JP3187847B2 - ディーゼル型内燃機関のシリンダライナー、ピストン、ピストンスカート部又はピストンリングのようなシリンダ要素及び該機関のピストンリング - Google Patents

ディーゼル型内燃機関のシリンダライナー、ピストン、ピストンスカート部又はピストンリングのようなシリンダ要素及び該機関のピストンリング

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JP3187847B2 JP52508198A JP52508198A JP3187847B2 JP 3187847 B2 JP3187847 B2 JP 3187847B2 JP 52508198 A JP52508198 A JP 52508198A JP 52508198 A JP52508198 A JP 52508198A JP 3187847 B2 JP3187847 B2 JP 3187847B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、全負荷時におけるその最高燃焼圧力が100
バール以上であり、ピストンに幾つかのピストンリング
が設けられ、ピストンが少なくとも600mmの行程距離に
てシリンダライナー内を往復運動し、該ピストンリング
がリングの高さを上廻る軸方向への高さを有する環状溝
内に取り付けた状態のとき、少なくとも150mmの外径を
有し、該ピストンリングの各々がライナーの内面に沿っ
て摺動する半径方向外面を有し、シリンダ要素には、該
シリンダ要素の側部の少なくとも一部分に少なくとも1
つの熱溶射層が設けられた、ディーゼル型内燃機関、特
に、2行程クロスヘッドエンジンに使用されるシリンダ
ライナー、ピストン、ピストンスカート部、又はピスト
ンリングのようなシリンダ要素に関する。
2行程クロスヘッドディーゼルエンジンは、今日、極
めて高い最高燃焼圧力にて作動する設計とされており、
この高圧は、シリンダ要素に極めて大きい負荷を生じさ
せる。その理由の1つは、リングが燃焼室内の圧力がピ
ストンの下方に拡がるのを防止しなければならないと
き、リングにおける差圧が、必然的に高圧となるためで
あり、また、燃焼によって生じた高圧に伴って摩擦状況
に悪影響のある極めて高い温度となり、このため、互い
に沿って摺動するシリンダ要素は、特にピストンリング
及びライナーを損傷させる可能性のある固体状態となり
易くなるためである。高圧に対して密封するため、ライ
ナーの内面に対するピストンリングの当接圧力は高圧で
なければならない。このことは、ピストンリングが潤滑
油膜に貫入し、ライナーの内面に対して無潤滑状態にて
作動する傾向がより大きくなる。
当該出願人の特許公報第WO95/21994号には、その内面
に異なる性質を有する幾つかの層が設けられたシリンダ
ライナーが記載されている、すなわち、これらの層は、
最内側の硬い耐摩耗層(wearing layer)、中程度の硬
さの中間層、より硬い層と異なる別の材料から成る、よ
り柔軟なならし層である。最内側層に対して、炭化物、
酸化物及び窒化物の形態にて埋め込まれた硬い粒子を有
するクロム、ニッケル及びモリブデンから成る比較的柔
軟な金属マトリックスが適用可能な材料として提案され
ている。中間層に対して、モリブデン及び過酸化モリブ
デンの混合材が提案されており、ならし層に対して、選
択随意的に、銀のような柔軟な材料と混合させた、金属
被覆グラファイトボールが提案されている。シリンダ要
素の最外層に対して異なる材料を使用することは、層を
下方の材料に対して十分に良好に接着させる上で問題を
生じる可能性がある。最初の溶射層は、通常、鋳鉄、鋳
鋼、又は鋼であるシリンダ要素の基部材料に接着しなけ
ればならず、また、後続の1又は2つ以上の層は、後続
の層の性質と著しく異なる性質を有する下方の隣接層に
接着しなければならない。最外側層に対して使用される
材料が比較的コスト高であることは更に不利益な点であ
る。
米国特許第5080056号には、シリンダブロックが319ア
ルミニウム合金にて製造されており、また、該シリンダ
ブロックにエンジンのシリンダを構成する幾つかのボア
を設けた4行程エンジンが記載されている。該シリンダ
の内面には、完全に稠密で且つ硬い被覆を提供し得るよ
うにHVO技術によって溶射することのできるAl−青銅合
金の硬い耐摩耗層が付与されている。Al−青銅は、アル
ミニウムで製造されたピストンと共に、十分な摺動特性
を有するため、この場合に、特に適していると考えられ
る。被覆は稠密で且つポアが実質的に存在しないことが
必須であると記載されている。この被覆は、0.1mm以内
の厚さにて施されて、その後、被覆の厚さの約1/3は、
砥石研磨により除去する。
本発明に関連するエンジンの高い最高圧力状態は、石
油エンジンの場合、40バール程度の最高圧力が使用さ
れ、ディーゼルエンジンの場合、80バール程度の最高圧
力が使用される、4行程エンジンにおける状態と著しく
相違する。更に、4行程エンジンのエンジンブロック、
ピストン及びピストンリングは、軽金属で製造されてい
る一方、大型のエンジンのシリンダライナー、ピスト
ン、ピストンスカート部及びピストンリングは、高圧及
び高温の影響に耐え得るように、通常、鋳鉄、鋳鋼又は
鋼で製造されている。使用する材料の相違は、溶射した
被覆の性質を互いに比較することを難しくする。その理
由は、摩擦状態、接着状態、熱の影響に対する反応等
は、一方にて、鋳鉄と鋳鋼との間にて、他方にて、鋳鉄
とアルミニウムのような軽金属の間にて著しく相違する
からである。
本発明の目的は、シリンダ要素に十分に接着し且つ優
れたならし及び作動特性を提供する被覆が設けられた、
材料コストが低廉なシリンダ要素を提供することであ
る。
このことに鑑みて、シリンダ要素には、一方が他方の
上になるようにして、少なくとも2つのAl−青銅層が溶
射される。該層の最外側層は、最大で330HV20の平均硬
さを有するならし層(running−in layer)であり、そ
の下部層は、ならし層の平均硬さを上廻り、少なくとも
130HV20の平均硬さを有する耐摩耗層(wearing layer)
である。
下方の隣接する耐摩耗層と同一の型式の合金から成る
ならし層を使用することは、ならし層を極めて良好に接
着させ、ならし層の薄片が剥げ落ち又は掻き落されるの
を防止する。Al−青銅の表面は、十分な摺動特性を有
し、固着を防止する良好な摩擦状態を提供する。Al−青
銅の柔軟なならし層は、ピストンが往復運動する間に、
シリンダ要素に沿って当接し且つ摺動する要素の内面の
何れかにて、新たなるシリンダ要素を慣らし運転する間
に、固着する傾向が全くない面をシリンダ要素に形成す
る。
ならし層(running−in layer)に適用するために使
用されるAl−青銅の開始材料は、グラファイトを含む開
始材料の1/2のコストであり、このことは、ならし層
は、公知のならし層よりも経済的に著しく有利な方法に
て製造することができることを意味する。更に、熱溶射
時に使用される担体はガス又は保護ガスの組成のよう
な、施工状態を適当に制御することによって、Al−青銅
を多少硬くすることができる。更に、施工した層の硬さ
は、層を適当に後処理することにより改質することがで
きる。この後処理に関しては、以下に更に詳細に説明す
る。このように、ならし層の下方に位置する層が本来の
耐摩耗層として作用するような仕方にてAl−青銅層の特
性を制御することが可能である。また、かかる耐摩耗層
の材料コストは、モリブデンから成る上述の耐摩耗層の
コストよりも著しく低い。
シリンダ要素の慣らし時に、被覆の表面に引掻き傷が
形成される場合、Al−青銅を使用することは、その引掻
き傷が局部的に極めて高温であることを特徴とする固着
に至ることはないことを意味する。その理由は、Al−青
銅は、それ自体の溶融温度に達する迄、潤滑性質を保つ
からである。
Al−青銅の摩耗層(wearing layer)は、ならし層
と、下方の耐摩耗層との間に位置する中間層であること
が好ましい。該下方の耐摩耗層は中間層の硬さを上廻
る。また、この下方の耐摩耗層(wearing layer)は、A
l−青銅とすることができるが、金属マトリックス内に
埋め込んだ炭化物、酸化物又は窒化物の形態をした硬い
粒子を含むような、他の硬質で且つ耐摩耗性の材料、例
えばスウェーデンの会社ダーロス(DAROS)ABがPM2、PM
10、PM14、PM20、PM28又はL1という商品名の1つとして
販売するような材料とすることができる。この溶射層を
形成することは、摩耗中、耐摩耗性を有するより硬い材
料が露出するのに伴って、シリンダ要素の有利な摩耗を
実現することにつながる。
Al−青銅のならし層は、体積比で0.2乃至40%の多孔
度を有することが適当であり、その結果、Al−青銅の表
面は材料の孔により形成された多数の凹所を有してい
る。これらの凹所は、典型的に、表面にて細かく分配さ
れ、エンジンの運転時に、その表面に供給された潤滑油
の一部を捕える。外部から該表面に潤滑油が全く供給さ
れない時間の間、凹所内に貯えられた潤滑油は、その表
面に拡げられ、シリンダ要素の潤滑状態を保つ。この条
件は、それ自体に潤滑油の供給源を有さないピストンリ
ングにおいては特に有利なことである。
1つの実施の形態では、互いに異なる性質の2乃至7
つのAl−青銅層を有しており、それら個々の層の厚さ
は、0.02mm乃至2.5mmの範囲、好ましくは、0.10乃至1.0
mmの範囲である。個々の層の厚さが上記範囲にある幾つ
かの層を使用することにより、被覆の性質を入念に所望
の用途に適したものとすることができる。例えば、ピス
トンスカート部は、比較的薄い幾つかの層を必要とする
一方、最上方ピストンリングの上方領域におけるピスト
ン上の層は、実質的により厚い厚さとすることができ
る。シリンダライナーの内面において、硬さが被覆を介
して均一に増すような層の数とされており、その場合、
層の数は、ピストンリングの外面におけるよりも多数と
することができる。層の厚さの全体に亙って実質的に同
一の性質を有する各層は、その層が所望の厚さとなる
迄、均一な溶射状態にて何回か溶射することにより形成
することができる。
Al−青銅の合金は、一般に生ずる不純物を除いて、重
量比で表わしたとき、2乃至20%Al、選択随意的に、S
b、Co、Be、Cr、Sn、Mn、Si、Cd、Zn、Fe、Ni、Pb及び
Cの成分の1つ以上を含み、それら成分の個々の重量
は、最大でSb5%、最大でCo5%、最大でBe5%、最大でC
r5%、最大でSn15%、最大でMn5%、最大でSi15%、最
大でCd2%、最大でZn15%、最大でFe5%、最大でNi20
%、最大でPb20%、最大でC2%、その残りが少なくとも
50%のCuであるようにすることができる。このように、
Cu及びAlの最小量は52%であり、その他の成分の合計量
は最大48%であり、25%に制限されることが有利であ
る。
Cr、Sb及びCを追加することは、炭化物を形成するこ
とにより合金の硬さを増す。これらの成分は、典型的
に、耐摩耗層として機能する下方の層に追加される。
Zn、Be、Co、Si及びNiを追加することは、合金の強度
を増し、サンドブラスト、ボールブラスト又はローリン
グのような機械的作用によって層の硬さを増すことを可
能にする。
Cdを追加することは、合金の再結晶温度を上昇させ、
また、その強度を増すことになる。Mnを追加すること
は、合金の硬さを増し、その合金をより耐熱性にする。
Feを追加することは、合金の硬さを増し、Pbを追加する
と、Pbが固体潤滑剤として機能するため、層に対し重い
負荷時の有利な性質を付与することになる。Snを追加す
ることは、耐食性を増し且つ合金の脆弱性を低下させる
が、これと同時に、機械的作用を受けたときの硬さを向
上させるのに役立つ。
ならし層に特に好ましい合金のタイプは、特に、9乃
至10%のAlと、0乃至1%のFeと、残部Cuとから成って
いる。この合金の硬さは、主として溶射時に使用される
ガス組成物によって生じる酸化物の含有率によって制御
される。アルゴンのような不活性ガスの使用により、酸
化物の形成は抑制され、合金は極めて軟質になる。
層の硬さを制御するために合金の酸化物の含有率を使
用する1つの実施の形態において、シリンダ要素は次の
ように形成することができる。すなわち、Al−青銅層が
体積比で1乃至30%の酸化物を含むことと、酸化物の量
がならし層内にて最小であり、好ましくは体積比で10%
以下であることと、ならし層の下方の耐摩耗層内にて体
積比で少なくとも2%、好ましくは少なくとも10%であ
ることとなるようにする。1又は2つ以上の下方の層内
の酸化物の含有率が高ければ高い程、これらの層は、な
らし層よりも大きい硬さが得られる。
酸化物の含有量によって硬さを制御することの代替法
又は補充法として、シリンダ要素は次のように形成する
ことができる。すなわち、Al−青銅の層が他方の頂部に
溶射されることと、後続の層を溶射する前に溶射層に対
して硬さを増す機械的作用を加えることと、好ましくは
直前に溶射した層の上に粗さを低減する機械加工を全く
行わないことである。溶射した層の硬さを増すための異
なる機械的作用の例に関しては、上述した通りである。
機械的作用を上記の成分、Zn、Be、Co、Si及びNiの1つ
以上を含む合金と組み合わせることにより、Al−青銅被
覆中の個々の層の硬さを著しく変化させることが可能で
ある。このようにして、その硬さは、例えば、50乃至50
0HV20の範囲内にて変化させることができる。
本発明によるシリンダ構成要素にて行うことが経済的
でない、ホーニング加工のような仕上げ加工を直前に溶
射した層が、全く不要であることは、シリンダ要素にと
って特別に有利なことである。
本発明は、さらに、全負荷時におけるその最高燃焼圧
力が100バール以上であり、ピストンには、幾つかのピ
ストンリングが設けられ、該ピストンが少なくとも750m
mの行程距離にてシリンダライナー内を往復運動し、該
ピストンリングが、環状溝内に取り付けられた状態に
て、少なくとも150mmの外径を有し、該環状溝の軸方向
への高さがリングの高さを上廻り、該ピストンリングの
各々がライナーの内面に沿って摺動する半径方向外面を
有し、該ピストンリングには、その半径方向外面に少な
くとも1つの熱溶射層が付与される、ディーゼル型内燃
機関、特に、2行程クロスヘッド型エンジンにおけるピ
ストンリングに関するものである。
有利な程に経済的な材料で製造されたピストンリング
であって、シリンダ要素に十分に接着し且つ優れた慣ら
し運転及び作動特性を提供する被覆が付与されたピスト
ンリングを製造する目的にて、本発明によるピストンリ
ングは、少なくとも1つの溶射層がAl−青銅であり、Al
−青銅の被覆の合計厚さが少なくとも0.05mmであり、最
外側層が平均硬さが最大で330HV20のならし層であるこ
とを特徴としている。ピストンリングにおけるAl−青銅
の被覆は、ピストンリングの鋼、鋳鋼又は鋳鉄の基部材
料に直接溶着した単一の層又は幾つかの層とすることが
でき、若しくは該層は、例えば、ダーロスの型式PM2、P
M10、PM14、PM20、PM28又はL1の1つとすることのでき
る別の耐磨耗性材料の下方の溶射層に溶射される。Al−
青銅の最外側層は、固着を防止するならし層として機能
し、このことは、以下に説明する、新品のピストンリン
グを迅速に慣らし運転することを可能にする。
ピストンリングの最初の慣らし運転の間、リングの半
径方向外面は研磨されて、切子面(facetted shape)か
ら成る形状となる。リング溝の高さはリングの高さを上
廻るため、該リングはそのそれぞれの環状溝内を軸方向
に動くことができ、また、リングにおける大きい差圧の
影響力下、リングは溝内で僅かに傾き、又は捩れ、この
ため、ピストンが往復運動する間に、ライナーの内面に
対するリングの外面の角度が変化する。リンクが初めて
何回も傾動すると、その上方端縁又は下方端縁は、極め
て小さい面積にてライナーの内面に当接し、これに関連
する極めて高い表面圧力の結果、リング材料は急速に磨
耗する。その理由は、リング端縁がライナーの内面の油
膜に瞬間的に貫入するためであると考えられる。リング
が切子面から成る形状を実現すると、当接面積が増大
し、表面圧力は、油膜に貫入するときの限界値以下にな
る。
Al−青銅のならし層は、少なくともピストンリングが
小さい面から成る形状に研磨される迄、固着の発生を防
止する。この切子面の形状は、ピストンリングの外面と
ライナーの内面との間にて潤滑油膜に貫入することな
く、ピストンリングに対し全負荷を加えることを可能に
する。
ピストンリングにて単一のAL−青銅層のみを使用する
場合、この最外側層の硬さは相互に異なる性質のAL−青
銅層の幾つかが設けられたシリンダ要素に関して上述し
た機械的な作用力の下、増大させることができる。
次に、概略図を参照しつつ、本発明の実施例に関して
以下に詳細に説明する。添付図面において、 図1は、ピストンリングを有するピストンがその上死
点にある場合のシリンダライナーの最上方部分の縦断面
図である。
図2は、鋳造リング材料上に直接、Al−青銅のならし
層を被覆したピストンリングの断面図である。
図3は、鋳造したリング材料上の溶射した硬い耐摩耗
層の頂部にてAl−青銅のならし層を被覆したピストンリ
ングの別の実施の形態の断面図である。
図4は、本発明によるAl−青銅層が共に形成された、
ピストンスカート部を備えるピストンの部分側面図であ
る。
図5は、3つのAl−青銅層が付与されたシリンダライ
ナーの部分断面図である。
図1には、発電機を作動させる据え付け型エンジンと
して、又は船の推進エンジンとして使用することのでき
る大型の2行程クロスヘッドエンジン用のシリンダライ
ナーの最上方部分が全体として参照番号1で示してあ
る。エンジンの寸法に対応して、シリンダライナーを多
数の異なる多数の寸法にて製造することができ、シリン
ダボアは、典型的に、250mm乃至1000mmであり、それに
対応する典型的な長さは、1000mm乃至4500mmである。し
かしながら、シリンダボアが150乃至250mmの範囲にあ
り、この場合、ライナーの長さは500mm以下とすること
ができる、2行程クロスヘッドエンジンに関連して本発
明を使用することも可能である。ライナーは、通常、鋳
鉄又は鋼若しくは鋳鋼にて製造され、ライナーの内面に
は、溶射した耐摩耗層が付与されている。ライナーは、
一体化するか又は互いの伸長部内にて接続した少なくと
も2つの部分に分割することができる。この分割したラ
イナーの場合、上方部分は、下方部分と異なる基部材料
にて製造することも可能である。
周知の方法にて、ライナーは、エンジンのフレームボ
ックス又はシリンダブロック内にて頂部板4上に配置さ
れる環状の下向き面3によって、部分的にのみ図示した
エンジン内に取り付けられる。その後、ピストン5は、
シリンダライナー内に取り付け、シリンダカバー6は、
その環状の上向き面7上にてライナーの頂部に配置し、
図示しないカバースタッドによって頂部板にクランプ止
めする。
シリンダライナーの下方部分は、図示しない、環状列
の掃気ポートを有している。ピストンは、ピストン上面
9がシリンダカバー6のボア内に配置される上死点と、
ピストン上面9が掃気ポートの下端の真下に配置される
下死点との間にてライナーの長手方向に可動である。
ピストンロッド10、クロスヘッド及び接続ロッドを介
して、ピストンは周知の方法にてエンジンのクランク軸
と接続されている。クランク軸が360゜回転する毎に、
ピストンは、下死点から上死点まで移動し、再度、その
逆に戻る。
面3、7の間に配置された上方部分において、シリン
ダライナーは、より大きい外径にて形成されており、こ
の部分の頂部にて、長い冷却穴14が多数、外側凹所15か
らライナーの壁内部に穿孔され、このため、直線状の冷
却穴の長手方向軸線は、ライナーの長手方向軸線に対し
て斜めに又は傾斜して伸長する。
シリンダライナーの内面13には、硬い熱溶射した耐摩
耗層を1つ以上、付与することができる。この硬い耐摩
耗層は、Al−青銅のみから形成し、又はセラミック、セ
ラミックと金属との混合体、いわゆるサーメットから成
るより硬い下方の1つ以上の耐摩耗層で補充された多数
のAl−青銅層にて形成することができる。または、この
内面には、比較的柔軟な金属マトリックス内に埋め込ん
だ極めて硬い粒子から成る耐摩耗層を設けることができ
る。このマトリックスは、例えば、Cr、Ni及び又はMoを
含むことができ、硬い粒子は、例えば、炭化物、窒化
物、ホウ化物及び/又は酸化物とすることができる。シ
リンダライナーは、その内面に波形のパターンを有する
ように製造し、そのパターンの波形の頂部を除去するこ
とができる。内面の全体に沿って上記のパターンを有す
るライナーを製造することも可能である。また、ピスト
ンの下降行程の最初の40%の間、ピストンリングが拭き
払う部分のような、ライナーの上方部分のみにこのパタ
ーンを機械加工することもできる。また、この部分は、
20%、25%、30%又は35%若しくはその中間の値のよう
なその他の相対的寸法を有するようにすることもでき
る。波形のパターンは、ピストンリングとライナーの内
面との間に可能な限り最良の潤滑状態を保つのに役立
つ。潤滑油は、波の樋状部分の底部に溜まり、このた
め、その樋状部分の間の平坦面に潤滑油を提供する。新
品のピストンリングを新品のライナー内にて慣らし運転
するとき、ピストンリングの外面は、略平面状の平坦領
域上を摺動する。
図1において、ピストン5は、その上死点にある状態
で示してある。該ピストンには、全体として参照番号19
で示した4つのピストンリングが設けられている。その
内、上方ピストンリングは、標準型の斜めに切ったリン
グであり、又は気密の型式である、すなわちリングの空
隙は、気体がリング仕切り部分を通って流れるのを略防
止されるような設計とされている。このことは、例え
ば、リングの他端の対応する凹所内に突き出す平坦な突
起を有するリングの一端によって行うことができる。頂
部から二番目及び三番目のピストンリング、及び底部ピ
ストンリングは、従来の斜め切欠きリングとすることが
でき、この場合、リング仕切り部分は、リングの上面か
ら下面まで周方向に斜めに伸長する空隙のように形成さ
れ、又は略気密の型式のものとすることができる。
図2のピストンリング19は、鋳鉄、鋳鋼又は鋼製の鋳
造ピストンリング本体30を備えている。該リング本体の
半径方向外面31には、熱溶射により少なくとも0.05mm、
好ましくは少なくとも0.14mmの厚さにてAl−青銅のなら
し層32が設けられている。図3のピストンリング19は、
鋼又は鋳鋼から成る鋳造ピストンリング本体34を備えて
いる。該本体は鋳鉄製ではないため、鋼の半径方向外面
35には、1つ以上のAl−青銅の耐摩耗層及び/又はPM
2、PM10、PM14、PM20、PM28又はL1の上記材料の耐摩耗
層のような、シリンダライナーの内面に対する満足し得
る摺動特性を有する材料の耐摩耗層36を施す必要があ
る。耐摩耗層の半径方向外面33にて、Al−青銅のならし
層37が熱溶射により少なくとも0.05mmの厚さにて施され
ている。また、ピストンリングにおけるならし層は、0.
1乃至3.0mmの範囲の厚さ、好ましくは最大で2.0mmの厚
さのような厚さを有することも可能である。
図4には、中間ピストン部を省略して、ピストン5の
一部分が図示されている。ピストンの持ち上げ工具を取
り付け得るように最上方ピストンリングの環状溝から溝
39まで上方に伸長する、上方部分38のピストンの半径方
向外面にて、柔軟なAl−青銅層40が熱溶射により0.05乃
至5mm、好ましくは、少なくとも0.4mmの厚さにて施され
ている。この層の最外側部分はならし層として機能す
る。また、該層は、ピストンリングに対して使用される
ならし層と同一の組成とすることができる。
ピストンスカート部41がピストンの下面にボルト止め
されている。ピストンスカート部の外面には、熱溶射に
より、少なくとも0.05mm、好ましくは、少なくとも0.14
mmの厚さにてAl−青銅のならし層42が付与されている。
このならし層の下方にて、1つ以上のAl−青銅の耐摩耗
層があるようにすることができる。
図5には、中間のAl−青銅の耐摩耗層36の下方に位置
する最内側の比較的硬いAl−青銅の耐摩耗層43と、最外
側のAl−青銅のならし層37とが設けられたシリンダライ
ナー1の一部分が図示されている。
丸い物の周りに材料層を熱溶射により溶射することは
極めて周知のことである。このことは、例えば、炎溶
射、プラズマ溶射、HVOF溶射又はアーク溶射とすること
ができる。溶射方法は、例えば、欧州特許第B−034167
2号、欧州特許第A−0203556号、国際特許出願第95/020
23号及び国際特許出願第95/21994号に記載されている。
原理上、この溶射は、種々のシリンダ要素に対して同一
の方法にて行われ、溶射装置及びシリンダ要素は手動で
回転させ、その後、溶射を開始し、均一な溶射状態にて
続行し、所望の厚さの溶射層が形成されるまで、シリン
ダ要素の表面を横断して反復的に行う。次の層に溶射す
るとき、層に対して所望の特性を付与する溶射状態にて
その手順を繰り返す。次に、シリンダ要素への溶射の特
定の実施例について説明する。
実施例1 内径600mmのシリンダライナーに対して、METCO製の標
準的なプラズマ溶射装置によりその内面にAl−青銅層を
付与した。溶射ヘッドとライナーの内面との間の距離は
115mmとし、500Aの強さの電流を使用した。溶射ヘッド
とライナーとの間の相互の回転は、27rpmに設定し、ラ
イナーの長手方向への送り量は一回転当たり7mmに設定
した。9%Al、1%Fe、残量Cuの合金の粉末状の開始材
料を1分当たり95gの量にて供給し、該材料は内面を通
る毎に0.02mmの層を析出させた。担体ガスとして窒素を
使用した。層は0.1mmの厚さに形成した。次に、ローリ
ング工具により層をローリングした。このローリング
後、該層の平均硬さの測定値は、360HV20であった。次
に、同一の工程状態を使用して第二の層を溶射した。こ
の層はサンドブラストを施し、その後、該層の平均硬さ
の測定値は320HV20であった。次に、同一の工程状態を
使用して第三の層を溶射した。この層を小さい鋼球でボ
ールブラストを行い、その後、該層の平均硬さの測定値
は280HV20であった。最後に、ならし層を溶射し、後処
理は全く行わなかった。この層の平均硬さの測定値は、
180HV20であった。
次に、ライナーをエンジン内に取り付け、一組の標準
的なピストンリングを有するピストンと共に慣らし運転
した。エンジンの通常の最高燃焼圧力は145バールであ
った。15%の負荷にて30分間の最初の運転後、負荷を15
分の間に100%まで増加し、その後、1時間運転を続行
し、エンジンを停止させ、シリンダライナーを検査し
た。シリンダライナーの内面には、実際的な固着の兆候
は何ら観察されなかった。
実施例2 鋳鉄で出来ており且つ外径が丁度600mm以下である4
つのピストンリングを互いに並べて配置した。これら4
つのピストンリングには、実施例1で使用したものと同
一型式の溶射装置により、また、同一の溶射状態にて、
担体ガスとして窒素を使用してAl−青銅被覆を施した。
Al−青銅層は、約0.15mmの厚さまで形成し、その後、溶
射した被覆をサンドブラストした。該層の平均硬さの測
定値は315HV20であった。ピストンリングを分離させ、
更なる後処理を施さずに実施例1にて使用したエンジン
と同一のエンジン内の標準的なシリンダライナーのピス
トンに取り付けた。実施例1にて説明したのと同一の方
法にて慣らし運転を行ったが、100%にて1.5時間の運転
時間とした。慣らし運転の検査にて、ピストンリングは
固着の兆候を何ら示さず、ならし層の厚さは平均0.08mm
まで薄くなったことも確認できた。また、ピストンリン
グの外面には、研磨した切子面が観察され、このこと
は、固着を発生させずに、ピストンリングにて連続的な
運転が可能であることを示す。
より硬さを増す酸化物がAl−青銅層中にて所望である
ならば、コンプレッサの空気、すなわち圧縮した外気を
溶射時の担体ガスとして窒素に代えて使用することがで
きる。層を柔軟にしなければならないため、又は主とし
て、変形硬化合金成分により硬さを増すことが望ましい
ため、酸化物の量を可能な限り制限することが望ましい
ならば、アルゴンのような不活性の担体ガスを使用する
ことができる。
上述したように、多数のAl−青銅の異なる層をシリン
ダ要素に施すことができる。該層は、シリンダ要素の外
面から離れる方向に向けて硬さが増し、平均硬さが層毎
に少なくとも20HV20だけ増すことが好ましい。最高硬度
の最内側層において、層を機械的に加工することと組み
合わせて、硬さを増す合金成分をAl−青銅に添加するこ
とによって、硬質部分を完全に又は部分的に形成するこ
とができる。平均硬さが50乃至120HV20の範囲にあるよ
うな、極めて柔らかい最外側のならし層とすることが所
望であるならば、このことは、担体ガスとしてアルゴン
を使用し、また、体積比で20%以上といった比較的高多
孔度の層の溶射と組み合わされる、硬さを増す合金成分
を添加することを省略することにより、行うことができ
る。この多孔度は、硬い局部的な負荷(hard local loa
d)をもたらすから、層に対し柔軟な特徴を付与するこ
とに寄与する。
耐摩耗層、特に、最も深い位置にある最も硬い耐摩耗
層の厚さは、シリンダ要素の予想寿命に基づいて選択さ
れる。この厚さは、シリンダ要素の寿命中、予想される
層の最大の摩耗量よりも適度に厚いように選択される。
このことは、シリンダライナー、ピストン及びピストン
スカート部に特に当て嵌り、また、その基部材料が鋳鉄
でないならば、ピストンリングにも当て嵌まる。ピスト
ンリングの基部材料が鋳鉄であるならば、耐摩耗層の全
体がその寿命の間に磨耗することが許容可能であるが、
格別に望ましい訳ではない。このように、合計摩耗被覆
は、例えば、2又は3mmの厚さとすることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−27149(JP,A) 特開 昭61−152943(JP,A) 特開 平9−100742(JP,A) 特表 平9−508688(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02F 3/10 F02F 3/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全負荷時におけるその最高燃焼圧力が100
    バール以上であり、ピストンには、幾つかのピストンリ
    ングが設けられ、ピストンが少なくとも600mmの行程距
    離にてシリンダライナー内を往復運動し、該ピストンリ
    ングが、リングの高さを上廻る軸方向への高さを有する
    環状溝内に取り付けた状態のとき、少なくとも150mmの
    外径を有し、該リングの各々がライナーの内面(13)に
    沿って摺動する半径方向外面を有し、シリンダ要素に
    は、該シリンダ要素の側部の少なくとも一部分に少なく
    とも1つの熱溶射層が設けられた、ディーゼル型内燃機
    関、特に2行程クロスヘッドエンジンに使用されるシリ
    ンダライナー(1)、ピストン(5)、ピストンスカー
    ト部(41)、又はピストンリング(19)のようなシリン
    ダ要素において、 シリンダ要素(1、5、19、41)は、少なくとも2つの
    Al−青銅層が溶射され、最外側層が、最大で330HV20の
    平均硬さを有するならし層(37)であり、下部層(36)
    がならし層の平均硬さを上廻り、少なくとも130HV20の
    平均硬さを有する耐摩耗層であることを特徴とするシリ
    ンダ要素。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のシリンダ要素において、
    Al−青銅の耐摩耗層が、ならし層(37)と下方の隣接す
    る耐摩耗層(43)との間に位置する中間層(36)であ
    り、該下方の隣接する耐摩耗層の硬さが中間層の硬さを
    上廻ることを特徴とするシリンダ要素。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載のシリンダ要素にお
    いて、Al−青銅のならし層(37)が、体積比で0.2乃至4
    0%の多孔度を有することを特徴とするシリンダ要素。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3の何れかに記載のシリンダ
    要素において、互いに異なる性質の2乃至7つのAl−青
    銅層を有しており、それら個々の層の厚さが、0.02mm乃
    至2.5mmの範囲、好ましくは、0.10乃至1.0mmの範囲内に
    あることを特徴とするシリンダ要素。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4の何れかに記載のシリンダ
    要素において、Al−青銅の合金が、一般に生ずる不純物
    を除いて、重量比で表わしたとき、2乃至20%Al、選択
    随意的に、Sb、Co、Be、Cr、Sn、Mn、Si、Cd、Zn、Fe、
    Ni、Pb及びCの成分の1つ以上を含み、それら成分の個
    々の量は、最大でSb5%、最大でCo5%、最大でBe5%、
    最大でCr5%、最大でSn15%、最大でMn5%、最大でSi15
    %、最大でCd2%、最大でZn15%、最大でFe5%、最大で
    Ni20%、最大でPb20%、最大でC2%、その残りが少なく
    とも50%のCuであることを特徴とするシリンダ要素。
  6. 【請求項6】請求項5に記載のシリンダ要素において、
    合金が、9乃至10%のAlと、0乃至1%のFeと、残部Cu
    とから成ることを特徴とするシリンダ要素。
  7. 【請求項7】請求項1乃至4の何れかに記載のシリンダ
    要素において、Al−青銅層が体積比で1乃至30%の酸化
    物を含むことと、酸化物の量がならし層(37)内にて最
    小であり、好ましくは体積比で10%以下であることと、
    ならし層の下方の耐摩耗層内にて体積比で少なくとも2
    %、好ましくは体積比で少なくとも10%であることとを
    特徴とするシリンダ要素。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7の何れかに記載のシリンダ
    要素において、Al−青銅の層が他方の頂部に溶射される
    ことと、後続の層を溶射する前に溶射層に対して硬さを
    増す機械的な作用力を加えることと、直前に溶射した層
    の上に粗さを低減する機械加工を全く行わないことを特
    徴とするシリンダ要素。
  9. 【請求項9】全負荷時におけるその最高燃焼圧力が100
    バール以上であり、ピストン(5)には、幾つかのピス
    トンリングが設けられ、該ピストンが少なくとも750mm
    の行程距離にてシリンダライナー(1)内を往復運動
    し、該ピストンリングが、リングの高さを上廻る軸方向
    高さを有する環状溝内に取り付けられた状態にて、少な
    くとも150mmの外径を有し、該ピストンリングの各々が
    ライナーの内面(13)に沿って摺動する半径方向外面を
    有し、該ピストンリングには、その半径方向外面に少な
    くとも1つの熱溶射層が付与される、ディーゼル型内燃
    機関、特に、2行程クロスヘッド型エンジンにおけるピ
    ストンリング(19)において、 少なくとも1つの溶射層(32)がAl−青銅であり、Al−
    青銅の被覆の合計厚さが少なくとも0.05mmであり、最外
    側層が平均硬さが最大で330HV20のならし層であること
    を特徴とするピストンリング。
  10. 【請求項10】請求項9に記載のピストンリングにおい
    て、最外側層(32)の硬さが、機械的な作用力により増
    大するようにしたことを特徴とするピストンリング。
JP52508198A 1996-12-05 1997-11-25 ディーゼル型内燃機関のシリンダライナー、ピストン、ピストンスカート部又はピストンリングのようなシリンダ要素及び該機関のピストンリング Expired - Lifetime JP3187847B2 (ja)

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