JP3187297U - 歯列矯正用ブラケット - Google Patents
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Abstract
【課題】アーチワイヤを容易且つ確実に固定すると共に、矯正期間中アーチワイヤがブラケットから外れる惧れのない歯列矯正用ブラケットを提供する。
【解決手段】ベース板部2にアーチワイヤWの取付体3を設けたブラケット本体と、ブラケット本体にアーチワイヤを固定するロック部材10と、ロック部材を回動可能に止着する支持部材20とを備える。取付体は、歯根側部を歯先側部より肉厚に形成して上面を傾斜させ、歯根側には上端部を開口したスロット4を形成し、スロットの歯根側の側壁前部には係止溝5を形成すると共に、歯先側には上端部を開口した軸溝6を形成する。ロック部材は、弾性板を方形状に形成し、歯根側端部には係止溝に係合する係止端部11を形成すると共に、歯先側端部には軸溝内に係合する支軸12を設ける。支持部材は、線状又は方形板状に形成し、歯根側端部には支軸を軸溝内に回動可能に抑止するための支持部21を設けると共に、歯先側部を取付体の歯先側斜面部に固着する。
【選択図】図4
【解決手段】ベース板部2にアーチワイヤWの取付体3を設けたブラケット本体と、ブラケット本体にアーチワイヤを固定するロック部材10と、ロック部材を回動可能に止着する支持部材20とを備える。取付体は、歯根側部を歯先側部より肉厚に形成して上面を傾斜させ、歯根側には上端部を開口したスロット4を形成し、スロットの歯根側の側壁前部には係止溝5を形成すると共に、歯先側には上端部を開口した軸溝6を形成する。ロック部材は、弾性板を方形状に形成し、歯根側端部には係止溝に係合する係止端部11を形成すると共に、歯先側端部には軸溝内に係合する支軸12を設ける。支持部材は、線状又は方形板状に形成し、歯根側端部には支軸を軸溝内に回動可能に抑止するための支持部21を設けると共に、歯先側部を取付体の歯先側斜面部に固着する。
【選択図】図4
Description
本考案は、歯面に装着して、近遠心方向に伸びたアーチワイヤ(矯正ワイヤ)を確実に固定し得るようにした歯列矯正用のブラケットに関する。
従来、歯列の矯正を行うに当たり、歯の表面にブラケットを接着剤などで固定し、該ブラケット間にアーチワイヤを挿通し、アーチワイヤの弾性による復元力を利用して、正常な位置からずれていたり、捩れている歯を正常な歯列上の位置に移動又は回転させて矯正している。
従来のこの種ブラケットにおいては、歯面に接着するベース上に立設した取付体の中央部には、側面を開口とした近遠心方向のワイヤスロットが形成されており、アーチワイヤを側面より嵌めてリガチャーワイヤで結紮しているために、アーチワイヤの取付作業が円滑に行い難く、特に歯の裏面にブラケットを取付けた場合にはアーチワイヤの取付作業が一層難しくなる問題点があった
而して、係る問題点に鑑みて、下記特許文献1のように、取付体の上側を開口したワイヤ挿入溝を形成して、アーチワイヤを歯先側より嵌めて、ワイヤ挿入溝を開閉する係止片でアーチワイヤを固定するようにしたものがある。
実公昭63−7220号
従来のこの種ブラケットにおいては、歯面に接着するベース上に立設した取付体の中央部には、側面を開口とした近遠心方向のワイヤスロットが形成されており、アーチワイヤを側面より嵌めてリガチャーワイヤで結紮しているために、アーチワイヤの取付作業が円滑に行い難く、特に歯の裏面にブラケットを取付けた場合にはアーチワイヤの取付作業が一層難しくなる問題点があった
而して、係る問題点に鑑みて、下記特許文献1のように、取付体の上側を開口したワイヤ挿入溝を形成して、アーチワイヤを歯先側より嵌めて、ワイヤ挿入溝を開閉する係止片でアーチワイヤを固定するようにしたものがある。
上記従来のアーチワイヤを歯先側より嵌めることができるブラケットは、矯正作業が行い易い利点はあるが、製造が容易でなくコスト高になる等の難点があった。また、取付体が歯面より大きく出張る為に、特に歯の裏面に接着して使用した場合には、舌先への異物感が大きく不快であった。本出願人は、上記の従来の難点に鑑みて、新規なブラケットを考案して先に実用新案出願した(登録第3155836号)。
上記考案は、回動又はスライドし得るロック板によりアーチワイヤをブラケットに固定するものであり、所期の目的を達成出来るものであるが、ロック板を歯面に対して平行に回動するようにしてあるため、矯正中において、その回動操作がしがたい難点があり、矯正操作がスムーズに行えない問題があることが分かった。
上記考案は、回動又はスライドし得るロック板によりアーチワイヤをブラケットに固定するものであり、所期の目的を達成出来るものであるが、ロック板を歯面に対して平行に回動するようにしてあるため、矯正中において、その回動操作がしがたい難点があり、矯正操作がスムーズに行えない問題があることが分かった。
そこで、本考案は、アーチワイヤの取付け及び取外しを容易にして歯列矯正作業を円滑に行うことができ、矯正期間中アーチワイヤを確実に固定できると共に、歯面よりの出張りを極力小さくして、特に歯裏面に装着した場合、舌先への異物感を減少し得るようにした矯正用ブラケットを提供するものである。
本考案のブラケットは、歯面に接着するベース板部にアーチワイヤの取付体を設けたブラケット本体と、前記ブラケット本体にアーチワイヤを固定するロック部材と、前記ロック部材を回動可能に止着する支持部材とを備えた歯列矯正用ブラケットであって、上記取付体は、その歯根側部を歯先側部より肉厚に形成して上面を傾斜させ、歯根側には上端部を開口したワイヤスロットを形成し、該ワイヤスロットの歯根側の側壁前部には係止溝を形成すると共に、歯先側には上端部を開口した軸溝を形成してあり、上記ロック部材は、弾性板を方形状に形成し、その歯根側端部には前記係止溝に係合し得る係止端部を形成すると共にその歯先側中央部には透孔を設けてあり、上記支持部材は、線状又は方形板状に形成し、その先端部には前記ロック部材の透孔に嵌合し得る支持部を設けると共に、その基端部を取付体の歯先側斜面部に固着して、ロック部材の歯先側端部を軸溝内に回動可能に抑止するようにしてなる。
また、上記ロック部材は、その歯先側端部に前記取付体の軸溝内に係合する支軸を形成する場合がある。
また、前記取付体は、その縦幅をベース板部の縦幅より適宜小幅に形成して、ベース板部の歯根側よりの上面に設ける場合もある。
更に、前記ロック部材の係止端部にピンセット等の差込孔を形成する場合もある。
また、上記ロック部材は、その歯先側端部に前記取付体の軸溝内に係合する支軸を形成する場合がある。
また、前記取付体は、その縦幅をベース板部の縦幅より適宜小幅に形成して、ベース板部の歯根側よりの上面に設ける場合もある。
更に、前記ロック部材の係止端部にピンセット等の差込孔を形成する場合もある。
本考案のブラケットによれば、請求項1の構成により、アーチワイヤを歯先側より嵌め込んでワイヤスロット内に確実に固定することができるが、ロック部材は、弾性板で形成し、その歯根側端部には係止溝に係合し得る係止端部を形成すると共に歯先側中央部には透孔を設けてあり、支持部材は、その先端部には前記ロック部材の透孔に嵌合し得る支持部を設けると共に、その基端部を取付体の歯先側斜面部に固着して、ロック部材の歯先側端部を軸溝内に回動可能に抑止するようにしてあるから、ロック部材を歯面に対して鉛直方向に回動することにより、アーチワイヤを矯正歯に容易に固定することが出来る。特に作業が難しい歯裏側へのアーチワイヤの取付け及び取外し作業を極めて円滑に行うことができる。
また、スロット内のアーチワイヤをロック部材で押圧していると共に、そのロック状態を確実に維持し、濫りに離脱しないような構成にしてあるので、矯正作業中にアーチワイヤに引張力が作用してもブラケットから外れる惧れが無く、矯正作業を安心して行うことが出来る。
また、請求項2のように、ロック部材は、その歯先側端部に前記取付体の軸溝内に係合する支軸を形成することにより、回動を円滑に行うことができる利点がある。
また、請求項3のように、取付体の縦幅をベース板の縦幅に対して小幅に形成して、ベース板部の歯根側よりに設けておくことにより、特に歯の裏面に装着した場合には、舌先への異物感を極力少なくすることができると共に、ブラケットと上顎又は下顎の歯先との接触が起こり難い利点がある。
また、請求項4のように、前記ロック部材の係止端部にピンセット等の差込孔を形成しておくことにより、アーチワイヤのスロットからの取外し作業を円滑に行うことが出来る利点もある。
また、請求項3のように、取付体の縦幅をベース板の縦幅に対して小幅に形成して、ベース板部の歯根側よりに設けておくことにより、特に歯の裏面に装着した場合には、舌先への異物感を極力少なくすることができると共に、ブラケットと上顎又は下顎の歯先との接触が起こり難い利点がある。
また、請求項4のように、前記ロック部材の係止端部にピンセット等の差込孔を形成しておくことにより、アーチワイヤのスロットからの取外し作業を円滑に行うことが出来る利点もある。
次に添付図面に従って、本考案の実施例を詳説する。
図1乃至図5において、1はブラケット本体であって、歯面に接着する薄板状のベース板部2は、その横幅を歯根側部から歯先側部に向って徐々に広幅に形成すると共に、その歯根側よりに取付体3を立設してある。
上記取付体3は、その歯根側部を歯先側部より肉厚に形成して上面を傾斜させ、上面歯根側の斜面部には、ワイヤスロット4をベース面に対して所要角度傾斜させて凹設してある。
また、該ワイヤスロット4の歯根側側壁の前側部には係止溝5を設けると共に、歯先側斜面部には係止溝5と所定の間隔をおいて軸溝6を凹設してある。この軸溝6は、支軸12を支えることができれば良いので浅く形成しても差し支えない。
7は必要に応じリガチャーワイヤを結紮するために突設したフックを示す。
而して、上記取付体3は、その縦幅を、ベース板部2の縦幅より適宜小幅に形成すると共にベース板部2の歯根側よりの上面に設けて、上顎又は下顎の歯先との接触が起こり難くすると共に、舌先への異物感を極力小さくするようにしてある。
図1乃至図5において、1はブラケット本体であって、歯面に接着する薄板状のベース板部2は、その横幅を歯根側部から歯先側部に向って徐々に広幅に形成すると共に、その歯根側よりに取付体3を立設してある。
上記取付体3は、その歯根側部を歯先側部より肉厚に形成して上面を傾斜させ、上面歯根側の斜面部には、ワイヤスロット4をベース面に対して所要角度傾斜させて凹設してある。
また、該ワイヤスロット4の歯根側側壁の前側部には係止溝5を設けると共に、歯先側斜面部には係止溝5と所定の間隔をおいて軸溝6を凹設してある。この軸溝6は、支軸12を支えることができれば良いので浅く形成しても差し支えない。
7は必要に応じリガチャーワイヤを結紮するために突設したフックを示す。
而して、上記取付体3は、その縦幅を、ベース板部2の縦幅より適宜小幅に形成すると共にベース板部2の歯根側よりの上面に設けて、上顎又は下顎の歯先との接触が起こり難くすると共に、舌先への異物感を極力小さくするようにしてある。
10は弾性板で方形状に形成したロック部材であって、その歯根側端部をU状に屈曲して係止溝5に係合し得る係止端部11を形成すると共に、その歯先側端部が前記軸溝6内に係合し得る支軸12を形成してある。この支軸12は、ここを支点として前記軸溝6内でロック部材10が回動できればよいので必ずしも形成する必要はない。
13は支軸12側中央部に形成した透孔であって、この透孔は約0.6mmの円形状に形成してある。14は前記係止端部11側に形成したピンセット等の差込孔を示す。
13は支軸12側中央部に形成した透孔であって、この透孔は約0.6mmの円形状に形成してある。14は前記係止端部11側に形成したピンセット等の差込孔を示す。
また、20は約0.5mmの線径を有する金属製針金で形成した支持部材であって、その先端部には弯曲した支持部21を延成し、該支持部21を前記ロック部材10の透孔13に嵌合し、支持部材20の基端部22を屈曲させて、取付体3の歯先側斜面部に固着することにより、ロック部材10の支軸12を軸溝6内に回動可能に止着してある。
以上の構成により、ロック部材10は、その支軸12を中心として透孔部分が支持部21に沿って回動し得ると共に、その係止端部11を取付体3の係止溝5に係脱させることによりワイヤスロット4の開口部15を開閉し得るようにしてある。
以上の構成により、ロック部材10は、その支軸12を中心として透孔部分が支持部21に沿って回動し得ると共に、その係止端部11を取付体3の係止溝5に係脱させることによりワイヤスロット4の開口部15を開閉し得るようにしてある。
次に上記ブラケットの作用につき説明すると、ベース板部2を歯面tに接着後、ワイヤスロット4内にアーチワイヤWを歯先側より嵌め込み、ロック部材10を回動してその係止端部11を取付体3の係止溝5に係合させると、前記ロック部材10の内側面で開口部15が塞がれると共に、アーチワイヤWをワイヤスロット4内に確実に固定することができる。
而して、ロック部材10の係止端部11は係止溝5内に支持されていると共にその支軸12を支持部材20の支持部21により回動可能に止着してあり簡単には外れないので、矯正期間中にロック部材10が濫りに動く惧れがない
又、前記差込孔14にピンセット等の先端を差し込んでロック部材10を矢印方向に引くようにして回すと、その係止端部11が係止溝5から離脱し開口部15が開放されるので、アーチワイヤはワイヤスロット4から外す事が出来る。
而して、ロック部材10の係止端部11は係止溝5内に支持されていると共にその支軸12を支持部材20の支持部21により回動可能に止着してあり簡単には外れないので、矯正期間中にロック部材10が濫りに動く惧れがない
又、前記差込孔14にピンセット等の先端を差し込んでロック部材10を矢印方向に引くようにして回すと、その係止端部11が係止溝5から離脱し開口部15が開放されるので、アーチワイヤはワイヤスロット4から外す事が出来る。
なお、上記実施例においては、支持部材20を金属製針金をもって形成したが、図6に示すように、該支持部材20を弾性板で方形状に形成し、その歯根側の中央部に弯曲した支持部21を延成し、この支持部21を前記ロック部材10の透孔13に嵌合すると共に、支持部材20の基端部を取付体10の歯先側斜面部に固着して構成する場合もある。
また、上記実施例においては、ロック部材10の係止端部11側にピンセット等の差込孔14を設けて、ピンセット等によりロック部材10の回動操作を行えるようにしてあるが、前記係止溝5を、ロック部材10の係止端部11が係合時に、ピンセット先端部を該係止端部下側に挿入し得るように稍大きく形成する事により、前記差込孔14を設けないで構成することも出来る。
また、上記実施例においては、ロック部材10の係止端部11側にピンセット等の差込孔14を設けて、ピンセット等によりロック部材10の回動操作を行えるようにしてあるが、前記係止溝5を、ロック部材10の係止端部11が係合時に、ピンセット先端部を該係止端部下側に挿入し得るように稍大きく形成する事により、前記差込孔14を設けないで構成することも出来る。
1 ブラケット本体
2 ベース板部
3 取付体
4 ワイヤスロット
5 係止溝
6 軸溝
7 フック
10 ロック部材
11 係止端部
12 支軸
13 透孔
14 差込孔
15 開口部
20 支持部材
21 支持部
2 ベース板部
3 取付体
4 ワイヤスロット
5 係止溝
6 軸溝
7 フック
10 ロック部材
11 係止端部
12 支軸
13 透孔
14 差込孔
15 開口部
20 支持部材
21 支持部
Claims (4)
- 歯面に接着するベース板部にアーチワイヤの取付体を設けたブラケット本体と、前記ブラケット本体にアーチワイヤを固定するロック部材と、前記ロック部材を回動可能に止着する支持部材とを備えた歯列矯正用ブラケットであって、上記取付体は、その歯根側部を歯先側部より肉厚に形成して上面を傾斜させ、歯根側には上端部を開口したワイヤスロットを形成し、該ワイヤスロットの歯根側の側壁前部には係止溝を形成すると共に、歯先側には上端部を開口した軸溝を形成してあり、上記ロック部材は、弾性板を方形状に形成し、その歯根側端部には前記係止溝に係合し得る係止端部を形成すると共にその歯先側中央部には透孔を設けてあり、上記支持部材は、線状又は方形板状に形成し、その先端部には前記ロック部材の透孔に嵌合し得る支持部を設けると共に、その基端部を取付体の歯先側斜面部に固着して、ロック部材の歯先側端部を軸溝内に回動可能に抑止するようにしてなることを特徴とする歯列矯正用ブラケット。
- 上記ロック部材は、その歯先側端部に前記取付体の軸溝内に係合する支軸を形成してなることを特徴とする請求項1記載の歯列矯正用ブラケット。
- 前記取付体は、その縦幅をベース板部の縦幅より適宜小幅に形成して、ベース板部の歯根側よりの上面に設けてなる事を特徴とする請求項1又は2記載の歯列矯正用ブラケット。
- 前記ロック部材の係止端部にピンセット等の差込孔を形成してなることを特徴とする請求項1乃至3何れかの項記載の歯列矯正用ブラケット。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190033362A (ko) * | 2017-09-21 | 2019-03-29 | 송지유 | 치아 교정용 브라켓 |
-
2013
- 2013-08-30 JP JP2013005409U patent/JP3187297U/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20190033362A (ko) * | 2017-09-21 | 2019-03-29 | 송지유 | 치아 교정용 브라켓 |
KR102039462B1 (ko) * | 2017-09-21 | 2019-11-26 | 송지유 | 치아 교정용 브라켓 |
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