JP3187429U - グリス供給策を施した温室用軸受け - Google Patents
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Abstract
【課題】角パイプを挿通する軸受けのグリス切れを防止するグリス供給策を施した温室用軸受けを提供する。
【解決手段】外輪4と、左右一対の帽形内輪5と、外輪と内輪の間に介装され、周方向に球体12を配列した樹脂製保持器11からなるベアリング10を備え、左右の内輪の鍔壁8の周縁一部を少しくの字状に外方屈曲して外輪との間にグリス供給用の注入口9を形成する。
【選択図】図3
【解決手段】外輪4と、左右一対の帽形内輪5と、外輪と内輪の間に介装され、周方向に球体12を配列した樹脂製保持器11からなるベアリング10を備え、左右の内輪の鍔壁8の周縁一部を少しくの字状に外方屈曲して外輪との間にグリス供給用の注入口9を形成する。
【選択図】図3
Description
本考案は、ベアリングの円滑機能を維持するためのグリス供給策を施した温室用軸受けに関する。
植物を栽培し好適な状態に育成するには温室内部を適温に保つための開閉シートが不可欠であり、開閉シートはモーターを駆動源とする滑車によって走行するワイヤーの動きに応じて開閉する。ところで前記滑車は駆動源に直接する角パイプと連動するものであり、角パイプ自体は角孔を有するベアリング付き軸受けによって支架されている。
一般的にも各種構造体におけるパイプの回転には軸受け部材を要し、そして軸受けが内部に組み込まれるベアリングの良し悪し、潤滑剤の有無等によってパイプの回転機能を左右するものであることも当然の事柄であり、そのためにボールを取り付ける保持器の構造や構成素材に腐心した技術も少なからず存在する(例えば特許文献1〜3参照)。
爪折れ状態を生じることなく転動体(ボール)をポケットに挿入することが可能な樹脂製保持器を特徴とする技術が特許文献1に開示されている。この保持器は、ボールを取り付ける際に、位置ずれしてボールが爪部の外側に当接しても爪部が内側に屈曲変形することが回避される構成をとっている。つまり周方向に沿った厚みが大きく、先端部の頂点位置と傾斜角度とを規定する爪部を有するというものであるが、ボールを固定する際にやゝもすると爪部の弾性変形が阻害される恐れなしとしない。またこの保持器では構造上十分なグリス量を確保できるか否かが懸念されるとともに、グリス切れがあるとベアリングの滑動にも影響するという問題があり、然も転動体の大きさも好ましくは玉径が2mm以下としたものであるから、おのずと使用範囲も限定される憾みがある。
特許文献2はころがり軸受けに関し、転動体の組み込み時に位置ずれがあったとしても、転動体をポケット内にスムーズに取り付けることができ、爪部の弾性変形特性の悪化を防ぎ且つグリスポケットの容積減少を抑制する機能を有することができる、としている。ところでこの軸受けは情報記録再生装置における軸受けに関わる技術であり、その限りにおいては有効であっても、例えば軸受け内に挿通する駆動軸を起点とする大掛かりな温室内の開閉装置には不向きであり、汎用性にやゝ欠けることは否めない。
しかして特許文献3は、温室カーテンに用いられる軸受けであってパイプの回転が継続的に円滑な作動をすることを目的としている。そのために球体を取り付けた遊動輪をナイロン製として回転の摩擦抵抗を可及的排除するように構成したことを特徴とするものであり、グリス切れによる擦過痕や擦過音を防止することもできることを意図したものではあるが、温室内では温度調整をして室内を適温に保つことが要求されるため回転するベアリング部材にも当然ながら温風が影響することは避けられない。就中高所にある回転装置は、より高温域に位置し乾燥しやすい環境に置かれるものであるから、温度上昇による潤滑剤であるグリスの乾燥劣化は通常よりも早まると言ってもよい。すなわちこの技術ではグリスの乾燥劣化に対応する構造上の対応には未だしの感がある。
本考案は上記した従来技術の有する諸課題を解決することを目的としてなされたもので、特に温室内高所における角パイプの回転を円滑にするべく、軸受けに組み込まれたベアリングの滑動を長期にわたり維持するところのグリス供給策を施した温室用軸受けを提供しようとするものである。
上記目的を達成するために本考案は、外輪と、鍔壁が外輪の側面に当接し主体部奥端面に角形開口を有し且つ相互を螺着した左右一対の帽形内輪と、前記外輪と内輪の間に介装され、周方向に球体を配列した樹脂製保持器からなるベアリングを備え、
前記左右の内輪の鍔壁の周縁一部を少しく外方屈曲して外輪との間にグリス供給用の注入口を形成し、しかして前記外輪に取付脚を一体形成するとともに前記角形開口に角パイプを挿通することを特徴とする。
前記左右の内輪の鍔壁の周縁一部を少しく外方屈曲して外輪との間にグリス供給用の注入口を形成し、しかして前記外輪に取付脚を一体形成するとともに前記角形開口に角パイプを挿通することを特徴とする。
角形開口に挿通された角パイプとともに内輪が外輪内部を回動するが、内輪は球体を配列した樹脂製保持器すなわちベアリングに接しているためその動きが停滞することはない。ベアリングにはあらかじめグリスを塗布するので球体は保持器内にあって転動し内輪の動きをスムーズに保つが、温室高所にある軸受けは室内の温度上昇によって内部に塗布したグリスが乾燥劣化するのは避けられない。しかしながら本案では内輪の鍔壁周縁の一部に注入口を形成してあるため該注入口に、グリス入りスプレー缶のノズルをあてがって操作すると新鮮なグリスをベアリングに塗布でき、内輪及び角パイプの回動が絶えず支障なく維持できる。
本来グリス補充はベアリングをある程度露出させた状態でないと難しく、就中温室内の高所にある軸受けは脚立を利用するためその位置で固定された軸受けを分解するなどの作業は農家にとっても余計な手間ひまをかけることとなり勢い消極的にならざるを得ない。したがってグリス不測によって回転軸に多少の不具合が生じてもそのまま使い続けることになるため、やがては温室カーテンの開閉にも問題が起きることになるが、本案軸受けは分解などの手間をかけず外側からスプレー式にグリス注入ができるので熟練を要することなく誰にも簡単に作業ができる。
軸受けBは図1に示すとおり温室Aの室内側高所に取り付けられた原動機1と連動する角パイプ2を挿通枢支するものであり、該角パイプ2と連動して回転するドラム3にワイヤー(不図示)が掛装され、ワイヤーが滑車を介して走行することにより温室シートを開閉する仕組みであるが、これらの構成は格段目新しいものではないため詳細説明は省略する。
図2は軸受けBの外観を示し、外輪4に左右一対の内輪5を回動自在に取り付けてある。内輪5は帽形であり、主体部の奥端面6に角形開口7を有し且つ鍔壁8が前記外輪4の側面4’に当接している。内輪5は左右の奥端面6同士を密接させ、相互をネジ止めすることにより一体状となる。また内輪5の鍔壁8の周縁の一部を少しく外方屈曲し小開口してグリス供給用の注入口9を形成してある。外輪4には取付脚Fを一体的に設けてあり、この取付脚Fを温室Aの梁材にネジ止めすれば軸受けBは固定される。
図3は外輪4と内輪5の間にベアリング10を介装した軸受けBの要部断面(a)と、その外面俯瞰図(b)である。ベアリング10は、樹脂製保持器11の周方向に列設した取付突子11’間に球体12を配列したものであり(図4の(a)参照)、このベアリング10は図4(b)に示す内輪5に自由回転式に嵌合される。つまり開口7内に挿通される角パイプ2に連動して内輪5が回動し、内輪5には絶えずベアリング10が接しているため球体12は内輪5と、外輪4の側面4に形成した内曲部nに接して転動する。ベアリング10にはあらかじめグリスを塗布しておくが、グリス切れになったり劣化したときは、グリスを充填したスプレー缶のノズル先端を前記注入口9にあてがって噴出させてグリスをベアリング10に塗布することができる。
注入口9は内輪5の鍔壁8を少しく屈曲すれば形成されるので容易に加工でき、わずかな空間ながらスプレー缶のノズルをあてがうには十分であり、脚立を使えば高所にある軸受けに必要に応じてグリス注入ができて角パイプ2の回転を常に良好に保つことができる。なお図では注入口9を鍔壁8の2個所に設けるとしているが、個数に限定されるものではなく、また樹脂製保持器11は好ましくはナイロンを用いるが素材に拘束されるものでないこと勿論であり、その他本考案の目的効果を奏する範囲における変更事項も本考案の実施の範疇に属する。
B 軸受け
2 角パイプ
4 外輪
4’ 側面
5 内輪
6 奥端面
7 角形開口
8 鍔壁
9 注入口
10 ベアリング
11 保持器
12 球体
F 取付脚
2 角パイプ
4 外輪
4’ 側面
5 内輪
6 奥端面
7 角形開口
8 鍔壁
9 注入口
10 ベアリング
11 保持器
12 球体
F 取付脚
Claims (1)
- 外輪と、鍔壁が外輪の側面に当接し主体部奥端面に角形開口を有し且つ相互を螺着した左右一対の帽形内輪と、前記外輪と内輪の間に介装され、周方向に球体を配列した樹脂製保持器からなるベアリングを備え、
前記左右の内輪の鍔壁の周縁一部を少しく外方屈曲して外輪との間にグリス供給用の注入口を形成し、しかして前記外輪に取付脚を一体形成するとともに前記角形開口に角パイプを挿通することを特徴とするグリス供給策を施した温室用軸受け。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013005500U JP3187429U (ja) | 2013-09-04 | 2013-09-04 | グリス供給策を施した温室用軸受け |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013005500U JP3187429U (ja) | 2013-09-04 | 2013-09-04 | グリス供給策を施した温室用軸受け |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3187429U true JP3187429U (ja) | 2013-11-28 |
Family
ID=50430994
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2013005500U Expired - Lifetime JP3187429U (ja) | 2013-09-04 | 2013-09-04 | グリス供給策を施した温室用軸受け |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3187429U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021121748A (ja) * | 2020-01-31 | 2021-08-26 | 有限会社吉武製作所 | 滑り軸受 |
-
2013
- 2013-09-04 JP JP2013005500U patent/JP3187429U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021121748A (ja) * | 2020-01-31 | 2021-08-26 | 有限会社吉武製作所 | 滑り軸受 |
JP7425470B2 (ja) | 2020-01-31 | 2024-01-31 | 株式会社吉武製作所 | 滑り軸受 |
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