JP3187558B2 - 冷/暖房混在型エンジン駆動ヒートポンプシステム - Google Patents

冷/暖房混在型エンジン駆動ヒートポンプシステム

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JP3187558B2
JP3187558B2 JP26971992A JP26971992A JP3187558B2 JP 3187558 B2 JP3187558 B2 JP 3187558B2 JP 26971992 A JP26971992 A JP 26971992A JP 26971992 A JP26971992 A JP 26971992A JP 3187558 B2 JP3187558 B2 JP 3187558B2
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武男 加藤
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  • Compression-Type Refrigeration Machines With Reversible Cycles (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エンジンで駆動され
るヒートポンプにより複数の室内ユニットの一部を冷房
で、他を暖房で同時に運転できるようにした冷/暖房混
在型システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】1台の室外機に複数の室内ユニットが接
続されている一系統のシステムによって、同時に複数の
部屋の一部を冷房し、他を暖房するようにしたいわゆる
冷/暖房混在型マルチシステムは、部屋ごとに負荷が異
なり、これに合わせて室外機の空冷式熱交換器の凝縮器
や蒸発器としての能力を調整しなければならない。現在
知られているこの種のシステムはコンプレッサを電気モ
ータで駆動する方式であって、コンプレッサやファンの
回転数を高度に制御してこれに対応しており、また、冷
房時に必要な凝縮器としての最大能力や、暖房時に必要
な蒸発器としての最大能力と混在運転時の適正能力との
差が大きいので、上述のような制御に加えて、空冷式熱
交換器を異なる容量に3分割し、電磁弁によってこれら
の組合せを変更して要求される冷房/暖房能力のアンバ
ランスに対応することも試みられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術では、適正な能力調整を行うために制御
が非常に複雑となるほかシステムの構成も複雑となる。
更にファンの回転数を極端に低下させて運転する場合に
は風や設置場所の影響を受けやすくなるという問題もあ
り、広範囲の運転に適切に対応することが困難であっ
た。この発明はこのような問題点に着目し、エンジン駆
動ヒートポンプシステムにおいて特有な駆動用エンジン
の冷却水を活用して、冷房/暖房能力をバランスよく制
御することを課題としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに、この発明では、複数の室内ユニットの一部を暖房
で、他を冷房で同時に運転することの可能なエンジン駆
動ヒートポンプシステムにおいて、冷媒と駆動用エンジ
ン冷却水との間で熱交換して冷媒を加熱する補助熱交換
器を室外ユニットに設け、冷房主体の運転時において、
凝縮器として作動する室外ユニットの通常の熱交換器と
上記補助熱交換器とを組合せて使用するに当たって通常
の熱交換器と補助熱交換器を直列に接続することによ
り、凝縮器としての全体の能力を低下させた状態にして
運転するようにしている。
【0005】また、上記通常の熱交換器を第1の熱交換
器と第2の熱交換器とで構成し、この第1及び第2の熱
交換器と上記補助熱交換器とを直列に接続し、第1の熱
交換器の能力をファン回転数の制御によって調整すると
共に第2の熱交換器の能力を低下させて使用することに
より、凝縮器としての全体の能力を制御するようにして
いる。このように第2の熱交換器の能力を低下させるに
は、第2の熱交換器のファンを停止して能力を低下させ
る、第2の熱交換器を小容量のものとしてそのファンの
回転数を制御する、あるいは第2の熱交換器の複数の冷
媒流路を個別に開閉する等の手段が可能である。また、
上記通常の熱交換器に駆動用エンジン冷却水のラジェー
タで加熱された空気流を当てることにより、熱交換器の
凝縮器としての能力を低下させた状態にして運転するこ
ともできる。
【0006】
【作用】補助熱交換器は駆動用エンジンの冷却水によっ
て冷媒を加熱するものであり、一種の蒸発器として凝縮
器とは逆の作用をするので、直列に接続することによっ
て通常の空冷式熱交換器と能力が相殺されることにな
り、凝縮器としての全体の能力が低下する。冷房主体の
運転時に凝縮器として適正な能力は、暖房運転されてい
る室内機に必要な蒸発器としての能力と、冷房運転され
ている室内機に必要な凝縮器としての能力との差に相当
するものとなるから、凝縮器としての能力は小さくてよ
く、上記のように直列に接続された補助熱交換器で冷媒
を確実に加熱して能力を低下させることにより、冷房主
体の運転に容易に対応することができる。
【0007】また、全体の熱交換容量の制御は、第1の
熱交換器の能力をファン回転数の制御によって調整する
と共に第2の熱交換器の能力を低下させて使用すること
により容易に行うことができる。また、通常の熱交換器
に駆動用エンジン冷房水のラジェータで加熱された空気
流を当てることによっても熱交換器の凝縮器としての能
力を低下させることができ、冷房主体の運転に対応する
ことが容易となる。
【0008】
【実施例1】次に図示の各実施例について説明する。図
1は請求項1及び2に対応する基本的な実施例の冷媒回
路を示したものである。1は室内機、2は室外機であ
り、高圧ガス配管3、高圧液配管4及び低圧ガス配管5
を介して複数の室内機1,1…が1台の室外機2に接続
されて、一系統のシステムを構成している。室内機1は
熱交換器1a、電子膨張弁1bを備えたもので、冷媒分
岐コントローラ6によって冷媒の流れが冷房あるいは暖
房に切り替えられる。図では室内機1を3台示してあ
り、中央の1台が暖房、他の2台が冷房となっており、
全体としては冷房主体の運転状態になっている。
【0009】室外機2はエンジン11でコンプレッサ1
2を駆動する方式のものであり、13は空冷式の第1の
熱交換器、14は空冷式の第2の熱交換器、15は補助
熱交換器、16は電子膨張弁、17はアキュムレータ、
18はレシーバ、19はエンジン11の排気熱交換器、
20はエンジン11のラジェータ、21は制御部、22
は冷却水ポンプである。その他、冷媒回路中には図示の
ように各所に電磁弁が挿入されている。補助熱交換器1
5はエンジン11の冷却水によって冷媒を加熱するサブ
エバポレータであり、図2に示すように、冷却水管15
aの中を同心状に冷媒管15bが貫通した二重管構造と
なっており、例えば80℃程度の冷却水が冷却水管15
aに供給され、冷媒管15bを通る冷媒との間で熱交換
が行われる。
【0010】制御部21は各室内機1,1…のオンオフ
信号から求まる冷房/暖房能力需要と、冷媒の熱源であ
るエンジン冷却水温度に応じて各電磁弁を開閉し、熱交
換器13,14と補助熱交換器15に流れる冷媒の経路
を切り替えて熱交換容量を制御するのに最適な組合せに
すると共に、コンプレッサ12の吸入圧力と吐出圧力が
最適運転状態となるようにエンジン11、つまりコンプ
レッサ12の回転数を制御し、また各熱交換器のファン
13a,14aの周波数を制御するようになっている。
図1の破線は信号線を例示したもので、25はエンジン
11の冷却水温度を検出する温度センサ、また26,2
7はそれぞれコンプレッサ12の吸入圧力と吐出圧力を
検出する圧力センサである。なお、図1において太線は
冷媒が流れている回路を示しており、室外機2の熱交換
器は熱交換器13,14に分かれ、また熱交換器14は
ファン14aの周波数を低下させて能力を下げて運転さ
れる。これに補助熱交換器15が直列に接続されて請求
項2に対応した構成となっている。
【0011】次に、通常の冷房主体運転の状態をAモー
ド、冷房/暖房能力需要がアンバランスで室外機2の熱
交換容量が比較的大きくてもよい場合、あるいは冷却水
温度が低い場合の運転状態をBモードとする基本的な制
御手順について説明する。Aモードでは、図1のように
熱交換器13、補助熱交換器15、熱交換器14が直列
に接続されて、全体としての熱交換器の能力を低下させ
た状態で運転され、熱交換器13,15,14の順で冷
媒が流れて液化し、レシーバ18に流入するようになっ
ている。Bモードでは図3のように熱交換器13のみに
冷媒が流れる状態で運転される。
【0012】図4は動作モード選定サブルーチンの手順
である。まず、各室内機1の動作信号を入力して総冷房
需要と総暖房需要とを比較し、冷房需要が小さければ暖
房主体モードの制御となる。一方、冷房需要が暖房需要
と同じかこれより大きい場合には冷房主体モードとして
次に進み、その差が基準値C1以下である場合とセンサ
25で検出された冷却水温Tw1が基準値C2以上であ
る場合にはAモードとして次に進み、そうでない場合に
はBモードとして次に進む。Aモードの場合には、まず
フラグをチェックして0であればモードはそのままと
し、1であればAモードにおける各熱交換器のファン1
3a,14aの周波数とコンプレッサ12の回転数の初
期値をセットしてフラグを0とし、冷媒の経路が図1の
状態になるように各電磁弁をセットする。同様にBモー
ドの場合には、まずフラグをチェックして1であればモ
ードはそのままとし、0であればBモードにおけるファ
ン13a,14aの周波数とコンプレッサ12の回転数
の初期値をセットしてフラグを1とし、冷媒の経路が図
3の状態になるように各電磁弁をセットし、それぞれ図
5に示すコンプレッサ12の吸入/吐出圧力制御ルーチ
ンに進む。
【0013】図5はこのルーチンにおける一般的な制御
手順の例を示したものであり、まず圧力センサ26,2
7で検出されたコンプレッサ12の吸入圧力と吐出圧力
を逐次入力し、そのデータをセットする。そして時系列
偏差ベクトルの演算、PID制御量の計算により、吸入
圧力と吐出圧力の制御目標を達成するためのコンプレッ
サの回転数及びファンの周波数に対応する制御ベクトル
を読み取り、更にその重み係数を算出し、PID制御量
にそれぞれの重み係数を掛け合わせて、最終的なコンプ
レッサ12の回転数とファン13a,14aの周波数を
決定するのである。
【0014】
【実施例2】上述の実施例において、熱交換器14のフ
ァン14aを停止させれば請求項3に対応する制御とな
る。図6は従来例との対比を示した図である。左側は容
量の異なる2台の熱交換器を使用した従来例、右側は実
施例の説明であり、Q1は各熱交換器の最小容量、Q2
はファンの周波数制御によって可能となる容量制御範囲
であり、各熱交換器の実際の容量はQ1+Q2で表され
る。ここで従来例の場合には、ファンによる制御量Q2
を零近くまで下げてQ1+Q2を最小容量Q1付近まで
低下させた状態では、ファンの周波数は10Hz程度と
極めて低くなっており、当然その回転数も低いために風
の影響を非常に受けやすい状態となっている。
【0015】これに対して実施例では、凝縮器として作
動している熱交換器13,14とは反対に補助熱交換器
15が蒸発器として作用するので、熱交換器14のファ
ン14aを停止してその能力を低下させていることとの
相乗作用によって全体の熱交換容量が小さくなる。この
場合には、例えば熱交換器13と14とを別パッケージ
にしたり、仕切りを設けたりするなどの構成によって別
々にファンを設けるのであるが、熱交換器13のファン
13aの周波数を10Hzのような低い値まで下げてQ
2を零近くにする必要はなく、30Hz程度でも十分に
対応できるようになる。従って、ファン回転数が高く、
風の影響を受けずに安定した制御が可能となるのであ
る。
【0016】
【実施例3】上述の実施例2でも一方の熱交換器14の
容量を小さくしてあるが、そのファン14aを停止せず
に回転数を制御するようにすれば、請求項4に対応した
実施例となる。熱交換器14の容量を小さくするには、
例えば図7のような構成が可能である。すなわち、パッ
ケージ型の室外機などで熱交換器を2分して所定の間隔
を隔てて並設し、上部にファンを設けることがよく行わ
れるが、これに準じた構造として図7に示すように2分
された熱交換器の一方を第1の熱交換器13とし、これ
に対して容量が60〜70%の第2の熱交換器14を並
設し、その下部にはエンジン11のラジェータ20を配
置するのである。このような構成であれば、実施例2の
場合のように各熱交換器13,14を別パッケージにし
たりする必要はなく、コストを低減することができる。
【0017】なお、このように熱交換器14とラジェー
タ20を接近して配置した場合には、すぐ近くに位置し
ている熱交換器14にラジェータ20で加熱された空気
流を当てることは容易であり、これによって凝縮器とし
ての能力を低下させた状態にして運転することができ
る。これは請求項6に対応したものであり、例えば適当
な整流板やダクトなどを用いてファンによる冷却風の経
路を工夫することによって実現することができ、補助熱
交換器15を用いた場合はもちろんであるが、これを用
いないでも要求される広範囲な熱交換容量の制御が可能
となる。
【0018】
【実施例4】図8は請求項5に対応する実施例における
熱交換器の配置を示す図である。すなわち、第2の熱交
換器14の複数の冷媒流路にそれぞれ電磁弁31を設
け、各冷媒流路を個別に開閉することにより、熱交換器
14の熱交換容量を調整するようにしている。図8で
は、図7の構成によって熱交換器13よりも小容量とし
た熱交換器14に電磁弁を設けた例を示している。この
ような構成とすることにより熱交換器14の容量は段階
的に変化するものとなり、ファンの周波数を制御する場
合はもちろんであるが、周波数制御を行わないでも要求
される広範囲な熱交換容量の制御が可能となるのであ
る。
【0019】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明は、冷/暖房混在型エンジン駆動ヒートポンプシステ
ムにおいて、冷媒と駆動用エンジン冷却水との間で熱交
換を行う補助熱交換器を室外ユニットに設け、冷房主体
の運転時において、室外ユニットの通常の空冷式熱交換
器と上記補助熱交換器とを直列に組合せて使用するよう
にしたものである。従って、冷媒が他の配管に分流する
ことなくすべて補助熱交換器に流れて補助熱交換器によ
る加熱作用が確実にプラスされる結果、全体としては凝
縮器の能力を低下させた状態での運転が安定して行われ
ることになり、冷/暖房混在運転時のように、冷房のみ
の場合と比較して凝縮器能力を小さくする必要がある場
合への対応が容易となる。またファンの超低速回転が不
要で風や設置場所の影響を受けずに安定した制御を行う
ことができ、駆動用エンジンの冷却水を活用して暖房能
力の不足を補うことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の基本的な実施例の冷媒回路図であ
る。
【図2】 同実施例の補助熱交換器の構成を示す図であ
る。
【図3】 同実施例の冷媒回路の要部を示す図である。
【図4】 同実施例の制御手順を示すフローチャートで
ある。
【図5】 同じく制御手順を示すフローチャートであ
る。
【図6】 別の実施例の動作説明図である。
【図7】 他の実施例における熱交換器の配置を示す図
である。
【図8】 更に他の実施例における熱交換器の配置を示
す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 智樹 大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマーデ ィーゼル株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−93263(JP,A) 特開 平2−195161(JP,A) 特開 昭59−89961(JP,A) 特開 平1−123961(JP,A) 特開 昭63−58070(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 27/02 F25B 13/00 104 F25B 27/00 F25B 29/00 361 F24F 5/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の室内ユニットの一部を暖房で、他
    を冷房で同時に運転することの可能なエンジン駆動ヒー
    トポンプシステムであって、冷媒と駆動用エンジン冷却
    水との間で熱交換して冷媒を加熱する補助熱交換器を室
    外ユニットに設け、冷房主体の運転時において、凝縮器
    として作動する室外ユニットの通常の熱交換器と冷媒の
    加熱作用を行う上記補助熱交換器とを組合せて使用する
    に当たって通常の熱交換器と補助熱交換器を直列に接続
    することにより、凝縮器としての全体の能力を低下させ
    た状態にして運転することを特徴とする冷/暖房混在型
    エンジン駆動ヒートポンプシステム。
  2. 【請求項2】 上記通常の熱交換器を第1の熱交換器と
    第2の熱交換器とで構成して第1及び第2の熱交換器と
    上記補助熱交換器とを直列に接続し、第1の熱交換器の
    能力をファン回転数の制御によって調整すると共に第2
    の熱交換器の能力を低下させて使用することにより、凝
    縮器としての全体の能力を制御するようにした請求項1
    記載の冷/暖房混在型エンジン駆動ヒートポンプシステ
    ム。
  3. 【請求項3】 第2の熱交換器のファンを停止して能力
    を低下させるようにした請求項2記載の冷/暖房混在型
    エンジン駆動ヒートポンプシステム。
  4. 【請求項4】 第2の熱交換器を小容量のものとしてそ
    のファンの回転数を制御するようにした請求項2記載の
    冷/暖房混在型エンジン駆動ヒートポンプシステム。
  5. 【請求項5】 第2の熱交換器の複数の冷媒流路を個別
    に開閉するようにした請求項2記載の冷/暖房混在型エ
    ンジン駆動ヒートポンプシステム。
  6. 【請求項6】 上記通常の熱交換器に駆動用エンジン冷
    却水のラジェータで加熱された空気流を当てることによ
    り、熱交換器の凝縮器としての能力を低下させた状態に
    して運転することを特徴とする請求項1記載の冷/暖房
    混在型エンジン駆動ヒートポンプシステム。
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