JP3187172B2 - 推論装置ユニット及びこれを用いた分散協調型推論装置 - Google Patents

推論装置ユニット及びこれを用いた分散協調型推論装置

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JP3187172B2 JP32957792A JP32957792A JP3187172B2 JP 3187172 B2 JP3187172 B2 JP 3187172B2 JP 32957792 A JP32957792 A JP 32957792A JP 32957792 A JP32957792 A JP 32957792A JP 3187172 B2 JP3187172 B2 JP 3187172B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、推論装置ユニット及び
これを用いて単一の推論装置ユニットでは対応不可能な
問題に対して複数の推論装置ユニットの協調推論によっ
て解を生成する分散協調推論装置に関する。
【0002】
【従来の技術】分散協調型推論装置は、相互に情報交換
の可能な複数の推論装置ユニットから構成されている。
【0003】ところで、このような分散協調型推論装置
では、各エージェントの生成したプラン間に干渉の発生
しないことが重要である。干渉を回避できるようにした
マルチエージェントプランニングには、大きく分けて次
の2つの方式がある。
【0004】すなわち、その1つは、各々のエージェン
トがプランを生成し、1つのエージェントが各エージェ
ントの生成したプランの同期をとってプラン間の干渉を
解消する方式である。
【0005】他の1つは、各エージェントがプランニン
グを行う際に相互に情報を交換し、各々のエージェント
が相互に干渉しないプランを生成する方式である。この
方式のプランニングとしては、文献1「Osawa “Collab
orative Plan Constructionfor Multiagent Mutual Pla
nning”,The Third European Workshop on ModelingAut
onomous Agents and Multi Agnet Worlds,(1992)」や文
献2「大沢,“共同プラン生成における合理的行為選
択”第1回マルチエージェントと協調計算ワークショッ
プ,(1992)」で提案されている方法や、特願平4−2
22534号で提案されている方法などがある。
【0006】後者の方式のうち、文献1や文献2の方式
では、各々のエージェントが与えられた目標に対してプ
ランニングを行う。ただし、プランニングに際してオペ
レータ(アブダクションと呼ばれている。)を選択する
場合には、仮説を設定することにより、前提条件が成立
していない場合でも適用できるオペレータを利用してプ
ランニングを行う。そして、各エージェントがアブダク
ションを含むプランを生成した後に、各エージェントの
生成したプランを組合せ、各々のプランに含まれるアブ
ダクションを相互に補完することによって単一のエージ
ェントでは達成不可能な目標に対するプランを生成す
る。
【0007】一方、特願平4−222534号の方式で
は、あるエージェントが問題を解く場合、問題を解く過
程で発生した行き詰まりを検出し、その行き詰まりを解
消する副目標を他のエージェントに依頼することによっ
て問題解決を行う。すなわち、この方式において、各々
のエージェントはプランニングにおいて発生した行き詰
まった状態から目標状態までのプランニングを副問題と
して他のエージェントに依頼し、依頼の結果として得ら
れるプランと自分が先に生成したプランとを結合するこ
とによって目標を達成するためのプランを生成する。し
たがって、各エージェントが作業環境に関する不完全な
情報しか持っていない場合でもプランを生成することが
できる。
【0008】しかしながら、このような方式を採用した
従来の分散協調型推論装置にあっては次のような問題が
あった。
【0009】すなわち、前者の方式を採用したもので
は、各エージェントの生成したプラン間に発生する干渉
を解消するための作業を行うエージェントを必要とし、
そのエージェントに各エージェントの生成したプランを
集めることになる。したがって、干渉解消作業を行うエ
ージェントに不都合が生じた場合、干渉のないプランの
生成が不可能となる。
【0010】また、後者の方式のうち、文献1や文献2
の方式を採用したものでは、各エージェントがオペレー
タをルールとして持ち、後向きに推論を行なう。この方
式では、プランに対するコストを導入し、コストのよい
プランを組合せの対象として選択するため、選択したプ
ランの組合せで相互補完が完全にできる保証はなく、ま
た相互補完を完全に実現できる組合せが選択から洩れて
いないことも保証されない。したがって、各エージェン
トの協調によって目標を達成するプランの生成が可能か
否かを判断できない問題がある。
【0011】また、特願平4−222534号の方式を
採用したものでは、各エージェントの生成したプランを
順番に結合することによって全体のプランが生成される
ため、各エージェントは他のエージェントと並行に実行
が可能なプランを生成することが困難であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の分散協
調型推論装置の弱点を纏めると次のようになる。すなわ
ち、複数のプランの同期をとる作業を集中的に行なうエ
ージェントを用意する方式を採用したものでは、上記作
業を行なうエージェントの故障によってプランの生成が
不可能になる虞がある。また、各々のエージェントが生
成したプランを選択し、プランの組合せを生成し、各々
のプランの補完を行なう方式を採用したものでは、各エ
ージェントの協調によって目標の達成が可能か否かの判
断ができない問題があった。
【0013】また、複数のエージェントが相互に行き詰
まった状態からのプランニングを依頼する方式では、エ
ージェントが、他のエージェントが生成するプランと並
列に実行可能なプランを生成することが困難であった。
【0014】そこで本発明は、従来のマルチエージェン
トプランニングの弱点を克服できる推論装置ユニット及
びこれを用いた分散協調型推論装置を提供することを目
的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、複数の推論装置ユニットと、これらの推
論装置ユニットを結合して各推論装置ユニット間での情
報交換を行わせる情報伝達手段とを備えた分散協調型推
論装置において、各推論装置ユニットに、問題解決にお
ける情報の生成順序関係をもとに推論の対象となる情報
が実際に推論に利用可能か否かを判断する情報診断手段
と、この情報診断手段で情報の順序関係が不適切と判断
されたときに順序の調節を行う情報調節手段とを設け、
上記情報の生成順序関係を前記情報伝達手段を通して複
数の推論装置ユニットに共通に持たせることにより、互
いに干渉のない解を各推論装置ユニットで生成させるよ
うにしている。
【0016】さらに詳しく説明すると、各推論ユニット
は、他の推論装置ユニットと通信するための通信手段
と、少なくとも推論に利用する問題解決知識および推論
の対象となる情報間の順序関係知識を格納した知識格納
手段と、外部から与えられた解決すべき問題たる情報、
前記通信手段を介して他の推論装置ユニットから副問題
として与えられた情報および推論で生成した情報を各情
報間の生成順序関係と一緒に格納する情報格納手段と、
前記情報格納手段に格納されている情報に適用可能な知
識を前記知識格納手段から検索する適用知識検索手段
と、検索された知識を適用する情報間の生成順序関係が
該知識の適用条件を満たしているか否かを診断する情報
診断手段と、前記情報診断手段においてそのままでは前
記検索された知識の適用が不適切であると診断された情
報間の関係を調節して該知識を適用できる状態にする情
報調節手段と、前記検索された知識を実際に適用して新
たな情報を生成し、この生成した情報を前記情報格納手
段に格納する情報生成手段とを備え、前記情報生成手段
により生成された前記新たな情報に適用可能な問題解決
知識が前記知識格納手段にない場合に、前記通信手段を
介して、該新たな情報を前記副問題として他の推論装置
ユニットに与えるようにしている。
【0017】
【作用】適用知識検索手段は、推論の対象とする情報に
対して適用可能な知識を検索する。利用可能な知識があ
る場合、検索した知識を適用し、新しい情報を生成して
もよいかを推論の対象である情報の生成順序に関する情
報をもとに情報診断手段で確認する。その結果、適用可
能と判断された場合には、検索した知識と対象の情報か
ら情報生成手段で新しい情報を生成する。一方、診断の
結果、情報の生成順序を修正する必要があると判断され
た場合には、情報調節手段で生成順序に関する情報を修
正し、その後に情報生成手段で新しい情報を生成する。
生成された情報は、生成の順序関係と一緒に情報格納手
段に格納される。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。
【0019】図1には本発明の一実施例に係る分散協調
型推論装置のブロック構成図が示されている。
【0020】この分散協調型推論装置は、複数の推論装
置ユニット11 ,12 ,……1n と、これら推論装置ユ
ニットを結合して互いの間で情報交換を行わせる情報伝
達装置2とで構成されている。
【0021】推論装置ユニット11 ,12 ,……1
n は、それぞれ他の推論装置ユニットとの間で情報交換
を行うための通信手段11と、問題解決を行う推論手段
12と、外部から与えられた問題の入力と問題解決の結
果を外部へ出力するための入出力手段13とから構成さ
れている。この実施例に係る分散協調型推論装置では、
各推論装置ユニット11 ,12 ,……1n が問題を解決
する際に、各推論装置ユニット11 ,12 ,……1n
問題解決において発生する不都合の解消を副問題として
生成し、この副問題に対する問題解決を他の推論装置ユ
ニットに依頼する方式を採用している。
【0022】推論手段12は、通信手段11を介して他
の推論装置ユニットから送られてきた情報や入出力手段
13を介して与えられた情報や問題解決で生成した情報
を格納する情報格納手段21と、推論に必要な知識を格
納した知識格納手段22と、この知識格納手段22に格
納されている知識を使って実際の問題解決を行う問題解
決手段23と、この問題解決手段23で発生した行き詰
まりを解消する副問題を生成する副問題生成手段24と
で構成されている。
【0023】知識格納手段22には、推論に利用する問
題解決知識25と、推論の対象となる情報の間の生成順
序関係について記述した順序関係知識26と、推論での
行き詰まりを解消するための副問題を生成する際に利用
する副問題生成知識27とが格納されている。
【0024】問題解決手段23は、情報格納手段21に
格納されている情報に適用可能な知識を知識格納手段2
2の問題解決知識25から検索する適用知識検索手段2
8と、知識を検索する対象となった情報の生成順序関係
が検索した知識の適用に適しているか否かを順序関係知
識26に基いて診断する情報診断手段29と、この情報
診断手段29で生成順序関係が適切でないと診断された
ときに知識が適用できるように生成順序の関係を調節す
る情報調節手段30と、検索した知識と検索の対象とな
った情報から新しい情報を生成し、これを情報格納手段
21に格納する情報生成手段31とから構成されてい
る。
【0025】問題解決手段23は、問題解決知識25と
順序関係知識26とを利用し、副問題生成手段24は副
問題生成知識27を利用する。問題解決手段23は行き
詰まりに関する情報を情報格納手段21に格納し、副問
題生成手段24は情報格納手段21に格納された行き詰
まりに関する情報をもとに副問題の生成を行う。
【0026】次に、上記のように構成された分散協調型
推論装置によって問題を解決するときの各推論装置ユニ
ットにおける処理の流れを図2を参照しながら説明す
る。
【0027】まず、入出力手段13を介して与えられた
問題を情報格納手段21で受け取る。そして、この問題
に記述されている初期情報を基準に生成順序を管理す
る。
【0028】適用知識検索手段28は、情報格納手段2
1に格納されている情報から推論の対象となる情報を選
択し、選択した情報に適用可能な知識を見出すために問
題解決知識25を検索する(step 1)。
【0029】適用可能な知識のないときには、副問題生
成手段24によって副問題を生成し、副問題への解決を
他の推論装置ユニットに依頼する(step 2)。適用可能
な知識のあるときには、推論の対象である情報の生成順
序関係がstep 1で検索した知識の適用に適した関係にな
っているかを順序関係知識26を利用して情報診断手段
29で調べる(step 3)。
【0030】診断の結果、順序関係に問題のない場合に
は、step 1で検索した知識を利用し、情報生成手段31
で新しい情報を生成する(step 5)。一方、診断の結
果、順序関係が知識の適用に適さないと診断された場合
には、順序関係知識26を利用し、情報調整手段30で
情報の生成順序の関係を調整した後(step 4)、情報生
成手段31で新しい情報を生成する(step 5)。情報生
成手段31で新しく生成された情報は、情報格納手段2
1に格納される(step 6)。
【0031】なお、step 2で副問題を生成する場合に
は、副問題の生成に利用する情報の生成順序を維持した
まま生成する。
【0032】次に、この分散協調型推論装置で協調プラ
ンニングを行なわせる例を説明する。この場合、各推論
装置ユニットが持つ情報は、プランを生成する対象の情
報を表すものとする。
【0033】今、図3(a) に示すように、テーブルT1
,T2 の上にそれぞれ載置されている2つの積木ブロ
ックX,YをハンドA、Bを使って図3(b) に示すよう
に積み替える場合のハンドA,Bの動作プランニングを
考える。この場合、ハンドAのプランとハンドBのプラ
ンは各々異なる推論装置ユニットで生成するものとす
る。ここでは、ハンドAのプランを生成する推論装置ユ
ニットを推論装置ユニットAと呼び、ハンドBのプラン
を生成する推論装置ユニットを推論装置ユニットBと呼
ぶことにする。
【0034】ハンドAのプランを生成する推論装置ユニ
ットAは以下の知識を持っているものとする。すなわ
ち、ハンドAのオペレータを問題解決知識として持って
いる。 pickup-A1(b1);Hand AがBlock b2の上のBlock b1を持ち
上げる。
【0035】 if (Hand A :has Clear) (Block b1 :on b2 :top clear :state free) (Block b2 :on x :top b1 :state free) then (Hand A :has b1) (Block b1 :on clear :top clear :state A) (Block b2 :on x :top clear :state free) pickup−A2(b);Hand Aがtable tの上のBlock bを持ち上げる。
【0036】 putdown-A1(b1,b2);Hand AがBlock b1を Block b2の上
に置く。
【0037】 if (Hand A :has b1) (Block b1 :on clear :top clear :state A) (Block b2 :on x :top clear :state free ) then (Hand A :has clear) (Block b1 :on b2 :top clear :state free) (Block b2 :on x :top b1 :state free) putdown-A2(b,t);Hand AがBlock b を Table t の上に
置く。
【0038】 ハンドBのプランニングを行う推論装置ユニットBも同
様なオペレータpickup-B1 ,pickup-B2 ,putdown-B1,
putdown-B2を持つているものとする。
【0039】また、推論装置ユニットAは順序関係知識
として以下に示す知識を持っているものとする。
【0040】順序関係知識 1) オペレータのif部とマ
ッチしたBlock やTable の状態の生成順序がHandAより
も後の場合、オペレータの適用は不適切である。
【0041】順序関係知識 2) 順序関係が不適切であ
る場合、オペレータのif部とマッチしたBlock やTable
の状態のうちもっとも新しく生成された時に、HandAの
状態が生成されたものとする。
【0042】順序関係知識 3) 新しく状態を生成した
場合、HandAの順序を1つ進め、それ以外のもので先の
状態から変更されたものはHandAの順序に合わせる。
【0043】ハンドBのプランニングを行う推論装置ユ
ニットBも問題解決知識と同様に、handAをHandBに置
き換えた順序関係知識を持っているものとする。
【0044】また、副問題生成に関しては「目標状態を
達成するプランが生成できなかった場合、プランニング
で生成した状態を初期状態、目標状態を目標状態とした
プランの生成を副問題とする」という知識が推論装置ユ
ニットA,Bに与えられているものとする。
【0045】まず、推論装置ユニットAに対して、以下
に示す初期状態から目標状態を達成するためのプランの
生成が問題として渡されたとする。
【0046】初期状態 (Hand A :has clear) (Hand B :has clear) (Block X :on T1 :Top clear :state free) (Block Y :on T2 :Top clear :state free) (Table T1 :top X) (Table T2 :top Y) 目標状態 (Hand A :has clear) (Hand B :has clear) (Block X :on T2 :top Y :state free) (Block Y :on X :top clear :state free) (Table T1 :top clear) (Table T2 :top X) この問題を受け取ると、推論装置ユニットAは初期状態
を順序関係の基準とするため、以下のように状態を書き
換えてプランニングを行う。ここで“:step ”が生成順
序を表す。初期状態では知識が適用されていないために
0 とする。
【0047】 (Hand A :has clear :step 0) (Hand B :has clear :step 0) (Block X :on T1 :top clear :state free :step 0) (Block Y :on T2 :top clear :state free :step 0) (Table T1 :top X :step 0) (Table T2 :top Y :step 0) この状態において、推論装置ユニットAが図4(b) に示
すように、pickup-A2(X)を選択すると、この知識のif
部に対応する情報はブロックXとテーブルT1とであ
り、順序関係知識 1) により、適用可能と判断されるた
め、次に示すように状態が生成され、情報格納手段21
に格納される。
【0048】 (Hand A :has X :step 1) (Hand B :has Clear :step 0) (Block X :on Clear :top clear :state A :step 1) (Block Y :on T2 :top clear :state free :step 0) (Table T1 :top clear :step 1) (Table T2 :top Y :step 0) しかし、先に渡された問題の目標状態を達成するプラン
を推論装置ユニットAによって生成することは不可能で
ある。そこで、推論装置ユニットAは副問題を生成し
て、これを推論装置ユニットBに渡す。ここで、推論装
置ユニットAは、図4(b)に示すように、pickup−A2(X)
を適用した後の状態を副問題の初期状態として依頼す
る。
【0049】この初期状態を推論装置ユニットBが受け
取ると、図5(b) に示すように、pickup-B2(Y)を選択
し、新しい情報を生成する。
【0050】 (Hand A :has X :step 1) (Hand B :has Y :step 1) (Block X :on clear :top clear :state A :step 1) (Block Y :on clear :top clear :state B :step 1) (Table T1 :top clear :step 1) (Table T2 :top clear :step 1) しかし、推論装置ユニットAから渡された初期状態を使
って目標状態を達成するプランを推論装置ユニットBに
よって生成することはできないので、図6(a)に示すよ
うに、pickup-B2(Y)を適用した後の状態を副問題の初
期値として推論装置ユニットAに再び渡す。
【0051】推論装置ユニットAは、推論装置ユニット
Bからの依頼に対し、さらに図6(b) に示すように、pu
tdown-A2(X,T2)を適用してプランニングを行う。推論装
置ユニットAが生成した状態を次に示す。この状態も順
序関係知識での診断で適用可能と判断されている。
【0052】(Hand A :has clear :step 2) (Hand B :has Y :step 1) (Block X :on T2 :top clear :state free :step 2) (Block Y :on clear :top clear :state B :step 1) (Table T1 :top clear :step 1) (Table T2 :top X :step 2) しかし、目標状態を達成するプランを生成することはで
きないので、putdown-A2(X,T2)を適用した後の状態を副
問題の初期値として推論装置ユニットBに再び渡す。こ
の状態に対して、推論装置ユニットBは、図7(b) に示
すように、putdown-B1(Y,X) を選択する。しかし、ハン
ドBの生成順序が1であるのに対し、ブロックXの生成
順序が2であるため、順序関係知識 1) に基いて情報診
断手段29によってオペレータの適用は不可能と判断さ
れる。そこで、情報調節手段30が順序関係知識 2) に
よってハンドBの順序を2にする。
【0053】(Hand A :has clear :step 2) (Hand B :has Y :step 2) (Block X :on T2 :top clear :state free :step 2) (Block Y :on clear :top clear :state B :step 1) (Table T1 :top clear :step 1) (Table T2 :top X :step 2) その後にオペレータを適用し、次に示す新しい状態を生
成する。
【0054】(Hand A :has clear :step 2) (Hand B :has clear :step 3) (Block X :on T2 :top Y :state free :step 3) (Block Y :on X :top clear :state free :step 3) (Table T1 :top clear :step 1) (Table T2 :top X :step 2) この状態は目標状態を満たしている。したがって、プラ
ンの生成に成功したことになる。
【0055】このようにしてpickup-A2(X),pickup-B2
(Y),putdown-A2(X,T1),putdown-B1(X,Y) からなるハ
ンドAとハンドBのプランが生成されるが、実際には推
論装置ユニットBにも問題が同時に与えられるので、状
態の生成順序により、図8に示すように、pickup-A2(X)
とpickup-B2(Y)とが同時に適用され、その後、putdown-
A2(X,T2)、putdown-B1(X,Y) の順にオペレータが適用さ
れる。
【0056】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。たとえば、各推論装置ユニットの推論
手段としては、図9に示すように、問題解決手段23a
で問題解決の行き詰まりが発生したとき、この行き詰ま
りに関する情報を副問題生成手段24aに直接渡し、こ
の情報に基いて副問題生成手段24aで副問題を生成さ
せるようにしてもよい。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、各
推論装置ユニットにおいて情報の生成順序を考慮して問
題解決を行なわせることができ、また他の推論装置ユニ
ットに渡す情報についても情報の生成順序を共通に管理
しているため、複数の推論装置ユニットが生成するプラ
ン間の順序関係や整合性を集中的に管理するシステムを
用意することなく、干渉のないプランを各推論装置ユニ
ットで生成させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る分散協調型推論装置の
ブロック構成図
【図2】同装置に組込まれた推論装置ユニットにおける
処理の流れを示す図
【図3】同装置によって協調プランニングを行わせたと
きの動作を説明するための図
【図4】同装置によって協調プランニングを行わせたと
きの動作を説明するための図
【図5】同装置によって協調プランニングを行わせたと
きの動作を説明するための図
【図6】同装置によって協調プランニングを行わせたと
きの動作を説明するための図
【図7】同装置によって協調プランニングを行わせたと
きの動作を説明するための図
【図8】同装置によって協調プランニングを行わせたと
きの動作を説明するための図
【図9】推論手段の変形例を示す図
【符号の説明】
1 ,12 ,……1n …推論装置ユニット 2…情報伝
達装置 11…通信手段 12,12
a…推論手段 13…入出力手段 21…情報
格納手段 22…知識格納手段 23,23
a…問題解決手段 24,24a…副問題生成手段 25…問題
解決知識 26…順序関係知識 27…副問
題生成知識 28…適用知識検索手段 29…情報
診断手段 30…情報調節手段 31…情報
生成手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−276627(JP,A) 特開 平3−83137(JP,A) 特開 昭63−211030(JP,A) 柴田、長木・他、「分散協調型問題解 決における知識表現モデル」、情報処理 学会研究報告、Vol.91、No.38 (91−DPS−50)、社団法人情報処理 学会・発行(1991年)、pp.129〜136 (特許庁CSDB文献番号:CSNT 199901157016) 長木、村田・他、「分散協調型問題解 決における問題解決エージェント」、情 報処理学会研究報告、Vol.91、N o.38(91−DPS−50)、社団法人情 報処理学会・発行(1991年)、pp. 145〜152(特許庁CSDB文献番号:C SNT199901157018) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 9/44 B23Q 41/02 B23Q 41/08 G05D 1/02 G05D 3/00 - 3/02 B65G 1/00 B25J 5/00 G05B 13/02 G06F 17/60 JICSTファイル(JOIS) CSDB(日本国特許庁)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】他の推論装置ユニットと通信するための通
    信手段と、 少なくとも推論に利用する問題解決知識および推論の対
    象となる情報間の順序関係知識を格納した知識格納手段
    と、外部から与えられた解決すべき問題たる情報、 前記通信
    手段を介して他の推論装置ユニットから副問題として与
    えられた情報および推論で生成した情報を各情報間の生
    成順序関係と一緒に格納する情報格納手段と、 前記情報格納手段に格納されている情報に適用可能な知
    識を前記知識格納手段から検索する適用知識検索手段
    と、 検索された知識を適用する情報間の生成順序関係が該知
    識の適用条件を満たしているか否かを診断する情報診断
    手段と、 前記情報診断手段においてそのままでは前記検索された
    知識の適用が不適切であると診断された情報間の関係を
    調節して該知識を適用できる状態にする情報調節手段
    と、 前記検索された知識を実際に適用して新たな情報を生成
    し、この生成した情報を前記情報格納手段に格納する情
    報生成手段とを備え 前記情報生成手段により生成された前記新たな情報に適
    用可能な問題解決知識が前記知識格納手段にない場合
    に、前記通信手段を介して、該新たな情報を前記副問題
    として他の推論装置ユニットに与える ことを特徴とする
    推論装置ユニット。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した推論装置ユニットを前
    記情報伝達手段を介して複数結合してなることを特徴と
    する分散協調型推論装置。
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柴田、長木・他、「分散協調型問題解決における知識表現モデル」、情報処理学会研究報告、Vol.91、No.38(91−DPS−50)、社団法人情報処理学会・発行(1991年)、pp.129〜136(特許庁CSDB文献番号:CSNT199901157016)
長木、村田・他、「分散協調型問題解決における問題解決エージェント」、情報処理学会研究報告、Vol.91、No.38(91−DPS−50)、社団法人情報処理学会・発行(1991年)、pp.145〜152(特許庁CSDB文献番号:CSNT199901157018)

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