JP3187948B2 - 消音装置 - Google Patents
消音装置Info
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- JP3187948B2 JP3187948B2 JP17090292A JP17090292A JP3187948B2 JP 3187948 B2 JP3187948 B2 JP 3187948B2 JP 17090292 A JP17090292 A JP 17090292A JP 17090292 A JP17090292 A JP 17090292A JP 3187948 B2 JP3187948 B2 JP 3187948B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航空機、自動車、建物
の室内等の室内空間の騒音レベルを下げるための消音装
置に関する。
の室内等の室内空間の騒音レベルを下げるための消音装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の消音技術を航空機の機内音低減法
を例にとって示す。図6は従来の受動的な航空機防音対
策例を示す。
を例にとって示す。図6は従来の受動的な航空機防音対
策例を示す。
【0003】機体外板構造の内側には外板形状にそって
内装トリムが設置され、外板と内装トリムの間の空間に
は吸音性がすぐれたグラスウールが充填されている。こ
うした外板と内装トリムの2重構造をとることにより遮
音性の向上をはかっている。また外板にはダンピング材
が貼付され、外板の振動放射音を低減する対策をおこな
っている。以上のような遮音、吸音といった特性を利用
した受動的な防音対策がもっぱら実用的な方法として実
施されているのが現状である。
内装トリムが設置され、外板と内装トリムの間の空間に
は吸音性がすぐれたグラスウールが充填されている。こ
うした外板と内装トリムの2重構造をとることにより遮
音性の向上をはかっている。また外板にはダンピング材
が貼付され、外板の振動放射音を低減する対策をおこな
っている。以上のような遮音、吸音といった特性を利用
した受動的な防音対策がもっぱら実用的な方法として実
施されているのが現状である。
【0004】一方、騒音を低減するための2次的な音を
付加する能動的な方法を用いた航空機客室内の防音対策
も提案され、試験的な試みもなされているが、その場合
にも2次音源設置位置を合理的にきめるような方法につ
いては述べられていない。
付加する能動的な方法を用いた航空機客室内の防音対策
も提案され、試験的な試みもなされているが、その場合
にも2次音源設置位置を合理的にきめるような方法につ
いては述べられていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題を航空機やヘリコプタ機内音の低減を例にとっ
て示す。航空機・ヘリコプタの機内音としては、(1)
境界層の圧力変動が外板を加振し、機内へ放射される
音、(2)航空機のエンジン振動、ヘリコプタのトラン
スミッション振動等が、構造を伝播してくる固体伝播
音、(3)ジェットエンジン音、プロペラ音等が空中を
伝播して外板を透過してくる音等がある。
する課題を航空機やヘリコプタ機内音の低減を例にとっ
て示す。航空機・ヘリコプタの機内音としては、(1)
境界層の圧力変動が外板を加振し、機内へ放射される
音、(2)航空機のエンジン振動、ヘリコプタのトラン
スミッション振動等が、構造を伝播してくる固体伝播
音、(3)ジェットエンジン音、プロペラ音等が空中を
伝播して外板を透過してくる音等がある。
【0006】これらの騒音のうち高い周波数成分につい
ては遮音、吸音という特性を利用した従来技術で比較的
効率よく低減することが可能であったが、低い周波数成
分について十分な減音効果を達成しようとすると、対策
に必要なスペース、重量等が膨大になり実用的ではなか
った。
ては遮音、吸音という特性を利用した従来技術で比較的
効率よく低減することが可能であったが、低い周波数成
分について十分な減音効果を達成しようとすると、対策
に必要なスペース、重量等が膨大になり実用的ではなか
った。
【0007】室内での低周波音を低減する目的で2次的
な音を付加して減音をはかることも提案されているが、
減音域が非常に限られてしまう等の問題があり、有効な
方法になっていない。これにはどこから2次的な音を付
加すればよいかが明らかとなっていないということにも
一因がある。本発明は、従来の技術が有する以上のよう
な問題点を解決し、室内全域にわたって減音域を得るこ
とができる消音装置を提供することを目的とする。
な音を付加して減音をはかることも提案されているが、
減音域が非常に限られてしまう等の問題があり、有効な
方法になっていない。これにはどこから2次的な音を付
加すればよいかが明らかとなっていないということにも
一因がある。本発明は、従来の技術が有する以上のよう
な問題点を解決し、室内全域にわたって減音域を得るこ
とができる消音装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る消音装置
は、室内空間へ騒音を発する騒音源の近傍に設けた騒音
源特性検出器1と、前記室内空間で騒音の低減を狙う領
域の近傍に設置する複数の騒音受音信号検出器2と、前
記騒音受音信号検出器の位置での騒音を打ち消すための
複数の2次音付加器3と、騒音制御装置4からなる消音
装置において、前記騒音制御装置4は、騒音源特性検出
器1で得られた信号を受取り、該信号にフィルタ係数を
たたみ込んだ信号を2次音付加器3に送り込む手段を有
するとともに、前記騒音受音信号検出器2で検出される
信号を最小化するようにフィルタ係数を修正する適応型
の手段を具備し、前記騒音受音信号検出器2と2次音付
加器3の数は騒音に対して寄与しているモード数と同数
とし、前記2次音付加器3の設置位置は、音圧の2乗値
の対象領域内での積分値を目的関数として最適化法によ
り得られる最適位置にし、前記騒音受音信号検出器2の
設置位置は、各対象モードの検出は行なうが、対象外モ
ードの検出は行なわない位置すなわち対象外モードの節
の位置にすることを特徴とする。
は、室内空間へ騒音を発する騒音源の近傍に設けた騒音
源特性検出器1と、前記室内空間で騒音の低減を狙う領
域の近傍に設置する複数の騒音受音信号検出器2と、前
記騒音受音信号検出器の位置での騒音を打ち消すための
複数の2次音付加器3と、騒音制御装置4からなる消音
装置において、前記騒音制御装置4は、騒音源特性検出
器1で得られた信号を受取り、該信号にフィルタ係数を
たたみ込んだ信号を2次音付加器3に送り込む手段を有
するとともに、前記騒音受音信号検出器2で検出される
信号を最小化するようにフィルタ係数を修正する適応型
の手段を具備し、前記騒音受音信号検出器2と2次音付
加器3の数は騒音に対して寄与しているモード数と同数
とし、前記2次音付加器3の設置位置は、音圧の2乗値
の対象領域内での積分値を目的関数として最適化法によ
り得られる最適位置にし、前記騒音受音信号検出器2の
設置位置は、各対象モードの検出は行なうが、対象外モ
ードの検出は行なわない位置すなわち対象外モードの節
の位置にすることを特徴とする。
【0009】
【作用】騒音を発生する騒音源の近傍に設けた騒音源特
性検出器(例えばエンジン、回転パルス検出器、エンジ
ン振動検出器等)で騒音源信号を検知する。騒音制御装
置は、この信号を受取り2次音付加手段に騒音信号を入
力する。この駆動信号は2次音が騒音を打ち消す音場を
形成するように騒音制御装置内で設定される。この駆動
信号に従って2次音付加手段は騒音を打ち消す2次音音
場を形成する。
性検出器(例えばエンジン、回転パルス検出器、エンジ
ン振動検出器等)で騒音源信号を検知する。騒音制御装
置は、この信号を受取り2次音付加手段に騒音信号を入
力する。この駆動信号は2次音が騒音を打ち消す音場を
形成するように騒音制御装置内で設定される。この駆動
信号に従って2次音付加手段は騒音を打ち消す2次音音
場を形成する。
【0010】またこの際、2次音付加器及び騒音受音信
号検出器を本発明で示す設置場所に設置することによ
り、高次モードの影響をできるだけ避けながら音場の最
も効率的制御を達成することができる。
号検出器を本発明で示す設置場所に設置することによ
り、高次モードの影響をできるだけ避けながら音場の最
も効率的制御を達成することができる。
【0011】
【実施例】本発明の第1実施例を図1に示す。
【0012】第1実施例は騒音源の近傍に設けた騒音源
特性検出器1と、各音場モードの低減を狙って空間内に
設置する騒音受音信号検出器2と、騒音受音信号検出器
の位置での騒音を打ち消すための2次音付加器3と、騒
音源特性検出器により得られた信号を受取り、これにフ
ィルタ係数をたたみ込んだ信号を2次音付加器へ送り込
む騒音制御装置4で構成され、上記騒音受音信号検出器
2で検出される信号を最小化するように制御装置内のフ
ィルタ係数を修正して行く適応型のコントローラであ
る。この騒音制御装置4のコントロール方法及び全空間
的な減音効果を得るための2次音付加器3及び騒音受音
信号検出器2の設置法は以下に示すようにする。こうし
た音場制御を実施した場合、減音を狙う領域すなわち室
内全域(図1の斜線部)において効果的な消音効果が得
られる。
特性検出器1と、各音場モードの低減を狙って空間内に
設置する騒音受音信号検出器2と、騒音受音信号検出器
の位置での騒音を打ち消すための2次音付加器3と、騒
音源特性検出器により得られた信号を受取り、これにフ
ィルタ係数をたたみ込んだ信号を2次音付加器へ送り込
む騒音制御装置4で構成され、上記騒音受音信号検出器
2で検出される信号を最小化するように制御装置内のフ
ィルタ係数を修正して行く適応型のコントローラであ
る。この騒音制御装置4のコントロール方法及び全空間
的な減音効果を得るための2次音付加器3及び騒音受音
信号検出器2の設置法は以下に示すようにする。こうし
た音場制御を実施した場合、減音を狙う領域すなわち室
内全域(図1の斜線部)において効果的な消音効果が得
られる。
【0013】次に第1実施例の騒音制御装置4の処理内
容を図2を用いて説明する。騒音源からとられた騒音源
特性データに対して、使用する2次音付加器3の個数N
組(S1 …Si …Sn )のフィルタ係数Wsiをたたみこ
んだ信号をそれぞれの2次音付加器3へ入力する。ここ
でフィルタ係数WsiはM個の騒音受音信号検出器2で得
られた受音信号の2乗値の和が、最小化されるようにL
MS(Least Meam Square )アルゴリズムにより修正さ
れていくものとする。図2中のhsi,Mjは各2次音付加器
3から各騒音受音信号検出器2までの伝達特性を示すイ
ンパルスレスポンスであり、制御を開始する前に伝達関
数の計測、または適応型な同定法により決定する。次に
第1実施例の2次音付加器3及び騒音受音信号検出器2
の設置法を以下に示す。能動音響制御を実施していると
きの室内の音圧分布については、以下のようにすること
ができる。以下において〈〉でベクトルを表すものとす
ると、室内の座標〈x〉における角周波数ωの音圧値P
は、n次モードΨn (〈x〉)と、複素振幅an (ω)
を用いて次式のように表わされる。
容を図2を用いて説明する。騒音源からとられた騒音源
特性データに対して、使用する2次音付加器3の個数N
組(S1 …Si …Sn )のフィルタ係数Wsiをたたみこ
んだ信号をそれぞれの2次音付加器3へ入力する。ここ
でフィルタ係数WsiはM個の騒音受音信号検出器2で得
られた受音信号の2乗値の和が、最小化されるようにL
MS(Least Meam Square )アルゴリズムにより修正さ
れていくものとする。図2中のhsi,Mjは各2次音付加器
3から各騒音受音信号検出器2までの伝達特性を示すイ
ンパルスレスポンスであり、制御を開始する前に伝達関
数の計測、または適応型な同定法により決定する。次に
第1実施例の2次音付加器3及び騒音受音信号検出器2
の設置法を以下に示す。能動音響制御を実施していると
きの室内の音圧分布については、以下のようにすること
ができる。以下において〈〉でベクトルを表すものとす
ると、室内の座標〈x〉における角周波数ωの音圧値P
は、n次モードΨn (〈x〉)と、複素振幅an (ω)
を用いて次式のように表わされる。
【0014】
【数1】 ここでTは複素マトリックスの転置を示す。
【0015】騒音源による複素振幅をapn(ω),m=
1〜Mの各2次音付加器3の強さをqsm( ω)、各2次
音付加器3のn次モードへの寄与率をBnm(ω)とする
と、騒音源及び各2次音付加器からのトータルの寄与に
より複素振幅an (ω)は次のように示される。
1〜Mの各2次音付加器3の強さをqsm( ω)、各2次
音付加器3のn次モードへの寄与率をBnm(ω)とする
と、騒音源及び各2次音付加器からのトータルの寄与に
より複素振幅an (ω)は次のように示される。
【0016】
【数2】 今騒音源及び各2次音付加器が作動とている。このと
き、室内全域における音圧の2乗値の領域積分値は次の
ように表わされる。
き、室内全域における音圧の2乗値の領域積分値は次の
ように表わされる。
【0017】
【数3】 ここでVは室内容積、ρ0 は空気密度、c0 は音速、H
は転置を示すものとする。(2)式を(3)式へ代入す
ると、
は転置を示すものとする。(2)式を(3)式へ代入す
ると、
【0018】
【数4】 ここでEp を最小化する2次音付加強さ分布〈qs 〉は
次のように求められる。
次のように求められる。
【0019】
【数5】 (5)式を(4)式に代入すると、最適の2次音強さを
与えたときのEp 値すなわちEp0が次のように得られ
る。
与えたときのEp 値すなわちEp0が次のように得られ
る。
【0020】
【数6】 ある2次音付加器の位置を求め、最適な能動音響制御が
行なわれた場合に、Ep0の値が室内全域で得られる音圧
2乗値の領域積分の最小値になる。従ってEp0をできる
だけ小さくなるように2次音付加器、騒音受音信号検出
器の配置を行なえばよいということになる。
行なわれた場合に、Ep0の値が室内全域で得られる音圧
2乗値の領域積分の最小値になる。従ってEp0をできる
だけ小さくなるように2次音付加器、騒音受音信号検出
器の配置を行なえばよいということになる。
【0021】実際に制御を行なう場合には(5)式で示
した複素振幅ベクトル〈ap 〉を観測することは出来な
い。そこで実際的には(5)式のかかわりに騒音受音信
号検出器の位置で観測される音圧〈PL 〉=〈ΨL 〉・
〈ap 〉の2乗和を最小化する2次音源強さ〈qs'〉が
用いられる。
した複素振幅ベクトル〈ap 〉を観測することは出来な
い。そこで実際的には(5)式のかかわりに騒音受音信
号検出器の位置で観測される音圧〈PL 〉=〈ΨL 〉・
〈ap 〉の2乗和を最小化する2次音源強さ〈qs'〉が
用いられる。
【0022】
【数7】 このと得られる室内全域で得られる音圧2乗値の領域積
分の最小値は次のようになる。
分の最小値は次のようになる。
【0023】
【数8】
【0024】したがって実際には、Ep0' をできるだけ
最小化するように2次音付加器の配置及び騒音受音信号
検出器の配置をおこなえばよい。その具体的な手順を以
下に示す。 (1)必要な2次音付加器及び騒音源特性検出器の数
最小化するように2次音付加器の配置及び騒音受音信号
検出器の配置をおこなえばよい。その具体的な手順を以
下に示す。 (1)必要な2次音付加器及び騒音源特性検出器の数
【0025】必要な2次音付加器及び騒音源特性検出器
の数を見積るためには、騒音に対して寄与しているモー
ド数を見積る必要がある。寄与しているモード数の見積
り方を図3を用いて説明する。
の数を見積るためには、騒音に対して寄与しているモー
ド数を見積る必要がある。寄与しているモード数の見積
り方を図3を用いて説明する。
【0026】ある騒音源の周波数ないしは周波数バンド
が明かとなったとき、その周波数に対して最大の寄与を
しているモードが定まる。寄与の程度を示す指標として
は以下のようなものがある。
が明かとなったとき、その周波数に対して最大の寄与を
しているモードが定まる。寄与の程度を示す指標として
は以下のようなものがある。
【0027】
【数9】 ここでωは対象周波数、ωn はn次モードの固有周波
数、ξn はn次モードの減衰率である。
数、ξn はn次モードの減衰率である。
【0028】そして、騒音に対して寄与しているモード
数としては騒音の周波数付近で最大寄与のモードの1/
10以上の寄与をもつモードの数を採用する。2次音付
加器及び騒音受音信号検出器の数はこのようにして得ら
れたモード数とする。 (2)2次音付加器の設置法
数としては騒音の周波数付近で最大寄与のモードの1/
10以上の寄与をもつモードの数を採用する。2次音付
加器及び騒音受音信号検出器の数はこのようにして得ら
れたモード数とする。 (2)2次音付加器の設置法
【0029】(6)式に示すEp0値を最小化するように
2次音付加器を設置する。Ep0が騒音源の寄与〈ap0〉
によらず最小値0をとるのは、2次音付加器の寄与を示
すマトリックスBが次の関係を満足するときである。
2次音付加器を設置する。Ep0が騒音源の寄与〈ap0〉
によらず最小値0をとるのは、2次音付加器の寄与を示
すマトリックスBが次の関係を満足するときである。
【0030】
【数10】
【0031】2次音付加器の位置が定まると、マトリッ
クスBがきまるので、Ep0の値を最小にするには、(1
0)式が満足されるように2次音付加器位置を定めれば
よい減音効果が得られることになる。しかし、マトリッ
クスBを求めるのは容易ではないので実際的には次に示
すマトリックスBx を用いて、Bx [Bx H Bx ]-1B
x H が単位行列に近くなるように2次音付加器の位置を
求める。
クスBがきまるので、Ep0の値を最小にするには、(1
0)式が満足されるように2次音付加器位置を定めれば
よい減音効果が得られることになる。しかし、マトリッ
クスBを求めるのは容易ではないので実際的には次に示
すマトリックスBx を用いて、Bx [Bx H Bx ]-1B
x H が単位行列に近くなるように2次音付加器の位置を
求める。
【0032】
【数11】 (3)騒音受音信号検出器の設置法
【0033】上記のように2次音付加器が設置された場
合、2次音の強さが正しく与えられれば、よい減音効果
が得られることになる。すなわち、(7)式で示される
2次音の強さが(6)式で示される2次音の強さに一致
するとき、最適の減音効果が期待できる。(1)項で示
した2次音付加器の数に対して厳密な意味で寄与してい
るモード数の数はこれより多いためマトリックスBは正
方行列ではない。従って、一般的には〈qs'〉≠〈qs
〉となっている。両者の差は対象モードに含まれな
い、低次と高次のモードの影響のために生じている。従
って次のように騒音受音信号検出器を設置することによ
り、この差を小さくすることとする。騒音受音信号検出
器の位置できまる式(12)のマトリックスΨL が対象
モード数Mと同じランクをもつようにする。いいかえれ
ば逆行列をもつようにする。
合、2次音の強さが正しく与えられれば、よい減音効果
が得られることになる。すなわち、(7)式で示される
2次音の強さが(6)式で示される2次音の強さに一致
するとき、最適の減音効果が期待できる。(1)項で示
した2次音付加器の数に対して厳密な意味で寄与してい
るモード数の数はこれより多いためマトリックスBは正
方行列ではない。従って、一般的には〈qs'〉≠〈qs
〉となっている。両者の差は対象モードに含まれな
い、低次と高次のモードの影響のために生じている。従
って次のように騒音受音信号検出器を設置することによ
り、この差を小さくすることとする。騒音受音信号検出
器の位置できまる式(12)のマトリックスΨL が対象
モード数Mと同じランクをもつようにする。いいかえれ
ば逆行列をもつようにする。
【0034】さらに対象モード外で影響が比較的大きい
モードについては、これをできるだけ検出できないよう
な位置すなわちこれらのモードの節の位置に全ての騒音
受音信号検出器を配置するようにする。このようにする
ことにより〈qs'〉と〈qs〉の差をできるだけ小さく
することが可能になり、よい減音効果が期待できる。
モードについては、これをできるだけ検出できないよう
な位置すなわちこれらのモードの節の位置に全ての騒音
受音信号検出器を配置するようにする。このようにする
ことにより〈qs'〉と〈qs〉の差をできるだけ小さく
することが可能になり、よい減音効果が期待できる。
【0035】
【数12】
【0036】以上述べた設置法とは別に次のように2次
音付加器と騒音受音信号検出器の位置を一度に探索する
方法もある。すなわち(8)式に示すEp0' を最小化す
るように以下の式が近似的に成立するマトリックスBx
とマトリックスΨL の組み合わせが得られるように、2
次音付加器と騒音受音信号検出器を配置するというもの
である。
音付加器と騒音受音信号検出器の位置を一度に探索する
方法もある。すなわち(8)式に示すEp0' を最小化す
るように以下の式が近似的に成立するマトリックスBx
とマトリックスΨL の組み合わせが得られるように、2
次音付加器と騒音受音信号検出器を配置するというもの
である。
【0037】
【数13】
【0038】本発明装置を航空機の機内音低減に適用し
た第2の実施例を図4に示す。プロペラ回転パルス等を
騒音源特性検出器で検出し、第1実施例で示した位置
に、2次音付加器及び騒音受音信号検出器を設置し、図
2で示した制御を行なうことにより、室内の全空間的な
減音効果が達成される。
た第2の実施例を図4に示す。プロペラ回転パルス等を
騒音源特性検出器で検出し、第1実施例で示した位置
に、2次音付加器及び騒音受音信号検出器を設置し、図
2で示した制御を行なうことにより、室内の全空間的な
減音効果が達成される。
【0039】本発明装置をヘリコプタの機内音低減に適
用した第3実施例を図5に示す。主ロータやテールロー
タやトランスミッション等の回転パルス等を騒音源特性
検出器で検出し、第1実施例で示した位置に、2次音付
加器及び騒音受音信号検出器を設置し、図2で示した制
御を行なうことにより、室内の全空間的な減音効果が達
成される。
用した第3実施例を図5に示す。主ロータやテールロー
タやトランスミッション等の回転パルス等を騒音源特性
検出器で検出し、第1実施例で示した位置に、2次音付
加器及び騒音受音信号検出器を設置し、図2で示した制
御を行なうことにより、室内の全空間的な減音効果が達
成される。
【0040】
【発明の効果】本発明は前述のように構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。
で、以下に記載するような効果を奏する。
【0041】(1)従来技術では対策が困難であった低
周波数減音を効果的に低減することが出来る。そのため
防音対策のために重量をさくことが厳しく制限される航
空機等には特に有効である。
周波数減音を効果的に低減することが出来る。そのため
防音対策のために重量をさくことが厳しく制限される航
空機等には特に有効である。
【0042】(2)大騒音を発生する騒音源の近くで静
かな室内空間を得ようとすると従来技術では大規模な防
音工事が必要となるが、本発明装置を並用すれば容易に
防音対策をとることができる。 (3)本発明の設置法に基づいて2次音付加器、及び騒
音受音信号検出器を設置することにより、最も効率的な
制御ができ、全空間的な減音効果が得られる。
かな室内空間を得ようとすると従来技術では大規模な防
音工事が必要となるが、本発明装置を並用すれば容易に
防音対策をとることができる。 (3)本発明の設置法に基づいて2次音付加器、及び騒
音受音信号検出器を設置することにより、最も効率的な
制御ができ、全空間的な減音効果が得られる。
【図1】本発明の第1実施例を示す図。
【図2】第1実施例の装置による処理方法を示す図。
【図3】第1実施例のモード寄与の検討図。
【図4】本発明の第2実施例を示す図。
【図5】本発明の第3実施例を示す図。
【図6】従来の航空機の防音技術を示す図。
1…騒音源特性検出器、2…騒音受音信号検出器、3…
2次音付加器、4…騒音制御装置、4111〜4122
…インパルスレスポンスのたたみこみ手段、4211〜
4222…フィルタ係数の修正手段、431〜432…
フィルタ係数のたたみ込み手段。
2次音付加器、4…騒音制御装置、4111〜4122
…インパルスレスポンスのたたみこみ手段、4211〜
4222…フィルタ係数の修正手段、431〜432…
フィルタ係数のたたみ込み手段。
Claims (1)
- 【請求項1】 室内空間へ騒音を発する騒音源の近傍に
設けた騒音源特性検出器(1)と、前記室内空間で騒音
の低減を狙う領域の近傍に設置する複数の騒音受音信号
検出器(2)と、前記騒音受音信号検出器の位置での騒
音を打ち消すための複数の2次音付加器(3)と、騒音
制御装置(4)からなる消音装置において、前記騒音制
御装置(4)は、騒音源特性検出器(1)で得られた信
号を受取り、該信号にフィルタ係数をたたみ込んだ信号
を2次音付加器(3)に送り込む手段を有するととも
に、前記騒音受音信号検出器(2)で検出される信号を
最小化するようにフィルタ係数を修正する適応型の手段
を具備し、前記騒音受音信号検出器(2)と2次音付加
器(3)の数は騒音に対して寄与しているモード数と同
数とし、前記2次音付加器(3)の設置位置は、音圧の
2乗値の対象領域内での積分値を目的関数として最適化
法により得られる最適位置にし、前記騒音受音信号検出
器(2)の設置位置は、各対象モードの検出は行なう
が、対象外モードの検出は行なわない位置すなわち対象
外モードの節の位置にすることを特徴とする消音装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17090292A JP3187948B2 (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | 消音装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17090292A JP3187948B2 (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | 消音装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0612086A JPH0612086A (ja) | 1994-01-21 |
JP3187948B2 true JP3187948B2 (ja) | 2001-07-16 |
Family
ID=15913455
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17090292A Expired - Fee Related JP3187948B2 (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | 消音装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3187948B2 (ja) |
-
1992
- 1992-06-29 JP JP17090292A patent/JP3187948B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0612086A (ja) | 1994-01-21 |
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