JP3190123B2 - 液体のアジ測定用セル - Google Patents

液体のアジ測定用セル

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、人間の五感の一つで
ある味覚を代行できるようにしたセンサを利用して、こ
れまで人工のセンサによる測定が困難であった飲食物の
味の違いを検出し、測定できるようにする技術に関す
る。食品例えば飲食に供する飲料水、酒類などの味の違
い、味の差とでもいうべきものを検出する技術を提供す
るものであるから、飲料水や酒類の生産工場において、
その品質管理を、人手によらず機械装置によって行うこ
とができるようにする技術に関する。
【0002】
【用語の意味】味の基本要素として、塩味、甘味、苦
味、酸味、うま味があると言われていて、それぞれに程
度の大小があるものとされている。人間の感覚で評価で
きるこれらの味の違いは、あるいは、塩味なら塩味につ
いての(同種の)味の違いは、物理的に計測可能な量と
して把握できるものとし、計測可能な味または味の違い
(比較又は対比的な味)をここでは「アジ」と称するこ
ととする。
【0003】
【従来の技術】従来は、例えば特開昭62−187252号公報
にあるように複数の味覚センサの出力値から測定対象物
における各原味(基本味)成分すなわち選択された呈味
物質の濃度を算出し、各濃度値を人の味覚に合った各原
味の強さを表す値に補正することでアジを測定してい
た。しかし、前記公報にいう味覚センサとは各基本味を
呈する物質を選択的に検出する化学センサまたは物理セ
ンサであり、具体的には塩味は食塩濃度計で、酸味は水
素イオン指数計で、甘味は測定対象物の液体の屈折率を
利用した糖度計であった。これらのセンサは選択的であ
るから例えば塩味の強さを測定しようとしている食塩濃
度計は食塩の濃度の測定はできるが、塩味を呈する他の
物質の濃度は測定できず、人の味覚に合うように補正す
るといっても限界があり、正しく感覚量で示すことは不
可能であった。色に例えてこれをいえば、単一の色しか
検知しないセンサを用いてあらゆるカラーの識別結果を
得ようとするようなものであった。
【0004】本件の出願人は共同出願人と共に、さきに
「味覚センサ及びその製造方法」について特許出願をす
ませた(特願平1−190819号)。この出願の明細書及び
図面には、疎水性の部分と、親水性の部分とをもつ分子
で成る脂質性物質を、高分子のマトリックス内に定着さ
せ、その表面に脂質性分子の親水性部分が整列するよう
な構造をもつ脂質性分子膜が、アジのセンサ、すなわ
ち、人間の味覚に代わりうる味覚センサとなることを示
した。
【0005】前記脂質性分子膜の膜式図を、化学物の設
計法で使われている表現方法で表わしたものが図15で
ある。脂質性分子のうち円で示した球状部は親水基aす
なわち親水性部位aであり、それから原子配列が長く延
びる炭化水素の鎖構造b(例えばアルキル基)がある。
図ではいずれの場合も2本の鎖が延びて一つの分子を表
わしており、全体で分子群を構成している。この炭化水
素の鎖の部分は、疎水性部位bである。このような脂質
性分子群11が、膜部材12の表面のマトリックス13
(表面の構造、平面的なひろがりをもったミクロな構
造)の中に、一部はマトリックス内部に溶け込ませた形
(例えば図15の11′)で収容されている。その収容
のされ方は、親水性部位が表面に配列するようなものと
なっている。この脂質性分子膜は、例えば、高分子重合
体として、ポリ塩化ビニル(PVC)を用い、それにジ
オクチルフェニルフォスフェート(DOPP)等の可塑
剤と脂質とを概ね2:3:1の重量比で混合したものを
テトラヒドロフラン(THF)に溶解し、平底の容器に
移して、均一に加熱された板上で約30°Cに2時間保
持して、THFを揮発させ、脂質がPVCの表面マトリ
ックス内に収納されるようにして得ている。
【0006】この脂質性分子膜を用いて、マルチチャン
ネルの味覚センサとしたものが図16(a),(b) である。
本図ではマルチチャンネルのアレイ電極のうち三つの感
応部が示されている。図示の例では、基材21に 0.5mm
φの孔を貫通して、それに銀の丸棒を差し込み電極22
とした。脂質性分子膜23は緩衝層24を介して電極2
2に接触するように基材21に張りつけている。
【0007】前記マルチチャンネルの味覚センサを用い
たアジの測定系を図17に示す。呈味物質の水溶液を作
り、それを被測定溶液31とし、ビーカーのような容器
32に入れる。被測定溶液中に、前に述べたような、ア
クリル板(基材)上に脂質膜と電極とを配置して作った
味覚センサアレイ33を入れた。使用前に、塩化カリウ
ム 1m mole/l 水溶液で電極電位を安定化した。図中、
34a,……34hは各々の脂質膜を黒点で示したもの
である。測定の基準となる電位を発生する電極として基
準電極35を用意し、それを被測定溶液に入れる。味覚
センサアレイ33と基準電極35とは所定の距離を隔て
て設置する。基準電極35の表面には、緩衝層36とし
て、塩化カリウム 100mmole/l を寒天で固化したもの
で覆ってあるから、結局、電極系は銀22|塩化銀|脂
質膜23(34)|被測定溶液31|緩衝層(塩化カリ
ウム 100m mole/l )36|塩化銀|銀35という構成
となっている。
【0008】脂質膜からの電気信号は、図では8チャン
ネルの信号となり、リード線17a,……,17hによ
ってそれぞれバッファ増幅器39a,……,39hに導
かれる。バッファ増幅器39の各出力は、アナログスイ
ッチ(8チャンネル)40で選択されてA/D変換器4
1に加えられる。基準電極35からの電気信号もリード
線38を介してA/D変換器41に加えられ、膜からの
電位との差をディジタル信号に変換する。このディジタ
ル信号はマイクロコンピュータ42で適当に処理され、
またX−Yレコーダ43で表示される。この例では、8
チャンネルの味覚センサが用いられ、各チャンネルは、
人間の味覚を再現できるような多くの味覚情報を得るた
めに、それぞれ味に対して異なる応答特性を持つ表1に
示すような脂質性分子膜で構成されている。
【0009】
【表1】
【0010】また、本件の出願人は共同出願人と共に、
「味覚センサおよびその製造方法」(特願平3−020450
号)及び「センサ」(特願平3−122636号)の特許出願
も済ませた。これらの出願の明細書及び図面で先の出願
(特願平1−190819号)よりさらに人の味覚器官に近い
分子膜を示した。前記「味覚センサおよびその製造方
法」(特願平3−020450号)では、この分子膜の材料と
して親水基と疎水基とを有する両親媒性物質(脂質も含
まれる)と呼ばれるものあるいはアルカロイド等の苦味
物質を利用可能な分子膜の構造を示した。この構造は、
図18に示すように基板51に設けられたベース膜52
に両親媒性分子群53あるいは苦味物質の分子群53が
円で示される親水性の部位を外に向けて整列し、単分子
膜を構成している。そして、「センサ」(特願平3−12
2636号)では、基板電極に疎水基等を直に化学結合した
構成を示し、耐久性の向上した、蔗糖等の非電解質に対
する感度の向上したセンサを示した。
【0011】これらの明細書にいう味覚センサは正に味
覚センサであって、人の味覚器官である舌に近い物理化
学的性質を持ち、呈味物質が異なっても同様な味であれ
ば同様な出力が得られるし、異なる味に対してもなんら
かの出力が得られる。色に例えてこれをいえば、カラー
で検出できるセンサである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前項で述べたように、
測定に用いる味覚センサをそれぞれアジに対する応答特
性の異なる苦味物質または両親媒性物質で構成したマル
チチャンネルの味覚センサとすると、アジに対する情報
量が増え、より人間の味覚に近いアジの測定が行える。
【0013】しかし、このマルチチャンネルの味覚セン
サを被測定溶液に漬けると、味覚センサ用膜の苦味物質
または両親媒性物質はその一部が被測定溶液中に溶け出
し、該溶け出した苦味物質または両親媒性物質が別のチ
ャンネルの味覚センサ用膜に結合したり吸着したりし
て、該別のチャンネルの味覚センサ用膜の特性を変化さ
せてしまい測定誤差が増えるという問題がある。また、
基準電極の内部溶液は被測定溶液よりも濃度の高い電解
質(例えば、塩化カリウムKCl3.3 m mole/l )を含
んでいるので、該電解質が被測定溶液中に拡散し、アジ
が変化してしまうという問題もある。
【0014】この発明の目的は、前述の問題を解決し、
被測定溶液中に溶け出す味覚センサ素材を構成する苦味
物質または両親媒性物質によって別のチャンネルの味覚
センサ用膜の特性が変化してしまうようなことのない液
体のアジ測定用セルを提供することである。また、基準
電極の内部溶液の溶質が被測定溶液中に拡散し、被測定
溶液のアジが変化してしまうようなことのない液体のア
ジ測定用セルを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明の液体のアジ測定用セルは、基準電極が浸
漬される被測定溶液と味覚センサが浸漬される被測定溶
液とを、不溶性の隔壁を用いて隔離することとした。隔
壁は容器であってもよい。但し、アジを測定するために
は両被測定溶液はの電位を等しくする必要があるため、
不溶性の隔壁に両被測定溶液が接続されるような通路を
設けた。そして、その通路は、隔離する目的に適うよう
に、基準電極の内部溶液の溶質が味覚センサが浸漬され
る被測定溶液中に拡散し難いような通路とした。
【0016】また、味覚センサが浸漬される被測定溶液
と他の味覚センサが浸漬される被測定溶液とを、不溶性
の隔壁を用いて隔離することとした。但し、前述のよう
に、アジを測定するためには基準電極が浸漬される被測
定溶液と味覚センサが浸漬される被測定溶液との電位を
等しくする必要があるため、不溶性の隔壁に両被測定溶
液が接続されるような通路を設けた。そして、その通路
は、隔離する目的に適うように、基準電極の内部溶液の
溶質が味覚センサが浸漬される被測定溶液中に拡散し難
いような通路とするか、味覚センサの味覚センサ用膜か
ら被測定溶液中に溶け出した味覚センサ素材を構成する
物質すなわち苦味物質または両親媒性物質が他の味覚セ
ンサが浸漬されている被測定溶液中に拡散し難いような
通路とするか、または、基準電極の内部溶液の溶質が味
覚センサが浸漬される被測定溶液中に拡散し難く、か
つ、味覚センサの味覚センサ用膜から被測定溶液中に溶
け出した苦味物質または両親媒性物質が他の味覚センサ
が浸漬されている被測定溶液中に拡散し難いような通路
とした。ここでいう拡散し難いような通路とは、通路自
体が狭いために拡散し難くなっている通路と、通路が拡
散し難い位置に設けられているために拡散し難くなって
いる通路とを含む。
【0017】
【作用】この発明の液体のアジ測定用セルを用いて液体
のアジを測定するときは、絶縁物隔壁で隔離された各空
間に被測定溶液をいれる。そして、各空間に収容された
被測定溶液に基準電極または味覚センサを浸漬する。基
準電極が浸漬された被測定溶液と味覚センサが浸漬され
た被測定溶液とは隔壁に設けられた通路によって接続さ
れる。しかし、基準電極の内部溶液の溶質または味覚セ
ンサの味覚センサ用膜から被測定溶液中に溶け出した苦
味物質もしくは両親媒性物質は前記隔壁によって、その
拡散が阻まれ、前記通路を通じての拡散も制限される。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1はこの発明の第1の実施例を示す概略構成図
である。縦140mm,横90mm,高さ50mm,肉
厚3mmのガラス容器1に被測定溶液6を収容し、その
中に、基準電極3と被測定溶液6とを内部に収容した内
径21mm,高さ30mm,肉厚1.5mmの小ガラス
容器2(隔壁に相当する)と味覚センサ4を浸漬した。
前記小ガラス容器2の側面には内径0.5mmの小孔5
が設けられており、内部と外部の被測定溶液6,6はこ
の小孔5を介してつながっている。基準電極3と味覚セ
ンサ4はリード線等によって図示しない測定回路に接続
される。味覚センサ4の味覚センサ用膜に、代表的な例
として、脂質性分子膜(オレイン酸)を用い、被測定溶
液6を1m mole/l の塩化カリウム(KCl)として、
24時間測定したときの味覚センサの出力電圧の経時変
化を図12中に実線で示す。
【0019】図4は従来のアジ測定用セルを示す概略構
成図であり、第1の実施例の小ガラス容器2のように基
準電極3が浸漬される被測定溶液6と味覚センサ4が浸
漬される被測定溶液6とを隔離するものを含んでいな
い。そのことを除いては第1の実施例と同じである。こ
の従来のアジ測定用セルを用いて、第1の実施例のとき
と同じく、1m mole/l のKCl溶液を24時間測定し
た。味覚センサ用膜は脂質性分子膜(オレイン酸)であ
る。このときの味覚センサの出力電圧の初期電位を基準
にした経時変化を図12中に破線で示す。
【0020】図12から分かるように、基準電極とオレ
イン酸を含む脂質性分子膜の味覚センサを隔離されてい
ない被測定溶液に浸すと基準電極の内部溶液に含まれる
カリウムイオンや塩化物イオンが被測定溶液内に流出
し、長時間にわたって測定を行った場合出力電位はドリ
フトする。しかし、この発明のアジ測定用セルを用いて
測定すると出力電位は一定で、アジ測定用セルが基準電
極の内部溶液に含まれているイオンなどの流出による影
響を防いでいることがわかる。前記第1の実施例では小
ガラス容器2内に基準電極3を収容したが、図2に示す
ように、味覚センサ4を収容するようにしてもよい。
【0021】図3は第2の実施例を示す概略構成図であ
る。内径0.5mmの小孔5が設けられている肉厚1.
5mmのガラス板2で内部が二つの空間に仕切られた縦
140mm,横90mm,高さ50mm,肉厚3mmの
ガラス容器1に被測定溶液6を収容し、二つの空間の被
測定溶液6,6それぞれに、基準電極3または味覚セン
サ4を浸漬している。
【0022】図4は第3の実施例を示す概略構成図であ
る。縦140mm,横90mm,高さ50mm,肉厚3
mmのガラス容器1に被測定溶液6を収容し、その中
に、基準電極3もしくは味覚センサ4ならびに被測定溶
液6を内部に収容した内径21mm,高さ30mm,肉
厚1.5mmの小ガラス容器2,2,2,2を浸漬し
た。前記各小ガラス容器2,2,2,2の側面には内径
0.5mmの小孔5が設けられており、内部と外部の被
測定溶液6,6はこの小孔5を介してつながっている。
この実施例では味覚センサの数は4チャンネル(ch)
である。
【0023】ch1の味覚センサ用膜にコレステロール
を含んだ脂質性分子膜、ch2の味覚センサ用膜にオレ
イン酸を含んだ脂質性分子膜、ch3の味覚センサ用膜
にジステアリルジメチルアンモニウムブロマイドを含ん
だ脂質性分子膜、ch4の味覚センサ用膜にオレイルア
ミンを含んだ脂質性分子膜を用いて被測定溶液(塩化ナ
トリウム100m mole/l )に対する各味覚センサの感
度の経時変化を図13に示す。基準溶液は塩化カリウム
1m mole/l であり、基準溶液を測定したときの電位を
それぞれ0とする。測定をしていないときは、この実施
例と同じアジ測定用セルで各味覚センサを隔離した。保
存液は基準溶液と同じく塩化カリウム1m mole/l であ
る。
【0024】図14は図11のアジ測定用セルを用いて
被測定溶液(塩化ナトリウム100m mole/l )に対す
る各味覚センサの感度の経時変化を調べた結果を示す。
第3の実施例と図11のアジ測定用セルとの違いは小ガ
ラス容器2,2,2,2が有るか無いかである。基準電
極3は、内部溶液の溶質による測定値への影響を除くた
めに小ガラス容器2に入れた。
【0025】図14に示したように、ch1(コレステ
ロール)とch2(オレイン酸)は時間の経過と共に、
それぞれ出力電圧が低下し、0V方向にシフトした。反
対に、ch3(ジステアリルジメチルアンモニウムブロ
マイド)とch4(オレイルアミン)は時間の経過と共
に、それぞれ出力電圧が上昇し、0V方向にシフトし
た。これは、各々の脂質が溶液中に流出し、お互いの脂
質性分子膜に結合したり吸着したりして特性を変化させ
ているためである。一方、図13に示したように、本発
明のアジ測定用セルを用いた場合には、ch1乃至ch
4の塩味に対する感度には変化はなく、脂質性分子膜の
特性の変化はない。
【0026】前記第3の実施例では基準電極3も小ガラ
ス容器2内に入れたが、各味覚センサ4が小ガラス容器
2内に入っていれば、図5に示すように、入れなくても
よい。その場合、小孔5は脂質等味覚センサを構成する
物質だけでなく、基準電極の内部溶液の溶質も拡散し難
いものにする。また、被測定溶液中に溶け出した味覚セ
ンサを構成する物質がお互いに相手の特性に影響を及ぼ
さない味覚センサ同士は、図7に示すように、まとめて
同じ小ガラス容器2内に入れてもよい。例えば、被測定
溶液中で脂質性分子膜が正に帯電する複数の味覚センサ
4,4と負に帯電する複数の味覚センサ4,4をそれぞ
れ別の小ガラス容器2,2に入れるようにしてもよい。
【0027】図6は第4の実施例を示す概略構成図であ
る。肉厚1.5mmのガラス板6で内部が五つの空間に
仕切られた縦140mm,横90mm,高さ50mm,
肉厚3mmのガラス容器1に被測定溶液6を収容し、他
の四つの空間ととなりあっている第一の空間の被測定溶
液6に基準電極3を、他の四つの空間の被測定溶液6そ
れぞれにch1乃至ch4の味覚センサ4a,4b,4
c,4dを浸漬している。他の四つの空間と第一の空間
とを仕切っているガラス板2には四つの空間に対応して
それぞれ内径0.5mmの小孔5が設けられている。
【0028】第3、第4の実施例でマルチチャンネルの
アジ測定用セルを示したが、第1の実施例のアジ測定用
セルを複数用いてマルチチャンネルのアジ測定用セルと
することもできる。3チャンネルの場合を図8に示す。
【0029】第1乃至第4の実施例では通路5を内径
0.5mmの小孔5としたが、被測定溶液中に溶出した
味覚センサを構成する物質や基準電極の内部溶液の溶質
等が隔壁2の外部に拡散し難ければよく、例えば、繊維
などが絡み合った結果生じた隙間も通路の一種である。
また、味覚センサ用膜に用いる脂質の中には被測定溶液
より軽いものもあり、その場合は図9のように、隔壁2
の下部に広い通路5を設けてもよい。測定系の安定のた
めには、むしろ、通路5は広いほうがよい。また、あま
り狭いと目詰まりして測定が不能となることもある。そ
して、隔壁2についても、それ自体が被測定溶液に対し
て不溶性であればよく膜などでもよい。また、容器1と
隔壁2は不溶性のものであればよいが、被測定物が液体
であるので、絶縁物であった方が扱い易い。
【0030】
【発明の効果】この発明の液体のアジ測定用セルは、ア
ジを測定する液体は電気伝導という観点からは接続して
いるが、味覚センサ素材を構成する物質が通り難いよう
な通路を備えた隔壁でアジを測定する液体を複数の空間
に仕切り、仕切られた空間の一つに基準電極を、別な空
間に味覚センサを置くこととしたから、これによって、
味覚センサを構成する素材の流出、例えば、脂質性分子
膜からの脂質の流出による出力の変動及び基準電極内部
溶液の流出による出力の変動を防ぐことができた。その
ことにより、従来はあった測定誤差の増加や情報量の減
少という問題が解決できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す概略構成図。
【図2】この発明の一実施例を示す概略構成図。
【図3】この発明の第2の実施例を示す概略構成図。
【図4】この発明の第3の実施例を示す概略構成図。
【図5】この発明の一実施例を示す概略構成図。
【図6】この発明の第4の実施例を示す概略構成図。
【図7】この発明の一実施例を示す概略構成図。
【図8】この発明の一実施例を示す概略構成図。
【図9】この発明の一実施例を示す概略構成図。
【図10】従来のアジ測定用セルを示す概略構成図。
【図11】従来との比較実験のためのアジ測定用セルを
示す概略構成図。
【図12】基準電極の内部溶液の溶質の影響による味覚
センサの出力電圧の経時変化を示す図。
【図13】この発明のアジ測定用セルを用いた場合の味
覚センサの塩味に対する感度の経時変化を示す図。
【図14】従来との比較実験のためのアジ測定用セルを
用いた場合の味覚センサの塩味に対する感度の経時変化
を示す図。
【図15】脂質膜を化学物の設計法で使われている表現
方法で表した模式図。
【図16】味覚センサの模式図であり、(a)は正面
図、(b)は断面図。
【図17】アジの測定系を示す図。
【図18】単分子膜を化学物の設計法で使われている表
現方法で表した模式図。
【符号の説明】
1 容器 2 隔壁(小ガラス容器、ガラス板) 3 基準電極 4 味覚センサ 5 通路 6 被測定溶液 11 脂質性分子群 11’脂質性分子群 12 膜部材 13 マトリックス 21 基材 22 電極 23 脂質膜 24 緩衝層 25 リード線 26 半田付け 31 被測定溶液 32 容器 33 味覚センサアレイ 34 各々の脂質膜(黒点で示す) 35 参照電極 36 緩衝層 37 リード線 38 リード線 39 バッファ増幅器 40 アナログスイッチ 41 A/D変換器 42 マイクロコンピュータ 43 X−Yレコーダ 44 接地電位 51 基板 52 ベース膜 53 両親媒性分子群または苦味物質の分子群 54 両親媒性分子または苦味物質の分子
フロントページの続き (72)発明者 内藤 悦伸 東京都港区南麻布五丁目10番27号 アン リツ株式会社内 (72)発明者 池崎 秀和 東京都港区南麻布五丁目10番27号 アン リツ株式会社内 審査官 郡山 順 (56)参考文献 特開 平3−54446(JP,A) 特開 昭62−187252(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/416 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不溶性の容器(1)と、該容器をアジを
    測定する液体を収容する複数の空間に分割する不溶性の
    隔壁(2)と、分割された第一の空間に収容された基準
    電極(3)と、分割された第二の空間に収容された味覚
    センサ(4)とを備え、前記隔壁には前記複数の空間の
    各々に収容されたアジを測定する液体と他の空間に収容
    されたアジを測定する液体とが接続される通路(5)が
    設けられており、該通路は味覚センサを構成する物質の
    拡散に対する抵抗または前記基準電極の内部溶液の溶質
    の拡散に対する抵抗有していることを特徴とする液体の
    アジ測定用セル。
JP19494892A 1992-06-29 1992-06-29 液体のアジ測定用セル Expired - Fee Related JP3190123B2 (ja)

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