周面に凹凸を形成した形状などとする。
【選択図】図３

Description

この考案は、トランペット等の金管楽器に取り付けて使用されるマウスピースに関するものである。

金管楽器の演奏においては、演奏者の唇の振動がマウスピース内の空気を伝わって楽器本体を共鳴させて大きな音を発するが、マウスピース自体の振動も楽器本体の共鳴に寄与していることはよく知られている。
しかしながら、従来におけるマウスピースの改良に関する提案の多くは、マウスピース内面の構造に係るものであり、外周形状に関する提案は以下の特許文献程度であって、殆ど存在しない。
特開２００８−１５２０１５号公報（特許文献１）にはリム部のリムカンター側の外周形状を楕円形にしたものが開示されているが、これはリム部の内周形状を楕円形としたことによるものである。特開２０１０−２６１１１号公報（特許文献２）には、リムとシャンクとの間の外周面に溝を設けた構造が開示され、実開平５−４７９９４号公報（特許文献３）にはリムの外周面に環状凸部を設けた構造が開示されているが、いずれも該当部分の断面形状は真円である。

特開２００８−１５２０１５号公報 特開２０１０−２６１１１号公報 実開平５−４７９９４号公報

上記のように、従来のマウスピースは外周の断面形状の変化に乏しく、そのためにマウスピース自体の振動を、演奏者が好みに応じて選択することが難しかった。
この考案は、種々の振動特性を備えたマウスピースを得ることにより、演奏者が好み又は曲想ににあった振動特性を備えたマウスピースを使用することができるようにし、演奏レベルの向上を図ることを課題とするものである。

この考案は、金管楽器用のマウスピースにおいて、リムのリムカンター以外の部分及びリムとシャンクの間の部分の断面形状を真円以外の形状とすることにより、上記課題を解決するものである。
具体的には、リムにおいては、その外周形状を、リムカンター部を真円とし、シャンク側を断面多角形とし（請求項１）、リムとシャンクとの間において、真円以外の外周断面形状、例えば断面多角形、断面楕円形又は外周面に凹凸を形成した形状など、を有する部分を備えて（請求項２，３）、金管楽器用のマウスピースを構成するものである。
請求項１の構成又は請求項２の構成のみを備えたものとしても、双方の構成を備えたものとしてもよい。また、外周の断面形状は中心軸を通過する面において非対称であることが好ましい。

この考案によれば、外周の断面形状を適宜選択することにより種々の振動特性を有するマウスピースを得ることができる。したがって、演奏者が好み又は曲想ににあった振動特性を備えたマウスピースを使用することが可能となり、演奏レベルの向上を図ることができる。
副次的な効果として、外周の断面形状が真円ではないために、マウスピースを楽器本体に着脱する際に滑りにくくなり、また演奏中の照明が多様な反射をするので、マウスピースの装飾性を高めることにもなる。

マウスピースの部位名称を示す断面図 この考案実施例１の斜視図 この考案実施例２の斜視図 この考案実施例３の斜視図 この考案実施例４の斜視図 この考案実施例５の斜視図 この考案実施例６の斜視図

図１はトランペット用のマウスピースＡの断面図であり、符号１はリム、２は演奏者の唇が接触するリムカンター、３はトランペット本体に挿入されるシャンクである。この考案では、リム１におけるリムカンター２以外の部分の外周形状を断面多角形し、又はリム１とシャンク３との間のカップ状部分４の外周形状を真円以外、例えば断面多角形、断面楕円形又は外周面に凹凸を形成した形状などとするものである。

マウスピースＡのリム１において、リムカンター２以外の部分にリムカンター２の外径よりも大きな断面７角形のフランジを形成し、カップ状部分４は断面真円としたものである（図２参照）。断面７角形の部分は実施例２のようにリムカンター２の外径に収まる大きさとしてもよい。

マウスピースＡのリム１において、リムカンター２以外の部分をリムカンター２の外径に収まる断面７角形に形成し、カップ状部分４も断面７角形としたものである（図３参照）。

マウスピースＡのリム１において、リムカンター２以外の部分に断面７角形のフランジを形成し、カップ状部分４の表面に多数の凹凸を形成したものである（図４参照）。断面７角形の部分は実施例２のようにリムカンター２の外径に収まる大きさとしてもよい。

マウスピースＡのリム１において、リムカンター２以外の部分に断面７角形のフランジを形成し、カップ状部分４を断面楕円形としたものである（図５参照）。断面７角形の部分は実施例２のようにリムカンター２の外径に収まる大きさとしてもよい。

マウスピースＡのリム１はリムカンター２以外の部分を含めてどの位置も断面真円とし、カップ状部分４を断面７角形としたものである（図６参照）。

マウスピースＡのリム１において、リムカンター２以外の部分に断面７角形のフランジを形成し、カップ状部分４は表面をダイヤモンドカット状の多面体としたものである（図７参照）。断面７角形の部分は実施例２のようにリムカンター２の外径に収まる大きさとしてもよい。

この考案は、マウスピースの外周の断面形状を真円以外とすることにより、固有の振動が異なる多種類のマウスピースを得ることができるものであって、産業上の利用可能性を有するものである。

Ａ マウスピース
１ リム
２ リムカンター
３ シャンク
４ カップ状部

Claims (3)

1. 金管楽器用のマウスピースにおいて、リムの外周形状を、リムカンター部を真円とし、シャンク側を断面多角形とした、金管楽器用のマウスピース
2. 金管楽器用のマウスピースにおいて、リムとシャンクとの中間に、真円以外の外周断面形状を有する部分を備えた、金管楽器用のマウスピース
3. 請求項２に記載の金管楽器用のマウスピースにおいて、真円以外の外周形状を、断面多角形、断面楕円形又は外周面に凹凸を形成した形状の何れかとした、金管楽器用のマウスピース
   

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