JP3186573B2 - 信号出力調整装置 - Google Patents

信号出力調整装置

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JP3186573B2
JP3186573B2 JP07679196A JP7679196A JP3186573B2 JP 3186573 B2 JP3186573 B2 JP 3186573B2 JP 07679196 A JP07679196 A JP 07679196A JP 7679196 A JP7679196 A JP 7679196A JP 3186573 B2 JP3186573 B2 JP 3186573B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、信号出力調整装
置に関し、特に、信号を減衰せずに出力する非減衰状態
と、信号を所定の減衰比に減衰して出力する減衰状態と
を切換える技術に関する。
【0002】
【従来の技術】レコードプレーヤーのヘッドアンプとし
て、MCアンプが知られている。MCアンプは、レコー
ドプレーヤーに用いられるムービングコイル型ヘッド
(図示せず)の出力を増幅するためのアンプである。レ
コード盤に対して、レコード針を上げ下ろしする際等
に、レコード針には大きい衝撃が生ずるため、この衝撃
がMCアンプ等により拡大され、大きな雑音としてスピ
ーカーから出力される。これを防止するために、MCア
ンプの出力信号を一時的にカットするミューティング回
路が用いられる。
【0003】図10に、MCアンプ4とMCアンプ4の
出力側に接続された従来のミューティング回路とを含む
増幅回路2の構成を示す。MCアンプ4の出力側に出力
抵抗6を介して出力端子8が接続されている。出力端子
8は、リレー接点10を介して、接地されている。
【0004】通常の信号再生時には、リレー接点10
は、開いている(図10に示すOFF状態)。したがっ
て、MCアンプ4で増幅された信号は、出力抵抗6を介
して、出力端子8に出力される。ここで、ミューティン
グスイッチ(図示せず)をONにすると、リレー(図示
せず)が作動してリレー接点10が閉じる(図10に示
すON状態)。このため、出力端子8は接地状態とな
り、出力端子8に現れる出力電圧Voutは、0となる。
【0005】このように、レコード針を上げ下ろしする
際等に、出力信号を一時的にカットすることにより、大
きな雑音が発生するのを防止することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のミューティング回路には、次のような問題
点があった。たとえば、MCアンプ4の出力にDCオフ
セットVosがある場合には、図11Aに示すように、ミ
ューティングスイッチをONにした時に、出力電圧Vou
tが急激に0に変化するため、変化時の周波数成分が高
調波(可聴周波数)を含むこととなる。このため、過渡
音が耳障りなクリック音として耳に聞える。ミューティ
ングスイッチをOFFにした時も同様である。
【0007】MCアンプ4の出力にDCオフセットVos
がない場合であっても、図11Bに示すように、信号V
oが出力されている場合は、信号Voが0の時点でないか
ぎり、ミューティングスイッチの切換え時に、耳障りな
クリック音が発生する。
【0008】また、ムービングコイル型ヘッド(出力数
10μV程度)は、ムービングマグネット型ヘッド(出
力数mV程度)と異なり、出力レベルが小さい。このた
め、ヘッド出力をMCアンプ4で増幅した後、さらに、
高ゲインの増幅を行なわなければならない。したがっ
て、上述のクリック音は、さらに拡大される。
【0009】この発明は、このような問題点を解決し、
動作切換え時等に耳障りなクリック音を発生しないミュ
ーティング回路などの信号出力調整装置を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の信号出力調整
装置は、出力抵抗を介して信号を入力する入力端、入力
端に短絡され、入力端に入力された信号を出力する出力
端、入力端に入力された信号を減衰せずに出力端に出力
する非減衰状態と、入力端に入力された信号を所定の減
衰比に減衰して出力端に出力する減衰状態とを呈する出
力制御手段、出力制御手段の非減衰状態と減衰状態とを
切換えるモード切換え手段、を備えた信号出力調整装置
において、出力制御手段は、出力端を接地し得る第1ス
イッチ部、可変インピーダンス部、出力端を可変インピ
ーダンス部を介して接地し得る第2スイッチ部、モード
切換え手段の切換え状態に基づいて、第1スイッチ部の
継断、第2スイッチ部の継断、および可変インピーダン
ス部のインピーダンスの制御を行なう制御部、を備えて
おり、モード切換え手段により出力制御手段を非減衰状
態から減衰状態に切換えたとき、入力端から入力された
信号を非減衰状態から減衰状態に至るまで徐々に減衰さ
せながら出力端から出力する切換え時漸減状態と、モー
ド切換え手段により出力制御手段を減衰状態から非減衰
状態に切換えたとき、入力端から入力された信号を減衰
状態から非減衰状態に至るまで徐々に回復させながら出
力端から出力する切換え時漸増状態と、のうち少なくと
も一つの状態を呈するよう構成したことを特徴とする。
【0011】請求項2の信号出力調整装置は、請求項1
の信号出力調整装置において、出力制御手段を、モード
切換え手段が非減衰状態に対応する切換え状態である場
合において信号出力調整装置の電源を投入したとき、入
力端から入力された信号を減衰状態から非減衰状態に至
るまで徐々に回復させながら出力端から出力する投入時
漸増状態と、モード切換え手段が非減衰状態に対応する
切換え状態である場合において信号出力調整装置の電源
を切断したとき、入力端から入力された信号を非減衰状
態から減衰状態に至るまで徐々に減衰させながら出力端
から出力する切断時漸減状態と、モード切換え手段が減
衰状態に対応する切換え状態である場合において信号出
力調整装置の電源を投入したとき、出力制御手段を減衰
状態のまま維持し続ける投入時減衰維持状態と、モード
切換え手段が減衰状態に対応する切換え状態である場合
において信号出力調整装置の電源を切断したとき、出力
制御手段を減衰状態のまま維持し続ける切断時減衰維持
状態と、のうち少なくとも一つの状態を呈するよう構成
したことを特徴とする。
【0012】
【0013】なお、この明細書において「減衰比」と
は、入力端に入力された信号のレベルに対する出力端か
ら出力される信号のレベルの比をいう。また、「所定の
減衰比」は、ゼロを含む概念である。
【0014】
【発明の効果】(1)この発明の信号出力調整装置は、
切換え時漸減状態と、切換え時漸増状態とのうち少なく
とも一つの状態を呈するよう構成したことを特徴とす
る。
【0015】したがって、非減衰状態と減衰状態との切
換えに際し、出力端から出力される電圧が急激に変化す
ることはない。このため、変化時の周波数成分が高調波
(可聴周波数)を含むこともない。すなわち、動作切換
え時に耳障りなクリック音を発生しない。
【0016】さらに、この発明の信号出力調整装置は、
入力端と出力端とが短絡されている。したがって、入力
端と出力端との間にリレー接点などが直列に含まれる場
合のように、入力端、出力端間での、通常の信号再生時
(非減衰状態)における音質の劣化がない。
【0017】また、出力抵抗を介して入力端(すなわち
出力端)に信号が入力されるとともに、出力端を接地し
得る第1スイッチ部を備えている。したがって、第1ス
イッチ部として、継状態における電気抵抗値の極めて小
さいスイッチを用いることにより、出力抵抗がある程度
小さい場合であっても、出力抵抗と第1スイッチ部の電
気抵抗値とにより定まる減衰比を十分小さくすることが
できる。このため、高域の劣化を防ぐために小さい出力
抵抗を使用するような場合であっても、第1スイッチ部
を継状態とすることにより、減衰状態における音漏れを
防止することができる。
【0018】また、出力端を可変インピーダンス部を介
して接地し得る第2スイッチ部を備えたことを特徴とす
る。したがって、第2スイッチ部を継状態とするととも
に可変インピーダンス部のインピーダンスを徐々に変化
させることにより、減衰比を徐々に変えることができ、
耳障りなクリック音の発生を防止することができる。さ
らに、通常の信号再生時に第2スイッチ部を断状態とす
ることにより、可変インピーダンス部に起因する音質の
劣化を防止することができる。
【0019】すなわち、信号再生時における音質の劣化
を防止するとともに、減衰状態における音漏れを防止す
ることができ、かつ、動作切換え時等に耳障りなクリッ
ク音を発生することもない。
【0020】(2)この発明の信号出力調整装置は、さ
らに、投入時漸増状態と、切断時漸減状態と、投入時減
衰維持状態と、切断時減衰維持状態とのうち少なくとも
一つの状態を呈するよう構成したことを特徴とする。
【0021】したがって、信号出力調整装置の電源の投
入、切断に際しても、出力端から出力される電圧が急激
に変化することはない。このため、変化時の周波数成分
が高調波(可聴周波数)を含むこともない。すなわち、
電源の投入、切断時においても、耳障りなクリック音を
発生しない。
【0022】
【発明の実施の形態】図1に、この発明の一実施形態に
よる信号出力調整装置であるミューティング回路を含む
増幅回路20のブロック図を示す。この実施形態におい
ては、ムービングコイル型ヘッド(図示せず)、増幅回
路20および専用の電源32(図6参照)により、独立
したヘッドアンプユニットを構成している。また、増幅
回路20の後段には、出力端子22、接続コード100
を介して、別のアンプユニット102が接続される。
【0023】図1に基づいて、増幅回路20の構成を説
明する。ムービングコイル型ヘッドの出力信号は、入力
端子24を介して、MCアンプ26に入力され、増幅さ
れた後、出力抵抗Rsを介して、ミューティング回路の
入力端28を経て、ミューティング回路の出力端である
出力端子22に伝達される。この実施形態においては、
ミューティング回路の入力端28と出力端である出力端
子22とは、短絡されている。
【0024】出力端子22は、第1スイッチ部であるリ
レーRL1の接点を介して接地され得る。出力端子22
は、また、第2スイッチ部であるリレーRL2の接点、
可変インピーダンス部である可変インピーダンス回路Z
1を介して接地され得る。制御部である制御回路30
は、モード切換え手段である手動スイッチSW1の切換
え状態に基づいて、リレーRL1の接点の継断、リレー
RL2の接点の継断、および可変インピーダンス回路Z
1のインピーダンスの制御を行なう。
【0025】リレーRL1の共通端子CM1は、接地さ
れている。共通端子CM1は、リレーRL1のコイル通
電時に出力端子22と非接続となり、リレーRL1のコ
イル非通電時に出力端子22と接続されるよう構成され
ている。したがって、リレーRL1のコイル非通電時
に、出力端子22が接地される。
【0026】リレーRL2の共通端子CM2は、可変イ
ンピーダンス回路Z1を介して接地されている。共通端
子CM2は、リレーRL2のコイル通電時に出力端子2
2と非接続となり、リレーRL2のコイル非通電時に出
力端子22と接続されるよう構成されている。したがっ
て、リレーRL2のコイル非通電時に、出力端子22が
可変インピーダンス回路Z1を介して、接地される。
【0027】リレーRL1、リレーRL2、可変インピ
ーダンス回路Z1および制御回路30が、出力制御手段
に対応する。
【0028】図2は、図1の増幅回路20の動作を示す
タイミングチャートである。図3は、増幅回路20の出
力端子22の出力電圧Voutを示す図面である。図1、
図2および図3に基づいて、増幅回路20の動作を説明
する。
【0029】通常の信号再生時には、手動スイッチSW
1の共通端子CS1を、OFF接点と接続しておく。こ
の状態において、制御回路30は、リレーRL1、リレ
ーRL2のコイルを通電状態とすることにより、共通端
子CM1、CM2を、それぞれ、出力端子22と非接続
としている。また、可変インピーダンスZ1は、高イン
ピーダンス状態に保たれている(図2における(a)の
状態)。したがって、増幅回路20の出力端子22には
信号が出力されている(図3における(a)の状態)。
この状態が、非減衰状態に対応する。
【0030】ミューティングONにするには、上述の非
減衰状態から、手動スイッチSW1の共通端子CS1
を、ON接点に切換える。これにより、まず、制御回路
30は、リレーRL2のコイルを非通電状態とすること
で、リレーRL2の共通端子CM2と、出力端子22と
を接続する。その後、可変インピーダンス回路Z1を制
御し、高インピーダンスから低インピーダンスに適当な
時定数で変化させる。充分低インピーダンスになった
後、リレーRL1のコイルを非通電状態とすることで、
リレーRL1の共通端子CM1と、出力端子22とを接
続する(図2における(b)の状態)。これにより、出
力端子22が接地され、信号の出力は完全に停止し、出
力電圧Voutは0となる。この過渡状態(図3における
(b)の状態)が、切換え時漸減状態に対応する。
【0031】上述の切換え時漸減状態を経由した後、出
力電圧Voutが0で安定した定常状態(図2、図3にお
ける(c)の状態)が、減衰状態に対応する。減衰状態
において、レコード針の上げ下ろし等を行なうことによ
り、出力信号がカットされ、大きな雑音が発生するのを
防止することができる。
【0032】ミューティングOFFにするには、上述の
減衰状態から、手動スイッチSW1の共通端子CS1
を、OFF接点に切換える。これにより、まず、制御回
路30は、リレーRL1のコイルを通電状態とすること
で、リレーRL1の共通端子CM1と、出力端子22と
を非接続とする。その後、可変インピーダンス回路Z1
を制御し、低インピーダンスから高インピーダンスに適
当な時定数で変化させる。充分高インピーダンスになっ
た後、リレーRL2のコイルを通電状態とすることで、
リレーRL2の共通端子CM2と、出力端子22とを非
接続とする(図2における(d)の状態)。これによ
り、出力端子22が非接地状態となり、増幅回路20の
出力端子22からは、信号がそのまま出力されるように
なる。この過渡状態(図3における(d)の状態)が、
切換え時漸増状態に対応する。
【0033】上述の切換え時漸増状態を経由した後、再
び、安定した定常状態(図2、図3における(a)の状
態、非減衰状態に対応)に復帰する。
【0034】つぎに、ヘッドアンプユニットの電源32
(図6参照)を、OFFからONにした場合の動作を説
明する。手動スイッチSW1がOFF位置にある場合で
あっても、電源32をONにした直後は、リレーRL
1、リレーRL2の共通端子CM1、CM2は、出力端
子22に接続された状態にある。制御回路30は、すぐ
に可変インピーダンス素子を低インピーダンス状態にす
るとともに、MCアンプ26の各バイアス状態が充分安
定する時間後に、前述の切換え時漸増状態とほぼ同様の
動作を行なう。この過渡状態が、投入時漸増状態に対応
する。
【0035】また、手動スイッチSW1がON位置にあ
る場合、リレーRL1、リレーRL2の共通端子CM
1、CM2は、当然、出力端子22に接続された状態に
ある。制御回路30は、すぐに可変インピーダンス回路
Z1を低インピーダンス状態にし、この状態を保つよう
に制御する。この状態が、投入時減衰維持状態に対応す
る。
【0036】つぎに、ヘッドアンプユニットの電源32
を、ONからOFFにした場合の動作を説明する。手動
スイッチSW1がOFF位置にある場合に、電源32を
OFFにすると、制御回路30は、電源32がOFFに
された情報を検出し、すみやかに、前述の切換え時漸減
状態とほぼ同様の動作を行なうよう制御する。この過渡
状態が、切断時漸減状態に対応する。
【0037】なお、この切断時漸減状態における動作
は、電源32をOFFにした際に行なう動作であるか
ら、電源32がONの状態で行なわれる切換え時漸減状
態における動作よりも、素速く行なうのが好ましい。切
断時漸減状態を経て、リレーRL1、リレーRL2の共
通端子CM1、CM2は、ともに出力端子22と接続状
態となる。
【0038】また、手動スイッチSW1がON位置にあ
る場合、リレーRL1、リレーRL2の共通端子CM
1、CM2は、当然、出力端子22に接続された状態に
ある。制御回路30は、電源32がOFFにされた際、
この状態を保つように制御する。この状態が、切断時減
衰維持状態に対応する。
【0039】なお、この実施形態においては、上述の切
換え時漸減状態および切換え時漸減状態の時間が、0.
5秒程度から数秒程度であり、切断時漸減状態が、0.
2秒程度から0.5秒程度になるよう設定している。
【0040】また、可変インピーダンス回路Z1の低イ
ンピーダンス状態におけるインピーダンスが、出力抵抗
Rsに対して、大きくても1/20以下であり、かつ、
高インピーダンス状態におけるインピーダンスが、少な
くともRsの100倍以上になるよう設定している。さ
らに、可変インピーダンス回路Z1のインピーダンス
は、連続的に変化するよう構成している。
【0041】つぎに、図4Aに、可変インピーダンス回
路Z1の具体的な回路を例示する。図4Aに示す例にお
いては、同種の2個のNチャンネルMOS−FET型の
トランジスタQ1、Q2を接続したものを用いている。
トランジスタQ1、Q2のゲートG相互を接続するとと
もに、ソースS相互を接続する。トランジスタQ2のド
レインDを接地し、トランジスタQ1のドレインDを共
通端子CM2とし、両ドレイン間に、出力抵抗Rsの1
00倍以上の抵抗Rmを接続する。
【0042】相互に接続されたゲートG、Gは抵抗Rg1
を介して、制御回路30に接続される。また、ゲート
G、Gは、抵抗Rg1と同じ抵抗値の抵抗Rg2およびコ
ンデンサC4からなる直列回路を介して、共通端子CM
2に接続されている。このように構成することにより、
共通端子CM2に印加される信号の交流成分の概略1/
2が、ゲートG、Gに印加される。
【0043】このように、可変インピーダンス回路Z1
として、MOS−FET型のトランジスタQ1、Q2を
用いることにより、100Ω程度の出力抵抗Rs(図1
参照)を用いた場合であっても、減衰比を1/20以下
にすることができる。このため、リレーRL1の作動時
に、クリック音が残ることはない。特に縦型構造のMO
S−FETの場合はON抵抗が小さく好都合である。
【0044】一方、図4Aに示すように、MOS−FE
T型のトランジスタQ1、Q2は構造上ドレインD、ソ
ースS間に寄生ダイオードが存在するため、信号電圧の
正、負によって、動作が非対称となる。そこで、同種の
MOS−FET型のトランジスタQ1、Q2を、ソース
Sどうしを直列に接続することで、対称型のインピーダ
ンス回路を形成している。
【0045】ところで、ミューティングとして使用する
場合、トランジスタQ2のドレインDは接地されてお
り、トランジスタQ1のドレインDには、信号が印加さ
れる。このため、信号の存在によって、トランジスタQ
1とQ2とで、ゲートG、ドレインD間電圧が異なるこ
ととなり、非対称動作を生ずる。
【0046】これを防止するために、ゲートG、Gを、
抵抗Rg1と同じ抵抗値の抵抗Rg2およびコンデンサC
4からなる直列回路を介して、共通端子CM2に接続し
た。これにより、ゲートGには、制御回路30からの制
御電圧と、信号の1/2の電圧が重量されることにな
る。このため、正負対称な信号に対して、対称な減衰特
性を与えることができる。また、コンデンサC4を直列
に挿入することで、直流をカットし、制御回路30から
の制御電圧が信号側にもれないよう構成している。
【0047】なお、コンデンサC4の容量は、信号最低
周波数に対してはほぼ、1/2の電圧をゲートに発生で
きる容量で、かつ、できるだけ小さい方がよい。また、
分圧抵抗Rg1およびRg2は、大きい方が、フィールド
スルーの点から好ましい。
【0048】また、この実施形態においては、リレーR
L2がON状態(図1参照)のときにトランジスタQ1
のドレインDがフローティング状態となるのを防止する
ために、トランジスタQ1のドレインDを、抵抗Rmを
介して接地している。トランジスタQ1、Q2のOFF
抵抗は、数MΩ以上になるので、実質的に、前述の高イ
ンピーダンス状態におけるインピーダンスは、この抵抗
Rmの抵抗値で決まる。高インピーダンス状態で、リレ
ーRL2がON/OFFした時に信号レベルの変化が少
ないように、抵抗Rmの抵抗値は、出力抵抗Rsの抵抗値
の100倍以上にするのが好ましい。
【0049】なお、可変インピーダンス回路Z1とし
て、同種の2個のMOS−FET型のトランジスタQ
1、Q2を接続して用いる場合、図4Bに示すように、
トランジスタQ1、Q2のドレインD相互を接続するよ
う構成することもできる。
【0050】つぎに、図5および図6に、増幅回路20
の具体的な回路の一例を示す。図5および図6に基づい
て、前述の各動作を、具体的な回路レベルで説明する。
前述のように、増幅回路20の動作を、下記の6つの状
態、(1)切換え時漸減状態、(2)切換え時漸増状
態、(3)投入時漸増状態、(4)切断時漸減状態、
(5)投入時減衰維持状態、(6)切断時減衰維持状態
に分けて説明する。
【0051】(1)切換え時漸減状態: (1)−0・・・電源32がON、手動スイッチSW1
がOFFの定常状態(非減衰状態);通電中であるの
で、フォトカプラFCのトランジスタQ10はONにな
っている。したがってトランジスタQ9、Q8はOF
F、トランジスタQ7はONとなっている。また、手動
スイッチSW1はOFF側になっているので、トランジ
スタQ6はOFFである。
【0052】したがって、ダイオードD2のカソード
は、手動スイッチSW1、トランジスタQ7を通じて負
電源−B1につながっている。一方、正電源+B1から
トランジスタQ3のベースに直流電流を供給する経路は
すべて断たれている。
【0053】その結果、トランジスタQ3のベース電位
Vc’は、抵抗R2、ダイオードD2、手動スイッチS
W1、トランジスタQ7の経路によって負方向に引っ張
られることとなる。つまり、電位Vc’は、抵抗Ra、
抵抗Rb、抵抗Rcで分圧された基準電位Vref1、
Vref2の何れよりも低くなっている。またコンデン
サC1、C2も最高充電状態となっている。
【0054】そのため、コンパレーターCP1、CP2
の何れの出力も高い電圧となっている。コンパレーター
CP1、CP2の出力電圧により、トランジスタQ4、
トランジスタQ5はONになっている。このため、リレ
ーRL1、RL2のコイルには電流が流れて、リレーR
L1、RL2の共通接点CM1、CM2は出力端子22
から離れた状態になっている。
【0055】また、トランジスタQ3のエミッタ電位V
cは負の電位になっているため、トランジスタQ1、Q
2で構成される可変インピーダンス回路Z1は高インピ
ーダンス状態となっている。この状態を簡略化して描い
たものが図7である。
【0056】(1)−1・・・(1)−0の状態から、
手動スイッチSW1をONに切換えたとき;ダイオード
D3のカソードが、手動スイッチSW1、トランジスタ
Q7(ON状態)を通して負電源−B1につながれるの
で、トランジスタQ5がOFFとなり、リレーRL2の
コイル電流が断たれてリレーRL2がOFF(共通接点
CM2は出力端子22とつながる)となる。
【0057】同時に、トランジスタQ6がONされ、抵
抗R1を通じてコンデンサC1の電荷が放電される。こ
こで、ダイオードD2のカソードは、手動スイッチSW
1によってオープンとなっているので、抵抗R1を流れ
る電流はすべてコンデンサC1の放電に使用される。
【0058】これによって、電位Vc’が上昇を始め
る。Vc’≧Vref2となっても、コンパレータCP
2の出力が低電位になるだけで特に変化はない。さらに
電位Vc’が上昇すると、それに応じてトランジスタQ
1、Q2のゲート電位が上昇し、可変インピーダンス回
路Z1のインピーダンスが低下を始める。
【0059】電位Vc’が電位Vref1に近づく頃に
は、可変インピーダンス回路Z1は充分な低インピーダ
ンスとなっている(そのように電位Vref1を設定す
る)。Vc’≧Vref1となると、コンパレーターC
P1の出力が低電圧に変わり、トランジスタQ4がOF
Fされて、リレーRL1のコイル電流が断たれる。これ
によって、信号出力はリレーRL1の共通接点CM1を
介して、完全にグランドに落とされ、信号出力は完全に
断たれる。
【0060】最終的には、コンデンサC1の電荷がほぼ
ゼロまで放電され、電位Vc’がほぼ正電源+B1の電
位になる状態で安定することになる。この(1)−1の
動作状態を簡略化して表わしたものが図8である。
【0061】(2)切換え時漸増状態: (2)−0・・・電源32がON、手動スイッチSW1
がONの定常状態(減衰状態);上記(1)−1の最終
状態であり、コンパレーターCP1、CP2の出力は何
れも低電位状態である。トランジスタQ4、トランジス
タQ5はOFF、トランジスタQ6はON、電位Vc’
はほぼ正電源+B1の電位であり、コンデンサC1の電
荷はほぼゼロの状態となっている。信号経路側では、リ
レーRL1、RL2の接点は何れも出力端子22につな
がっている状態であり、可変インピーダンス回路Z1は
低インピーダンス状態になっている。
【0062】(2)−1・・・(2)−0の状態から、
手動SW1をOFFに切換えたとき;速やかにトランジ
スタQ6がOFFになるとともに、ダイオードD2のカ
ソードが、手動スイッチSW1、トランジスタQ7を通
じて負電源−B1に接続され、抵抗R1の放電経路が断
たれる。同時に、抵抗R2、ダイオードD2による充電
経路が形成される。
【0063】コンデンサC1の充電により、電位Vc’
は低下を始める。Vc’≦Vref1となると、コンパ
レーターCP1の出力が高電位に切り替わり、トランジ
スタQ4がONする。これにより、リレーRL1のコイ
ルが通電されてリレーRL1の共通接点CM1が出力端
子22から切り離される。
【0064】電位Vc’の低下に伴い、可変インピーダ
ンス回路Z1のインピーダンスが上昇を始める。可変イ
ンピーダンス回路Z1が充分大きなインピーダンスにな
り、Vc’≦Vref2(電位Vref2はそのような
電圧に設定する)となると、コンパレーターCP2の出
力が高電位に切り替わり、トランジスタQ5がONす
る。この結果、リレーRL2のコイルが通電され、リレ
ーRL2の共通接点CM2が出力端子22から切り離さ
れ、完全なミューティングOFF状態となる。
【0065】さらに充電がすすむと、電位Vc’はほぼ
負電源−B1の電位となり、定常状態となる(このとき
の各回路の状態は、図7と同じ(1)−0の状態であ
る)。
【0066】(3)投入時漸増状態: (3)−0・・・電源32がOFF、手動スイッチSW
1がOFFの状態;電源電圧が印加されていないので各
能動素子はOFF状態であり、リレーRL1、RL2の
共通接点CM1、CM2はどちらも出力端子22に接続
されており、信号出力は完全にショートされている。一
方、トランジスタQ1、Q2(MOS−FET)がノー
マリーオフ素子であるため、可変インピーダンス回路Z
1は高インピーダンス状態にある。
【0067】(3)−1・・・(3)−0の状態から電
源32をONにしたとき;電源32のON直後は、正電
源+B1および負電源−B1の電圧は速やかに印加され
る。また、手動スイッチSW1がOFF状態であり、後
述のようにトランジスタQ7もOFFとなっている。し
たがって、抵抗R2、ダイオードD2、抵抗R8による
コンデンサC1の充電回路が形成される。コンデンサC
1の存在により電位Vc’は速やかにほぼ正電源B1+
の電位となり、可変インピーダンス回路Z1は低インピ
ーダンス状態に速やかに移行する。
【0068】一方、フォトカプラFCの発光ダイオード
LEDは、コンデンサC3、抵抗R5、抵抗R6、抵抗
R7で決まる時定数によって速やかには通電されず、一
定時間後に点灯する。
【0069】フォトカプラFCの発光ダイオードLED
が点灯するまでの間は、トランジスタQ10はOFFで
あり、トランジスタQ9、トランジスタQ8はONとな
り、トランジスタQ7はOFFとなっている。トランジ
スタQ8がONの間は、ダイオードD5によってトラン
ジスタQ5のベース入力がシャントされるので、コンパ
レーターCP2の出力がどのようになっていてもトラン
ジスタQ5はONせず、リレーRL2のコイルは通電さ
れることはない。したがってリレーRL2の共通接点C
M2が出力端子22から切り離されることはない。
【0070】コンデンサC1の電荷は前記の時定数で徐
々に充電され、電位Vc’は低下していくはずである。
しかし、トランジスタQ9がONで、手動スイッチSW
1がOFF状態であるので、ダイオードD1、抵抗R3
による放電経路が形成されている。したがって、電位V
c’は抵抗R3と、抵抗R2+抵抗R8とで規定される
分圧電位以下には低下しない(このときVc’>Vre
f1となるよう抵抗R3、抵抗R8の抵抗値を選んでい
る)。
【0071】次にフォトカプラFCの発光ダイオードL
EDが通電を開始すると、トランジスタQ10がONと
なり、トランジスタQ9、トランジスタQ8がOFFと
なり、トランジスタQ7がONとなる。
【0072】これによりトランジスタQ9、ダイオード
D1、抵抗R3およびコンデンサC1により構成される
放電回路は、コンデンサC2、抵抗R4、ダイオードD
1、抵抗R3という回路に置き変わる。一方、充電経路
は抵抗R2、ダイオードD2、手動スイッチSW1、ト
ランジスタQ7(ON状態)に切り替わる。
【0073】コンデンサC1、コンデンサC2は再び充
電が始まり、電位Vc’が低下を始める。Vc’≦Vr
ef1となると、コンパレーターCP1の出力が高電位
となり、トランジスタQ4がONする。これにより、リ
レーRL1のコイルが通電され、リレーRL1の共通接
点CM1が出力端子22から切り離される。
【0074】以下は(2)−1と同様な変化となり、ミ
ューティングOFFの通常状態に移行する。この過渡状
態の等価回路を簡略化したものが図9である。
【0075】なお、この投入時漸増状態においては、電
源32をONしてからMCアンプ26等の出力が安定す
るまでにある程度の時間を要することから、(1)−1
の切換え時漸減状態のときよりもミューティング時間を
長くする必要がある。このためにコンデンサC2、抵抗
R4を用いている。
【0076】すなわち、通電中に手動スイッチSW1を
ONする場合((1)−1の切換え時漸減状態)には、
コンデンサC2には充分初期電荷が充電されている。ま
た、手動スイッチSW1がONされてトランジスタQ6
がONになっても、ダイオードD1の存在によりこの電
荷は放電されない。一方、電源32のOFF状態では、
コンデンサC1とコンデンサC2の初期電荷はほぼゼロ
となっている。したがって、電源32のONの一定時間
後にトランジスタQ9がOFFされたときには、コンデ
ンサC1とコンデンサC2の両方のコンデンサを充電し
なければならない。このため、電位Vc’の低下速度が
遅くなる。このようにして、投入時漸増状態におけるミ
ューティング時間を長くする。
【0077】(4)切断時漸減状態: (4)−0・・・電源32がON、手動スイッチSW1
がOFFの状態;このときは(1)−0の状態と同じで
ある。
【0078】(4)−1・・・(4)−0の状態から電
源32をOFFにしたとき;電源32をOFFすると、
正電源+B1および負電源−B1の電圧はすぐには低下
しないが、フォトカプラFCの発光ダイオードLEDの
通電は速やかに停止する(そのように電源回路時定数
と、コンデンサC3および抵抗R6とを選んでいる)。
【0079】トランジスタQ10のOFFにより、トラ
ンジスタQ9、トランジスタQ8がONし、トランジス
タQ7がOFFとなる。またトランジスタQ8がONに
なることで、ダイオードD5によってトランジスタQ5
もオフする。このため、リレーRL2のコイルの通電が
停止し、リレーRL2の共通接点CM2が出力端子22
に接続される。このとき、電位Vc’はまだ充分に低電
位であるので、可変インピーダンス回路Z1は高インピ
ーダンス状態のままであり、出力端子22には実質的な
影響はない。
【0080】トランジスタQ9のONにより、ダイオー
ドD1、抵抗R3の放電経路が形成される。この放電経
路と、抵抗R2、ダイオードD2、手動スイッチSW1
および抵抗R8の充電経路と、コンデンサC1とによる
時定数で、コンデンサC1の電荷が徐々に放電する。な
お、コンデンサC2の電荷は、トランジスタQ9のON
により、コンデンサC2および抵抗R4の時定数で速や
かに放電される。
【0081】コンデンサC1の放電により、電位Vc’
は上昇する。なお、抵抗R3<抵抗R1となるように抵
抗値を選んでおり、また抵抗R8も存在しているので、
前記(1)−1における切換え時漸減状態よりも速い時
間で電位Vc’は変化する。
【0082】電位Vc’の上昇に伴い、可変インピーダ
ンス回路Z1のインピーダンスは低インピーダンス状態
に移行する。Vc’≧Vref1となると、コンパレー
ターCP1の出力が低電位となり、トランジスタQ4が
OFFする。これにより、リレーRL1のコイルの通電
が停止して、リレーRL1の共通接点CM1が出力端子
22に接続され、出力信号が完全に遮断される。なお、
このリレーRL1のOFFは電源電圧の低下によって自
然にOFFとなっても構わない。
【0083】最終的には電源電圧がなくなり、前述の
(3)−0の状態となる。この電源32のOFF直後の
状態は前述の図9と同様である。ただし、コンデンサC
1の初期電荷が、(3)−1の場合はほぼゼロであるの
に対し、フルに充電されている点で異なる。
【0084】(5)投入時減衰維持状態: (5)−0・・・電源32がOFF、手動スイッチSW
1がONの状態;電源電圧が印加されていないので各能
動素子はすべてOFFとなっている。手動スイッチSW
1がON側になっているのを除き、(3)−0の状態と
同じである。
【0085】(5)−1・・・(5)−0の状態から電
源32をONにしたとき;基本的には(3)−1と同様
である。ただし、この場合には、トランジスタQ6が速
やかにONとなることにより、抵抗R1による放電経路
も形成される点と、ダイオードD2のカソードが手動ス
イッチSW1によって開放されているので充電経路が形
成されていない点である。
【0086】したがって、電源ON直後に、電位Vc’
は、ほぼ正電源+B1の電位となり、コンデンサC1が
充電されない。このため、Vc’>Vref1、Vre
f2のままであり、コンパレーターCP1、CP2とも
出力は低電位のままとなる。この結果、リレーRL1、
RL2ともOFF、すなわち、どちらの共通接点CM
1、CM2も出力端子22に接続されたままであって、
信号出力は完全に遮断された状態のままとなる。なお、
このとき可変インピーダンス回路Z1のインピーダンス
も低インピーダンス状態となっている。最終的には、各
回路は(1)−1の最終状態に落ちつくことになる。
【0087】(6)切断時減衰維持状態: (6)−0・・・電源32がON、手動スイッチSW1
がONの状態;これは(1)−1の最終状態と同じであ
り、トランジスタQ6はON、コンデンサC1はほぼ完
全に放電状態(電荷がほぼゼロ)となっている。したが
って、電位Vc’は、ほぼ正電源+B1の電位であり、
Vc’>Vref1、Vref2となっている。このた
め、コンパレーターCP1、CP2の両出力とも低電位
であり、トランジスタQ4、5はOFFである。この結
果、リレーRL1、RL2ともOFFとなって、両リレ
ーとも共通接点CM1、CM2が出力端子22に接続さ
れ、信号出力が完全に遮断された状態となっている。
【0088】(6)−1・・・(6)−0の状態から電
源32をOFFにしたとき;(4)−1の動作と基本的
には同一である。ただし、コンデンサC1の初期電荷が
ほぼゼロであるのと、手動スイッチSW1によって充電
経路が遮断されているという2つの理由によって、両リ
レーRL1、RL2はONすることはなく、信号出力は
完全に遮断されたままである。
【0089】電源電圧が低下し、リレーRL1、RL2
のコイル駆動電圧以下になると、コンパレーターCP
1、CP2の出力電位がどのように変動しても、リレー
RL1、RL2がONすることはなくなる。電源電圧が
さらに低下すると、可変インピーダンス回路Z1のイン
ピーダンスは上昇し、高インピーダンス状態となる(ノ
ーマリーオフ素子のため)が、リレーRL1がOFF状
態である限り、信号出力はされない。最終的には電源電
圧がなくなり、(5)−0の状態となる。
【0090】以上述べたように、この実施形態では、通
常の再生状態(ミューティングOFF)においては、信
号経路にリレー接点が入らず、可変インピーダンス回路
Z1も信号経路に接続されないため、通常の再生状態に
おける音質劣化を防止することができる。
【0091】また、ミューティングONにすると、信号
経路に可変インピーダンス回路Z1が接続されるととも
に、一定の遷移時間で、インピーダンスを減少させるこ
とにより、信号を減衰させてゆく。信号を充分減衰させ
た後、リレーRL1の共通接点CM1を介して出力端子
22を接地することで、手動スイッチSW1の切換によ
るクリック音を防止するとともに、ミューティング時の
音漏れを完全に防止することができる。また、ミューテ
ィング解除時にはその逆の動作をすることで、手動スイ
ッチSW1の切換によるクリック音を防止することがで
きる。
【0092】また、リレーRL1、RL2のコイル非通
電時に、リレーRL1、RL2の共通接点CM1、CM
2は出力端子22に接続されるよう構成しているため、
電源32のOFF時には、必ずミューティング作動状態
となり、電源32のON直後にクリック音を生じること
もない。
【0093】なお、この実施形態においては、各過渡状
態における信号の時間減衰曲線が周波数成分として20
Hzを越える高調波をあまり含まないよう構成してい
る。このように構成することで、耳障りなクリック音の
発生を防止することができる。しかし、耳障りなクリッ
ク音の発生をある程度緩和することができるのであれ
ば、これに限定されるものではない。
【0094】また、制御部は、図6の制御回路30に限
定されるものではない。他の図面もこの発明を限定する
ものではない。
【0095】また、上述の実施形態においては、入力端
に入力された信号をゼロレベルまで減衰させる場合を例
に説明したが、この発明は、入力端に入力された信号
を、ゼロではない所定の減衰比に減衰して出力端に出力
する場合にも適用される。
【0096】また、モード切換え手段として手動スイッ
チSW1を用いたが、モード切換え手段としては、たと
えば、レコード針の上げ下ろしを検知するセンサ等を用
いることもできる。このようなセンサ等を用いることに
より、ミューティング動作を自動的に行なわせることが
できる。
【0097】また、可変インピーダンス部として、同種
の2個のMOS−FET型のトランジスタQ1、Q2を
直列に接続したものを用いたが、可変インピーダンス部
としては、1個のMOS−FET型のトランジスタで構
成することもできる。また、MOS−FET型のトラン
ジスタ以外のものを用いることもできる。
【0098】なお、トランジスタQ1、Q2と並列に抵
抗Rmを設けたが、抵抗Rmは、必ずしも必要ではない。
また、トランジスタQ1、Q2のゲートG相互を接続し
たものと共通接点CM2との間に、抵抗Rg2とコンデ
ンサC4とを直列に挿入するよう構成したが、抵抗Rg
2とコンデンサC4とは、必ずしも必要ではない。
【0099】また、第1スイッチ部、第2スイッチ部と
して、リレーを用いたが、第1スイッチ部、第2スイッ
チ部の一方または双方を、トランジスタ等の半導体を用
いて構成することができる。
【0100】また、出力制御手段として、第1スイッチ
部、可変インピーダンス部、第2スイッチ部、制御部を
備えるよう構成したが、出力制御手段としては、第1ス
イッチ部を備えないよう構成することもできる。さら
に、第2スイッチ部をも備えないよう構成することもで
きる。この場合、出力制御手段は、可変インピーダンス
部と、可変インピーダンス部のインピーダンスを制御す
る制御部とにより構成される。
【0101】また、入力端と出力端とを短絡するととも
に、出力端を可変インピーダンス部を介して接地するこ
とにより、信号を徐々に減衰、回復させるよう構成した
が、入力端と出力端との間の信号経路に、可変インピー
ダンス部を直列に挿入するよう接続することもできる。
【0102】また、上述の実施形態においては、制御出
力手段が、投入時漸増状態、切断時漸減状態、投入時減
衰維持状態、切断時減衰維持状態の全ての状態を呈する
よう構成したが、制御出力手段が、上記4つの状態のう
ち、任意の3つ以下の状態を呈するよう構成することも
できる。また、上記4つの状態のいずれの状態をも呈し
ないよう構成することもできる。
【0103】また、制御出力手段が、切換え時漸減状態
および切換え時漸増状態の双方の状態を呈するよう構成
したが、制御出力手段が、切換え時漸減状態と切換え時
漸増状態とのうち少なくとも一つの状態を呈するよう構
成することもできる。
【0104】なお、上述の実施形態においては、出力制
御手段を含む信号出力調整装置の各機能を、コンデン
サ、抵抗、トランジスタ等を用いて実現した場合を例に
説明したが、当該各機能の一部または全部を、CPU
(中央処理装置)等を用いて実現するよう構成すること
もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による信号出力調整装置
であるミューティング回路を含む増幅回路20のブロッ
ク図である。
【図2】増幅回路20の動作を示すタイミングチャート
である。
【図3】増幅回路20の出力端子22の出力電圧Vout
のようすを示す図面である。
【図4】可変インピーダンス回路Z1の具体的な回路を
例示した図面である。
【図5】増幅回路20の具体的な回路例の一部を示す図
面である。
【図6】増幅回路20の具体的な回路例の一部を示す図
面である。
【図7】非減衰状態における図6の回路を、簡略化して
表わした図面である。
【図8】切換え時漸減状態における図6の回路を、簡略
化して表わした図面である。
【図9】投入時漸増状態における図6の回路を、簡略化
して表わした図面である。
【図10】従来のミューティング回路を含む増幅回路2
の構成を示す図面である。
【図11】増幅回路2において、ミューティングスイッ
チをONにしたときの出力電圧Voutの変化のようすを
示す図面である。
【符号の説明】
22・・・・・出力端子 30・・・・・制御回路 RL1・・・・リレー RL2・・・・リレー SW1・・・・手動スイッチ Z1・・・・・可変インピーダンス回路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】出力抵抗を介して信号を入力する入力端、入力端に短絡され、 入力端に入力された信号を出力する
    出力端、 入力端に入力された信号を減衰せずに出力端に出力する
    非減衰状態と、入力端に入力された信号を所定の減衰比
    に減衰して出力端に出力する減衰状態とを呈する出力制
    御手段、 出力制御手段の非減衰状態と減衰状態とを切換えるモー
    ド切換え手段、 を備えた信号出力調整装置において、 出力制御手段は、 出力端を接地し得る第1スイッチ部、 可変インピーダンス部、 出力端を可変インピーダンス部を介して接地し得る第2
    スイッチ部、 モード切換え手段の切換え状態に基づいて、第1スイッ
    チ部の継断、第2スイッチ部の継断、および可変インピ
    ーダンス部のインピーダンスの制御を行なう制御部、を
    備えており、 モード切換え手段により出力制御手段を非減衰状態から
    減衰状態に切換えたとき、入力端から入力された信号を
    非減衰状態から減衰状態に至るまで徐々に減衰させなが
    ら出力端から出力する切換え時漸減状態と、 モード切換え手段により出力制御手段を減衰状態から非
    減衰状態に切換えたとき、入力端から入力された信号を
    減衰状態から非減衰状態に至るまで徐々に回復させなが
    ら出力端から出力する切換え時漸増状態と、 のうち少なくとも一つの状態を呈するよう構成したこと
    を特徴とする信号出力調整装置。
  2. 【請求項2】請求項1の信号出力調整装置において、 出力制御手段を、 モード切換え手段が非減衰状態に対応する切換え状態で
    ある場合において信号出力調整装置の電源を投入したと
    き、入力端から入力された信号を減衰状態から非減衰状
    態に至るまで徐々に回復させながら出力端から出力する
    投入時漸増状態と、 モード切換え手段が非減衰状態に対応する切換え状態で
    ある場合において信号出力調整装置の電源を切断したと
    き、入力端から入力された信号を非減衰状態から減衰状
    態に至るまで徐々に減衰させながら出力端から出力する
    切断時漸減状態と、 モード切換え手段が減衰状態に対応する切換え状態であ
    る場合において信号出力調整装置の電源を投入したと
    き、出力制御手段を減衰状態のまま維持し続ける投入時
    減衰維持状態と、 モード切換え手段が減衰状態に対応する切換え状態であ
    る場合において信号出力調整装置の電源を切断したと
    き、出力制御手段を減衰状態のまま維持し続ける切断時
    減衰維持状態と、 のうち少なくとも一つの状態を呈するよう構成したこと
    を特徴とするもの。
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