JP3187834U - レトルトパウチ及びレトルト食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】レトルト食品を密封して保存する保存用の容器と飲食用の容器とを兼ねるレトルトパウチであって多くのフィルムを使用せずに生産できるもの、及びそのレトルトパウチに食品を収容したレトルト食品を提供する。
【解決手段】 フィルム2と、フィルム2のシール領域2bに対向するシール領域3bがシールされるフィルム3と、フィルム2,3のシール領域2c,3cに中央を囲む縁部の一側のシール領域4c及び他側のシール領域4bがそれぞれシールされ、シール領域4b,4cの裏面に設けられた2組の接着領域が接着されるフィルム4と、からレトルトパウチを構成する。
【選択図】図2
【解決手段】 フィルム2と、フィルム2のシール領域2bに対向するシール領域3bがシールされるフィルム3と、フィルム2,3のシール領域2c,3cに中央を囲む縁部の一側のシール領域4c及び他側のシール領域4bがそれぞれシールされ、シール領域4b,4cの裏面に設けられた2組の接着領域が接着されるフィルム4と、からレトルトパウチを構成する。
【選択図】図2
Description
本考案は、飲食物を密封するレトルトパウチ及びレトルトパウチに食品を収容したレトルト食品に関する。
地震等の災害に備えて食料が備蓄される。クラッカー、乾パン等の乾燥炭水化物の食品が備蓄されることが多いが、栄養の観点からまた被災者の嗜好性の観点から、水分、脂肪、タンパク質をも含む食品を備蓄することが好ましい。
水分を含む食品を備蓄するための容器としては、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂フィルム、又はさらにアルミ箔が積層加工(ラミネート加工)された可撓性のフィルム等から形成される袋体であり、レトルト食品を密封し、保存することができるレトルトパウチ(単にパウチとも呼ぶ)が知られている。
レトルトパウチには、封筒状の平袋、底が広がるように形成され自立可能なスタンディングパウチが知られている。平袋は紙箱に入れて販売され、スタンディングパウチは袋体のまま販売され、棚等に立てて保管されることが多い。これらのパウチは、収容されたレトルト食品を、必要に応じて加熱した後、食器(丼、皿等の食品を載せるものを言い、箸、スプーン等の手に持つものを含まない。本明細書において以下同じ。)に移して飲食するのが通常である。しかし、食品に加えて食器をも備蓄することは、備蓄する物資の体積を大きくしてしまい、備蓄を困難にする。
特許文献1には、底部がフラットに形成されて台の上に安定して自立し、食器としても利用することのできるレトルトパウチが開示されている。この形状のパウチは、レトルト食品を保存する容器(保存用の容器)だけでなく、それを用いて飲食できる食器(飲食用の容器)にもなるため、食器を備蓄せずに災害時に食することができる。しかし、パウチを形成するのに多くのフィルムを必要とし、生産が容易ではない。
本考案は、レトルト食品を密封して保存する保存用の容器と飲食用の容器とを兼ねるレトルトパウチであって多くのフィルムを使用せずに生産できるもの、及びそのレトルトパウチに食品を収容したレトルト食品を提供することを課題とする。
本考案のレトルトパウチは、飲食物を密封するレトルトパウチであって、第1シートと、前記第1シートの第1方向の両端部の前記第1方向に交差する第2方向の一側に、前記両端部にそれぞれ対向する2つの端部の前記第2方向の一側がシールされた第2シートと、前記第1及び第2シートの前記第2方向の他側の縁部に中央を囲む縁部の一側及び他側がそれぞれシールされ、該一側及び他側のそれぞれの裏面の少なくとも一部が互いに接着された第3シートと、を備えることを特徴とする。
これによれば、飲食物を収容する袋体状のレトルトパウチが構成され、その内部に飲食物を収容することで第3シートの中央が広がり、第1及び第2シートの第2方向の他側の端部に支持されて自立するとともに、凹状の底部を有する容器を形成する。
本考案のレトルトパウチは、前記第1及び第2シートは、前記第2方向の一側の端部が互いにシールされ、前記第1方向の少なくとも一側に切り欠きが形成されることを特徴とする。
これによれば、第1及び第2シートの第2方向の一側の端部を互いにシールすることで内部に収容される飲食物が密封され、切り欠きを利用して第1及び第2シートを第1方向に裂くことで袋体を開けることができる。
本考案のレトルトパウチは、前記第1及び第2シートは、前記切り欠きを利用して前記第1及び第2シートを前記第1方向に裂いた際に、前記第2方向の幅に対して大きい前記第1方向の幅を有することを特徴とする。
これによれば、第3シートの中央により形成される底部に対して第1及び第2シートを裂くことで形成される開口が十分に大きくなり、より好適な食器として機能する。
本考案のレトルトパウチは、前記第1及び第2シートとシールされる縁部に囲まれる前記第3シートの中央は略楕円形状を有することを特徴とする。
これによれば、第3シートの略楕円形状の中央により大きな袋体の底部が構成され、収容量が大きくなるとともに、第1及び第2シートの第2方向の他側の端部がより広がりより安定に自立する。
本考案のレトルトパウチは、前記第1シート及び第2シートの前記第2方向の長さが180mm以下であることを特徴とする。
これによれば、自立した容器が十分に浅く、箸、スプーン等によって容器の底部の食品を容易に取り出すことができる。
本考案のレトルトパウチは、前記第1シート及び第2シートの形状が、長方形であることを特徴とする。
これによれば、簡易な形状のシートでレトルトパウチを安価に生産することができる。
なお、ここで「長方形」は厳密に長方形でなく、頂点が円形に切り取られている等のシール領域の変形があってもよい。
なお、ここで「長方形」は厳密に長方形でなく、頂点が円形に切り取られている等のシール領域の変形があってもよい。
本考案のレトルトパウチは、前記第1シート及び第2シートの形状が、前記第2方向の前記一側端の第一の長方形と、前記第2方向の前記他側端の第二の長方形と、前記第一の長方形の1辺を下底とし前記第二の長方形の1辺を上底とする等脚台形とから構成され、前記上底は前記下底より短いことを特徴とする。
これによれば、自立した際に上部の開口が大きい、丼状、皿状等のレトルトパウチとなる。
本考案のレトルト食品は、上記レトルトパウチに食品を収容したことを特徴とする。
食器に移すことなく食することができる。食器として箸、スプーン等を備蓄するだけで、皿等を備蓄しなくても災害用の保存食とできる。
本考案のレトルト食品は、前記食品は常温で食されるものであることを特徴とする。
湯を準備する等して温めることなく、食することができる。温めることが困難な災害時に有効である。
本考案のレトルトパウチによれば、レトルト食品を密封して保存する保存用の容器と飲食用の容器とを兼ねるレトルトパウチを提供することができる。また、そのレトルトパウチを利用したレトルト食品を提供することができる。
図1(A)及び(B)に、それぞれ、本実施形態に係るレトルトパウチ1の側面を構成する可撓性フィルム(単にフィルムと呼ぶ)2,3及び底面を構成するフィルム4を示す。
フィルム2,3(第1シート、第2シート)は、高さ約160mm、横幅約180mmの矩形状を有する。その4つの角部は丸く加工されている。フィルム2,3の横方向(第1方向)の両端部には、互いに貼り合わせるための領域であり、一定の幅(約5mm)のシール領域2b,3bが設けられている。また、縦方向(第2方向)の下端には、フィルム4と貼り合わせるための領域であり、両端が中央に対して幅広のシール領域2c,3cが設けられている。本実施形態では、シール領域2c,3cの境界は放物線状に配置することとするが、これに限らず、シール領域2c,3cの中央の幅が狭く、両端で幅広であれば、例えばV字状に配置することとしてもよい。なお、シール領域2b,3bはシール領域2c,3cの両端上部に連接する。
フィルム4(第3シート)は、縦幅約100mm、横幅約180mmの矩形状を有する。その4つの角部は丸く加工されている。フィルム4は、その中心を通って横方向に延びる基準線(折り曲げのための仮想線)L1に対して対称な略楕円形状の領域4aを中央に有し、その領域の基準線L1の上側(下側)の半部にフィルム3(2)のシール領域3c(2c)とシールされるシール領域4b(4c)が設けられている。シール領域4b,4cの裏面には、それらを互いに接着するための略円形状の2組の接着領域4dが、基準線L1に対して対称なフィルム4の4つの角部近傍の位置に設けられている。
フィルム2,3,4として、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂フィルム、又はさらにアルミ箔が積層加工(ラミネート加工)されたフィルムを採用するが、レトルト食品を収容して密封可能な可撓性、レトルト食品の加熱に耐え得る耐熱性、スタンディングパウチを構成した際に自立可能な程度の剛性等を有するものであればいずれのフィルムを採用してもよい。
図2に示すように、レトルトパウチ1は、3つのフィルム2,3,4を用いて形成される。まず、フィルム2,3の内面を互いに対向し、フィルム4をその上面を表に向けて基準線L1について二つ折りし、その折辺を上に向け、一片(シール領域4b)をフィルム3(シール領域3c)に、他片(シール領域4c)をフィルム2(シール領域2c)に対向する。次に、図中矢印を用いて示すように、互いに対向するフィルム2,3のシール領域2b,3b、フィルム3のシール領域3cとフィルム4のシール領域4bと、フィルム2のシール領域2cとフィルム4のシール領域4cと、をそれぞれヒートシール(熱融着)する。シール後、図中矢印を用いて示すように、フィルム4の裏面に設けられた互いに対向する2組の接着領域4dを接着する(1組の接着領域4dは不図示)。最後に、シールされたフィルム2,3の両端部に、上端から約30mmの位置にそれぞれ切り欠き2d,3d(図3参照)を設ける。
図3に、完成したレトルトパウチ1の構成を示す。フィルム2,3の内面2a,3aとフィルム4の中央の領域4aとから、レトルト食品を収容する袋体状のレトルトパウチ1が形成される。レトルト食品は、フィルム2,3の上端により形成される開口を介して袋体内に充填することができる。充填後、フィルム2,3の上端をヒートシールすることで、レトルト食品が密封される。
本実施形態のレトルトパウチ1は、袋体内にレトルト食品を充填することで、フィルム4の中央の領域4aが広がり凹状の底面を構成する。同時に袋体の側面を形成するフィルム2,3が離間する方向に広がり、これによりフィルム2,3の下端が広がり、袋体を支持する脚部を構成する。従って、レトルトパウチ1はフィルム2,3の下端により自立することで、フィルム2,3,4により形成される袋体は飲食用の容器(食器)としても利用することができる。
飲食時には、切り欠き2d,3dを利用して、フィルム2,3を基準線L2に沿って横方向に裂くことでレトルトパウチ1を開封する。それにより、高さ約70mm(最大深さ約60mm)、幅約150mmの容器(食器)を形成する。
以上詳細に説明したように、本実施形態のレトルトパウチ1は、フィルム2と、フィルム2のシール領域2bに対向するシール領域3bがシールされるフィルム3と、フィルム2,3のシール領域2c,3cに中央を囲む縁部の一側のシール領域4c及び他側のシール領域4bがそれぞれシールされ、シール領域4b,4cの裏面に設けられた2組の接着領域4dが接着されるフィルム4と、から構成される。それにより、少ないフィルムからレトルト食品を収容する袋体状のパウチが構成され、その内部に飲食物を収容することでフィルム4の中央の領域4aが広がり、フィルム2,3の下端に支持されて自立する容器を形成する。従って、レトルト食品を密封して保存する容器と飲食用の容器(食器)とを兼ねるレトルトパウチが提供される。
また、本実施形態のレトルトパウチ1によると、フィルム4の中央の領域4aを略楕円形状とすることにより、領域4aにより大きな袋体の底部が形成されて収容量が大きくなるとともに、フィルム2,3の下端が広がってより安定に袋体が支持される、すなわちレトルトパウチ1がより安定に自立する。
なお、本実施形態のレトルトパウチ1では、フィルム2,3の横方向の両端に切り欠き2d,3dを設けることとしたが、一端のみに設けることとしてもよい。
本実施形態は、実施例1の実施形態に対して、フィルム2,3の形状のみを替えるものである。他は実施例1と同様であり、説明を省略する。
図4(A)に、本実施形態に係るレトルトパウチの側部を形成するシートの構成を示す。フィルム2(3)は、図に示す点線(補助用の線であり、実体としては何もない)で分割されるように、2つの長方形と1つの等脚台形を合わせた形状である。
図4(B)に、レトルトパウチの構成を示す。上面が広く開口し、皿のような形状となる。
以上、2つの実施形態を述べた。これらの実施形態のレトルトパウチに食品を収容してレトルト食品とすることができる。食器に移すことなく食することができるので、食器として箸、スプーン等を備蓄するだけで、皿等を備蓄しなくても災害用の保存食とできる。
また、食品を常温で食されるものとすることで、湯を準備する等して温めることなく、食することができる。温めることが困難な災害時に有効である。
本考案のレトルトパウチ1は、飲食用の容器(食器)を兼ねるレトルトパウチとして有用である。
1…レトルトパウチ
2,3,4…フィルム
2b,2c,3b,3c,4b,4c…シール領域
2d,3d…切り欠き
4d…接着領域
2,3,4…フィルム
2b,2c,3b,3c,4b,4c…シール領域
2d,3d…切り欠き
4d…接着領域
Claims (9)
- 飲食物を密封するレトルトパウチであって、
第1シートと、
前記第1シートの第1方向の両端部の前記第1方向に交差する第2方向の一側に、前記両端部にそれぞれ対向する2つの端部の前記第2方向の一側がシールされた第2シートと、
前記第1及び第2シートの前記第2方向の他側の縁部に中央を囲む縁部の一側及び他側がそれぞれシールされた第3シートと、
を備えることを特徴とするレトルトパウチ。 - 前記第1シート及び第2シートは、前記第2方向の一側の端部が互いにシールされ、前記第1方向の少なくとも一側に切り欠きが形成されることを特徴とする、請求項1に記載のレトルトパウチ。
- 前記第1シート及び第2シートは、前記切り欠きを利用して前記第1シート及び第2シートを前記第1方向に裂いた際に、前記第2方向の幅に対して大きい前記第1方向の幅を有することを特徴とする、請求項2に記載のレトルトパウチ。
- 前記第1シート及び第2シートとシールされる縁部に囲まれる前記第3シートの中央は略楕円形状を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のレトルトパウチ。
- 前記第1シート及び第2シートの前記第2方向の長さが180mm以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のレトルトパウチ。
- 前記第1シート及び第2シートの形状が、長方形であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のレトルトパウチ。
- 前記第1シート及び第2シートの形状が、前記第2方向の前記一側端の第一の長方形と、前記第2方向の前記他側端の第二の長方形と、前記第一の長方形の1辺を下底とし前記第二の長方形の1辺を上底とする等脚台形とから構成され、
前記上底は前記下底より短いことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のレトルトパウチ。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載のレトルトパウチに食品を収容したことを特徴とする、レトルト食品。
- 前記食品は常温で食されるものであることを特徴とする、請求項8に記載のレトルト食品。
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JP2013005750U JP3187834U (ja) | 2013-10-04 | 2013-10-04 | レトルトパウチ及びレトルト食品 |
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JP (1) | JP3187834U (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021054429A (ja) * | 2019-09-27 | 2021-04-08 | 大日本印刷株式会社 | パウチ |
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2013
- 2013-10-04 JP JP2013005750U patent/JP3187834U/ja not_active Expired - Fee Related
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