JP3187521B2 - パーマネントウエーブ用剤第1剤 - Google Patents
パーマネントウエーブ用剤第1剤Info
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剤に関し、更に詳しくは整髪用アイロン操作により毛髪
にウェーブを形成させるアイロンパーマ(アイパー)用
のパーマネントウエーブ用剤第1剤に関するものであ
る。
コール酸やシステインなどのメルカプト化合物(還元
剤)を主剤とする水溶液に、アンモニア、モノエタノー
ルアミン、トリエタノールアミンなどの塩基性物質を加
えてpH6〜10に調整したものを第1剤とし、臭素酸
ナトリウム、過酸化水素などの酸化剤の水溶液を第2剤
としてなるものである。
によって毛髪にウェーブをかけるメカニズムは、第1剤
により毛髪中のケラチン蛋白質に含まれているシスチン
のジスルフィド結合を還元することによってメルカプト
基として切断し、ロッドなどに固定して毛髪をカール
し、第2剤によってメルカプト基を酸化して毛髪に新た
なジスルフィド結合を生成させ、ウェーブを固定化させ
ようとするものである。
般に、第1剤の処理方法や操作方法によって分類され、
それらは室温で処理するコールド式パーマ、40〜60
℃の熱をかけてより反応を促進させる加温式パーマ、第
1液処理後に水洗してから160〜180℃に加熱した
整髪用アイロンを用いてより強固なウェーブを形成する
アイロンパーマ(アイパー)等が挙げられる。
るパーマネントウエーブでは、ウェーブ効果の程度に応
じて毛髪が損傷を受けることが確認されており、すなわ
ち、第1剤による還元で切断されたシスチンのジスルフ
ィド結合が、つづく第2剤による酸化で完全にもとどお
りにジスルフィド結合を形成してシスチンに再生すると
は限らず、第1剤による処理によってシスチンより生じ
たメルカプト基の一部は第2剤によって過剰酸化を受け
たり、あるいは毛髪中に残存しているチオグリコール酸
等の還元剤と反応してジスルフィド結合を生成する。主
としてこのような副反応が起こること、ケラチン蛋白質
の一部が溶出し、また毛髪中の残存部分も物理的、化学
的変化を受けるなどの原因によって、毛髪に違和感やパ
サパサした感じを与えるばかりでなく、毛髪が多大な損
傷を受けることになる。
る熱を利用してウェーブを固定するアイロンパーマにお
いては、毛髪ケラチン蛋白質が熱変性を受け、その損傷
も大きく、アイロンのかけすぎにより、髪が切れる状況
までも発生する。また、アイロン操作による固定後、第
2剤で酸化する過程において、せっかくウェーブをかけ
た毛髪が第2剤塗布中に伸びる現象(カールダウン)が
発生し、アイロンでの固定時とイメージの異なった仕上
がりとなることが多かった。
る切れ毛を防止する意味で出来るだけ低温で、或いは短
いアイロンとの接触時間でウェーブを形成し、かつ毛髪
の傷みが少なく、また、カールダウンが少ないアイロン
パーマ用のパーマネントウエーブ用剤第1剤が強く望ま
れている。しかしながら、このようなアイロン用のパー
マネントウエーブ用剤第1剤は、未だ市場には見当たら
ないのが現状である。
おいて、毛髪の損傷や毛髪からの蛋白質の溶出防止をい
う目的で、多くの試みがなされており、ポリマーを配合
した公知の方法としては、例えば、特開昭57−206
606号公報には、キサンタンガムを配合し、施術中に
おける液だれと不快臭がなく、手荒れを防止しソフトで
弾力性のあるウェーブを形成するパーマネントウエーブ
用剤第1剤が開示されている。また第4級アンモニウム
塩を配合した公知の方法としては特開昭57−8530
9号公報には、第4級アンモニウム塩とケラチン加水分
解物を配合し、毛髪の損傷を防止し、毛髪の感触に優れ
たパーマネントウエーブ用剤第1剤が開示されている。
知のパーマネントウエーブ用剤を用いて、第1剤処理後
水洗し、整髪用アイロンによりウェーブの固定というア
イロンパーマ処理を行った場合、毛髪の保護が不十分で
あり毛髪の損傷を防止することができず、また、ウェー
ブを形成する温度を低くすることも不可能であり、特
に、第2剤塗布中に伸びてしまうカールダウンの発生を
防止する効果においては充分ではない。
護し、従来のものよりも低温或いは短時間のアイロンと
の接触でウェーブを形成し、特に、第2剤塗布中にカー
ルダウンが発生しないアイロンパーマ用剤第1剤を提供
することを目的とするものである。
するために、鋭意研究した結果、チオグリコール酸等の
メルカプト化合物に、第4級アンモニウム塩と陰イオン
性重合体を配合することにより、これら2つの成分が複
合体を形成し、簡単に水洗では流れ落ちずにアイロン操
作時に毛髪を保護し、第2剤塗布時のカールダウンが発
生しない等上記目的が達成されることを見出し、本発明
を完成した。
と、一般式(1)
キシアルキル基またはベンジル基のいずれかであり、こ
のうち1個乃至2個は炭素数8ないし24の直鎖状長鎖
アルキル基または直鎖状長鎖ヒドロキシアルキル基であ
り、残りは炭素数1ないし3のアルキル基、ヒドロキシ
アルキル基またはベンジル基のいずれかである。Xはハ
ロゲン原子または炭素数1ないし3のアルキル硫酸塩を
意味する)で表される第4級アンモニウム塩の1種また
は2種以上と、陰イオン性重合体の1種または2種以上
を含有してなることを特徴とするアイロンパーマ用剤第
1剤を提供するものである。
発明において使用される第4級アンモニウム塩は、上記
一般式(1)で表され、そのうち好ましいものとして
は、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ス
テアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリ
ルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、セチル
トリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチ
ルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。ま
た、特に好ましいものは、直鎖状長鎖アルキル基の炭素
数が14〜22のモノアルキル型或いは直鎖状長鎖アル
キル基の炭素数が14〜22のジアルキル型の第4級ア
ンモニウム塩である。
または2種以上が適宜選択され配合される。その配合量
はアイロンパーマ用剤第1剤全量中0.1〜5重量%が
好ましい。0.1重量%未満では、アイロン操作前の水
洗段階で陰イオン性重合体が落ちやすく毛髪の保護やカ
ールダウンの発生を防止する効果が十分発揮されず、ま
た、5重量%以上では、製品の安定性上好ましくない。
は、アルギン酸、ペクチン酸、ポリアクリル酸、ポリメ
タアクリル酸、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロ
ースおよびこれらの重合体のナトリウム、カリウムおよ
びアンモニウム塩が挙げられ、化粧品や医薬品等の分野
で広く用いられている公知のものである。また、これら
の陰イオン性重合体のうち、原料の入手上、各重合体の
ナトリウム塩が好ましく、これらの陰イオン性重合体は
水、アルカリ性水溶液あるいはアルコール性水溶液に溶
解する分子量のものが適宜使用される。また、陰イオン
性重合体の25℃で2%水溶液の粘度は通常10〜10
0,000cpsであるが、好ましくは10〜10,0
00cpsのものである。
ロンパーマ用剤第1剤中に1種もしくは2種以上組み合
わせて使用してもよく、その配合量は、アイロンパーマ
用剤第1剤全量を100重量%として、0.1〜20重
量%が好ましく、より好ましくは、0.5〜10重量%
である。この範囲よりも配合量が少ないと十分な効果が
発揮されず、又、逆にこの範囲よりも配合量が多いとメ
ルカプト化合物が毛髪内への浸透が悪くなり、ウエーブ
形成に支障を生じる。
しては、チオグリコール酸又はそのアンモニウム塩、モ
ノエタノールアミン塩、アルカリ金属塩、システイン、
アセチルシステインの塩酸塩、硫酸塩、亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸水素ナトリウムのアルカリ金属塩などが挙げ
られ、これらのメルカプト化合物を1種類もしくは2種
類以上組み合わせて使用してもよい。メルカプト化合物
のアイロンパーマ用剤第1剤中への配合量は、形成する
ウエーブの状態や効果に応じて、アイロンパーマ用剤第
1剤全量を100重量%として、1.0〜10.0重量
%の範囲で配合される。
には、通常パーマネントウェーブ用剤第1剤に配合され
ているアンモニア、モノエタノールアミン等の有機アル
カリ、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化ナト
リウム等の無機アルカリのようなpH調整剤、ジチオグ
リコール酸、ジチオグリコール酸アンモニウムのような
反応調整剤、チオ乳酸、チオグリセロールのような補助
剤、尿素のような効果増強剤、EDTAのような金属イ
オン封鎖剤、グリセリンやプロピレングリコールのよう
な浸透剤、香料、ビタミン類、パントテン酸、ニコチン
酸アミドのような育毛剤、植物抽出液やコラーゲン加水
分解物のようなポリペプタイド、アニオン界面活性剤、
カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、油分、紫外
線吸収剤、防腐剤、保湿剤、水、アルコール、増粘剤、
色剤等を本発明の効果を損なわない範囲で配合すること
ができる。
説明するが、各例の説明に先立ち、使用した試験方法に
ついて述べる。なお、以下の処方や表中に示す化合物の
含有量はそれぞれ重量%である。
果 長さ8cm,重さ1gの毛髪からなる毛束を本発明のパ
ーマネントウエーブ用剤第1剤20mlに30℃で15
分間浸漬した後、5分間流水中で水洗した。次に、18
0℃に加温した整髪用アイロンを用いて、毛束の3ヵ所
について2cm間隔で5秒間アイロン操作を行い、この
とき、以下の式に従ってウエーブ効果を測定した。
b)/a a:アイロン操作前の毛束の長さ b:アイロン操作後における毛束の両末端間の距離
パーマ第2剤50ml中に30℃で浸漬し、20分後の
毛束の両末端間の距離を測定し、カールダウン率を下記
の式に従って計算した。
た第2剤処理後の毛束を流水で10分間水洗し、室温に
て24時間風乾し、次に、毛束中から毛髪を取り出し、
引張強度試験を行なった。引張強度試験の測定は、エル
・ビー・ケミカル社製ヘアーテスターを用いて毛髪の破
断強度を各50本測定し、その平均値を求めた。測定条
件は、温度20℃および湿度50%であった。
イロンパーマ用剤第1剤20mlに30℃で15分間浸
漬した後、5分間流水中で水洗した。次に、整髪用アイ
ロンを50℃〜200℃まで10℃づつ段階的に変化さ
せながら、毛束3ヵ所に2cm間隔で5秒間アイロン操
作を行い、このとき、ウエーブ形成効果が50%となる
整髪用アイロンの温度を求めた。
方法に従って、ウェーブ効果、カールダウンの防止効
果、毛髪損傷防止効果、アイロン操作温度の低下能の評
価を行った。その結果を同表に記載する。
方のものを使用した。 (第2剤) 成分 重量% 臭素酸ナトリウム 6.0 精製水 残 部
ン性重合体と第4級アンモニウム塩を配合した場合、ウ
ェーブ形成効果も高く、カールダウン率も低く、毛髪の
損傷も少なく、また、低いアイロン温度でウェーブを形
成することができる。
方法に従って、ウェーブ効果、カールダウンの防止効
果、毛髪損傷防止効果、アイロン操作温度の低下能の評
価を行った。その結果を同表に記載する。
方のものを使用した。 (第2剤) 成分 重量% 過酸化水素水 2.5 リン酸 0.01 精製水 残 部
ン性重合体と第4級アンモニウム塩を配合した場合、ウ
ェーブ形成効果も高く、カールダウン率も低く、毛髪の
損傷も少なく、また、従来のパーマネントウエーブ用剤
第1剤(比較例)に比べて低いアイロン温度でウェーブ
を形成することができる。
に、表3に組成を示すアイロンパーマ用剤第1剤につい
て実際にヒト頭髪上でアイロンパーマを実施し、アイロ
ンパーマ処理後に、髪の傷み、アイロン操作時間、カー
ルダウンの発生を評価した。判定基準は、髪の傷みは
「良い」「普通」「悪い」の3段階で、アイロン操作時
間は「短い」「普通」「長い」の3段階で、カールダウ
ンの発生は「少ない」「普通」「多い」の3段階で評価
し、これらの評価結果について、それぞれ「良い」、
「短い」及び「少ない」と答えた人の人数を同表に記載
した。尚、アイロンパーマ用剤第2剤は実施例1と同じ
ものを用いた。
ン性重合体と第4級アンモニウム塩を配合した場合、毛
髪の損傷も少なく、また、アイロン操作時間も短い時間
でウェーブを形成することができ、更にカールダウンの
発生も非常に少なかった。
整髪用アイロンによるウェーブの固定を行った場合、毛
髪の保護効果に優れ、また低いアイロン温度或いはアイ
ロンとの短い接触時間でウェーブを形成することがで
き、特に、第2剤塗布中にウェーブが伸びてしまうカー
ルダウンの発生を防止する利点を有している。
Claims (2)
- 【請求項1】 メルカプト化合物と、 一般式(1) 【化1】 (式中、R1、R2、R3およびR4はアルキル基、ヒドロ
キシアルキル基またはベンジル基のいずれかであり、こ
のうち1個乃至2個は炭素数8ないし24の直鎖状長鎖
アルキル基または直鎖状長鎖ヒドロキシアルキル基であ
り、残りは炭素数1ないし3のアルキル基、ヒドロキシ
アルキル基またはベンジル基のいずれかである。Xはハ
ロゲン原子または炭素数1ないし3のアルキル硫酸塩を
意味する)で表される第4級アンモニウム塩の1種また
は2種以上と、陰 イオン性重合体の1種または2種以上を含有してなる
ことを特徴とするアイロンパーマ用剤第1剤(但し、分
岐型4級アンモニウム塩を含有しない)。 - 【請求項2】 陰イオン性重合体が、アルギン酸、ペク
チン酸、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ヒアル
ロン酸、カルボキシメチルセルロースおよびこれら陰イ
オン性重合体のナトリウム、カリウム、アンモニウム塩
である請求項1記載のアイロンパーマ用剤第1剤。
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Publication Number | Publication Date |
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