JPH07160273A - ヘリコプターのアクティブノイズコントロール装置 - Google Patents

ヘリコプターのアクティブノイズコントロール装置

Info

Publication number
JPH07160273A
JPH07160273A JP5304165A JP30416593A JPH07160273A JP H07160273 A JPH07160273 A JP H07160273A JP 5304165 A JP5304165 A JP 5304165A JP 30416593 A JP30416593 A JP 30416593A JP H07160273 A JPH07160273 A JP H07160273A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
noise
microphone
group
helicopter
microphone group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5304165A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Shimizu
水 俊 夫 清
Misao Takigawa
川 三左男 滝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP5304165A priority Critical patent/JPH07160273A/ja
Publication of JPH07160273A publication Critical patent/JPH07160273A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exhaust Silencers (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 地上に消音効果検出用のマイクを配置するこ
となく、ヘリコプターから地上に届く騒音を機体近傍で
効率良く消音することである。 【構成】 機体から延出された伸縮自在のプローブにマ
イク群が装着され、相殺音信号を合成してスピーカー群
からメインローター又はテールローターの騒音の相殺音
を出力させ、さらに、マイク群により騒音の低減状態を
誤差信号として検出し、この誤差信号が最小になるよう
に騒音の低減状態を最適に制御し、しかも、飛行状態に
応じた騒音の種類に対応してマイク群を選択し、この騒
音の種類に応じて消音を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘリコプターのロータ
ーから地上に届く騒音を機体近傍で効率良く消音できる
ヘリコプターのアクティブノイズコントロール装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】音響信号処理及び騒音制御の分野におい
ては、ここ数年におけるLSI技術の著しい発展に伴う
高速演算機能を有するデェジタルシグナルプロセッサの
発展に伴って、音響信号のリアルタイム処理が可能とな
り、騒音の時間的変化に対しても十分追随して騒音を最
適に低減するように制御するアクティブ・ノイズ・コン
トロール装置が実用可能となっている。
【0003】例えば、特開平4−234098号公報に
は、車両の車室内の騒音を低減するために、LMS(Lea
st Mean Square) アルゴリズムを用いたアクティブ・ノ
イズ・コントロール装置が開示されている。このLMS
アルゴリズムは、最適フィルター係数を求める計算式を
簡略化するため、フィルターの修正式が再帰式であるこ
とを利用し、平均自乗誤差を瞬間自乗誤差で近似して求
める理論をいうが、このLMSアルゴリズムを多チャン
ネルに拡大したMEFX(Multiple Error Filetered X)
アルゴリズムの利用も実用化され始めている。
【0004】このLMSアルゴリズムを用いた車両の車
室内騒音低減装置では、エンジンの振動を主要因として
発生する車室内騒音を消音する場合、エンジン振動と相
関の高い信号を騒音振動源信号(プライマリソース)と
して振動センサ等により検出し、このプライマリソース
から最適フィルターによって騒音に対する相殺音信号
(キャンセル信号)を合成し、スピーカーから相殺音を
発生し、これにより、騒音と相殺音とを互いに打消し合
わせて、騒音を低減している。さらに、受聴点における
騒音低減状態を誤差信号としてエラーマイクによって検
出し、この誤差信号とプライマリソースとからLMSア
ルゴリズムにより、上記最適フィルターのフィルター係
数を更新し、受聴点における騒音低減を最適な値にする
ように制御している。
【0005】また、特開平3−294731号公報に
も、空気調和器の室外ユニットにおけるプロペラファン
の外部への機械騒音を低減するため、上記と略同様に構
成されたアクティブ・ノイズ・コントロール装置が開示
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ヘリコプタ
ーでは、メイン・ローター及びテール・ローターで発生
する騒音が地上に届き、地上での騒音として問題となる
ことがある。
【0007】このようなヘリコプターのローター・ノイ
ズは、図11に示すように、ブレード通過周波数の整数
倍周波数にピークを有する比較的低周波数域の回転騒音
と、周波数特性がフラットな高周波数域の渦騒音と、ス
ラップ騒音とに分類される。このスラップ騒音は、翼端
から生じた渦を後続ブレードが通過する際の干渉により
生じる他、高速飛行中には前進側ブレードに圧縮性の効
果が現れてこのスラップ騒音が生じている。なお、図1
1は、実機試験結果であり、ホバリング状態において、
推力2.7ton 、ヘリコプターとマイクとの距離60m
の結果である。
【0008】また、回転騒音は、ローター・ディスク面
下方又は斜め下方に強く放射される指向性を有してい
る。
【0009】さらに、スラップ騒音は、図12(c)(d)
(e)(f)に示すように、前進側ブレード前方に強く放射さ
れる指向性を有している。なお、図12(c)(d)(e)(f)
は、実機試験結果であり、ヘリコプター降下時の結果を
示しており、図12(a)(b)において、M1,M2,M
3,M4は、4個のマイクの各々の取付位置を示してい
る。
【0010】さらに、離陸時においては、ヘリコプター
騒音中、テイル・ローター騒音が占める割合が大きく、
テイル・ローターの回転騒音は、ローター・ディスク面
下方又は斜め下方向に強く放射される。
【0011】このように、ヘリコプターにおいても、種
々の騒音が問題となっており、この騒音問題解決のた
め、従来技術で述べたアクティブ・ノイズ・コントロー
ル装置をヘリコプターに適用することも考えられる。
【0012】しかしながら、これを適用した場合、ヘリ
コプターにおいては消音空間が広く、地上の広範囲に多
数のマイクを配設する必要があり、現実には、上述した
アクティブ・ノイズ・コントロール装置のヘリコプター
への適用は困難である。
【0013】また、ヘリコプターのローター騒音の伝達
経路上にマイクを配置する必要があり、これを実現する
ためには、機体の外の空中にマイクを配置しなければな
らないが、飛行の障害にならないようにマイクを取付け
る工夫が必要とされる。
【0014】さらに、ヘリコプターの騒音は、上述した
ように、飛行状態により、種々の音源、周波数特性、指
向性を有しているため、上述したアクティブ・ノイズ・
コントロール装置をそのままヘリコプターに適用するこ
とは困難である。
【0015】このようなことから、ヘリコプターの分野
においても、地上に届く騒音を低減するべく、ヘリコプ
ター用のアクティブ・ノイズ・コントロール装置の出現
が待望されている。
【0016】本発明の目的は、上述したような事情に鑑
みてなされたものであって、ヘリコプターのローターの
各騒音の指向方向に対応するようにマイクを配置すると
共にマイクに対応して機体に配設したスピーカーから消
音効果のある音を発生させ、これにより、地上に消音効
果検出用のマイクを配置することなく、ヘリコプターか
ら地上に届く騒音を機体近傍で効率良く消音できるヘリ
コプターのアクティブノイズコントロール装置を提供す
ることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の請求項1に係るヘリコプターのアクティブ
ノイズコントロール装置は、ヘリコプターのメイン・ロ
ーターから発生する騒音を機体近傍で低減するように適
応制御するヘリコプターのアクティブノイズコントロー
ル装置であって、メイン・ローターの騒音に相関する波
形信号をプライマリソースとして検出する第1のセンサ
ーと、機体の周囲の下部から外下方に向けて伸縮自在に
伸びるプローブに装着された第1のマイク群と、この第
1のマイク群の夫々のマイクに対応して機体に取付けら
れた第1のスピーカー群と、機体の側面に設けられた第
2のマイク群と、この第2のマイク群の夫々のマイクに
対応して機体に取付けられた第2のスピーカー群と、第
1のセンサーからのプライマリソースに基づいて騒音に
対する相殺音信号を合成して第1又は第2のスピーカー
群の夫々のスピーカーから騒音の相殺音を出力させ、さ
らに、第1又は第2のマイク群の夫々のマイクにより騒
音の低減状態を誤差信号として検出し、この誤差信号が
所定のアルゴリズムに基づいて最小になるように騒音の
低減状態を最適に制御する第1の適応制御手段と、飛行
状態に応じて第1のマイク群のプローブを伸縮すると共
に、第1のマイク群及び第2のマイク群のいずれかを選
択して、選択したマイク群から第1の適応制御手段に信
号を送信する第1のセレクターと、を具備することを特
徴としている。
【0018】また、請求項2に係るヘリコプターのアク
ティブノイズコントロール装置は、ヘリコプターのテイ
ル・ローターから発生する騒音を機体近傍で低減するよ
うに適応制御するヘリコプターのアクティブノイズコン
トロール装置であって、テイル・ローターの騒音に相関
する波形信号をプライマリソースとして検出する第2の
センサーと、尾部の側面から水平に向けて伸縮自在に伸
びるプローブに装着された第3のマイク群と、この第3
のマイク群の夫々のマイクに対応して機体に取付けられ
た第3のスピーカ群と、第2のセンサーからのプライマ
リソースに基づいて騒音に対する相殺音信号を合成して
第3のスピーカー群の夫々のスピーカーから騒音の相殺
音を出力させ、さらに、第3のマイク群の夫々のマイク
により騒音の低減状態を誤差信号として検出させ、この
誤差信号が所定のアルゴリズムに基づいて最小になるよ
うに騒音の低減状態を最適に制御する第2の適応制御手
段と、飛行状態に応じて第3のマイク群のプローブを伸
縮すると共に、第3のマイク群から第2の制御手段への
信号の送信を入・切する第2のセレクターと、を具備す
ることを特徴としている。
【0019】
【作用】請求項1では、第1のセンサーからのプライマ
リソースに基づいて騒音に対する相殺音信号を合成して
第1又は第2のスピーカー群から騒音の相殺音を出力さ
せ、さらに、第1又は第2のマイク群により騒音の低減
状態を誤差信号として検出し、この誤差信号が所定のア
ルゴリズムに基づいて最小になるように騒音の低減状態
を最適に制御している。
【0020】しかも、第2のマイク群を機体の側面に設
けている一方、第1のマイク群を機体から外下方に向け
て伸縮自在に伸びるプローブに装着して、第1のマイク
群の位置をメインローターの騒音の指向方向に対応して
調整できるようにし、これら第1又は第2のマイク群を
第1のセレクターにより選択するように構成している。
これにより、通常飛行時、高速飛行時、離着陸時等の飛
行状態に応じた騒音の種類に対応してマイク群を選択す
ることができ、この騒音の種類に応じて消音を図ること
ができ、メインローターから地上に届く騒音を機体近傍
で効率良く消音できる。また、このように構成している
ため、地上に消音効果検出用のマイクを配置する必要が
ないと共に、高速飛行時及び着陸時等に第1のマイク群
が不要の場合には、第1のマイク群を装着したプローブ
を機体に引込む等することにより、プローブの空気抵抗
の低減と損傷を防止することができる。
【0021】また、請求項2では、請求項1と略同様
に、第2のセンサーからのプライマリソースに基づいて
騒音に対する相殺音信号を合成して第3のスピーカー群
から騒音の相殺音を出力させ、さらに、第3のマイク群
により騒音の低減状態を誤差信号として検出し、この誤
差信号が所定のアルゴリズムに基づいて最小になるよう
に騒音の低減状態を最適に制御している。
【0022】しかも、第3のマイク群を尾部の側面から
水平に向けて伸縮自在に伸びるプローブに装着して、第
3のマイク群の位置をテイルローターの騒音の指向方向
に対応して調整できるように構成している。これによ
り、通常飛行時、高速飛行時等の飛行状態に応じた騒音
に対応してマイク群を入・切することができ、テイルロ
ーターから地上に届く騒音を機体近傍で効率良く消音で
きる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例に係るヘリコプターの
アクティブノイズコントロール装置を図面を参照しつつ
説明する。
【0024】図1乃至図6に、アクティブノイズコント
ロール装置をメインローターに適用した本発明の第1の
実施例が示してある。図1は、本発明の第1の実施例に
係るアクティブノイズコントロール装置を適用したヘリ
コプターの右側面図である。図2は、図1に示すヘリコ
プターの平面図である。図3は、本発明の第1の実施例
に係るアクティブノイズコントロール装置のブロック図
である。図4は、本発明の第1の実施例に係るアクティ
ブノイズコントロール装置を適用したヘリコプターの部
分切欠正面図であり、(a) はプローブを収縮した状態を
示し、(b) はプローブを伸長した状態を示す。図5は、
第1の実施例の変形例に係るアクティブノイズコントロ
ール装置を適用したヘリコプターの部分切欠正面図であ
り、(a)はプローブを収縮した状態を示し、(b) はプロ
ーブを伸長した状態を示す。図6は、ヘリコプターの降
下に対応してプローブを収縮するときの状態を示す模式
図である。
【0025】先ず、図1,2,4に示すように、本実施
例では、機体の周囲の下部から外下方に向けて伸縮自在
に伸びるプローブ1,2,3,4が設けられている。こ
れらのプローブ1,2,3,4は、図4に示すように、
機体のフレーム5に支持されており、その収縮時には、
このフレーム5内の空き空間に収納される。また、プロ
ーブ1,2,3,4の伸縮駆動は、図3に示すモータ
6,7,8,9によりなされる。また、図5に示す変形
例のように、プローブ1,2,3,4は、機体の胴体下
面に支持され、その収納時には、胴体の下面に沿って引
き倒されるように構成されていてもよい。
【0026】また、図1,2に示すように、プローブ
1,2,3,4の先端には、マイク11,12,13,
14からなる第1のマイク群が装着されている。また、
機体の右側面には、マイク15,16からなる第2のマ
イク群が埋設されて装着されている。第2のマイク群が
機体の右側に装着されているのは、ローターブレードの
回転方向が上から見て反時計回りであるからである。
【0027】さらに、図1,2に示すように、第1のマ
イク群の夫々のマイク11,12,13,14に対応す
るようにして機体の下面に、スピーカー21,22,2
3,24からなる第1のスピーカー群が取付けられてい
る。さらに、第2のマイク群の夫々のマイク15,16
に対応するようにして機体の上方右側面には、スピーカ
ー25,26からなる第2スピーカー群が取付けられて
いる。
【0028】次に、図3に示すように、メイン・ロータ
ーの騒音に相関する波形信号をプライマリソースとして
検出する第1のセンサー31が設けられている。さら
に、速度計32及び昇降計33の信号が飛行モード判定
装置34に入力されて、ヘリコプターの飛行速度が予め
入力された飛行速度を超えたか否か、降下率が予め入力
された降下率を超えたか否かが判定される。さらに、パ
イロットがアクティブノイズコントロール装置をON・
OFFするスイッチ35が設けられ、飛行モード判定装
置34とこのスイッチ35は、後述する第1のセレクタ
ー60に接続されている。また、この第1のセレクター
60には、対地電波高度計36が接続されている。
【0029】さらに、メイン・ローターの騒音の低減状
態を最適に制御するための第1の適応制御手段が設けら
れている。この適応制御手段は、時間的に変化する波形
信号にあわせてフィルターの係数を変えるFIRフィル
ター41,42,43,44,45,46と、マイク1
1〜16で検出された騒音を最小にするフィルターの係
数を算出するLMSアルゴリズム51,52,53,5
4,55,56とからなっている。このLMSアルゴリ
ズム51〜56は、検出された騒音を最小とするように
フィルターの係数を更新し、FIRフィルター41〜4
6に伝達する。FIRフィルター41〜46からは、
(波形信号)×(FIRフィルターの係数)信号が発生
される。この信号は、スピーカー21〜24又はスピー
カー25,26によって音に変換され、騒音状態が最適
な状態に低減される。
【0030】飛行状態に応じてモータ6〜9を駆動させ
て第1のマイク群のプローブ1〜4を伸縮すると共に、
第1のマイク群及び第2のマイク群のいずれかを選択し
て、選択したマイク群からLMSアルゴリズム51〜5
6に信号を送信する第1のセレクター60が設けられて
いる。なお、マイク11,12,13,14,15,1
6は、夫々、スピーカー21,22,23,24,2
5,26、FIRフィルター41,42,43,44,
45,46、及びLMSアルゴリズム51,52,5
3,54,55,56に対応している。
【0031】このように構成されているため、居住地の
上空では、パイロットがスイッチ35をONにすること
により、第1のセレクター60は、マイク11〜14
(第1のマイク群)を選定し、このマイク11〜14の
騒音信号がLMSアルゴリズム41〜44に入力される
ように第1のセレクター60内の回路を切換える。同時
に、第1のセレクター60は、モータ6〜9を起動させ
て、プローブ31〜34を機外へ伸長させ、回転騒音の
指向方向での騒音の検出を行えるようにする。その結
果、LMSアルゴリズム51〜54によって、検出され
た騒音が最小となるようにフィルターの係数が更新さ
れ、FIRフィルター41〜46に伝達されて、FIR
フィルター41〜46から(波形信号)×(FIRフィ
ルターの係数)信号が発生されてスピーカー21〜24
(第1のスピーカー群)によって音に変換され、騒音状
態が最適な状態に低減される。例えば、マイク11〜1
4が検出した、ローター・ディスク面下方又は斜め下方
に強く放射される回転騒音を最小にすることができる。
【0032】一方、高速飛行時、及び降下時には、飛行
モード判定装置34の機能により、又はパイロットがス
イッチ35をONにすることにより、第1のセレクター
60は、マイク15,16(第2のマイク群)を選定
し、このマイク15,16の騒音信号がLMSアルゴリ
ズム45,46に入力されるように第1のセレクター6
0内の回路を切換える。その結果、LMSアルゴリズム
55,56及びFIRフィルター45,46によって、
上記と同様にして、騒音状態が最適な状態に低減され
る。例えば、マイク15,16が検出した、前進側ブレ
ード前方に強く放射されるスラップ音を最小にすること
ができる。
【0033】このように飛行状態に応じて、第1マイク
群等と、第2マイク群等とが第1のセレクター60によ
って選定される。この飛行状態に対応するこの選定の一
例を表1及び表2に示す。表1は、居住地の上空を飛行
している場合、表2は、居住地の上空以外を飛行してい
る場合を示している。また、これらの表において、〇は
作動しているときを示し、×は作動していないときを示
している。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】 さらに、図6に示すように、ヘリコプターの飛行高度が
予め入力された高度を下回った場合、対地電波高度計3
6からの信号に基づいて、第1のセレクター60からモ
ーター6〜9に収縮駆動信号が送信される。これによ
り、図6に示すように、ヘリコプターの降下に対応し
て、プローブ1〜4が除々に収縮されて機内に引込まれ
る。その結果、プローブ1〜4の地面への接触が防止さ
れる。また、プローブ1〜4を機体に引込む等すること
により、プローブ1〜4の空気抵抗の低減を防止するこ
ともできる。
【0036】次に、図7〜10を参照して、本発明の第
2の実施例に係るアクティブノイズコントロール装置を
説明する。この第2の実施例は、アクティブノイズコン
トロール装置をテールローターに適用したものである。
図7は、本発明の第2の実施例に係るアクティブノイズ
コントロール装置を適用したヘリコプターの尾部の右側
面図である。図8は、図7に示すヘリコプターの尾部の
平面図である。図9は、本発明の第2の実施例に係るア
クティブノイズコントロール装置のブロック図である。
図10は、ヘリコプターの降下に対応してプローブを収
縮するときの状態を示す模式図である。
【0037】図7,8,9に示すように、本実施例で
は、水平尾翼70の右側面から伸縮自在にプローブ71
が延出されており、垂直尾翼の下部の右側面から伸縮自
在にプローブ72が延出されている。これらプローブ7
1,72の先端には、マイク81,82からなる第3の
マイク群が装着されている。また、機体の尾部の右側面
には、スピーカー91,92からなる第3のスピーカー
群が埋設されて装着されている。第3のマイク群等が機
体の左側に装着されているのは、テールローターが垂直
尾翼の右側に取付けられており、推力を右側に発生して
いるからである。
【0038】テール・ローターの騒音に相関する波形信
号をプライマリソースとして検出する第2のセンサー1
00が設けられている。さらに、第1の実施例と同様
に、速度計32、昇降計33、飛行モード判定装置3
4、スイッチ35、対地電波高度計36が設けられてい
るテール・ローターの騒音の低減状態を最適に制御する
ための第2の適応制御手段が設けられている。この適応
制御手段は、時間的に変化する波形信号にあわせてフィ
ルターの係数を変えるFIRフィルター101,102
と、マイク81,82で検出された騒音を最小にするフ
ィルターの係数を算出するLMSアルゴリズム111,
112とからなっている。これらFIRフィルター10
1,102及びLMSアルゴリズム111,112は、
第1の実施例と同様に機能する。
【0039】さらに、飛行状態に応じてモータ73,7
4を駆動させて第3のマイク群のプローブ71,72を
伸縮すると共に、第3のマイク群から第2の制御手段へ
の信号の送信を入・切する第2のセレクター120が設
けられている。
【0040】このように構成されているため、離陸飛行
時、居住地の上空では、飛行モード判定装置34の機能
により、又はパイロットがスイッチ35をONにするこ
とにより、第2のセレクター120は、第3のマイク群
のマイク81,82からの騒音信号がLMSアルゴリズ
ム111,112に入力されるように第2のセレクター
120内の回路をONする。同時に、第2のセレクター
120は、モータ73,74を起動させて、プローブ7
1,72を機外へ伸長させ、回転騒音の指向方向での騒
音の検出を行えるようにする。その結果、LMSアルゴ
リズム111,112によって、検出された騒音が最小
となるようにフィルターの係数が更新され、FIRフィ
ルター101,102に伝達されて、FIRフィルター
101,102から(波形信号)×(FIRフィルター
の係数)信号が発生されてスピーカー91,92(第3
のスピーカー群)によって音に変換され、騒音状態が最
適な状態に低減される。例えば、離陸時、及び居住地の
上空の場合には、マイク81,82が検出した、ロータ
ー・ディスク面下方又は斜め下方に強く放射される回転
騒音を最小とすることができる。
【0041】一方、離陸飛行時及び居住地の上空以外の
場合には、本実施例に係るアクティブノイズコントロー
ル装置の作動は行われず、第2のセレクター120によ
って、プローブ71,72は、水平尾翼又は胴体内の空
き空間に収納されるか、又は、これらに沿って引き倒さ
れている。
【0042】このように飛行状態に応じて、第3マイク
群等が第1のセレクター60によっ入・切される。この
飛行状態に対応するこの入・切の一例を上記表1及び表
2に示す。
【0043】さらに、図10に示すように、ヘリコプタ
ーの飛行高度が予め入力された高度を下回った場合、対
地電波高度計36からの信号に基づいて、第2のセレク
ター120からモーター73,74に収縮駆動信号が送
信される。これにより、図10に示すように、ヘリコプ
ターの降下に対応して、プローブ71,72が除々に収
縮されて機内に引込まれる。その結果、プローブ71,
72の地面への接触が防止される。また、プローブ7
1,72を機体に引込む等することにより、プローブ7
1,72の空気抵抗の低減を防止することもできる。
【0044】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れず種々変形可能である。例えば、適応制御手段のアル
ゴリズムとして、LMSアルゴリズムを用いたが、RL
S法など種々のものであってもよい。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の請求項1で
は、メイン・ローターの騒音の相殺音を出力させ、騒音
の低減状態を誤差信号として検出し、騒音の低減状態を
最適に制御している。しかも、通常飛行時、高速飛行
時、離着陸時等の飛行状態に応じた騒音の種類に対応し
てマイク群を選択することができ、この騒音の種類に応
じて消音を図ることができ、メインローターから地上に
届く騒音を機体近傍で効率良く消音できる。また、地上
に消音効果検出用のマイクを配置する必要がないと共
に、第1のマイク群を装着したプローブを機体に引込む
等することにより、プローブの空気抵抗の低減と損傷を
防止することができる。
【0046】また、請求項2では、テール・ローターの
騒音の相殺音を出力させ、騒音の低減状態を誤差信号と
して検出し、騒音の低減状態を最適に制御している。し
かも、第3のマイク群の位置をテイルローターの騒音の
指向方向に対応して調整できるように構成し、通常飛行
時、高速飛行時等の飛行状態に応じた騒音に対応してマ
イク群を入・切することができ、テイルローターから地
上に届く騒音を機体近傍で効率良く消音できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るアクティブノイズ
コントロール装置を適用したヘリコプターの右側面図。
【図2】図1に示すヘリコプターの平面図。
【図3】本発明の第1の実施例に係るアクティブノイズ
コントロール装置のブロック図。
【図4】本発明の第1の実施例に係るアクティブノイズ
コントロール装置を適用したヘリコプターの部分切欠正
面図であり、(a) はプローブを収縮した状態を示し、
(b) はプローブを伸長した状態を示す。
【図5】第1の実施例の変形例に係るアクティブノイズ
コントロール装置を適用したヘリコプターの部分切欠正
面図であり、(a) はプローブを収縮した状態を示し、
(b) はプローブを伸長した状態を示す。
【図6】ヘリコプターの降下に対応してプローブを収縮
するときの状態を示す模式図。
【図7】本発明の第2の実施例に係るアクティブノイズ
コントロール装置を適用したヘリコプターの尾部の左側
面図。
【図8】図7に示すヘリコプターの尾部の平面図。
【図9】本発明の第2の実施例に係るアクティブノイズ
コントロール装置のブロック図。
【図10】ヘリコプターの降下に対応してプローブを収
縮するときの状態を示す模式図。
【図11】ヘリコプターの音圧レベルと周波数との関係
を示すグラフ。
【図12】(a)(b)は、マイクの取付位置を説明するため
の模式図、(c)(d)(e)(f)は、スラップ騒音の実機試験結
果を示すグラフ。
【符号の説明】
1,2,3,4 プローブ 11,12,13,14 第1のマイク群のマイク 15,16 第2のマイク群のマイク 21,22,23,24 第1のスピーカー群のスピー
カー 25,26 第2スピーカー群のスピーカー 31 第1のセンサー 41,42,43,44,45,46 FIRフィルタ
ー(第1の適応制御手段) 51,52,53,54,55,56 LMSアルゴリ
ズム(第1の適応制御手段) 60 第1のセレクター 71,72 プローブ 81,82 第3のマイク群のマイク 91,92 第3のスピーカー群のスピーカー 100 第2のセンサー 101,102 FIRフィルター(第2の適応制御手
段) 111,112 LMSアルゴリズム(第2の適応制御
手段) 120 第2のセレクター
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03H 17/04 A 8842−5J 21/00 8842−5J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヘリコプターのメイン・ローターから発生
    する騒音を機体近傍で低減するように適応制御するヘリ
    コプターのアクティブノイズコントロール装置であっ
    て、 メイン・ローターの騒音に相関する波形信号をプライマ
    リソースとして検出する第1のセンサーと、 機体の周囲の下部から外下方に向けて伸縮自在に伸びる
    プローブに装着された第1のマイク群と、 この第1のマイク群の夫々のマイクに対応して機体に取
    付けられた第1のスピーカー群と、 機体の側面に設けられた第2のマイク群と、 この第2のマイク群の夫々のマイクに対応して機体に取
    付けられた第2のスピーカー群と、 第1のセンサーからのプライマリソースに基づいて騒音
    に対する相殺音信号を合成して第1又は第2のスピーカ
    ー群の夫々のスピーカーから騒音の相殺音を出力させ、
    さらに、第1又は第2のマイク群の夫々のマイクにより
    騒音の低減状態を誤差信号として検出し、この誤差信号
    が所定のアルゴリズムに基づいて最小になるように騒音
    の低減状態を最適に制御する第1の適応制御手段と、 飛行状態に応じて第1のマイク群のプローブを伸縮する
    と共に、第1のマイク群及び第2のマイク群のいずれか
    を選択して、選択したマイク群から第1の適応制御手段
    に信号を送信する第1のセレクターと、を具備すること
    を特徴とするヘリコプターのアクティブノイズコントロ
    ール装置。
  2. 【請求項2】ヘリコプターのテイル・ローターから発生
    する騒音を機体近傍で低減するように適応制御するヘリ
    コプターのアクティブノイズコントロール装置であっ
    て、 テイル・ローターの騒音に相関する波形信号をプライマ
    リソースとして検出する第2のセンサーと、 尾部の側面から水平に向けて伸縮自在に伸びるプローブ
    に装着された第3のマイク群と、 この第3のマイク群の夫々のマイクに対応して機体に取
    付けられた第3のスピーカ群と、 第2のセンサーからのプライマリソースに基づいて騒音
    に対する相殺音信号を合成して第3のスピーカー群の夫
    々のスピーカーから騒音の相殺音を出力させ、さらに、
    第3のマイク群の夫々のマイクにより騒音の低減状態を
    誤差信号として検出させ、この誤差信号が所定のアルゴ
    リズムに基づいて最小になるように騒音の低減状態を最
    適に制御する第2の適応制御手段と、 飛行状態に応じて第3のマイク群のプローブを伸縮する
    と共に、第3のマイク群から第2の制御手段への信号の
    送信を入・切する第2のセレクターと、を具備すること
    を特徴とする請求項1に記載のヘリコプターのアクティ
    ブノイズコントロール装置。
JP5304165A 1993-12-03 1993-12-03 ヘリコプターのアクティブノイズコントロール装置 Pending JPH07160273A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5304165A JPH07160273A (ja) 1993-12-03 1993-12-03 ヘリコプターのアクティブノイズコントロール装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5304165A JPH07160273A (ja) 1993-12-03 1993-12-03 ヘリコプターのアクティブノイズコントロール装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07160273A true JPH07160273A (ja) 1995-06-23

Family

ID=17929835

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5304165A Pending JPH07160273A (ja) 1993-12-03 1993-12-03 ヘリコプターのアクティブノイズコントロール装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07160273A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100447664C (zh) * 2005-06-29 2008-12-31 亚洲光学股份有限公司 色轮组
FR2959341A1 (fr) * 2010-04-27 2011-10-28 Snecma Procede de traitement des ondes acoustiques emises en sortie d'un turbomoteur d'un aeronef avec un dispositif piezoelectrique et aeronef comprenant un tel dispositif
JP2017071292A (ja) * 2015-10-07 2017-04-13 パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカPanasonic Intellectual Property Corporation of America 無人飛行体及び飛行音キャンセル方法
JP2019505047A (ja) * 2016-01-28 2019-02-21 クアルコム,インコーポレイテッド ドローン飛行制御
JP2019525864A (ja) * 2016-06-27 2019-09-12 アマゾン テクノロジーズ インコーポレイテッド 同時プロペラ変調によるドローン騒音低減
JP2020097416A (ja) * 2015-09-18 2020-06-25 アマゾン テクノロジーズ インコーポレイテッド 能動的な空気伝播音の低減
WO2023103168A1 (zh) * 2021-12-06 2023-06-15 南京航空航天大学 一种融合声阵列和在桨控制的直升机主动噪声抑制装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100447664C (zh) * 2005-06-29 2008-12-31 亚洲光学股份有限公司 色轮组
FR2959341A1 (fr) * 2010-04-27 2011-10-28 Snecma Procede de traitement des ondes acoustiques emises en sortie d'un turbomoteur d'un aeronef avec un dispositif piezoelectrique et aeronef comprenant un tel dispositif
JP2020097416A (ja) * 2015-09-18 2020-06-25 アマゾン テクノロジーズ インコーポレイテッド 能動的な空気伝播音の低減
JP2017071292A (ja) * 2015-10-07 2017-04-13 パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカPanasonic Intellectual Property Corporation of America 無人飛行体及び飛行音キャンセル方法
JP2019505047A (ja) * 2016-01-28 2019-02-21 クアルコム,インコーポレイテッド ドローン飛行制御
JP2019525864A (ja) * 2016-06-27 2019-09-12 アマゾン テクノロジーズ インコーポレイテッド 同時プロペラ変調によるドローン騒音低減
WO2023103168A1 (zh) * 2021-12-06 2023-06-15 南京航空航天大学 一种融合声阵列和在桨控制的直升机主动噪声抑制装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8526627B2 (en) Noise reduction device
US20150370266A1 (en) Active noise and vibration control systems and
US6002778A (en) Active structural control system and method including active vibration absorbers (AVAS)
EP2840569B1 (en) Active noise reduction with adaptive filter leakage adjusting
US10176794B2 (en) Active noise control system in an aircraft and method to reduce the noise in the aircraft
US20080019536A1 (en) Method and a device for treating noise on board an aircraft
EP3996086B1 (en) Virtual location noise signal estimation for engine order cancellation
EP3594645A1 (en) Aircraft ground safety for ultrasonic sensors
JPH07160273A (ja) ヘリコプターのアクティブノイズコントロール装置
CA3048694A1 (en) Aircraft ground safety for ultrasonic sensors
CA1337178C (en) Noise reduction in vehicle cabins
US20230022772A1 (en) Active noise cancellation of equipment fan noise on aircraft
EP3594938A1 (en) Aircraft ground safety for ultrasonic sensors
JP2751685B2 (ja) 能動型騒音制御装置
JPH04308899A (ja) 車室内音の適応型能動消音方式
JP2010076715A (ja) 騒音低減装置
US20220375449A1 (en) Adaptive noise cancellation for multi-rotor vehicle
JP3544999B2 (ja) 消音装置
JP2994809B2 (ja) 消音装置
EP2202721B1 (en) Noise control device
JP2009298253A (ja) 騒音低減システムおよび騒音低減装置
JPH1049175A (ja) アクティブノイズコントロール装置
JP3187948B2 (ja) 消音装置
CA3233152A1 (en) Method for controlling at least one rotor of a flight vehicle, control data provision unit for a flight vehicle and a flight vehicle having at least one rotor
JPH0883084A (ja) 能動型騒音制御装置及び能動型振動制御装置