JP3190301U - 菓子の製造装置 - Google Patents

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加藤 正博
正博 加藤
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谷沢菓機工業株式会社
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Abstract

【課題】高品質の菓子を作ることができると同時に、製造効率に優れた、含気泡性食材に浸透性食材を染み込ませた菓子の製造装置を提供する。【解決手段】浸透性食材を収容する浸透性食材収容タンク4と、エアー、N2又はCO2或いはこれらいずれかの混合ガスを供給するガスタンク20と、内部に減圧室6を有し、減圧室6内に着脱可能に設けられた含気泡性食材を収納保持するバスケット19と、バスケット19に収納保持された含気泡性食材に遠心力を与える遠心分離手段22と、減圧室6の圧力制御や遠心分離手段22を制御する制御手段24とを有し、且つ、浸透性食材収容タンク4及びガスタンク20が接続された真空浸透装置5とを備える。制御手段24は、減圧室6を圧力P1(0.05MPa<P1<0.088MPa)の状態に制御し、バスケット19内に収納された含気泡性食材を脱気させるとともに、浸透性食材収容タンク4から減圧室6内に浸透性食材を供給する。【選択図】図1

Description

本考案は、含気泡性食材に浸透性食材を染み込ませた菓子の製造装置に関するものである。
従来から、含気泡性食材に浸透性食材を染み込ませた菓子の製造方法が種々提案されている。例えば、特許文献1には、液状に溶けたチョコレートと、チョコレートと同温に調整したクルトンとを減圧装置に入れて撹拌混合し、減圧装置内を所定圧力まで減圧してクルトンとチョコレート中の気泡を排出させた後、減圧装置内を常圧に戻すことにより、クルトンにチョコレートを浸透させるようにしたチョコレート浸透クルトンの製造装置が開示されている。
また、特許文献2には、液状に溶かしたチョコレートなどの浸透性食材中に焼き菓子などの含気泡性食材を埋没させ、この状態で減圧して含気泡性食材を脱気し、しかる後に常圧に戻すことにより、含気泡性食材に浸透性食材を含浸させるようにした菓子の製造方法が開示されている。
特開平9−308431号公報 国際公開WO79/47207号公報
上記した製造装置等は、含気泡性食材中に浸透性食材を効果的に浸透させることができ、優れた食感、味覚、連食性、外観を有する含浸菓子を作ることができる。しかしながら、これらの製造方法は、いずれも、食材を浸透性食材中に埋没させた状態で減圧・脱気処理を行っているため、食材中に含まれている気泡が完全に抜け切るのに時間がかかり過ぎ、製造効率の点で改良の余地があった。ちなみに、特許文献1に記載されているように、これらの製造装置の場合、減圧・脱気処理に10〜15分程度の時間を要していた。
また、含気泡性食材中から遊離した気泡は液状の浸透性食材中を膨張しながら浮かび上がっていき、浸透性食材の表面ではじけて潰れるため、液状の浸透性食材が泡立ってしまう。このため、脱気処理が完全に終わって泡立ちのない静置状態になるまでは次の処理に移行することができず、これも製造効率を落とす要因のひとつとなっていた。
本考案は、上記従来装置や方法の欠点を改良したもので、従来のものと同等な高品質の菓子を作ることができると同時に、従来のものに比べて製造効率に優れた、含気泡性食材に浸透性食材を染み込ませた菓子の製造装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本考案は、以下の技術的手段を講じている。
即ち、請求項1記載の発明は、含気泡性食材に浸透性食材を染み込ませる菓子の製造装置であって、前記浸透性食材を収容する浸透性食材収容タンクと、エアー、N 又はCO或いはこれらいずれかの混合ガスを供給するガスタンクと、内部に減圧室を有し、前記減圧室内に着脱可能に設けられた前記含気泡性食材を収納保持する食品保持容器と、前記食品保持容器に収納保持された前記含気泡性食材に遠心力を与える遠心分離手段と、前記減圧室の圧力制御や前記遠心分離手段を制御する制御手段とを有し、且つ、前記浸透性食材収容タンク及び前記ガスタンクが接続された真空浸透装置とを備え、前記制御手段は、前記減圧室を圧力P1(0.05MPa<P1<0.088MPa)の状態に制御し、前記食材保持容器内に収納された前記含気泡性食材を脱気させるとともに、前記浸透性食材収容タンクから前記減圧室内に浸透性食材を供給させ、脱気状態にある前記含気泡性食材を前記浸透性食材中に浸漬した後、前記エアー、N 又はCO或いはこれらいずれかの混合ガスを前記ガスタンクから前記減圧室内に注入させることにより、前記減圧室内を圧力P2(0.01MPa<P2<0.5MPa)の状態に制御し、前記含気泡性食材に前記浸透性食材を浸透させ、さらに前記遠心分離手段を制御して前記含気泡性食材に付着した余分な浸透性食材を分離させることを特徴とした菓子の製造装置である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の菓子の製造装置であって、前記真空浸透装置には、前記浸透性食材収容タンクから前記減圧室内に供給された前記浸透性食材を前記減圧室外に排出させ、回収する浸透性食材回収手段が接続されていることを特徴としている。
上記の構成とした場合、先ず、最初に含気泡性食材のみを減圧下で脱気処理するため、含気泡性食材中に含まれる空気などの余分な気体を極めて速やかに脱気することができる。特に、圧力を極端に下げないので、減圧・脱気の処理時間を短縮することができ、その分だけ製造効率を上げることができる。ちなみに、従来の製造装置等の場合、前述したように減圧・脱気処理に10〜15分程度の時間を要していたが、本考案によれば同じ処理を約3〜4分程度で完了することができる。また、減圧・脱気の程度を軽くしたので、減圧装置、例えば真空ポンプを小型化することも可能である。
また、含気泡性食材に浸透性食材を含浸させた後、遠心分離手段により、含気泡性食材に付着した余分な浸透性食材を分離させることができるため、製造した菓子の品質の向上が望める。またさらに、減圧室内に余った浸透性食材を外部に排出し、回収することができるので、浸透性食材の再利用が可能となり、菓子の製造工程に要するコストの削減が望める。
上記のように、従来のものと同等な高品質の菓子を作ることができると同時に、従来のものに比べて製造効率に優れた、含気泡性食材に浸透性食材を染み込ませた菓子の製造装置を提供することができる。
なお、含気泡性食材としては、例えば、ラスク、クルトン、焼き菓子(ビスケット、クッキーなど)、米菓(せんべい、おかき、あられなど)、FD(冷凍乾燥)フルーツなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、浸透性食材を染みこませることが可能な食材であればよい。また、浸透性食材としては、例えば、テンパリングチョコレート、ノンテンパリングチョコレート、練乳、フルーツジュース、液体味付け品(醤油、ソース、砂糖水など)を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、含気泡性食材に染みこませることが可能な食材であればよい。
本考案に係る菓子の製造装置の一実施形態を示すシステム構成図である。
以下、本考案の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1に、本考案に係る菓子の製造装置の一実施形態を示す。この実施の形態は、含気泡性食材に浸透性食材(テンパリングチョコレート又はノンテンパリングチョコレート)を染み込ませた菓子の製造例を示すものである。なお、本実施例では、浸透性食材をテンパリングチョコレート又はノンテンパリングチョコレートとしているが、本考案はこれに限定されるものではない。
図において、1は含気泡性食材2をバスケット(食材保持容器)19に投入する含気泡性食材投入機、3は浸透性食材タンク、4は浸透性食材収容タンク、5は減圧室6を内部に備えた真空浸透装置、24は制御手段を示している。浸透性食材タンク3は、温水や蒸気などを利用した加熱装置(図示せず)を備えており、この加熱装置(40℃程度に加熱)で浸透性食材(テンパリングチョコレート又はノンテンパリングチョコレート)を溶かし、融液状態で収容しているとともに、浸透性食材タンク3に付設した送給ポンプ7によって融液状態の浸透性食材を浸透性食材収容タンク4へ自在に送給できるように構成されている。
また、浸透性食材収容タンク4も温水や蒸気などを利用した加熱装置(図示せず)を備えており、この加熱装置(40℃程度に加熱)で浸透性食材(テンパリングチョコレート又はノンテンパリングチョコレート)を融液状態で収容している。なお、浸透性食材タンク3と、浸透性食材収容タンク4との間に浸透性食材を振動させることで異物を除去する振動装置(図示せず)を設けておき、浸透性食材タンク3から浸透性食材収容タンク4へと浸透性食材を送給する途中で浸透性食材中に紛れ込んだ異物を除去しておくことが望ましい。
真空浸透装置5は、制御手段24により、図示を略した負圧ポンプなどを用いて減圧室6内の圧力が自在に制御可能とされているとともに、減圧室下部側に設けた浸透性食材供給口9から融液状の浸透性食材が減圧室6内の負圧に伴い接続されている浸透性食材収容タンク4から供給される。また、真空浸透装置5の下底部には回収ポンプ10が付設されており、含気泡性食材への浸透性食材の浸透処理後に残った余分な浸透性食材を減圧室6から回収し、浸透性食材収容タンク4に戻すことができるように構成されている。
なお、浸透性食材をテンパリングチョコレートとする場合には、浸透性食材収容タンク4と真空浸透装置5との間に、テンパリング装置を設けておき、真空浸透装置5に供給されるチョコレートに対してテンパリング処理をしておくようにする。また、浸透性食材収容タンク4から真空浸透装置5へ浸透性食材を供給する際に、余分な浸透性食材を再び浸透性食材収容タンク4に戻すような工程にしておくことが望ましい。
真空浸透装置5には、ガスタンク20が連結されており、制御手段24が、減圧室6内にガスを供給させることができるようになっている。ガスタンク20内に充填されるガスは、加圧されたエアーでも良いし、窒素ガス(N)又は二酸化炭素(CO)でも良く、或いはこれらのいずれかの混合ガスでも良い。
また、前記真空浸透装置5内には、遠心分離機22が設けられており、制御手段24が、減圧室6内のバスケット19に投入されている含気泡性食材に対して遠心力を与えるよう制御し、含気泡性食材に付着した余分な浸透性食材を払い落とさせることができるようになっている。真空浸透装置5の後段側には、含気泡性食材に付着している余分な浸透性食材をさらに払い落とすためのシェーキング装置11が、またさらに、このシェーキング装置11の後段側には、浸透性食材を浸透させた含気泡性食材を冷ますための冷却装置12が配置されている。
シェーキング装置11は、振動式コンベア13、エアブロア14などから構成されており、振動式コンベア13によって含気泡性食材に振動を与えるとともに、エアブロア14から所定温度の高圧エアーを吹き付けることにより、含気泡性食材に付着している余分な浸透性食材を振り落とし、下部に設置した回収タンク15によって回収するように構成されている。回収された浸透性食材は、回収ポンプ16によって浸透性食材サブタンク4に送られ、再利用に供される。なお、本実施例では、シェーキング装置11は振動式コンベア13、エアブロア14としているが、これに代わる装置で構成しても良い。
冷却装置12は、含気泡性食材に浸透・付着している浸透性食材を冷却固化するためのクーリング機構であって、冷却室17と、この中を通るベルトコンベア18などで構成されている。冷却室17内には、公知の水冷あるいは空冷式の冷却機構(図示せず)が備えられ、冷却室17内を通過する間に冷却処理を完了するように構成されている。
上記装置を用いて浸透性食材を染み込ませた含気泡性食材を作るには次のようにして行う。先ず、金網などで作られた含気泡性食材保持用のバスケット19を用意し、このバスケット19に含気泡性食材供給機1から含気泡性食材2を所定個数投入し、所定間隔で並べて載置する。
そして、この含気泡性食材2を入れられたバスケット19を真空浸透装置5まで運び、減圧室6の蓋を開けて減圧室6内にセットする。なお、以上の処理は、コンベアやピックアップ機構を用いて自動操作で行ってもよいし、人手で行ってもよい。
含気泡性食材2の入ったバスケット19を減圧室6内にセットした後、減圧室6の蓋を閉め、図示しない負圧ポンプを作動して減圧室6内の空気を抜いていき、減圧室6内の圧力P1を0.05MPa<P1<0.088MPaの範囲に減圧する。圧力P1は含気泡性食材の種類や水分含有量、気泡の占める割合によって設定する。
減圧室6内の圧力が小さくなっていくと、バスケット19に入れられた含気泡性食材2の内部空隙に入り込んでいる空気が吸い出されていく。このとき、本発明では、含気泡性食材だけが減圧室6に入れられており、従来のように粘稠な浸透性食材中に埋没されていないので、含気泡性食材2の内部空隙に入り込んでいる空気は極めて速やかに脱気される。このため、減圧室6内が所定の負圧状態まで減圧される間に含気泡性食材の脱気もほぼ終了し、減圧・脱気処理に要する時間を大幅に短縮することができる。
上記のようにして減圧室6の減圧と含気泡性食材2の脱気が完了したら、負圧ポンプを止め、減圧室6内を該減圧状態に保つ。そして、この状態で浸透性食材収容タンク4から融液状の浸透性食材を真空浸透装置5の浸透性食材供給口9から減圧室6内に送給させ、脱気状態にある含気泡性食材2を融液状の浸透性食材で埋め尽くし、含気泡性食材2を浸透性食材中に浸漬させる。
脱気状態にある含気泡性食材2を融液状の浸透性食材中に浸漬し、減圧室6内にガス(エアー、N 又はCO 或いはこれらいずれかの混合ガス)を注入して加圧すると、融液状の浸透性食材は含気泡性食材2の内部空隙に速やかに浸透していき、含気泡性食材2内に浸透性食材を均等かつ効果的に染み込ませることができる。この際、含気泡性食材は既に脱気されているので、従来のように脱気された空気が気泡となって膨張しながら浸透性食材中を浮かび上がっていき、浸透性食材表面ではじけて泡立ってしまう、というようなこともなくなる。
含気泡性食材への浸透性食材の浸透が終わったら、真空ポンプを止め、減圧室6の中にガスタンク20から、例えば窒素ガスNを供給して減圧室6内の圧力P2を0.01MPa<P2<0.5MPaの状態にして浸透性食材の浸透を促進させる。そして、減圧室6内に溜まっている余分な浸透性食材は回収ポンプ(浸透性食材回収手段)10によって排出し、浸透性食材収容タンク4に戻して再利用に供する。
次いで、減圧室6の蓋を開けてバスケット19を取り出し、バスケット19中から浸透性食材の染み込んだ含気泡性食材2を取り出してシェーキング装置11の上に載せる。なお、このバスケット19の取り出しと含気泡性食材2の載置は人手で行ってもよいし、ロボット装置などによる自動処理で行ってもよい。
シェーキング装置11では、振動式コンベア13によって含気泡性食材2に振動を与えながら後方に向かって搬送するとともに、エアブロア14から所定温度の高圧エアーを吹き付けることにより、含気泡性食材2に付着している余分な浸透性食材を払い落とす。なお、払い落とされた浸透性食材は下部側に配置した浸透性食材回収タンク15で回収され、回収ポンプ16によって浸透性食材収容タンク4に送り返され、再利用に供される。
余分な浸透性食材を振り落とされた含気泡性食材2は、冷却装置12へ送られる。冷却装置12は、含気泡性食材2に向けて冷風を吹き付け、含気泡性食材2の内部空隙に浸透した浸透性食材や含気泡性食材表面に付着している浸透性食材を冷却固化し、後段の商品包装工程へと送り出す。以上のようにして、浸透性食材が染み込んだ含気泡性食材を製造することができる。
1 含気泡性食材投入機
2 含気泡性食材
3 浸透性食材タンク
4 浸透性食材収容タンク
5 真空浸透装置
6 減圧室
7 送給ポンプ
9 浸透性食材供給口
10 回収ポンプ(浸透性食材回収手段)
11 シェーキング装置
12 冷却装置
13 振動式コンベア
14 エアブロア
15 浸透性食材回収タンク
16 回収ポンプ
17 冷却室
18 ベルトコンベア
19 バスケット(食材保持容器)
20 ガスタンク(エアー、窒素ガス又は二酸化炭素ガス或いはこれらいずれかの混合ガス充填)
22 遠心分離機
24 制御手段

Claims (2)

  1. 含気泡性食材に浸透性食材を染み込ませる菓子の製造装置であって、
    前記浸透性食材を収容する浸透性食材収容タンクと、
    エアー、N 又はCO或いはこれらいずれかの混合ガスを供給するガスタンクと、
    内部に減圧室を有し、前記減圧室内に着脱可能に設けられた前記含気泡性食材を収納保持する食品保持容器と、前記食品保持容器に収納保持された前記含気泡性食材に遠心力を与える遠心分離手段と、前記減圧室の圧力制御や前記遠心分離手段を制御する制御手段とを有し、且つ、前記浸透性食材収容タンク及び前記ガスタンクが接続された真空浸透装置とを備え、
    前記制御手段は、前記減圧室を圧力P1(0.05MPa<P1<0.088MPa)の状態に制御し、前記食材保持容器内に収納された前記含気泡性食材を脱気させるとともに、前記浸透性食材収容タンクから前記減圧室内に浸透性食材を供給させ、脱気状態にある前記含気泡性食材を前記浸透性食材中に浸漬した後、前記エアー、N 又はCO或いはこれらいずれかの混合ガスを前記ガスタンクから前記減圧室内に注入させることにより、前記減圧室内を圧力P2(0.01MPa<P2<0.5MPa)の状態に制御し、前記含気泡性食材に前記浸透性食材を浸透させ、さらに前記遠心分離手段を制御して前記含気泡性食材に付着した余分な浸透性食材を分離させることを特徴とした菓子の製造装置。
  2. 前記真空浸透装置には、前記浸透性食材収容タンクから前記減圧室内に供給された前記浸透性食材を前記減圧室外に排出させ、回収する浸透性食材回収手段が接続されていることを特徴とする請求項1記載の菓子の製造装置。
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JP2023102384A (ja) * 2022-01-12 2023-07-25 ヤフー株式会社 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム

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