JP3186295B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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  • Formation Of Insulating Films (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレーナ型半導体基板
の接合が露出している表面を電界緩和して高耐圧化した
半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プレーナ型半導体装置の高耐圧化に対し
従来よりいろいろな工夫がなされている。その主なもの
は半導体基板の表面に露出している接合部周辺の空乏層
の制御であり、接合部の曲率拡大あるいは周囲をとり囲
む異導電形のガードリングの配置などによる電界緩和に
むけた方策がとられている。
【0003】半導体基板の一面に接触する主電極から、
周囲の酸化膜の上に導電膜を延長させて表面電界を緩和
する、いわゆるオーバオキサイド構造もその一つであ
り、IEEE Trans.Electron Devices ED−26.(197
9)p.1098 などにその最適化の方法が開示されている。
また、フィールドプレートとしての抵抗性薄膜を電極と
周辺のガードリング部の間に被覆させ、電極と周辺のガ
ードリング部の間にかかる電位を抵抗で分割することに
より、表面の電界緩和を実現する方法もSolid −State
Electronics.Vol.15(1972)pp.653〜657 に開示されてい
る。その抵抗性薄膜に代わってパッシベーション膜を兼
ねる半絶縁性薄膜を用いる方法もIEEE Trans. on E
lectron Devices ED−23(1976)p.826 に提示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術におい
て、抵抗性薄膜は、一般にシリコンソースを電子ビーム
で加熱して蒸発させる、いわゆる電子ビーム蒸着法によ
り成膜される。しかしこの方法では、シリコンソースが
高融点材料であるため、ソースを溶融させるときに巧み
な方法を用いないと突沸が生じ、半導体ウエーハ表面に
突起が形成されてしまう等の不具合が発生し、ウエーハ
プロセス的には問題がある。また、半絶縁性薄膜として
SIPOS (Semi-Insulating Polycrystalline-Silico
n)を用いる方法は、減圧CVD法でシラン (SiH4 ) と
亜酸化窒素 (N2 O) とをN2 雰囲気下で反応させ、一
般に600 ℃以上で形成するが、熱的な問題からAl電極形
成後の成膜は不可能で、Al電極形成前に成膜しなければ
ならないことなどの制約がある。
【0005】本発明の目的は、上述の問題を解決し、低
温で形成できる表面平滑な薄膜により表面電界緩和を行
った半導体装置およびその製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、半導体基板の第一導電形層の表面層に
選択的に形成された第二導電形領域を有し、この第二導
電形領域に主電極の一つが接触し、前記第二導電形領域
と前記第一導電形層との間の接合の前記半導体基板表面
への露出部を覆う絶縁膜上に、前記主電極に接触するフ
ィールドプレートを前記接合への逆電圧印加時の電界緩
和のために備えた半導体装置の製造方法において、混合
ガスからなる反応ガスを用いた方法により、フィールド
プレートとしてSi34 に比してSi過剰の組成を有する
窒化シリコンよりなる抵抗性薄膜を成膜し、その後Si3
4 の組成となるように前記混合ガスの割合を変えて絶
縁性薄膜を該抵抗性薄膜上に連続して成膜するものとす
る。そして、反応ガスを用いた方法が、シリコンをター
ゲツトとし、形成される窒化シリコンの組成に対応した
混合比の窒素とアルゴンの混合ガスを用いた反応性スパ
ッタ法で、途中で前記混合ガスの窒素の割合を大きくす
ることで連続して成膜するものとする。
【0007】
【作用】混合ガスからなる反応ガスを用いた方法によ
り、フィールドプレートとしてSi34よりSi過剰の組成
を有する窒化シリコンよりなる抵抗性薄膜を用いその後
Si 3 4 の組成となるように前記混合ガスの割合を変え
て絶縁性薄膜を該抵抗性薄膜上に連続して成膜すること
により、Al電極形成後の成膜ができ、フィールドプレー
トを強化できる。
【0008】
【実施例】以下、図を引用して本発明の実施例について
述べる。図1は本発明の一実施例の縦型パワーMOSF
ETを示し、一面側に抵抗率0.01ΩcmのN+ ドレイン層
2の隣接する抵抗率120 ΩcmのN- シリコン層1の表面
層には、抵抗率10ΩcmのP領域3が選択的に形成され、
その表面層に抵抗率0.01ΩcmのN+ ソース領域4が選択
的に形成されている。そして、N+ ソース領域4とN-
層1の露出部にはさまれたP領域3の上からN- 層1の
露出面上にかけて酸化膜5を介してゲート端子Gに接続
されたゲート電極6が設置されている。また、N+ ソー
ス領域4とP領域3にはAlよりなるソース電極7が共通
に接触してソース端子Sに接続され、N+ ドレイン層2
にはTi/Ni/Agの積層よりなるドレイン電極8が接触し
てドレイン端子Dに接続されている。さらに、シリコン
基板の上面全面が、下層が抵抗率5×104 Ωcmで0.5μ
mの厚さの抵抗性薄膜11、上層が抵抗率3×106 Ωcmで
0.5μmの厚さの絶縁性薄膜12であるトータル1μmの
厚さの窒化シリコン膜で覆われている。抵抗性薄膜11
は、P領域3に接触するソース電極7とドレイン層2に
接触するドレイン電極8の間に逆電圧が印加されたと
き、N- 層1の端部の表面層に形成され、低抵抗の基板
端面を介してドレイン電極8の電位と等電位に固定され
るN+ 領域9とP領域3との間にかかる電位を分割する
フィールドプレートとしての働きをする。また、絶縁性
薄膜12は表面保護膜としての働きをする。なお、窒化シ
リコン膜11、12には、ゲート電極6、ソース電極7の端
子G、Sの接続のためのボンディング部の窓をフォトエ
ッチングにより明けられている。
【0009】抵抗性薄膜11および絶縁性薄膜12は、窒素
とアルゴンの混合ガスを反応ガスとし、シリコンターゲ
ツトを用いた直流マグネトロンスパッタ法により成膜す
る。この時の直流電力は2.5KW、全ガス圧は0.27Pa、
基板温度は150 ℃である。窒化シリコンの抵抗率の調整
は図2に示すように反応ガスの窒素とアルゴンの混合比
R=N2 /( N2 +Ar) を調整することによって行われ
る。すなわち、抵抗性薄膜11成膜時にはR=0.2とし、
絶縁性薄膜12成膜時にはR=0.6とした。図2からわか
るように、R=0.2のときはN/Siが1.0より小さく、
Si3 4 に比してSiが過剰であるのに対し、R=0.6の
ときはほぼSi3 4 の組成をもち、絶縁性である。
【0010】図3は、図1に示したMOSFETのほ
か、比較のために窒化シリコン膜11、12で覆わなかった
MOSFET、R=0.6で成膜した絶縁性薄膜12のみで
覆ったMOSFETならびにR=0.2で成膜した抵抗性
薄膜11のみで覆ったMOSFETの逆特性を示したもの
である。これにより本発明の効果が立証されている。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、半導体装置のフィール
ドプレートとしての抵抗性薄膜をSi34 に対してSi過
剰の窒化シリコンにより形成することにより、反応性ス
パッタ法による低温プロセスでの成膜が可能になり、最
終工程でフィールドプレート形成ができるため、例えば
その工程前に耐圧のモニタリングをしておけば、耐圧不
良の発生した場合の発生工程を容易に確認することがで
きるようになった。また、化学量論的組成をもつ絶縁性
窒化シリコン薄膜を抵抗性薄膜の上に連続的に形成でき
るため、高耐圧化のためのフィールド形成と最終保護の
ためのパッシベーション膜の形成の双方を容易に行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の縦型MOSFETの断面図
【図2】窒化シリコン膜の抵抗率および原子数比と反応
性スパッタ法の反応ガスの組成との関係曲線図
【図3】本発明の実施例および比較例の縦型MOSFE
Tの逆特性線図
【符号の説明】
1 N- 層 2 N+ ドレイン層 3 P領域 4 N+ ソース領域 5 酸化膜 6 ゲート電極 7 ソース電極 8 ドレイン電極 9 N+ 領域 11 抵抗性窒化シリコン薄膜 12 絶縁性窒化シリコン薄膜
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/78 H01L 21/316 H01L 21/334 - 21/336 H01L 29/06 H01L 29/74 - 29/747

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板の第一導電形層の表面層に選択
    的に形成された第二導電形領域を有し、この第二導電形
    領域に主電極の一つが接触し、前記第二導電形領域と前
    記第一導電形層との間の接合の前記半導体基板表面への
    露出部を覆う絶縁膜上に、前記主電極に接触するフィー
    ルドプレートを前記接合への逆電圧印加時の電界緩和の
    ために備えた半導体装置の製造方法において、混合ガス
    からなる反応ガスを用いた方法により、フィールドプレ
    ートとしてSi34 に比してSi過剰の組成を有する窒化
    シリコンよりなる抵抗性薄膜を成膜し、その後Si34
    組成となるように前記混合ガスの割合を変えて絶縁性薄
    膜を該抵抗性薄膜上に連続して成膜することを特徴とす
    る半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】前記反応ガスを用いた方法が、シリコンを
    ターゲツトとし、形成される窒化シリコンの組成に対応
    した混合比の窒素とアルゴンの混合ガスを用いた反応性
    スパッタ法で、途中で前記混合ガスの窒素の割合を大き
    くすることで連続して成膜することを特徴とする請求項
    1記載の半導体装置の製造方法。
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JP2019145616A (ja) * 2018-02-19 2019-08-29 株式会社東芝 半導体装置
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