JP3189285U7 - - Google Patents
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Description
本考案は、超硬合金製のノズルの構造に関する。
従来から広く知られている炭化タングステンとコバルトを混合して焼結した代表的な超硬合金は、耐摩耗性が大きい点に鑑み、切削工具や金型などに使用されている。また、耐摩耗性がきわめて大きい点に着目して高圧流体の噴射用ノズルにも用いられることもある。
超硬合金を使用した噴射用ノズルにおいては、図3、図4に例示するように、当該ノズルCN1の流路が、例えば略L状や略J状等に曲がっている場合、その流路を通し穴(貫通穴)として切削加工することは極めて困難であるため、当該ノズルCN1の流路の曲がり角などの中途で横断方向に沿って切断した形の材料に(被加工材)に穴加工を施し、前記切断による切断面Fcをろう付けで接合することが検討されている。
しかし、上記のろう付けによる接合面は、ノズルCN1の流路(流体の流れる方向)に対して横断方向であるから、その流路を高速で通過する流体により接合面が剥離される向きの力を受ける結果、ノズルがその接合面からが分離してしまうようなトラブルが生じるおそれがある。
上記のような流体の流れに対して横断する方向で超硬合金によるノズル構成部材を切断分割して流路の穴加工を施し、前記分割面をろう付けにより接合した構成の超硬合金製の噴射ノズルに関する先行技術文献は、特許文献において見出すことはできないが、一般的なノズルを流体の流れに対し横断方向において接合形態としたものは、特許文献1や2などによっても知られている。
そこで本考案では、超硬合金により製造される流体噴射用のノズルにおいて、ノズルを形成する被加工材の接合面が、噴射される流体による力によりその接合面が剥離される方向の力を受けることがないように形成した超硬合金製のノズルを提供することを、課題とする。
上記課題を解決することを目的としてなされた本考案ノズルの構成は、超硬合金を被加工材として製造される流体噴射用のノズルにおいて、前記被加工材を、形成されるノズル流路に沿った向きで分割して分割ピースに形成し、当該分割ピースの対向する分割面に、少なくとも略L状等の曲がり部を含むノズル流路を対称に形成すると共に該流路の口径を流路上で変化させて形成し、かつ、ノズル流路形成した分割面をろう付けにより接合したことを特徴とするものである。
本考案超硬合金ノズルは、超硬合金の被加工材を、形成するノズル流路に沿った向きで分割して分割ピースに形成し、当該分割ピースの分割面に、少なくとも略L状等の曲がり部を含むノズル流路を対称な形の溝に形成すると共に、ノズル流路を形成した当該分割面をろう付けにより接合したものであるから、従来考えられていた超硬合金ノズルのように、その接合面が噴射される流体による引張り方向の力を受けて接合面のろう付けが剥がれるといった事態は生じにくくなる。
また、本考案では、流体の流れに沿った向きに形成される分割面に、ノズル流路となる平面パターンの、略L状や略J状等の異形の溝を切削加工することにより、ノズルに曲がり流路を形成することができるから、超硬合金であっても容易に加工することができる。
この結果、従来技術では、加工が困難な穴切削によりノズル流路を形成していたいため、加工コストがすこぶる高いものに付いていたが、本考案は溝切削でよいから穴切削のように高い加工コストになることはない。
この結果、従来技術では、加工が困難な穴切削によりノズル流路を形成していたいため、加工コストがすこぶる高いものに付いていたが、本考案は溝切削でよいから穴切削のように高い加工コストになることはない。
次に、本考案ノズルの実施の形態例について図を参照して説明する。
まず、図3、図4に例示した従来公知の超硬合金ノズルCN1は、全体が側面から見て大略L字状をなしているので、図における垂直向きの流体入口Inと水平向きの流体噴出口Otが、中間部に略45度の曲がり部Cuを介して形成されている。
まず、図3、図4に例示した従来公知の超硬合金ノズルCN1は、全体が側面から見て大略L字状をなしているので、図における垂直向きの流体入口Inと水平向きの流体噴出口Otが、中間部に略45度の曲がり部Cuを介して形成されている。
一般に超硬合金による一つの被加工材ブロックBLに、向き(角度)が異なる穴を一つの工具で加工することはできない。このため、従来技術では、前記にブロックBLを、一例として曲がり部Cuと噴射口Otの境界Boでカット(切断面Fc)し、カットして生じた2つのブロックBL1とBL2に、ブロックBL1には流体入口Inと曲がり部Cuの穴加工と、ブロックBL2には噴射口Otの穴加工を施し、この加工後に前記境界Boの切断面Fcをろう付けにより接合して、超硬合金ノズルCN1を形成していた。
しかし、一本の流路In−Cu−Otに対し直交する向きでろう付け面(切断面Fc)が存在すると、超高圧高速で流れる流体による力が前記切断面Fcに引張り方向で作用するため、使用時に前記ろう付けが剥がれてしまうおそれがあることは、先にも述べた通りである。また、超硬合金の穴あけ加工は極めて高い加工コストになることが知られている。
超高圧高速の流体が噴射されているノズルが、図3、図4の従来ノズルCN1のように、接合部(切断面Fc)が剥離して前後方向で分断されてしまうことがあると、このノズルCN1を使用した工事がストップするのみならず、安全性の面からも至って好ましくないことは一目瞭然である。また、加工コストが嵩む穴あけ加工を必須とすることも不利な点である。
そこで本考案では、図3、図4に例示した従来ノズルCN1とほぼ同形状のノズルCN2を、図1、図2に例示した形態の接合構造とすることにより、従来ノズルCN1の問題点を回避できるようにした。以下、この点について説明する。
本記考案では、超硬合金によるノズルCN2に加工すべき被加工材BLを、まず当該ブロックに形成すべき流路、すなわち垂直向きの入口In、中間の曲がり部Cu、水平向きの噴出口Otによる平面視略L状のノズル流路に沿った方向(平行な方向)であって、当該ブロックBLを厚さ方向で2分する形態に分割して、図2に示す2つの分割ピースDp1とDp2を形成する。
図2の分割ピースDp1Dp2において、In1、Cu1、Ot1は、分割ピースDp1に溝加工により形成された流体入口、曲がり部、噴出口の分割部位であり、また、In2、Cu2、Ot2は分割ピースDp2に溝加工で形成された前記分割ピースDp1の溝と対称な流体入口、曲がり部、噴出口の分割部位である。このように本考案では、ノズルの異形流路を、穴加工ではなく容易かつ低コストで加工できる溝加工により形成するようにした。
本考案では、図2の分割ピースDp1とDp2において、夫々の分割面Df1とDf2を対面させて合着するようにろう付けをすると、ノズルCN2が図1(ノズルCN2の平面図)に例示する形態に形成される。なお、前記分割面Df1,Df2はフラット面であったが、本考案では、分割面をフラットにせず段付き面や波型面に形成して、当該分割面をろう付け等によって接合することができる。本考案の異形流路のパターン例は上記の略L状、略J状のほか略∫状や略S状等がある。また接合面はフラット以外の波型や段付き面等に形成すると接合強度を高めることができる。さらに、接合手段もろう付け以外のTIG溶接など請求項に記載した適宜溶接法や摩擦圧接、拡散接合等の接合手段を適用することができる。
このように、超硬合金製のノズルCN2を形成するに当り、超硬合金による被加工材BLを、その被加工材BLによるノズルCN2に形成される異形流路(入口In、曲がり部Cu、噴出口Ot)に沿った方向で分割して2つの分割ピースDP1,DP2を形成し、この2ピースの分割面に対称形態で前記流路パターンの溝加工を施し、このようにして溝加工を施した分割ピースの分割面をろう付け等により接合合着して超硬合金ノズルに形成したから、本考案超硬合金ノズルは、従来の超硬合金ノズルのように、ノズル流路を流れる高圧、高速流体の力が接合面に引張り方向で作用する接合面が存在しない。また、本考案ノズルでは従来の超硬合金ノズルにおける流れの横断方向での接合に比べ接合面積もかなり大きくなるから接合タイプのノズルであっても強固な接合一体化を実現できる。
したがって、従来の超硬合金ノズルのように接合面が剥がれるようなトラブルがないことは勿論、流路形態に複雑形状の曲がり部があるようなノズル流路であっても、超硬合金の被加工材に複雑形状の流路を、流路の穴加工に比べ著しく低コストで容易に加工することができるという、従来考えられた超硬合金製ノズルでは達成できない効果が得られる。
BL ノズル被加工材(超硬合金)
In ノズル流路の入口
Cu ノズル流路の曲がり部
Ot ノズル流路の噴出口
Dp1、Dp2 被加工材BLの分割ピース
Df1,Df2 分割ピースDp1,Dp2の接合面
In ノズル流路の入口
Cu ノズル流路の曲がり部
Ot ノズル流路の噴出口
Dp1、Dp2 被加工材BLの分割ピース
Df1,Df2 分割ピースDp1,Dp2の接合面
Claims (3)
- 超硬合金を被加工材として製造される流体噴射用のノズルにおいて、前記被加工材を、形成するノズル流路に沿った向きで分割して分割ピースに形成し、当該分割ピースの分割面に少なくとも略L状等の曲がり部を含むノズル流路を対称に形成すると共に該流路の口径を流路上で変化させて形成し、かつ、前記流路を形成した分割面をろう付けにより接合したことを特徴とする超硬合金ノズル。
- 分割面は、段付き面か波形面に形成した請求項1に記載の超硬合金ノズル
- ろう付けに代えて、TIG溶接,MIG溶接,電子ビーム溶接,抵抗溶接,摩擦圧接,拡散接合の中のいずれかで接合した請求項1又は2に記載の超硬合金ノズル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013007142U JP3189285U (ja) | 2013-12-17 | 2013-12-17 | 超硬合金ノズル |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013007142U JP3189285U (ja) | 2013-12-17 | 2013-12-17 | 超硬合金ノズル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3189285U JP3189285U (ja) | 2014-03-06 |
JP3189285U7 true JP3189285U7 (ja) | 2014-12-25 |
Family
ID=78225086
Family Applications (1)
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JP2013007142U Expired - Lifetime JP3189285U (ja) | 2013-12-17 | 2013-12-17 | 超硬合金ノズル |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3189285U (ja) |
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2013
- 2013-12-17 JP JP2013007142U patent/JP3189285U/ja not_active Expired - Lifetime
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