JP3189475U - 自転車用ヘルメット - Google Patents
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Abstract
Description
自転車用ヘルメットは、不良な転倒などから頭部を保護する目的で着用することに加え、長距離を走行するサイクリング愛好家などでは走行中の空気抵抗(走行風)をできる限り減らして持久力の継続を図るなどの目的で、着用率は高い。そのため、自転車用ヘルメットの外殻(帽体)は、衝撃などから頭部を保護する強度に加え、空気抵抗を減らすために前後に長い流線型に形成されている。
バイザーは、基本的に上方からの日差しや雨などから着用者の目を保護するものであり、走行中に正面から受ける風やその他から着用者の顔面を保護することができない。つまり、競技用は除き、一般的に知られている大部分の自転車用ヘルメットは、バイクなどのヘルメットのように、正面から受ける風やその他から顔面を保護するためのシールドを備えていない。
すなわち、特許文献1に記載のものは、外殻の内側に頭部パット(衝撃吸収材)を取り付けるために当該内側に備えられているパット止着面ファスナに、シールド側の面ファスナを係着させることで、シールドを外殻に取り付け、また、シールドが外殻の内側と頭部パット(着用者の頭部)との間に挟み込んだ状態で保持されて着用者の顔面を保護するようにしている。
前記外殻と前記バイザーとの間に隙間を確保し、前記外殻の左右両側外面または前記バイザーの左右両側内面にシールドの左右両側部を回動可能に支持させて、当該回動支持部を支点にシールドを使用位置から押上げ回動させて不使用位置の前記隙間内に収容保管し得るように構成してなることを特徴とする。
また、前記シールドを使用位置と、前記隙間に収容保管される不使用位置において係脱可能に保持するシールド保持部を前記バイザー側にそれぞれ備えてなり、前記シールドの使用位置における前記シールド保持部は、当該シールドの前記回動支持部を支点とする回動円周線上において、前記シールドの左右両側部の端部円周縁が当接係止されるように前記バイザーの左右両側内面に一段凹ませた段状に形成され、前記シールドの不使用位置における前記シールド保持部は、前記回動支持部を支点とする回動円周線上において、前記シールドの上辺縁部が挟み込み係止されるように前記バイザーの後端縁側に内向きの凸状に形成されている構成を採用することが好適なものとなる。
また、シールドの左右両側部をバイザーの左右両側内面に軸部材より回動可能に取り付け支持されるとき、シールドは平板展開状態から湾曲状に曲げられる。これにより、弾性を有する材料からなるシールドは、湾曲外向きに作用する弾性力(反発力)によってバイザーの左右両側内面などに対して圧接される。つまり、着用者の顔面を保護する使用位置と、外殻とバイザーとの間の隙間に収容保管される不使用位置において、シールドは弾性力(反発力)によって不動に保持される。
図1は、本考案の実施形態に係る自転車用ヘルメットの側面図であり、図2は、シールドの使用状態において、外殻を省略して示す拡大斜視図であり、図3は、外殻を省略して示す要部の縦断側面図であり、シールドの使用状態および不使用状態を示す、図4は、分解斜視図である。
自転車用ヘルメット(以後、単に「ヘルメット」と称する)Aは、図1および図4に示すように、外殻(帽体)1と、この外殻1の前端(前額部)側に取り付けられるバイザー2とを備えている。そして、ヘルメットAは、外殻1とバイザーとの間に隙間3を確保するとともにバイザー2の左右両側内面に左右両側部を上下回動可能に取り付け支持させたシールド4を備えている。
外殻1は、ポリカーボネイト樹脂や塩化ビニール樹脂或いはABS樹脂などから、図1および図4に示すように、前後方向に流線型を呈する周知の形態に形成されている。すなわち、走行中の空気抵抗を減らすように前後に長い流線型に形成されている。そして、外殻1は、図1および図4、後記する図6および図7に示すように、湿気を逃がすための多数の通気孔5を有し、さらに内側に頭部パット(発泡ポリスチレンなどの衝撃吸収材)6を備えてなる周知の構造形態に形成されている。
また、図示を省略しているが、外殻1は、着用時に着用者の顎下に掛けてバックルなどにより着脱可能に連結するストラップを備えている。
ここでは、図3を適宜参照しながら説明する。
バイザー2は、周知のように、上方からの日光や雨などが着用者の目および顔面に当たるのを遮蔽する日除け部分になる。このバイザー2は、外殻1の前端側(前額部)における当該前端縁の前方位置から外殻1の後方に向けた殻外表面を所定の範囲にて覆う前後に所定幅で、外殻1の前端縁から左右両側部に向けた長さ(大きさ)を有する平面視形状に形成されている。
そして、バイザー2は、図3に示すように、外殻1の前端側の殻外表面との間に、シールド4の不使用時に当該シールド4を収容保管するための隙間3を確保するように、外殻1の前端側殻外表面から離れる方向に全体を上方に膨出させた形状に形成されているとともに、外殻1の左右両側外面に取り付ける取付け部7を左右両側後方に向けて備えた形態を成している。
隙間3は、外殻1の前端側の殻外表面との間に適宜の間隔をおいて当該殻外表面を覆うように取り付けられるバイザー2の裏面側に、図3の(a)および後記の図7に示すように、シールド4のほぼ全体(短辺方向全体)が収容保管される奥行きのある深さにて外殻1の前端縁からその後方に向けて形成される。これにより、シールド4の不使用時において、シールド4をバイザー2から前方に飛び出さないように隙間3内に収容保管されるようにしている。
図5は、シールドを平板展開状態で示す正面図および湾曲状に曲げた状態を示す斜視図であり、図6および図7は、同シールドが取り付けられた本考案の実施形態に係る自転車用ヘルメットの縦断側面図である。
シールド4は、透明で適度の弾性を有する合成樹脂材料やその他の材料などから、例えば、着用者の鼻元から顔面の上半部側を覆う程度の幅(不使用時には隙間3内にほぼ完全に収容保管される程度の幅)で、左右両側部が外殻1の左右両側外面に至る長さを有する形態の平板状に形成されている。そして、図4および図5に示すように、シールド4の左右両側部にはバイザー2の左右両側の軸挿通孔12に軸部材11にて上下回動可能に支持させる軸挿通孔13を備えている。
これにより、シールド4は、軸部材11による回動支持部Pを支点として、図6に示す着用者の顔面を覆う使用位置(全閉位置)と、図7に示す外殻1とバイザー2との間の隙間3、不使用位置(全開位置)との間を上下回動するようにバイザー2の両側取付け部7に取り付けられる。このとき、シールド4は、外殻1の前端縁に沿う平面視で略湾曲状に曲げられた状態から展開状態に戻ろうとする外向きに作用する弾性力(反発力)によるバイザー2の左右両側内面などへの圧接によって使用位置と不使用位置において不動に保持される。
ここでは、図2および図3を適宜参照しながら説明する。
シールド保持部15は、回動支持部Pを支点としてシールド4が不使用位置の隙間3から使用位置に回動されてきたとき、当該使用位置にシールド4を受け止め、そして、同使用位置よりシールド4が下方へと不用意に回動しないように保持する役目を成す。
このシールド保持部15は、シールド4が上下回動する際の回動支持部Pを支点とする回動円周線上に位置して、図2および図3に示すように、バイザー2の左右両側の取付け部7内面において一段凹ませた形状にて形成されている。これにより、シールド4を不使用位置から回動支持部Pを支点に使用位置へと回動させたとき、図3の(a)に示すように、シールド4の左右両側における端部円周縁の平坦縁部17がシールド保持部15に弾性的に当接係止され、シールド4が使用位置からさらに下方へ回動しない(下がらない)ように不動に保持されるようにしている。
このシールド保持部16は、回動支持部Pを支点とするシールド4の回動円周線上において、図3の(a)および(b)に示すように、バイザー2の後端縁側に内向きの凸状に形成されている。これにより、シールド4を使用位置から回動支持部Pを支点に不使用位置の隙間3へと押し上げ回動させたとき、図3の(b)に示すように、シールド4の上辺縁部側がシールド保持部16によって挟み込み係止され、シールド4が隙間3内保管状態から不用意に飛び出さないように不動に保持されるようにしている。
これにより、走行中にシールド4の下辺縁部などが着用者の顔面に当るなどの不具合、そして、隙間3に収容保管しておいたシールド4が突然、顔面前へ下がってくるなどの不具合を引き起こすことはない。つまり、着用者に不愉快感を与えることなく、快適に着用して頂くことができる実用性と利便性に優れたシールド回動開閉式のヘルメットAを提供することができる。
例えば、前記した実施形態では、着用者の鼻元から顔面の上半部側を覆う形態にてシールドが形成されているが、顔面の全体を覆う形態にシールドを形成することもできる。このような形態からなるシールドの場合でも、本実施形態に係る取付け構造を採用することで、顔面を覆う使用位置から外殻とバイザーとの隙間に押し上げ収容させるシールドの上下回動を可能とすることができる。この場合、シールドの一部(下半部側)は隙間に収容されず、バイザーより露出状態とはなるが、バイザーに対する回動支持部を支点とするシールドの使用位置(全閉位置)と不使用位置(全開位置)へのシールドの上下回動操作は可能となる。
1 外殻(帽体)
2 バイザー
3 隙間
4 シールド
11 軸部材
15,16 シールド保持部
P 回動支持部
Claims (3)
- 外殻の前端側にバイザーを備えている自転車用ヘルメットであって、
前記外殻と前記バイザーとの間に隙間を確保し、
前記外殻の左右両側外面または前記バイザーの左右両側内面にシールドの左右両側部を上下回動可能に取り付け支持させて、当該回動支持部を支点に前記シールドを前記隙間に押し上げ収容し得るように構成してなることを特徴とする自転車用ヘルメット。 - 前記シールドは、適度の弾性を有する素材により平板展開状に形成されて、その左右両側部を前記バイザーの左右両側内面に軸部材により上下回動可能に取り付け支持させるとき、平面視で湾曲状に曲げられることを特徴とする請求項1に記載された自転車用ヘルメット。
- 前記シールドを使用位置と、前記隙間に収容保管される不使用位置において係脱可能に保持するシールド保持部を前記バイザー側にそれぞれ備えてなり、
前記シールドの使用位置における前記シールド保持部は、当該シールドの前記回動支持部を支点とする回動円周線上において、前記シールドの左右両側部の端部円周縁が当接係止されるように前記バイザーの左右両側内面に一段凹ませた段状に形成され、
前記シールドの不使用位置における前記シールド保持部は、前記回動支持部を支点とする回動円周線上において、前記シールドの上辺縁部が挟み込み係止されるように前記バイザーの後端縁側に内向きの凸状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載された自転車用ヘルメット。
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