JP3186560B2 - 多重モード弾性表面波フィルタ - Google Patents

多重モード弾性表面波フィルタ

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JP3186560B2 JP34980195A JP34980195A JP3186560B2 JP 3186560 B2 JP3186560 B2 JP 3186560B2 JP 34980195 A JP34980195 A JP 34980195A JP 34980195 A JP34980195 A JP 34980195A JP 3186560 B2 JP3186560 B2 JP 3186560B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、簡易携帯電話機な
どの通信機器において、比帯域巾の狭い1stIF用と
して使用される多重モード弾性表面波フィルタに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、通信機器用のIF用のフィルタと
しては、弾性表面波フィルタ(以下、SAWフィルタと
もいう)が多数使用されている。このSAWフィルタの
基板材料としては、周波数に対する温度特性の良好な水
晶が使用されている。近年の通信機器の小型化の要請に
伴って、これを構成する部品の小型化が進展し、SAW
フィルタにおいても同様である。SAWフィルタにおい
ては、その基板材料として、四硼酸リチュウム(Li2
B4 O7 )単結晶(以下、LBO単結晶又は単にLBO
ともいう)が、近年注目されている。それは、LBO単
結晶が、水晶基板より、電気機械結合係数が大きい圧電
材料であり、通常使われている水晶基板を用いるより
は、高効率で小型のSAWフィルタが作れる可能性があ
る材料であるためである。そして、現在、携帯電話やペ
−ジャ用SAWフィルタの材料として使用され始めてい
る。さらに、他の基板材料としては、タンタル酸リチュ
ウム(以下、LTともいう)がある。LTは、LBOに
比べて、電気機械結合係数は大きいが、温度特性が悪い
のが特徴である。従って、後に説明するが、LBOは、
特性上は、水晶とLTの中間に位置する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、LBO単結
晶を用いたSAWフィルタは、水晶を用いたSAWフィ
ルタと比較して、中心周波数の温度係数が大きい。以
下、添付図面を用いて、具体的に説明する。図12は、
従来例のLBO基板、水晶基板又はLT基板を用いたS
AWフィルタの中心周波数の温度依存性を示すグラフ図
である。図12中にLBOと表示されるのは、45度回
転XカットしたZ軸伝搬LBO単結晶基板を使用したS
AWフィルタの特性測定より得られたものであり、この
グラフより(1)式が得られる。 f0 変化率(ppm)=−0.27(Ta −33)2 (1)式 ここで、f0 は中心周波数を、Ta は温度をそれぞれ表
す。これより、LBO基板を用いたSAWフィルタの2
次の温度係数は0.27ppm/℃であることが分か
る。
【0004】さらに、図12中で水晶と表示されるの
は、STカットのX軸伝搬水晶基板を使用したSAWフ
ィルタの特性測定より得られたものであり、このグラフ
より(2)式が得られる。 f0 変化率(ppm)=−0.03(Ta −33)2 (2)式 ここで、f0 は中心周波数を、Ta は温度をそれぞれ表
す。これより、水晶基板を用いたSAWフィルタの2次
の温度係数は0.03ppm/℃であり、LBO基板を
用いたものに比べて9分の1の大きさであることが分か
る。また、両方のグラフから、放物線の頂点温度は33
℃であることが分かっている。
【0005】これらのことより、LBO基板を用いたS
AWフィルタは、温度係数の影響が比較的小さい、中心
周波数に対し通過帯域幅の比率(比帯域幅)が比較的大
きい仕様の携帯電話やペ−ジャでの使用に限定されてい
る。簡易携帯電話機(パーソナル・ハンディフォン・シ
ステム、以下、PHSともいう)の1stIFフィルタ
用途のように、比帯域幅の小さいSAWフィルタでは、
使用温度範囲(−10℃〜60℃)で通過帯域幅・群遅
延特性・通過帯域外減衰特性等の仕様を満足させること
は困難であった。そのため、上記用途の小型化に寄与す
るLBO単結晶基板を用いたSAWフィルタを実現する
ことができなかった。
【0006】そこで、本発明は、上記の従来例に係わる
問題点を解消するためになされたものであり、多重モー
ドSAWフィルタにおいて、LBO基板を用いたSAW
フィルタを、パッケージに用いるセラミックの容量を用
いて自己温度補償できるようにし、これにより、小型で
しかもPHSの1stIFフィルタのように比帯域幅の
小さいLBO基板を用いた多重モードSAWフィルタを
提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために以下の1)及び2)に記載の構成より成
る。すなわ、 1)セラミックからなるパッケージと、λ回転Xカット
したZ軸伝搬四硼酸リチュウム単結晶基板表面上に形成
した、一対の入力IDT群、一対の出力IDT群及び2
つの反射器群からなる、入力部となる第1の2ポートの
共振子型フィルタと出力部となる第2の2ポートの共振
子型フィルタを、弾性表面波の伝搬方向に沿って接続部
を設けて2段縦列接続して構成した、多重モード弾性表
面波フィルタ素子とから成り、前記多重モード弾性表面
波フィルタ素子の温度係数の補償を行うための、前記接
続部に前記出力部の一部をフィードバックする静電容量
を、前記のパッケージを構成する前記セラミックを所定
形状とすることによって、前記パッケージ内に構成した
多重モード弾性表面波フィルタであって、 前記静電容量
を、前記パッケージの電極ランドとグラウンド間の容量
であるC2 と、前記パッケージ上に形成した前記第2の
2ポートの共振子型フィルタの前記出力部となるシグナ
ルランドと前記接続部のシグナルランド間の容量である
C1 とから構成したことを特徴とする多重モード弾性表
面波フィルタ。 2)請求項に記載の多重モード弾性表面波フィルタに
おいて、C2 の値を、1.1〜2.4pFの範囲とした
ことを特徴とする多重モード弾性表面波フィルタ。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のSAWフィルタの実施の
形態を、添付図面を参照して、好ましい実施例によって
説明する。はじめに、本発明に至る過程を説明する。P
HSの1stIF用SAWフィルタの仕様温度範囲は、
−10℃〜60℃である。この温度範囲で、SAWフィ
ルタの通過帯域幅・群遅延特性・通過帯域外減衰特性等
の仕様を満足させるために、温度係数の影響を検討す
る。図12に示したように、LBO単結晶を用いたSA
Wフィルタの中心周波数f0 の温度依存性は、放物線を
なす。したがって、この放物線の対称性を考えると、頂
点温度が25℃であるとき、−10℃及び60℃で同じ
中心周波数値となる。このとき、仕様温度範囲内での中
心周波数値の幅の広がりが最小となる。前記の(1)式
のように頂点温度が33℃では、25℃より高いので低
温側、特に0℃付近以下の温度で、温度係数の影響が温
度の2乗で効いてくるため、仕様温度範囲内での、中心
周波数値の幅の広がりが益々大きくなり不利である。
【0009】温度係数を改良する方策として、中心周波
数f0 の温度依存性を示す放物線の頂点温度を仕様温度
範囲の−10℃〜60℃のセンタである25℃にシフト
することにより、中心周波数、群遅延特性、通過帯域外
減衰量が仕様に入るようにすることができる。これを実
現する方法としては、次の2つが考えられる。 (1)LBO単結晶基板の切出しカット角度を変える
(オイラ−角を変える)。LBO単結晶基板で作製した
SAWフィルタの中心周波数は、2次の負の温度係数を
持つ。SAWフィルタとして最も良く使われている、λ
回転XカットのZ軸伝搬LBO基板を用いたSAWフィ
ルタの中心周波数の温度特性は、いずれも放物線カ−ブ
を示し、その頂点温度は33℃付近である。この頂点温
度は、λ回転角に比例して低温側にシフトし、λ=28
°で、頂点温度は室温(20℃)付近になる。ただし、
室温付近が頂点温度となっているλ=28°のλ回転角
でカットした基板を用いたSAWフィルタの場合には、
λ=45°カットと比較して、挿入損失が非常に大き
く、又反射も大きい。従って、SAWフィルタ用のカッ
ト角度を変えて、頂点温度を変更する方法は、得策では
ない。
【0010】そこで、 (2)外付け部品で温度補償する方法 を検討し、これにより、PHSの1stIF用の、LB
O単結晶基板を用いたSAWフィルタを実現した。以
下、この内容を詳細に説明する。図1は、本発明のSA
Wフィルタの一実施例の内部構造を示す上面図である。
図2は、図1のY−Y´断面図である。図3は、本発明
のSAWフィルタの一実施例のフィルタ素子パターンを
示す上面図である。図4は、本発明のSAWフィルタの
一実施例のフィルタ構成を示す上面図である。図5は、
図4のAで示される回路の等価回路を示す。
【0011】図1、図3及び図4に示すように、45°
回転XカットしたZ軸伝搬LBO単結晶基板36の表面
に、弾性表面波を伝搬させるためのフィルタ素子20が
形成されている。フィルタ素子20は、一対の入力ID
T(インターデジタル・トランスデューサ)群、一対の
出力IDT群、及び2つの反射器群からなる2ポートの
共振子型フィルタを伝搬方向に沿って2段縦列接続して
構成された多重モードSAWフィルタ素子である。一対
の入力IDT群とは、入力端子21、櫛歯電極部23及
びグラウンド端子22より構成されるIDTと、グラウ
ンド端子25、櫛歯電極部26及び出力端子27から構
成されるIDTである。
【0012】一対の出力IDT群とは、グラウンド端子
29、櫛歯電極部30及び出力端子31より構成される
出力IDTと、出力端子27、櫛歯電極部34及びグラ
ウンド端子33とから構成される出力IDTである。2
つの反射器群は、一対の入力IDT群用の一対の共振部
24、28と、一対の出力IDT群用の一対の共振部3
2、35より構成されている。図4には、各端子間の電
気的接続については、模式的に表示してある。
【0013】従来から、バタ−ワ−スフィルタ、チェビ
シェフフィルタ、またはその他の多重型帰還型フィルタ
等の、低次のフィルタを2段縦列に接続し、2段目の出
力をコンデンサで適当な比率に分割して2段目の頭にフ
ィードバックをかけ、減衰特性の急峻な(Qの高い)高
次のフィルタを形成している。本発明では、2段縦列接
続部の段間に、出力の一部を容量を介してフィードバッ
クして、さらに急峻な減衰特性を得ている。その構成
を、図4を参照して説明する。出力端子31から出力さ
れた信号は、分岐bで分岐し、一方は容量C1 、分岐
d、及び容量C2 を介してグラウンドに接続され、他方
は分岐cで再度分岐し、再分岐した一方はインダクタL
2 を介してグラウンドに接続されており、再分岐した他
方は容量C6 を介して出力端OUTに達する。分岐b
は、出力端子27と接続されている。なお、容量C5 及
びインダクタL1 は入力側と、容量C6 及びインダクタ
L2は、出力側と、それぞれSAWフィルタのインピー
ダンスマッチングを取るために接続されている。
【0014】次に、本発明のSAWフィルタにおいて、
上述の構成によって、2段縦列接続部の段間に出力の一
部をフィードバックする際の容量の作り方を説明する。
このSAWフィルタの載置されるパッケ−ジは、従来の
カンタイプのステムではなく、よりいっそうの小型化が
可能な表面実装タイプにするため、セラミックから構成
される表面実装用のパッケ−ジを使用している。従来、
セラミックの表面実装用のパッケ−ジ内の電極ランドと
グラウンド間容量は、極力小さくするの普通であり、補
正用の容量をパッケージの外部に設ける構成としてい
る。しかし、本発明のSAWフィルタにおいては、各ラ
ンド間の容量が所定の値になるように、各ランドの寸法
値を定め、パッケージの内部にその容量を設け、SAW
フィルタ全体として一層の小型化を達成した。
【0015】これを、図1、図2及び図5を参照して説
明する。図5は、図4のAで示される、C1 とC2 の直
列接続と等価な回路を示している。C1 をパッケージ内
の各ランド間の容量C4aとC4bの並列接続で構成し、C
2 をパッケージ内の各ランド間の容量C3aとパッケージ
内のランドとコバール体間の容量C3bで構成している
が、その方法を以下に説明する。図示しないパッケージ
内に所定形状のセラミックベース13が配置されてい
る。このセラミックベース13の所定の位置に、所定形
状のグラウンドランド9、シグナルランド8がそれぞれ
形成されている。セラミックベース13上には、厚さが
L2 である四角筒状のセラミック中間体12が配置され
ている。セラミック中間体12の上面の所定の位置に、
所定形状のグラウンドランド2、5、7、シグナルラン
ド3、4、6がそれぞれ形成されている。セラミック中
間体12の四角筒内のセラミックベース13上の所定位
置に、フィルタ素子20が固定して配置されている。フ
ィルタ素子の上面と各ランドは、ほぼ同一高さになって
いる。
【0016】フィルタ素子20中の各端子と、セラミッ
ク中間体12上の各ランドは所定の関係で、Alワイヤ
ボンディングにより、Alワイヤで電気的に接続されて
いる。すなわち、グラウンドランド2はグラウンド端子
22とAlワイヤ44で、シグナルランド3と出力端子
31はAlワイヤ45で、シグナルランド4は出力端子
27とAlワイヤ46で、グラウンド端子5はグラウン
ド端子22とAlワイヤ43で、シグナルランド6は入
力端子21とAlワイヤ42で、グラウンドランド7は
グラウンド端子25とAlワイヤ41と、それぞれ電気
的に接続されている。グラウンドランド3はセラミック
中間体12の所定値に形成されたスルーホール16によ
りシグナルランド8と電気的に接続されている。セラミ
ック中間体15の上には、四角筒状のセラミック体15
とコバール体14が順次、固定配置されている。コバー
ル体15は、導電性であり、グラウンドに接続されてい
る(図示せず)。
【0017】なお、グラウンドランド2、9、5、8、
シグナルランド3、6は、セラミックベース上に形成さ
れている図示しない各パッドと、セラミック体15、セ
ラミック中間帯12及びセラミックベース13の外周部
を貫いて設けられた、図示しない各側面リード10、1
1と電気的に接続されている。容量C2 は、容量C3aと
容量C3bの並列接続で構成される。C3aは、所定の距離
L2 離れた、セラミック中間体12で挟まれたグラウン
ドランド9とシグナルランド4の間に形成される容量と
する。C3bは、所定の距離L3 離れた、セラミック体1
5で挟まれたコバール体14とシグナルランド4の間に
形成される容量とする。一方、容量C1 は、容量C4aと
容量C4bに並列接続で構成される。C4aは、セラミック
中間体12を介して所定距離L1 離れたシグナルランド
3とシグナルランド4の間に形成される容量とする。C
4bは、所定の距離L2 離れた、セラミック中間体12で
挟まれたグラウンドランド8とシグナルランド4の間に
形成される容量とする。
【0018】次に、容量C2 の最適範囲について説明す
る。図6は、本発明のSAWフィルタの一実施例の周波
数変化率の温度変化を示すグラフである。SAWフィル
タの中心周波数の温度依存性曲線において、SAWフィ
ルタの仕様温度範囲を−10〜60℃とするとき、その
頂点温度が25℃であるのが最良である。図6には、頂
点温度が、22℃、25℃及び28℃の場合の周波数変
化率の温度依存性が示してある。図6より分かる通り、
25℃±3℃の場合には、中心周波数の低域側へのシフ
ト量(すなわち周波数変化率)は、最大400ppmで
ある。
【0019】SAWフィルタの仕様によって、中心周波
数、通過帯域幅等の内容が異なってくるが、例えば、絶
対的に必要な信号(中心周波数)が、248.45±
0.11MHzのとき、頂点温度が25℃±3℃である
ならば、周波数の変化量は100kHzとなる。従っ
て、SAWフィルタの通過帯域幅が420kHzであれ
ば、100kHzのクリアランスがあり、フィルタ特性
は満足できるものになる。
【0020】図10は、本発明のSAWフィルタの一実
施例におけるパッケージの素材であるセラミックの容量
と温度係数の関係を示すグラフである。このグラフよ
り、0℃から300℃の温度範囲で、約5.50nFか
ら約5.75nFまで、約2.5nF変化しているのが
分かる。この値を温度係数に換算すると、 (5.50−5.75)/(((5.50+5.75)/2)300) =−148.148(ppm/℃) …… (3)式 となる。
【0021】図14は、本発明のSAWフィルタの一実
施例におけるパッケージの内部で構成された容量と温度
係数の関係を示すグラフである。この容量は、図10に
示すセラミックからなるパッケージの内部の所定形状の
部分で形成される容量C2 である。図14に示すよう
に、温度が下がると、この容量C2 は小さくなり、温度
が上がると静電容量は大きくなる。例えば、33℃で
2.000pFの容量C2 は、−10℃では、1.98
7pFになる。図8は、本発明のSAWフィルタの一実
施例の中心周波数と静電容量C2 の関係を示すグラフで
ある。これは、実験的に得られたもので、容量C2 を変
化させたときのSAWフィルタの中心周波数の変化を示
す。
【0022】図13は、本発明のSAWフィルタの一実
施例において、パッケージの内部で構成された容量があ
るときの温度と中心周波数の関係を示すグラフである。
これは、パッケージの内部に所定の容量を形成したと
き、温度を変化させるとこれに伴い中心周波数が変化す
る様子を示す。この関係は、図14と図8から得られ
る。図9は、本発明のSAWフィルタの一実施例におけ
る温度補償メカニズムを説明するための図である。ここ
で、白丸実線の曲線は、上述したように、容量C2 がな
いときのSAWフィルタの中心周波数の温度変化を示す
もので、LBO基板の温度依存性が反映しており、頂点
温度は33℃である。一方、図13の特性を示す容量C
2 を加えると、白丸実線の曲線は、黒丸実線の曲線にシ
フトする。
【0023】すなわち、33℃から温度が下がると、容
量C2 が小さくなり、図8に示すように、中心周波数は
高くなる。この効果は、25℃までは中心周波数が高く
なる方向へ補償し、25℃より低い温度では、中心周波
数の温度依存性の2次曲線で効いてくるため、容量C2
による中心周波数の上昇よりも、LBO基板の中心周波
数の低下が勝り、下がっていく。
【0024】逆に、33℃以上では、温度が高くなると
容量C2 も大きくなり、図8に示すように、容量が大き
くなると中心周波数は低くなるので、中心周波数は益々
さがる方向に作用する。その結果、容量値の最適値を選
定することにより、中心周波数の特性式は、以下の式に
なるように頂点温度を設定することが可能である。 f0 変化率(ppm)=−0.27(Ta −25)2 (4)式 ここで、f0 は中心周波数を、Ta は温度をそれぞれ示
す。図11は、本発明のSAWフィルタの一実施例にお
いて、C1 =0.6pF,C2 =2.0pFとした場合
の周波数特性を示すグラフである。ここでは、C1,C2
とも好適な数値範囲内であり、良好な特性を示してい
る。図7は、本発明のSAWフィルタの一実施例のC2
と頂点温度の関係を示すグラフであり、実験的に得られ
たものである。図7より、頂点温度の範囲を25℃±3
℃とするには、C2 の範囲を1.1〜2.4pFとすれ
ば良いことが分かる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本願各請求項に係
る多重モード弾性表面波フィルタによれば、LBO基板
を用いたSAWフィルタを、パッケージの容量を用いる
ことにより自己温度補償できるようにし、これにより、
小型でしかもPHSの1stIFフィルタのように比帯
域幅の小さいLBO基板を用いた多重モードSAWフィ
ルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のSAWフィルタの一実施例の内部構造
を示す上面図である。
【図2】図1のY−Y´断面図である。
【図3】本発明のSAWフィルタの一実施例のフィルタ
素子パターンを示す上面図である。
【図4】本発明のSAWフィルタの一実施例のフィルタ
構成を示す図である。
【図5】図4のAで示される回路の等価回路を示す。
【図6】本発明のSAWフィルタの一実施例の周波数変
化率の温度変化を示すグラフである。
【図7】本発明のSAWフィルタの一実施例のC2 値と
頂点温度の関係を示すグラフである。
【図8】本発明のSAWフィルタの一実施例の中心周波
数と静電容量C2 の関係を示すグラフである。
【図9】本発明のSAWフィルタの一実施例における温
度補償メカニズムを説明するための図である。
【図10】本発明のSAWフィルタの一実施例における
パッケージの素材であるセラミックの容量と温度係数の
関係を示すグラフである。
【図11】本発明のSAWフィルタの一実施例におい
て、C1 =0.6pF,C2 =2.0pFとした場合の
周波数特性を示すグラフである。
【図12】従来例のLBO基板、水晶基板又はLT基板
を用いたSAWフィルタの中心周波数の温度依存性を示
すグラフ図である。
【図13】本発明のSAWフィルタの一実施例におい
て、パッケージの内部で構成された容量があるときの温
度と中心周波数の関係を示すグラフである。
【図14】本発明のSAWフィルタの一実施例における
パッケージの内部で構成された容量と温度係数の関係を
示すグラフである。
【符号の説明】
1…フィルタ、2…グラウンドランド、3…シグナルラ
ンド、4…シグナルランド、5…グラウンドランド、6
…シグナルランド、7…グラウンドランド、8…シグナ
ルランド、9…グラウンドランド、10…側面リード、
11…側面リード、12…セラミック中間帯、13…セ
ラミックベース、13a…ベース底面、14…コバール
体、15…セラミック体、16…スルーホール、20…
フィルタ素子、21…入力端子、22…グラウンド端
子、23…電極部、24…共振部、25…グラウンド端
子、26…電極部、27…出力端子、28…共振部、2
9…グラウンド端子、30…電極部、31…出力端子、
32…共振部、33…グラウンド端子、34…電極部、
35…共振部、36…LBO単結晶基板、41…ワイヤ
ー、42…ワイヤー、43…ワイヤー、44…ワイヤ
ー、45…ワイヤー、46…ワイヤー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−202612(JP,A) 特開 平2−217006(JP,A) 実開 平4−115042(JP,U) 実公 昭48−19569(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/25 H03H 9/145 H03H 9/64

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックからなるパッケージと、 λ回転XカットしたZ軸伝搬四硼酸リチュウム単結晶基
    板表面上に形成した、一対の入力IDT群、一対の出力
    IDT群及び2つの反射器群からなる、入力部となる第
    1の2ポートの共振子型フィルタと出力部となる第2の
    2ポートの共振子型フィルタを、弾性表面波の伝搬方向
    に沿って接続部を設けて2段縦列接続して構成した、多
    重モード弾性表面波フィルタ素子とから成り、 前記多重モード弾性表面波フィルタ素子の温度係数の補
    償を行うための、前記接続部に前記出力部の一部をフィ
    ードバックする静電容量を、前記のパッケージを構成す
    る前記セラミックを所定形状とすることによって、前記
    パッケージ内に構成した多重モード弾性表面波フィルタ
    であって、 前記静電容量を、前記パッケージの電極ランドとグラウ
    ンド間の容量であるC2 と、前記パッケージ上に形成し
    た前記第2の2ポートの共振子型フィルタの前記出力部
    となるシグナルランドと前記接続部のシグナルランド間
    の容量であるC1 とから構成したことを特徴とする多重
    モード弾性表面波フィルタ。
  2. 【請求項2】請求項に記載の多重モード弾性表面波フ
    ィルタにおいて、C2 の値を、1.1〜2.4pFの範囲と したことを特
    徴とする多重モード弾性表面波フィルタ。
JP34980195A 1995-12-20 1995-12-20 多重モード弾性表面波フィルタ Expired - Lifetime JP3186560B2 (ja)

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