JP3188256B2 - バスケット及びキャスク - Google Patents
バスケット及びキャスクInfo
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Description
輸送または貯蔵する際に容器として使用されるキャスク
に係り、特に、中性子吸収能に優れた材料で製造された
使用済み核燃料集合体を収容するバスケット、及びその
バスケットを備えたキャスクに関する。
体、いわゆる使用済み核燃料集合体は、原子力発電所の
冷却ピットで所定期間冷却された後、輸送用の容器であ
るキャスクに収納されて貯蔵及び再処理設備へ運ばれ、
そこで貯蔵される。使用済み核燃料集合体をキャスク内
に収容するには、バスケットと称する格子状断面を有す
る保持容器を使用し、その複数の収納空間であるセルに
1体ずつ挿入し、輸送中の振動等に対し適切な保持力を
確保している。
ように、板状部材1に設けたスリット2を係合させて縦
横交互に結合することで、使用済み核燃料集合体を挿入
するための格子状断面を形成している。この板状部材1
には、例えばJIS2219に規定されるAl−Cu系
アルミニウム合金やJIS5083に規定されるAl−
Mg系アルミニウム合金などのように、強度面に優れた
特性を有している厚さ10mm程度のアルミニウム合金
を母材1aとして、表面に中性子吸収能を有するAl−
B合金よりなる厚さ1mm程度の板材(中性子吸収材)
を貼り付けたものが使用されている。このような貼り付
け構造を採用するのは、中性子吸収材が加工性に乏しい
ため、構造部材として単独で使用することが困難なため
である。なお、この板状部材1の幅は、一般的には30
0〜350mm程度のものが使用されている。
来のバスケットは、アルミニウム合金の母材1aに中性
子吸収材3が貼り付けられた板状部材1を使用している
ため、素材を製造するのに多大の手間とコストが必要で
あった。ちなみに、中性子吸収材3の母材への貼り付け
は、スポット溶接、ビス止め、又はリベット止めによっ
てなされ、通常1台のキャスクに収納されるバスケット
を製造するためには数千枚の板状部材1が必要となる。
また、従来の板状部材1には、母材1aとこれに貼り付
けられた中性子吸収材3との間に段差が生じることがあ
り、従って、使用済み核燃料集合体を出し入れする際に
引っかかるという問題がある。さらに、スポット溶接に
よる貼り付けをした場合、長期間の使用により劣化して
中性子吸収材3が剥がれてしまうという問題もある。
ので、構造部材として中性子吸収能に優れた材料を使用
し低コストで製造できるバスケット、及びこのようなバ
スケットを備えたキャスクを提供するものである。
決するため、以下の手段を採用した。請求項1に記載の
バスケットは、個々の使用済み核燃料集合体を容器内部
の所定位置に収納するためのバスケットであって、Al
またはAl合金粉末に中性子吸収能を有するBまたはB
化合物の粉末をB量として1.5重量%以上7重量%以
下添加後、加圧焼結してなる中性子吸収能を備えたアル
ミニウム複合材で製造したことを特徴とするものであ
る。請求項2に記載のバスケットは、個々の使用済み核
燃料集合体をキャスク内部の所定位置に収納するための
格子状断面を有するバスケットであって、AlまたはA
l合金粉末に中性子吸収能を有するBまたはB化合物の
粉末をB量として1.5重量%以上7重量%以下添加
後、加圧焼結してなる中性子吸収能を備えたアルミニウ
ム複合材で製造したことを特徴とするものである。この
場合、バスケットの格子状断面は、アルミニウム複合材
よりなる板材を格子状に結合したものでもよいし、ある
いは、アルミニウム複合材を押出成形してなる管材を配
列して形成したものでもよい。また、上述したバスケッ
トにおいては、AlまたはAl合金粉末の平均粒径が5
μm〜300μmであり、かつ、BまたはB化合物の粉
末の平均粒径が1μm〜100μmであることが好まし
い。 また、上述したバスケットにおいては、BまたはB
化合物がB 4 C又はB 2 O 3 であることが好ましい。 ま
た、上述したバスケットにおいては、アルミニウム複合
材にGdまたはGd化合物を含有させてもよい。
ウム複合材自体が高い中性子吸収能を備え、しかも加工
性にも優れているので、この複合材を構造部材として使
用しバスケット全体を製造することができる。
ら7のいずれかに記載のバスケットと、耐圧を受け持つ
胴本体とその外側を取り巻く中性子遮蔽部とを備え、前
記バスケットを内部に収納する中空のキャスク本体と、
前記使用済み核燃料集合体を前記バスケットに出入れす
るために設けられた前記キャスク本体の開口部に着脱可
能な蓋とを具備して構成したことを特徴とするものであ
る。
能に優れ、しかも安価に製造できるバスケットを備えた
ので、キャスク自体の中性子遮蔽機能が増すと共に、安
価に製造できるようになる。
びキャスクの一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1はキャスクの構成を示す部分断面斜視図であり、図
中の符号の10はキャスク、20はバスケット、30は
キャスク本体、40は蓋である。図示のキャスク10
は、全体がほぼ円筒形状の収納容器であり、使用済み核
燃料集合体(以後、核燃料集合体と呼ぶ)5をキャスク
内部の所定位置に収納するためのバスケット20と、耐
圧を受け持つ胴本体31及びその外側を取り巻く中性子
遮蔽部32とを備えたキャスク本体30と、同キャスク
本体30の開口部33に着脱可能な蓋40とを主な構成
要素としている。キャスク本体30は中空円筒形状の容
器で、内部にバスケット20が設置され、核燃料集合体
5をバスケット20に出入れするための開口部33が一
方の端面に設けられている。
核燃料集合体5を多数キャスク内部に収納できるように
した構造体で、キャスク本体30の軸方向に長くかつ格
子状断面を有するものであり、各格子状断面により形成
される収納空間がセル21と呼ばれ、それぞれ1本の核
燃料集合体5を収納することができる。バスケット20
は、キャスク本体30の開口部33に格子状の一端が面
しており、蓋40を取り外した状態で、各セル21に核
燃料集合体5を収納したり、あるいは取り出したりでき
るようになっている。このバスケット20は、後述する
アルミニウム複合材により製造されたものである。
実施例を図2に示して説明する。この実施例では、バス
ケット20の構成部材として板状部材22を使用し、井
桁状に結合して格子状断面を形成している。各板状部材
22の長辺にはそれぞれ結合用のスリット23が設けら
れ、隣接する板状部材間で互いのスリット23どうしを
係合させて結合する構造となっている。この場合の板状
部材22は、全体が同一組成よりなるアルミニウム複合
材の押出成形品であり、従って、バスケット20全体が
中性子吸収能を備えたものとなる。
実施例を図3に示して説明する。この実施例では、後述
するアルミニウム複合材を押出成形してなるほぼ矩形断
面の管材24を使用し、互いの外面どうしを接触させて
多数結束した構造にしてある。各管材の結束方法として
は、溶接、ロウ付け、連結部材を介してビスやリベット
で固定するなど、公知の方法から適宜選択すればよい。
この場合も、バスケット20のほぼ全体が中性子吸収能
を備えたものとなる。なお、結束方法としてロウ付けを
採用すると、歪みが軽減されるという利点がある。
レス鋼などよりなる耐圧を受け持つ胴本体31を内筒と
して、例えば樹脂などの中性子遮蔽材よりなる中性子遮
蔽部32がその外周を取り巻いた構造となっている。胴
本体31はまた、γ線遮蔽体としての機能も備えてい
る。また、開口部33を閉鎖する蓋40は、キャスク本
体30にボルトを用いてフランジ結合させる構造となっ
ており、公知技術により充分なシール性を確保するよう
にしてある。なお、図中の符号11は、キャスク10を
吊り上げて移動させる際にフックをかけるトラニオンで
ある。
として使用するアルミニウム複合材は、AlまたはAl
合金粉末に中性子吸収能を有するBまたはB化合物の粉
末をB量として1.5重量%以上7重量%以下添加後加
圧焼結したもので、高い中性子吸収能を有すると共に、
構造部材としても良好な加工性を備えたものである。こ
のアルミニウム複合材は、特にキャスク用バスケットな
どの構造用材料として新たに開発されたものであり、B
の含有量を増すことで中性子吸収能が向上していると共
に、引張特性などの機械的性質や加工性の面でも優れて
いる。
明する。このアルミニウム複合材の製造方法では、アト
マイズ法などの急冷凝固法で作成したAlまたはAl合
金粉末と、中性子吸収能を有するBまたはB化合物の粉
末とを混合して、加圧焼結するものである。ここで添加
するB量は、1.5重量%以上7重量%以下であるが、
好適には2重量%以上5重量%以下である。
金粉末は、純アルミニウム地金(JIS 1xxx
系)、Al−Cu系アルミニウム合金(JIS 2xx
x系)、Al−Mg系アルミニウム合金(JIS 5x
xx系)、Al−Mg−Si系アルミニウム合金(JI
S 6xxx系)、Al−Zn−Mg系アルミニウム合
金(JIS 7xxx系)、Al−Fe系アルミニウム
合金(Fe含有率が3〜10%)の他にも、例えばAl
−Mn系アルミニウム合金(JIS 3xxx系)など
があり、特に限定されるものではない。これらのAlま
たはAl合金としては、均一で微細な組織を持つ急冷凝
固粉を使用する。この急冷凝固粉を得るための急冷凝固
法としては、単ロール法、双ロール法、エアアトマイズ
やガスアトマイズなどのアトマイズ法といった周知技術
を採用できる。このような急冷凝固法によって得られた
Al合金粉末は、好適には平均粒径が5μm〜300μ
mの粉末を使用する。その理由は、5μm未満では微粉
のため各粒子が凝集をするので、結局大きな粒子の塊に
なることとアトマイズ法による製造の限界のためであ
り、300μmを超えると急冷凝固でなくなるなどのア
トマイズ法による製造の限界のためである。最も望まし
い平均粒径は100〜300μmである。急冷凝固の急
冷速度は、3x103 ℃/sec以上、望ましくは1
04 ℃/sec以上である。
するBまたはB化合物は、特に高速中性子の吸収能が大
きいという特徴を有している。なお、本発明で使用可能
な好適なB化合物としては、B4C,B2O3 などがあ
る。このようなBまたはB化合物の添加量は、B量とし
ての重量%で1.5以上9以下とする。この理由は、B
量が1.5重量%より少ないと充分な中性子吸収能が得
られず、B量が7重量%より多くなると引張りに対する
伸びが低下して加工性に問題が生じるためである。ま
た、BまたはB化合物の粉末は、好適には平均粒径が1
μm〜100μmの範囲にあるものを使用する。その理
由は、1μm未満では微粉のため各粒子が凝集するの
で、結局大きな粒子の塊になることと歩留まりが極端に
悪くなるためであり、100μmを超えると均一分散が
困難になるためである。
はB化合物の粉末とを混合した後には、加圧焼結を施し
てAl合金複合材を製造する。加圧焼結の製造法として
は、熱間押出、熱間圧延、熱間静水圧プレス(HIP)
又はホットプレスの何れかまたは2種以上の組合せを採
用してもよい。なお、加圧焼結時における好適な加熱温
度は350℃〜550℃、時間は5〜10分である。
施する。例えばAl−Mg−Si系のAl合金粉末をベ
ースとして使用した場合にはJISのT6処理を、Al
−Cu系のAl合金粉末をベースとして使用した場合も
同様にT6処理を施すが、純AlやAl−Fe系Al合
金などの粉末をベースとして使用した場合には熱処理は
不要であり、この場合はJISのT1処理に該当する。
l合金母相中に、中性子吸収能を有するBまたはB化合
物をB量として1.5重量%以上7重量%以下含有し、
加圧焼結されたアルミニウム複合材を得ることができ
る。なお、BまたはB化合物は高速中性子吸収能に優れ
ていることが知られているが、必要に応じて低速中性子
吸収能に優れたGdまたはGd化合物を適宜添加して含
有させた複合材を使用してもよい。
する。この実験では、粉末冶金法によりAl−B4C粒
子複合材を製造し、その機械的性質を調べた。 <使用材料> (1) ベースとなるアルミニウムまたはアルミニウム
合金粉末として、下記の4種類を使用した。 ベース:純度99.7%の純Al地金を使用し、エア
・アトマイズ法により粒径250μm以下の粉末を得
た。以後、「純Al」と呼ぶ。 ベース:標準組成(重量%)がAl−0.6Si−
0.25Cu−1.0Mg−0.25Cr(JIS 6
061)のAl合金を使用し、N2ガス・アトマイズ法
により粒径150μm以下の粉末を得た。以後、「60
61Al(Al−Mg−Si系)」と呼ぶ。 ベース:標準組成(重量%)がAl−6.3Cu−
0.3Mn−0.06Ti−0.1V−0.18Zr
(JIS 2219)のAl合金を使用し、N2 ガス
・アトマイズ法により粒径150μm以下の粉末を得
た。以後、「2219Al(Al−Cu系)」と呼ぶ。 ベース:標準組成(重量%)がAl−6FeのAl−
Fe系Al合金を使用し、N2 ガス・アトマイズ法に
より粒径150μm以下の粉末を得た。以後、「Fe系
Al」と呼ぶ。
B4Cを使用した。表1にその仕様の抜粋を示す。
て、上記ベースの粉末及び添加粒子を10〜15分混合
した。なお、この実験では8種類の試料を作成したが、
ベース(〜)と添加粒子(Bの重量%を計算した値
で表示)との組合せは、表2に示す通りである。
の混合物を缶へ封入してキャニングを実施した。ここで
使用した缶の仕様は、下記の通りである。 材質:JIS 6063(アルミニウム合金継目無管) 直径:90mm 長さ:300mm 缶厚:2mm
た。この工程では、キャニングされた粉末混合物を30
0℃まで昇温して、缶内部を真空吸引した。この脱ガス
工程を実施したことで缶内のガス成分及び水分が除去さ
れ、押出用素材(以下、ビレットと呼ぶ)の製作が完了
する。
tonの押出機を使用して熱間で押出す。この場合の温
度は430℃であり、断面積の押出比を約12として下
記に示す板状の押出形状に成形した。また、この押出成
形における押出時間は430秒であった。
料Eについてのみ熱処理を実施した。試料Dの熱処理で
は、530℃で2時間の固溶化熱処理をした後水冷し、
さらに175℃で8時間の時効処理をしてから空冷し
た。また、試料Eの熱処理は、530℃で2時間の固溶
化熱処理をした後水冷し、さらに190℃で26時間の
時効処理をしてから空冷した。この熱処理を経て、試料
の製作は終了する。なお、他の試料については、熱間で
の押出加工から冷却後自然時効させるT1処理を施し
た。
試料A〜Hについて、下記に示す要領で評価を行った。
なお、試料D,Eについては、上述した熱処理を施した
T6材を用いて評価を行い、他の試料(A〜C,F〜
H)については、熱処理なしのT1材を用いて評価を行
った。 (1) ミクロ組織観察 全試料A〜Hについて、L,T両断面で実施した。この
結果、何れの試料についてもアルミニウム合金マトリッ
クス中にB4C粒子が均一に微細分散した組織なってい
ることが確認できた。 (2) 引張試験 この引張試験は、常温及び250℃の二つの条件で実施
した。常温での引張試験は、全試料A〜Hについて各々
試験片の数nを2(n=2)として実施し2本の平均値
とし、また、250℃での引張試験は、試料A及びCを
除く6種類の試料について各々n=2として実施し2本
の平均値とした。なお、何れの引張試験においても、直
径6mmの丸棒試験片を使用して試験を行ったが、25
0℃の引張試験の場合は、この試験片を250℃で10
0時間保持した後、試験を実施した。この試験結果を表
3に示す。
ついては、室温では56MPa(試料A)〜291MP
a(試料E)の範囲にあり、250℃の高温では32M
Pa(試料B)〜134MPa(試料E)の範囲にあ
る。また、引張強さについては、室温では105MPa
(試料A)〜426MPa(試料E)の範囲にあり、2
50℃の高温では48MPa(試料B)〜185MPa
(試料E)の範囲にあって、室温時はもとより高温時に
おいても、ボラール(Boral)の室温での引張強さ
41MPa(表4参照)より優れていることがわかる。
なお、ボラールは、Al母材に30〜40重量%のB4
Cを配合した粉末をサンドイッチにして圧延した中性子
遮蔽材である。
は18%(試料H)〜60%(試料D)の範囲にあり、
250℃の高温では13%(試料E)〜36%(試料
B)の範囲にあって、何れの温度条件においてもボラー
ルの室温での伸び1.2%(表4参照)より優れた結果
を示している。
影響を示したグラフであり、両グラフ共、表3に示した
試験結果から試料D,E,Gの数値をプロットしたもの
である。このグラフを見ると、試料Eが0.2%耐力及
び引張強さ共に最も高い値を示しているが、傾斜が比較
的大きいことから温度上昇による影響をうけやすいこと
がわかる。また、試料Gは、0.2%耐力及び引張強さ
共に室温では3試料中で最も低い値となっているが、温
度上昇に伴う傾斜は最も小さい。このため、250℃の
高温では試料Gと逆転しており、すなわち、3試料中で
は温度の影響が最も小さいことを示している。なお、試
料Gは、特に0.2%耐力の傾斜が大きくなっており、
温度上昇の影響を受けやすいことを示している。
量(重量%)が引張性質に及ぼす影響が示されている。
図6は、純Alベースの試料A〜Cについて、温度条件
を室温として、0.2%耐力(MPa)、引張強さ(M
Pa)、及び破断伸び(%)の値(表3参照)をそれぞ
れプロットして示したものである。このグラフを見る
と、B添加量が増加するにつれて、破線で示した0.2
%耐力(MPa)及び実線で示した引張強さ(MPa)
が大きくなり、反対に、細破線で示した破断伸び(%)
は小さくなることがわかる。
スの試料F〜Hについて、温度条件を室温として、0.
2%耐力(MPa)、引張強さ(MPa)、及び破断伸
び(%)の値(表3参照)をそれぞれプロットして示し
たものである。このグラフを見ると、B添加量が増加す
るにつれて、破線で示した0.2%耐力(MPa)及び
実線で示した引張強さ(MPa)が図6と同様に大きく
なっている。しかし、細破線で示した破断伸び(%)に
ついては、Bを2.3重量%添加することにより無添加
時と比較して急激に低下するものの、2.3重量%から
4.7重量%までB量を増加させてもその低下量は小さ
いものであることがわかる。
6Fe)ベースの試料F〜Hについて、温度条件を25
0℃の高温として、0.2%耐力(MPa)、引張強さ
(MPa)、及び破断伸び(%)の値(表3参照)をそ
れぞれプロットして示したものである。このグラフを見
ると、B添加量が増加するにつれて、破線で示した0.
2%耐力(MPa)及び実線で示した引張強さ(MP
a)が図6及び図7と同様に大きくなっている。また、
細破線で示した破断伸び(%)については、Bを2.3
重量%添加することにより無添加時と比較して急激に低
下する図7の現象が解消され、全体としての数値は低い
ものの、図6に示したものと同様にB量の増加につれて
緩やかに低下する傾向を示している。
Gの6種類について、そのB量(重量%)、引張強さ
(MPa)、及び伸び(%)を下記の表4に抜粋して示
し、溶解法による従来品の各値と比較する。なお、表4
に示す引張強さ及び伸びは室温での値である。
製造方法により製造したアルミニウム複合材では2.3
または4.7重量%の添加がなされており、0.9重量
%の各Al合金よりB添加量が大きい分だけ高い中性子
吸収能を有する材料であることがわかる。また、ボラー
ルのB添加量は27.3重量%と非常に高い値になって
いるが、後述する引張強さ及び伸びの値が極めて低いも
のであるため、加工性に乏しいことがわかる。
ム複合材ではB量2.3重量%の純Al複合材(試料
B)が最も低い112MPaとなっており、従来品では
Al−Mn系合金の150MPaが最も低い値になって
いる。しかし、この試料Bは、従来品と比較してB添加
量が高いため中性子吸収能に優れており、また、伸びも
従来品で最大の20%より大幅に高い値を示しているの
で、加工性の面でも実用に耐えうるものである。特に、
ボラールと比較した場合には、引張強さや伸びの特性が
極めて高いため、加工性の面で優れていることがわか
る。なお、ベースをAl合金と限定した場合、引張強さ
が最低値となるのは、B量4.7重量%のAl−Fe系
複合材(試料G)であり、その値は270MPaとな
る。
に優れているのはB量2.3重量%のAl−Cu系複合
材(試料E)であり、その値は429MPaとなってい
る。これに対して、従来品で最も引張強さに優れている
のはAl−Zn−Mg系合金の500MPaであるが、
この場合の伸びは11%と本発明品の最低値である18
%よりかなり低い。この傾向、すなわち引張強さのわり
には伸びが低い(11〜20%)という傾向は従来品で
あるB添加アルミニウム合金に共通しており、全体的に
アルミニウム複合材の伸び(18〜49%)と比較して
低いものとなっている。
ウム複合材とアルミニウム合金(従来品)とを比較して
みる。最初に、Al−Mg−Si系複合材(試料D)と
Al−Mg−Si系合金とを比較すると、B量、引張強
さ及び伸びの何れの面でも複合材が優れた値を示してい
る。すなわち、B量は2.3重量%に対し0.9重量
%、引張強さは307MPaに対し270MPa、そし
て、伸びは49%に対し12%となっており、何れの値
も複合材が高くなっている。
Al−Cu系合金とを比較すると、この場合においても
B量、引張強さ及び伸びの何れの面でも複合材が優れた
値を示している。すなわち、B量は2.3重量%に対し
0.9重量%、引張強さは429MPaに対し370M
Pa、そして、伸びは27%に対し15%となってお
り、何れの値も複合材が高くなっている。
器等の構造部材として用いることを考えると、220℃
において引張強さ135MPa、伸び10%以上という
機械的特性を有することが望ましいが、250℃の試験
結果から、ベースとして純Al粉末以外のアルミニウム
合金粉末を使用することで、ほぼ達成可能であることを
確認できた。なお、Al−Mg−Si系複合材(試料
D)の場合、250℃の引張強さは98MPaである
が、220℃における引張強さはおおよそ125MPa
程度と推測され、135MPaにかなり近い値である。
は、高いB量を添加できるため中性子吸収能に優れ、し
かも、引張強さや伸びなどの引張特性にも優れているた
め高い加工性を得ることができる。従って、このような
アルミニウム複合材を構造部材として使用することが可
能となり、加圧焼結が完了した後必要に応じて熱処理を
施してから、所望形状の構造部材を得るため押出成形を
実施して、例えば上述した板状部材22または管状部材
24を得る。そして、このような板状部材22または管
状部材24によってバスケット20を製造すれば、従来
例で説明した中性子吸収材を母材に貼り付けるといった
作業が不要になるので、大幅に作業工数を低減できる。
また、バスケット20が同一組成の部材により製造され
ているので、構造部材に起因してセル21内に段差が生
じたり、あるいは、中性子吸収部材が剥離するといった
問題の発生は解消される。
クによれば、以下の効果を奏する。 (1) アルミニウムまたはアルミニウム合金粉末に中
性子吸収能を有するBまたはB化合物の粉末を添加して
混合した後加圧焼結するという粉末冶金法を用いて製造
したアルミニウム複合材は、従来の溶解法に比べて多量
(1.5〜7重量%)のBまたはB化合物を添加するこ
とが可能であるため、優れた中性子吸収能を有する材料
となる。しかも、引張特性の面でも優れた特性を有して
いるので、圧延等の加工ができ、バスケットなどの構造
部材として使用することも可能になる。従って、このア
ルミニウム複合材を用いて製造したバスケットは、バス
ケット自体が高い中性子吸収能を有し、また、製造に要
する工数も低減されるのでコスト的にも安価になる。 (2) 中性子吸収能が向上し、しかもコスト的にも安
価に製造できるバスケットを備えたことにより、キャス
クの性能や信頼性が向上し、しかも安価に製造できると
いう効果を奏する。
斜視図である。
施例の部分組立斜視図である。
施例の部分組立斜視図である。
材の機械的性質に関するグラフで、表2の試料D,E,
Gについて、0.2%耐力(MPa)と温度(℃)との
関係を示している。
材の機械的性質に関するグラフで、表2の試料D,E,
Gについて、引張強さ(MPa)と温度(℃)との関係
を示している。
材の機械的性質に関するグラフで、純Alベース(表2
の試料A,B,C)の複合材について、室温におけるB
添加量の影響を示している。
材の機械的性質に関するグラフで、Al−6Feベース
(表2の試料F,G,H)の複合材について、室温にお
けるB添加量の影響を示している。
材の機械的性質に関するグラフで、Al−6Feベース
(表2の試料F,G,H)の複合材について、250℃
におけるB添加量の影響を示している。
である。
Claims (8)
- 【請求項1】 個々の使用済み核燃料集合体を容器内部
の所定位置に収納するためのバスケットであって、Al
またはAl合金粉末に中性子吸収能を有するBまたはB
化合物の粉末をB量として1.5重量%以上7重量%以
下添加後、加圧焼結してなる中性子吸収能を備えたアル
ミニウム複合材で製造したことを特徴とするバスケッ
ト。 - 【請求項2】 個々の使用済み核燃料集合体をキャスク
内部の所定位置に収納するための格子状断面を有するバ
スケットであって、AlまたはAl合金粉末に中性子吸
収能を有するBまたはB化合物の粉末をB量として1.
5重量%以上7重量%以下添加後、加圧焼結してなる中
性子吸収能を備えたアルミニウム複合材で製造したこと
を特徴とするバスケット。 - 【請求項3】 前記格子状断面が、前記アルミニウム複
合材の板材を格子状に結合してなることを特徴とする請
求項2に記載のバスケット。 - 【請求項4】 前記格子状断面が、前記アルミニウム複
合材を押出成形してなる管材を配列したことを特徴とす
る請求項2に記載のバスケット。 - 【請求項5】 前記AlまたはAl合金粉末の平均粒径
が5μm〜300μmであり、かつ、前記BまたはB化
合物の粉末の平均粒径が1μm〜100μmであること
を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のバスケ
ット。 - 【請求項6】 前記BまたはB化合物がB 4 C又はB 2
O 3 であることを特徴とする請求項1から5のいずれか
に記載のバスケット。 - 【請求項7】 前記アルミニウム複合材にGdまたはG
d化合物を含有させたことを特徴とする請求項1から6
のいずれかに記載のバスケット。 - 【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載のバス
ケットと、 耐圧を受け持つ胴本体とその外側を取り巻く中性子遮蔽
部とを備え、前記バスケットを内部に収納する中空のキ
ャスク本体と、 前記使用済み核燃料集合体を前記バスケットに出入れす
るために設けられた前記キャスク本体の開口部に着脱可
能な蓋とを具備して構成した ことを特徴とするキャス
ク。
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JP14837799 | 1999-05-27 | ||
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001042090A JP2001042090A (ja) | 2001-02-16 |
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-
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