JP3187615U - 発泡成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒンジ部における折れ曲がる部分を一定にして折り曲げ精度を向上することができる発泡成形体を提供する。
【解決手段】金型に充填された発泡樹脂粒子を加熱して成形される発泡成形体1であって、離間して配置される複数の板部2,2と、板部2,2間を連結し、かつ、折り曲げ可能なヒンジ部3とを備え、ヒンジ部3の板部連結方向一端3aの厚みを、ヒンジ部3の板部連結方向他端3bの厚みよりも薄くした。
【選択図】 図1
【解決手段】金型に充填された発泡樹脂粒子を加熱して成形される発泡成形体1であって、離間して配置される複数の板部2,2と、板部2,2間を連結し、かつ、折り曲げ可能なヒンジ部3とを備え、ヒンジ部3の板部連結方向一端3aの厚みを、ヒンジ部3の板部連結方向他端3bの厚みよりも薄くした。
【選択図】 図1
Description
本考案は、発泡成形用金型に充填された発泡樹脂粒子を加熱して成形された発泡成形体をヒンジ部で折り曲げて、例えば箱状又は筒状に組み立てるように構成した発泡成形体に関する。
従来の発泡成形体は、図7に示すように、離間して配置される2枚の板部100,101と、板部100,101間を連結し、かつ、折り曲げ可能なヒンジ部102とを備えている。
そして、ヒンジ部102の厚みD1が板部連結方向H1のどの部分においても同一厚みに構成されている。
上記のようにヒンジ部102の厚みD1が板部連結方向H1のどの位置においても同一厚みであると、ヒンジ部102で折り曲げる時に、ヒンジ部102における折れ曲がる部分が折り曲げる度に異なってしまう。このため、折り曲げて完成した製品に不良品が発生してしまうことがあり、改善の余地があった。
そこで、本考案は、かかる事情に鑑みてなされたもので、ヒンジ部における折れ曲がる部分を一定にして折り曲げ精度を向上することができる発泡成形体を提供することを課題とする。
本考案に係る発泡成形体は、金型に充填された発泡樹脂粒子を加熱して成形される発泡成形体であって、離間して配置される複数の板部と、該板部間を連結し、かつ、折り曲げ可能なヒンジ部とを備えてなる発泡成形体において、前記ヒンジ部の板部連結方向一端の厚みを、該ヒンジ部の板部連結方向他端の厚みよりも薄くしたことを特徴としている。
本考案によれば、ヒンジ部の板部連結方向一端の厚みを、ヒンジ部の板部連結方向他端の厚みよりも薄くすることによって、ヒンジ部で折り曲げる時に、ヒンジ部の薄くなった一端で常に折り曲げることができる。
また、本考案に係る発泡成形体は、前記ヒンジ部の外面又は内面と、前記ヒンジ部の薄くなった一端に連結された板部の外面又は内面とが面一ではなく、該面一ではないヒンジ部の外面又は内面と前記ヒンジ部の薄くなった一端に連結された板部の外面又は内面との間に段部が介在されていることが好ましい。
上記のように、面一ではないヒンジ部の外面又は内面とヒンジ部の薄くなった一端に連結された板部の外面又は内面との間に段部が介在されていれば、ヒンジ部で折り曲げる時に、ヒンジ部の薄くなった一端でより一層折り曲げ易くなる。
また、本考案に係る発泡成形体は、前記ヒンジ部の板部連結方向一端の厚みと、該ヒンジ部の板部連結方向他端の厚みとの差を、0.5mm以上に設定していることが好ましい。
上記のように、前記ヒンジ部の板部連結方向一端の厚みと、該ヒンジ部の板部連結方向他端の厚みとの差を、0.5mm以上に設定していれば、ヒンジ部で折り曲げる時に、ヒンジ部の薄くなった一端でより一層折り曲げ易くなる。
以上の如く、本考案に係る発泡成形体によれば、ヒンジ部の板部連結方向一端の厚みを、ヒンジ部の板部連結方向他端の厚みよりも薄くすることによって、ヒンジ部で折り曲げる時に、ヒンジ部の薄くなった一端で常に折り曲げることができる。よって、ヒンジ部における折れ曲がる部分を一定にして折り曲げ精度を向上することができる発泡成形体を提供することができる。
以下、本考案に係る第1の発泡成形体の一実施形態について、図1に基づいて説明する。
図1に、発泡成形用金型に充填された発泡樹脂粒子を加熱して成形された発泡成形体1を示している。この発泡成形体1は、一枚の板状体に形成され、図1における左右方向両側に離間して配置される複数(図1では2つ)の板部2,2と、板部2,2間を連結し、かつ、板部2よりも厚みが薄いヒンジ部3とを備えている。このヒンジ部3が、折り曲げ可能な折曲部を構成する。
図1において、ヒンジ部3の板部連結方向一端(図では右端)3aの厚みD1を、ヒンジ部3の板部連結方向他端(図では左端)3bの厚みD2よりも薄くしている。図1では、左端から右端に向かうほど厚みが薄くなるようにヒンジ部3の厚みを構成している。これにより、ヒンジ部3で折り曲げる時に、ヒンジ部3の薄くなった一端3aで常に折り曲げることができる。実際には、ヒンジ部3の厚みを、好ましくは最低厚み0.3mm〜最大厚み2.5mmの範囲の任意の値に設定する。より好ましいヒンジ部3の厚みは、最低厚み0.8mm〜最大厚み2.0mmの範囲の任意の値に設定する。因みに、ヒンジ部3の最低厚みを、0.3mmよりも小さくすることは製造上難しく、逆に最大厚みが2.5mmを越えると、ヒンジ部3が折れ曲がる時のヒンジ部3の破損が発生し易くなるため、ヒンジ部3の厚みDを、最低厚み0.3mm〜最大厚み2.5mmの範囲に設定している。また、板部2の厚みは、7mm〜40mmの範囲に設定することが好ましい。
また、ヒンジ部3の外面3B及び内面3Aとヒンジ部3の薄くなった一端3aに連結された板部(図では右側の板部)2の外面2B及び内面2Aとが面一ではなく、面一ではないヒンジ部3の外面3B及び内面3Aとヒンジ部3の薄くなった一端3aに連結された板部2の外面2B及び内面2Aとの間に段部4B及び4Aが介在されている。これにより、ヒンジ部3で折り曲げる時に、ヒンジ部3の薄くなった一端3aでより一層折り曲げ易くなる。
また、ヒンジ部3の外面3B及び内面3Aとヒンジ部3の厚くなった他端に連結された板部(図では左側の板部)2の外面2B及び内面2Aとが面一ではなく、面一ではないヒンジ部3の外面3B及び内面3Aとヒンジ部3の厚くなった他端に連結された板部2の外面2B及び内面2Aとの間に段部4B及び4Aが介在されている。
更に、ヒンジ部3の板部連結方向一端3aの厚みD1と、ヒンジ部3の板部連結方向他端3bの厚みD2との差を、0.5mm以上に設定している。これにより、ヒンジ部3で折り曲げる時に、ヒンジ部3の薄くなった一端3aでより一層折り曲げ易くなる。
発泡樹脂粒子の材料としては、特に限定されないが、例えば発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン等の各種発泡合成樹脂が利用できる。また、発泡倍率としては、5倍から60倍までの間の任意の値が強度及びコストの点で好ましいが、20倍から60倍までの間の任意の値がより好ましい。
次に、第2の発泡成形体20を、図2(a),(b)に基づいて説明する。
第1の発泡成形体1とは、板部2,2に対するヒンジ部3の位置が異なる。つまり、図1では、ヒンジ部3が板部2,2の厚み方向ほぼ中央に位置しているが、図2(a),(b)では、ヒンジ部3が板部2,2の厚み方向外面側寄りに位置している。また、ヒンジ部3で折り曲げた状態において係合する構成を第2の発泡成形体20が備えている。
また、第2の発泡成形体20のヒンジ部3は、ヒンジ部3の板部連結方向一端(図では左端)3aの厚みD3を、ヒンジ部3の板部連結方向他端(図では右端)3bの厚みD4よりも薄くしている。図1では、右端から左端に向かうほど厚みが薄くなるようにヒンジ部3の厚みを構成している。これにより、ヒンジ部3で折り曲げる時に、ヒンジ部3の薄くなった一端3aで常に折り曲げることができる。尚、ヒンジ部3の右端の最も厚い部分3bの厚みD4が0.8mmで、左端の最も薄い部分3aの厚みD3が0.3mmに設定しているが、この値以外であってもよい。従って、他方(図において右側)の板部2を一方の板部2に対して立てるようにヒンジ部3で折り曲げた時に、薄い部分3aで常に折れ曲がる。このようにヒンジ部3が常に薄い部分3aで折れ曲がるので、折れ曲がった後の両板部2,2同士を合わせる部分が常に一定となる。よって、図2(b)に示すように、他方の板部2を一方の板部2に対して立てるだけで後述する一方の3つの段部21,22,23を後述する他方の3つの段部24,25,26に確実に係合させることができ、製造作業が容易になる。
具体的には、ヒンジ部3で折り曲げたときに内側となる一方(左側)の板部2の内面2Aと、ヒンジ部3の内面3Aとの間には、3つの段部21,22,23が形成され、他方(右側)の板部2の内面2Aと、ヒンジ部3の内面3Aとの間にも、3つの段部24,25,26が形成されている。より具体的には、一方(図において左側)の板部2のヒンジ部3側一端3a側端に形成される第1段部21と、この第1段部21から繋がってヒンジ部3から離間する側(図では左側)へ階段状に形成される第2段部22と、更に第2段部22から繋がってヒンジ部3から離間する側(図では左側)へ階段状に形成される第3段部23とを備えている。これに対して、他方(図において右側)の板部2のヒンジ部3側端に形成される第4段部24と、この第4段部24から繋がってヒンジ部3から離間する側(図では右側)へ階段状に形成される第5段部25と、更に第5段部25から繋がってヒンジ部3から離間する側(図では左側)へ階段状に形成される第6段部26とを備えている。
また、ヒンジ部3で折り曲げたときに外側となる一方(左側)の板部2,2の外面3Bとヒンジ部3の外面3Bとの間には、段部4B,4Bが介在されている。
第1段部21は、一方の板部2のヒンジ部3側端に形成される下方側ほど内側に位置する傾斜面を有する第1傾斜部21Aと、この第1傾斜部21Aの上端からヒンジ部3から離間するよう(図において左側へ)離間する側ほど上方に位置する傾斜面を有する第2傾斜部21Bとから構成されている。
第2段部22は、第2傾斜部21Bのヒンジ部3から離間する側の端から上方に延びる第2縦部22Aと、第2縦部22Aの上端からヒンジ部3から離間するよう(図において左側へ)水平方向に延びる第2横部22Bとから構成されている。
第3段部23は、前記第2横部22Bが更にヒンジ部3から離間するよう水平方向に延びる第3延長部23Aと、この第3延長部23Aの第2縦部22A側とは反対側端から内側(図では上側)に真っ直ぐに延びる第3縦部23Bとから構成されている。
第4段部24は、ヒンジ部3の内面3Aから構成され、折れ曲がった時に前記第1傾斜部21Aに当接する内面を有する第4横部24Aと、第4横部24Aの右側端から内側(図では上側)に延びると共に上側ほど離間する側に位置する傾斜面を有する第4縦部24Bとから構成されている。
第5段部25は、前記第4縦部24Bの上端からヒンジ部3から離間するよう(図において右側へ)水平方向に延びる水平面を有する第5横部25Aと、この第5横部25Aの第4縦部24Bとは反対側端から上側に真っ直ぐに延びる第5縦部25Bとから構成されている。
第6段部26は、前記第5縦部25Bが更に上側へ真っ直ぐに延びる第6延長部26Aと、この第6延長部26Aの上側端からヒンジ部3から離間するよう水平方向に延びる第6横部26Bとから構成されている。
図3に示す成形装置7を用いて前記構成の発泡成形体1を成形する過程を説明する。
まず、図3に、発泡成形体1を成形する成形装置7が示されている。この成形装置7は、発泡樹脂粒子を充填して発泡成形体を成形するための開閉可能な一対の成形型8,9を有する。
具体的には、成形装置7は、固定設置される一方の成形型8(以下、固定型8という)と、移動可能に設置される他方の成形型9(以下、移動型9という)とから構成されている。この成形装置7は、固定型8が第1金型8Aを有し、移動型9が第2金型9Aを有している。図4(a)に示すように、移動型9を図示していないアクチュエータで固定型8に対して接近させて、第1金型8Aと第2金型9Aとを近接又は当接させる(閉じる)ことにより成形空間10を形成する。図3及び図4(a),(b)において第1金型8A及び第2金型9Aの上下方向中央部に、成形空間10側に突出する台形状の突出部8T,9Tが形成されている。この突出部8T,9Tによって、上下方向中央部の成形空間10が狭くなり、その狭い部分にヒンジ部3が形成される。また、固定型8及び可動型9には、蒸気室11,12が形成されている。さらに、固定型8には、成形空間10に発泡樹脂粒子を充填する充填装置(図示せず)に接続された複数の充填機13及び成形された後の発泡成形体1を固定型8から離型させるための複数の離型ピン14を備えている。
図4(b)及び図5に示すように、断面形状が略円形の発泡樹脂粒子6cの充填が完了した後、可動型9を固定型8に対して更に接近するよう所定距離移動させることによって、充填された発泡樹脂粒子6cが圧潰される(図6(a),(b)参照)。このとき、成形空間10における突出部8T,9T間の空間に存在する多数の発泡樹脂粒子6bが、他の空間に存在する多数の発泡樹脂粒子6aよりも大きな圧力を受けることになる。従って、他の空間に存在する多数の発泡樹脂粒子6aは、略円形から略楕円形状に変形し、突出部8T,9T間の発泡樹脂粒子6bは、他の空間に存在する多数の発泡樹脂粒子6aよりも大きな圧力を受けることから、他の空間に存在する多数の発泡樹脂粒子6aよりも幅の狭い略楕円形状に変形される。
前記のように多数の発泡樹脂粒子6a,6bが圧潰された後に、加熱されることにより発泡成形体1が成形される。成形された発泡成形体1の冷却を行った後、可動型9を固定型8に対して離間させて一対の成形型8,9を開いた際に、離型ピン14が発泡成形体1を押して固定型8から離型して図1(a),(b)に示す発泡成形体1を得る。
図示していないが、可動型及び固定型には、成形空間内に蒸気を供給するための多数のベントが設けられている。このベントは、一端が円板部で閉じられた筒状体(円筒状体)で構成され、円板部に形成された複数の蒸気孔を通して成形空間内へ蒸気を供給する。尚、前記突出部8T,9T間の発泡樹脂粒子6b,6b同士間は、隙間が無い又は隙間が小さい高密度になるため、その成形空間内へ蒸気が通り難い。そのため、その部分に対応する可動型及び固定型の金型部分にベントを他の部分よりも多く設けることによって、突出部8T,9T間の発泡樹脂粒子6bへ確実に蒸気を供給することができる。
尚、本考案は、前記実施形態に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
前記実施形態では、ヒンジ部3の厚みを一方の板部2から他方の板部2へ向かうほど薄くなるように構成したが、折り曲げたい一端3aのみを薄くするよう一端3aにV字状又はU字状あるいは台形状の溝を形成し、他の部分を厚くするように構成してもよい。
また、前記実施形態では、2つの板部2,2と1つのヒンジ部3とからなる発泡成形体を示したが、3つ以上の板部とこれら板部の数よりも一つ少ない数のヒンジ部とから構成することもできる。尚、ヒンジ部が3つ以上あれば、ヒンジ部を折り曲げるだけで筒状や箱状に組み立てることができる。
また、前記実施形態では、ヒンジ部3の外面3B及び内面3Aと、ヒンジ部3の薄くなった一端3aに連結された板部2の外面2B及び内面2Aとの間に、段部4B,4Aを介在させたが、ヒンジ部3の外面3B又は内面3Aのうちの一方と、ヒンジ部3の薄くなった一端3aに連結された板部2の外面2B又は内面2Aのうちの一方との間に、段部を介在させる構成であってもよい。
また、前記実施形態では、ヒンジ部3の一端3a及び他端3bを、ヒンジ部3とヒンジ部3に隣り合う板部2又は2との境界部分としたが、境界部分よりも板部連結方向内方側へ少し寄った位置であってもよい。
1…発泡成形体、2…板部、2A…内面、2B…外面、3…ヒンジ部、3A…内面、3B…外面、3a…板部連結方向一端、3b…板部連結方向他端、4A,4B…段部、6a,6b,6c…発泡樹脂粒子、7…成形装置、8…成形型(固定型)、9…成形型(可動型)、8A,9A…金型、8T,9T…突出部、10…成形空間、11,12…蒸気室、13…充填機、14…離型ピン、20…発泡成形体、21…段部、21,22,23…段部、21A,21B…傾斜部、22A…縦部、22B…横部、23A…延長部、23B…縦部、24,25,26…段部、24A…横部、24B…縦部、25A…横部、25B…縦部、26A…延長部、26B…横部、100,101…板部、102…ヒンジ部、H1…板部連結方向
Claims (3)
- 金型に充填された発泡樹脂粒子を加熱して成形される発泡成形体であって、離間して配置される複数の板部と、該板部間を連結し、かつ、折り曲げ可能なヒンジ部とを備えてなる発泡成形体において、
前記ヒンジ部の板部連結方向一端の厚みを、該ヒンジ部の板部連結方向他端の厚みよりも薄くしたことを特徴とする発泡成形体。 - 前記ヒンジ部の外面又は内面と、前記ヒンジ部の薄くなった一端に連結された板部の外面又は内面とが面一ではなく、該面一ではないヒンジ部の外面又は内面と前記ヒンジ部の薄くなった一端に連結された板部の外面又は内面との間に段部が介在されていることを特徴とする請求項1に記載の発泡成形体。
- 前記ヒンジ部の板部連結方向一端の厚みと、該ヒンジ部の板部連結方向他端の厚みとの差を、0.5mm以上に設定していることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡成形体。
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