JP3163985U - 菓子の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来のものと同等な高品質の菓子を作ることができると同時に、従来のものに比べて製造効率に優れた、ポテトチップスにテンパリングチョコレートを染み込ませた菓子の製造装置を提供する。【解決手段】 ポテトチップスにテンパリングチョコレートを染み込ませた菓子の製造装置において、ポテトチップスのみを圧力P1(0MPa<P1≦0.1MPa)の減圧下で脱気しながら、該脱気状態のポテトチップスを液状のテンパリングチョコレート中に浸漬することにより、テンパリングチョコレートをポテトチップスに含浸させるようにした。【選択図】図1
Description
本考案は、ポテトチップスにテンパリングチョコレートを染み込ませた菓子の製造装置に関するものである。
従来から、例えば、米菓食材等の菓子食材に浸透性食材を染み込ませた菓子の製造方法が種々提案されている。例えば、特許文献1には、液状に溶けたチョコレートと、チョコレートと同温に調整したクルトンとを減圧装置に入れて撹拌混合し、減圧装置内を所定圧力まで減圧してクルトンとチョコレート中の気泡を排出させた後、減圧装置内を常圧に戻すことにより、クルトンにチョコレートを浸透させるようにしたチョコレート浸透クルトンの製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、液状に溶かしたチョコレートなどの浸透性食材中に焼き菓子などの含気泡性食材を埋没させ、この状態で減圧して含気泡性食材を脱気し、しかる後に常圧に戻すことにより、含気泡性食材に浸透性食材を含浸させるようにした菓子の製造方法が開示されている。
上記した製造方法は、食材中に浸透性食材を効果的に浸透させることができ、優れた食感、味覚、連食性、外観を有する含浸菓子を作ることができる。しかしながら、これらの製造方法は、いずれも、食材を浸透性食材中に埋没させた状態で減圧・脱気処理を行っているため、食材中に含まれている気泡が完全に抜け切るのに時間がかかり過ぎ、製造効率の点で改良の余地があった。ちなみに、特許文献1に記載されているように、これらの製造方法の場合、減圧・脱気処理に10〜15分程度の時間を要していた。
また、食材中から遊離した気泡は液状の浸透性食材中を膨張しながら浮かび上がっていき、浸透性食材の表面ではじけて潰れるため、液状の浸透性食材が泡立ってしまう。このため、脱気処理が完全に終わって泡立ちのない静置状態になるまでは次の処理に移行することができず、これも製造効率を落とす要因のひとつとなっていた。
本考案は、上記従来方法の欠点を改良したもので、従来のものと同等な高品質の菓子を作ることができると同時に、従来のものに比べて製造効率に優れた、ポテトチップスにテンパリングチョコレートを染み込ませた菓子の製造装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本考案は、以下の技術的手段を講じている。
即ち、請求項1記載の考案は、ポテトチップスにテンパリングチョコレートを染み込ませる菓子の製造装置であって、前記ポテトチップスの供給手段と、前記テンパリングチョコレートの供給手段と、圧力P1(0MPa<P1≦0.1MPa)に減圧する減圧室を有する真空浸透装置とを備え、前記真空浸透装置は、前記ポテトチップス供給手段から減圧室内に導入されたポテトチップスを圧力P1(0MPa<P1≦0.1MPa)に減圧・脱気しながら、前記真空浸透装置内にテンパリングチョコレートを供給して脱気状態にある前記ポテトチップスを前記テンパリングチョコレート中に浸漬し、前記ポテトチップスに前記テンパリングチョコレートを染み込ませて菓子を製造することを特徴とする菓子の製造装置である。
即ち、請求項1記載の考案は、ポテトチップスにテンパリングチョコレートを染み込ませる菓子の製造装置であって、前記ポテトチップスの供給手段と、前記テンパリングチョコレートの供給手段と、圧力P1(0MPa<P1≦0.1MPa)に減圧する減圧室を有する真空浸透装置とを備え、前記真空浸透装置は、前記ポテトチップス供給手段から減圧室内に導入されたポテトチップスを圧力P1(0MPa<P1≦0.1MPa)に減圧・脱気しながら、前記真空浸透装置内にテンパリングチョコレートを供給して脱気状態にある前記ポテトチップスを前記テンパリングチョコレート中に浸漬し、前記ポテトチップスに前記テンパリングチョコレートを染み込ませて菓子を製造することを特徴とする菓子の製造装置である。
上記の構成とした場合、ポテトチップスのみを減圧下で脱気処理するため、ポテトチップス中に含まれる空気などの余分な気体を極めて速やかに脱気することができる。ちなみに、従来の製造方法の場合、前述したように減圧・脱気処理に10〜15分程度の時間を要していたが、本考案によれば同じ処理を約3〜4分程度で完了することができる。また、減圧・脱気の程度を軽くしたので、減圧装置、例えば真空ポンプを小型化することも可能である。
上記のように、従来のものと同等な高品質の菓子を作ることができると同時に、従来のものに比べて製造効率に優れた、ポテトチップスにテンパリングチョコレートを染み込ませた菓子の製造装置を提供することができる。
以下、本考案の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1に、本考案に係る菓子製造装置の一実施の形態を示す。この実施の形態は、ポテトチップスにテンパリングチョコレートを染み込ませた菓子の製造例を示すものである。
図1に、本考案に係る菓子製造装置の一実施の形態を示す。この実施の形態は、ポテトチップスにテンパリングチョコレートを染み込ませた菓子の製造例を示すものである。
図において、1はポテトチップス2を供給するポテトチップス供給機、3はテンパリングチョコレートタンク、4はテンパリングチョコレートサブタンク、5は減圧室6を備えた真空浸透装置である。テンパリングチョコレートタンク3とテンパリングチョコレートサブタンク4は、温水や蒸気などを利用した加熱装置(図示せず)を備えており、この加熱装置でテンパリングチョコレートを溶かし、融液状態で収容しているとともに、テンパリングチョコレートタンク3に付設した送給ポンプ7によって融液状態のテンパリングチョコレートをテンパリングチョコレートサブタンク4へ自在に送給できるように構成されている。
真空浸透装置5は、図示を略した負圧ポンプなどによって減圧室6内の圧力を自在に制御可能とされているとともに、減圧室下部側に設けたテンパリングチョコレート供給口9から融液状のテンパリングチョコレートが減圧室6内の負圧に伴いテンパリングチョコレートサブタンク4から供給される。また、真空浸透装置5の下底部には回収ポンプ10が付設されており、ポテトチップスへのテンパリングチョコレートの浸透処理後に残った余分なテンパリングチョコレートを回収し、サブタンク4に戻すことができるように構成されている。
前記真空浸透装置5内には、遠心分離機が設置されており、ポテトチップスに付着した余分なテンパリングチョコレートを払い落とす。真空浸透装置5の後段側には、ポテトチップスに付着している余分なテンパリングチョコレートをさらに払い落とすためのシェーキング装置11が、またさらに、このシェーキング装置11の後段側には、テンパリングチョコレートを浸透させたポテトチップスを冷ますための冷却装置12が配置されている。
シェーキング装置11は、例えば、振動式コンベア13、エアブロア14などから構成されており、振動式コンベア13によってポテトチップスに振動を与えるとともに、エアブロア14から所定温度の高圧エアーを吹き付けることにより、ポテトチップスに付着している余分なテンパリングチョコレートを振り落とし、下部に設置した回収タンク15によって回収するように構成されている。回収されたテンパリングチョコレートは、回収ポンプ16によってテンパリングチョコレートサブタンク4に送られ、再利用に供される。
冷却装置12は、ポテトチップスに浸透・付着しているテンパリングチョコレートを冷却固化するためのクーリング機構であって、冷却室17と、この中を通るベルトコンベア18などで構成されている。冷却室17内には、公知の水冷あるいは空冷式の冷却機構(図示せず)が備えられ、冷却室17内を通過する間に冷却処理を完了するように構成されている。
上記装置を用いてテンパリングチョコレートを染み込ませたポテトチップスを作るには次のようにして行う。先ず、金網などで作られたポテトチップス収納用のバスケット19を用意し、このバスケット19にポテトチップス供給機1からポテトチップス2を所定個数投入し、所定間隔で並べて載置する。
そして、このポテトチップス2を入れられたバスケット19を真空浸透装置5まで運び、減圧室6の蓋を開けて減圧室6内にセットする。なお、以上の処理は、コンベアやピックアップ機構を用いて自動操作で行ってもよいし、人手で行ってもよい。
ポテトチップス2の入ったバスケット19を減圧室6内にセットした後、減圧室6の蓋を閉め、図示しない負圧ポンプを作動して減圧室6内の空気を抜いていき、減圧室6内の圧力P1を0MPa<P1≦0.1MPaの範囲に減圧する。圧力P1はポテトチップスの種類や水分含有量、気泡の占める割合によって設定する。
減圧室6内の圧力が小さくなっていくと、バスケット19に入れられたポテトチップス2の内部空隙に入り込んでいる空気が吸い出されていく。このとき、本考案では、ポテトチップスだけが減圧室6に入れられており、従来のように粘稠なテンパリングチョコレート中に埋没されていないので、ポテトチップス2の内部空隙に入り込んでいる空気は極めて速やかに脱気される。このため、減圧室6内が所定の負圧状態まで減圧される間にポテトチップスの脱気もほぼ終了し、減圧・脱気処理に要する時間を大幅に短縮することができる。
上記のようにして減圧室6の減圧とポテトチップス2の脱気が完了したら、負圧ポンプを止め、減圧室6内を該減圧状態に保つ。そして、この状態でテンパリングチョコレートサブタンク4から融液状のテンパリングチョコレートを真空浸透装置5のテンパリングチョコレート供給口9から減圧室6内に送給し、脱気状態にあるポテトチップス2を融液状のテンパリングチョコレートで埋め尽くし、ポテトチップス2をテンパリングチョコレート中に浸漬させる。
脱気状態にあるポテトチップス2を融液状のテンパリングチョコレート中に浸漬すると、融液状のテンパリングチョコレートはポテトチップス2の内部空隙に速やかに浸透していき、ポテトチップス2内にテンパリングチョコレートを均等かつ効果的に染み込ませることができる。この際、ポテトチップスは既に脱気されているので、従来のように脱気された空気が気泡となって膨張しながらテンパリングチョコレート中を浮かび上がっていき、テンパリングチョコレート表面ではじけて泡立ってしまう、というようなこともなくなる。
ポテトチップスへのテンパリングチョコレートの浸透作業が終わったら、圧力制御を止める。なお、減圧室6内に溜まっている余分なテンパリングチョコレートは回収ポンプ10によって排出し、テンパリングチョコレートサブタンク4に戻して再利用に供する。
減圧室6の蓋を開けてバスケット19を取り出し、バスケット19中からテンパリングチョコレートの染み込んだポテトチップス2を取り出してシェーキング装置11の上に載せる。なお、このバスケット19の取り出しとポテトチップス2の載置は人手で行ってもよいし、ロボット装置などによる自動処理で行ってもよい。
シェーキング装置11では、振動式コンベア13によってポテトチップス2に振動を与えながら後方に向かって搬送するとともに、エアブロア14から所定温度の高圧エアーを吹き付けることにより、ポテトチップス2に付着している余分なテンパリングチョコレートを払い落とす。なお、払い落とされたテンパリングチョコレートは下部側に配置したテンパリングチョコレート回収タンク15で回収され、回収ポンプ16によってテンパリングチョコレートサブタンク4に送り返され、再利用に供される。
余分なテンパリングチョコレートを振り落とされたポテトチップス2は、冷却装置12へ送られる。冷却装置12は、ポテトチップス2に向けて冷風を吹き付け、ポテトチップス2の内部空隙に浸透したテンパリングチョコレートやポテトチップス表面に付着しているテンパリングチョコレートを冷却固化し、後段の商品包装工程へと送り出す。以上のようにして、テンパリングチョコレートが染み込んだポテトチップスを製造することができる。
1 ポテトチップス供給機
2 ポテトチップス
3 テンパリングチョコレートタンク
4 テンパリングチョコレートサブタンク
5 真空浸透装置
6 減圧室
7 送給ポンプ
9 テンパリングチョコレート供給口
10 回収ポンプ
11 シェーキング装置
12 冷却装置
13 振動式コンベア
14 エアブロア
15 テンパリングチョコレート回収タンク
16 回収ポンプ
17 冷却室
18 ベルトコンベア
19 バスケット
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Claims (1)
- ポテトチップスにテンパリングチョコレートを染み込ませる菓子の製造装置であって、前記ポテトチップスの供給手段と、前記テンパリングチョコレートの供給手段と、圧力P1(0MPa<P1≦0.1MPa)に減圧する減圧室を有する真空浸透装置とを備え、前記真空浸透装置は、前記ポテトチップス供給手段から減圧室内に導入されたポテトチップスを圧力P1(0MPa<P1≦0.1MPa)に減圧・脱気しながら、前記真空浸透装置内にテンパリングチョコレートを供給して脱気状態にある前記ポテトチップスを前記テンパリングチョコレート中に浸漬し、前記ポテトチップスに前記テンパリングチョコレートを染み込ませて菓子を製造することを特徴とする菓子の製造装置。
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JP2010005046U JP3163985U (ja) | 2010-07-28 | 2010-07-28 | 菓子の製造装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012100601A (ja) * | 2010-11-11 | 2012-05-31 | Tanizawa Kaki Kogyo Kk | 食品の加工方法およびその加工システム |
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2010
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