JP3190429B2 - 平衡電圧測定装置および平衡電圧測定方法 - Google Patents
平衡電圧測定装置および平衡電圧測定方法Info
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Description
の定格抵抗要素とシングルエンド型電圧測定器とを用い
て簡易かつ高精度に測定できる平衡電圧測定装置および
平衡電圧測定方法に関するものである。
等のデバイスのインピーダンス等を測定する際の電圧測
定においては、いわゆるシングルエンド型の電圧測定装
置(一方の入力端子が接地されてなる不平衡型の電圧測
定装置)が使用される。ところが、ICの出力が平衡電
圧信号である場合や、被測定デバイスに印加される電圧
源が平衡電圧である場合に上記シングルエンド型の電圧
測定装置を用いると、低圧側端子の出力レベルが動的に
振れる等により測定精度が劣化すると言った不都合があ
る。
定装置には、高いCMRR(同相信号除去比)が要求さ
れるが、一般に、測定信号が高周波数となると分布容量
等のために、 (低圧側測定端子/グランド間インピーダンス) ≪(高圧側測定端子/グランド間インピーダンス) となり、上記CMRRが低下し、測定精度の劣化は避け
られなくなる。このような事情から、従来、平衡信号を
測定するために、図3(A)〜(C)に示すような種々
の測定方法が提案されている。
ステムであり、定格負荷Zで生ずる電圧降下をバッファ
31,32を介して差動アンプ33により不平衡電圧に
変換し、これを不平衡電圧測定器34により測定してい
る。この測定システムで高精度の測定結果を得るために
は、高周波域まで高いCMRRを有する差動アンプ33
を製作しなければならず、製造コストが高騰すると言っ
た問題がある。
テムであり、トランス(二次巻線の一方端はグランドさ
れている)35により、平衡電圧を不平衡電圧に変換
し、この変換した電圧をバッファ36を介して電圧測定
器37により測定している。この測定システムでは、広
帯域で周波数フラットネスが良好なトランス35を開発
することが技術的に困難である等の問題がある。
た測定システムであり、定格負荷Zで生ずる電圧降下を
サーマルコンバータ37を介して測定するものである
が、これは電力の測定に用いられるものであるため、電
圧のみの測定には不向きである等の問題がある。
ために提案されたものであって、平衡/不平衡変換用の
アンプ,トランス,コンバータ等を用いることなく、平
衡電圧を不平衡系の測定器で高精度に測定できる平衡信
号測定装置および平衡電圧測定方法を提供することを目
的とする。
原理および作用を説明する。本発明の平衡電圧測定装置
は、シングルエンド型電圧測定器(以下、「シングルエ
ンド型測定器」という)の高圧側および低圧側の両測定
端子間に接続される定格負荷を、一対の定格抵抗要素の
直列接続により構成している。すなわち、従来、シング
ルエンド型測定器2の高圧側測定端子HI/低圧側測定
端子LO間に一の定格負荷Zを接続して両端子間電圧を
測定していたが(後述する図2(B)参照)、本発明で
は、上記定格負荷Zに代えて、直列接続した一対の定格
負荷要素ZA,ZB(ZA,ZBは、それぞれ本来の定格負
荷Zのインピーダンスの1/2の値を持つ)を接続して
いる。なお、図1ではZAとZBとの接続点をcで示して
ある。
側測定端子/グランド(GND)間電圧VA、〔2〕低
圧側測定端子/GND間電圧VB、〔3〕前記接続点c
/GND間電圧VCのそれぞれの実効値をそれぞれ測定
できる。本発明では、平衡電圧源1a,1bからの電圧
V1,−V1がシングルエンド型測定器に与えられた場
合、VA、VBおよびVCの実効値VARMS、VBRMS、V
CRMSが測定される。そして、これらの測定値から、平衡
電圧の実効値VMRMSが、
端子a,端子bのGNDに対する電位VA,VBが、以下
のように表されるものとする。
Aに対するVBの位相差である。
のようなスカラー量を測定する装置では、位相差αが考
慮されないため、VAの実効値とVBの実効値とを別々に
求めてこれらの差を取ると、位相差αに起因する誤差が
生じるので、単なる加算をすることはできない。
と、VMは次式で表される。
cの電位VCは、
用いて表すと、
表したものであり、〔数2〕式が証明された。〔数2〕
式は、図1に示すように、VA,VBおよびVCの実効値
を測定することで、VMmを求めることができることを
意味している。以上述べたように、本発明の平衡電圧測
定装置および平衡電圧測定方法によれば、平衡電圧を容
易かつ高精度に求めることができる。
測定方法と比較して説明する。図2(A),(B)は、
本発明および従来の測定装置の概要を示す説明図であ
る。同図(B)において、被測定信号源(出力抵抗がR
の平衡電圧源1a,1bからなる)から、シングルエン
ド電圧測定器2′の高圧側測定端子HIに電圧信号V
1m・sin2πfが、低圧側測定端子LOに電圧信号 −
V2m・sin2πfがそれぞれ与えられたものとする。高
圧測定端子HI/低圧測定端子LO間に接続された定格
負荷をZ、端子HI/GND間のインピーダンスを
Z1、端子LO/GND間のインピーダンスをZ2とする
と、測定される電圧(図ではHI′/LO′間電圧)V
Mは、
(Ω),Z1=10(pF),Z2=2500(pF)と
し、f=1(MHz)とすると、〔数8〕式より、
と、|Z1|,|Z2|≫Rとすることができ、上記〔数
8〕式は、
記Z,R,Z1,Z2,fの値を〔数10〕式に代入する
と、
と、VMのVM(I)に対する誤差は約20%となる。
定格負荷Zに代えて、Zのインピーダンスの1/2の値
を持つ定格負荷要素ZA,ZBの直列接続の両端a,b
が、シングルエンド型測定器2の測定端子HI/LO間
に接続されている。以下、図2(A)に示す本発明の平
衡電圧測定装置について、上記と同様の検討を行う。
子LO、および接続点cのGNDに対する電位をそれぞ
れ測定する。なお、図2(A)では、HI,LOまたは
cと、GNDとの電位差はHI′/LO′間電圧として
測定される。図2(A)において、GNDに対する高圧
側測定端子HIの電位VAは、
定器であれば、|Z1|,|Z2|≫Rであるので、〔数
12〕は、
側測定端子HIの電位である。
(Ω),Z1=10(pF)とし、周波数f=1(MH
z)とすると(但し、図2(A)では、低圧側測定端子
LOはGND電位としてあるのでZ2=0)〔数12〕
は、
と、
みると、VA(I)に対するVAの誤差は、約0.3%程度
であり、図2(B)の場合と比較して格段に低くなる。
以下、高圧側入力端子HIを定格抵抗ZA,ZBの直列接
続の端子bおよび接続点cに順次接続して、VBおよび
VCの測定を行う。当然、VB,VCの測定誤差は上記誤
差と同程度であるので、〔数2〕あるいは〔数7〕式の
演算誤差を含めても、測定誤差は無視できる程に小さい
ものとなる。本発明では、前述のように、定格負荷とし
て、本来の定格負荷の半分の値をもつ定格負荷要素ZA
およびZBを直列接続したものを用いている。ここで、
各定格負荷要素ZAおよびZBの各々の誤差をΔとすると
これらの直列接続回路の誤差もΔとなる。現在、精度
0.005%,温度係数5ppm/℃以下の抵抗が入手
できるので、このような規格のものが好適に使用される
が、特に高精度の測定が要求されない場合には、該測定
精度に応じた精度の抵抗を使用することもできることは
勿論である。
平衡/不平衡変換用のアンプ,トランス,コンバータ等
を用いることなく、平衡電圧を一対の定格抵抗要素とシ
ングルエンド型測定器とにより高精度に測定できる。
図である。
示す図であり、(A)は本発明の実施例における回路
図、(B)は従来の測定器の回路図である。
り、(A)はアンプを使用した装置、(B)はトランス
を使用した装置、(C)はサーマルコンバータを使用し
た装置をそれぞれ示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 シングルエンド型電圧測定器の高圧側お
よび低圧側の両測定端子間に定格負荷が接続されてなる
平衡電圧測定装置であって、 前記定格負荷が、一対の定格抵抗要素の直列接続により
構成され、 前記シングルエンド型電圧測定器は、高圧側測定端子、
低圧側測定端子および前記両定格負荷要素の直列接続点
と、グランドとの電位差をそれぞれ測定可能に構成して
なることを特徴とする平衡電圧測定装置。 - 【請求項2】 シングルエンド型電圧測定器の高圧側お
よび低圧側の両測定端子間に、一対の定格抵抗要素の直
列接続により構成された定格負荷が接続されてなる平衡
電圧測定装置による平衡電圧測定方法であって、 平衡電圧信号を、高圧側および低圧側の両測定端子に与
え、 高圧側測定端子、低圧側測定端子および前記両定格負荷
要素の直列接続点と、グランドとの電位差をそれぞれ測
定し、高圧側測定端子/低圧側測定端子間電圧を、 【数1】 VMRMS=√(2VARMS 2+2VBRMS 2−4VCRMS 2) 但し、 VMRMS:高圧側測定端子/低圧側測定端子間電圧の実効
値 VARMS:高圧側測定端子/グランド間電圧の実効値 VBRMS:低圧側測定端子/グランド間電圧の実効値 VCRMS:両定格負荷要素の直列接続点/グランド間電圧
の実効値 に基づき求めることを特徴とする平衡電圧測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP15742692A JP3190429B2 (ja) | 1992-05-24 | 1992-05-24 | 平衡電圧測定装置および平衡電圧測定方法 |
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JP15742692A JP3190429B2 (ja) | 1992-05-24 | 1992-05-24 | 平衡電圧測定装置および平衡電圧測定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05322937A JPH05322937A (ja) | 1993-12-07 |
JP3190429B2 true JP3190429B2 (ja) | 2001-07-23 |
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Family Applications (1)
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JP15742692A Expired - Fee Related JP3190429B2 (ja) | 1992-05-24 | 1992-05-24 | 平衡電圧測定装置および平衡電圧測定方法 |
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JP (1) | JP3190429B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6281826B1 (en) | 1996-02-09 | 2001-08-28 | Seiko Epson Corporation | Voltage generating apparatus |
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JP7016159B2 (ja) * | 2018-06-18 | 2022-02-04 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | センサ装置 |
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1992
- 1992-05-24 JP JP15742692A patent/JP3190429B2/ja not_active Expired - Fee Related
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