JP3186262U - ワイヤ連結釘 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤと釘との溶接強度を十分に大きくするとともに、縦リブによる釘の回転阻止作用とスクリュー部の締結作用およびスクリュー部における逆目の係止リブによる引抜方向への係止作用とによって、打ち込まれた木材等における釘の保持力を十分に高めることができるワイヤ連結釘を提供する。
【解決手段】釘10の軸部3外周であって、抵抗溶接した溶接部の位置には、軸部3の軸線方向に沿うように複数本の縦リブ4cを設け、この縦リブ4cに、二本の各ワイヤ8の外面をそれぞれ溶接し、スクリューの山の頂部に、軸部3の引抜き方向に逆目となる複数の係止リブをリング加工した。
【選択図】図2

Description

本考案は、釘打ち機によって木材等に多数の釘を能率よく打ち込むためのワイヤ連結釘に関し、特に、釘の引抜耐力を高め、しかも釘とワイヤとの溶接部の信頼性を高めたワイヤ連結釘に関する。
従来のワイヤ連結体としてスクリュー釘の軸線方向の一部に軸線に直交するリング加工によって、その軸線方向に互いに離間して多数のリングを形成し、そのリングを引抜方向に逆目となる係止リブ(係止歯)とし、そこに二本のワイヤをそれぞれ溶接して、ワイヤ溶接部の強度を高めたものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、別のワイヤ連結体として、釘の全長にスクリュー部を設け、そのスクリュー部の突出条に二本のワイヤを溶接するものが示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、軸部の一端に頭部を有し、他端に鋭利な先端部を有する釘の軸部の外周に、4条ネジ〜5条ネジからなるスクリュー部を設け、その軸部の上下に離間して、そのスクリュー部の存在しない断面円形部を形成し、その断面円形部においてのみワイヤと接触させ、その接触部で溶接したワイヤ連結釘も市販されている。これによれば接触部における溶接強度を確保できる。
実用新案登録第3147209号公報 実用新案登録第3116910号公報
しかしながら、特許文献1に記載のワイヤ連結釘は、その軸部の2箇所に多数のリングを設け、そのリング部でワイヤと抵抗溶接により溶接したものであり、この連結釘のワイヤと釘との溶接強度は極めて高いものの、釘の打込みに際して、各リング部間の谷部に応力が集中し、その応力集中部分は曲げに対して弱く、その部分で座屈したり、折れたりするという問題があった。
また、特許文献2のようにスクリュー釘における螺旋リブ部分に直接ワイヤを溶接した場合、溶接部の溶接強度が極めて弱いか、溶接できないことが多い。なお、このスクリュー釘は、線材の外周を転造によって成形したものである。
このようなスクリュー釘の軸部を二本のワイヤに、抵抗溶接すると、それが一方のワイヤで理想的な溶接部を構成したとしても、螺旋状のリブのため、他方のワイヤでは、リブを外れ、溶接が不完全になる。また、リブとワイヤとの溶接長さも短く、結果として溶接強度が小さくなる。
また、断面円形部にワイヤが溶接されている市販のワイヤ連結釘は、ワイヤ連結釘を釘打ち機のマガジンに収納し、釘打ち機のトリガーを引くとワイヤが釘から分離し、釘打ち機を使用する作業者側に飛び跳ねる欠点がある。これは、釘とワイヤとの溶接強度が弱いことに基づく。最も弱い場合には、釘打ち機から釘が飛び出した瞬間にワイヤが分離する。これは連結釘が釘打ち機から飛び出すとき、先ずワイヤが連結釘間で切断される。その切断のための外力がワイヤに加わったとき、溶接部が分離するものである。
さらに、釘打ち機から連結釘が発射されたとき、この連結釘にワイヤが存在していても、それが合板等の木材に打ち込まれるとき、合板との抵抗によりワイヤが連結釘から分離する場合もある。何れの場合にも溶接強度が十分でないからである。これは、溶接の際、溶接部が広がると溶接電流が各部に分散し、金属の溶融に十分な溶接熱が発生しないからと、推測される。
本考案は前述のような従来の問題点を解消するものであり、その目的とするところは、電流密度を大きくすると共に、発熱が釘側に逃げることを可及的に防止することで、ワイヤと釘との溶接強度を十分に大きくすることができるとともに、釘に引抜力が作用した場合に、縦リブによる釘の回転阻止作用とスクリュー部における逆目の係止リブによる引抜方向への係止作用とによって、打ち込まれた木材等の対象物における釘の保持力を十分に高め、この釘の引抜方向への浮上を確実に防止できるワイヤ連結釘を提供することにある。
前記目的達成のために、本考案にかかるワイヤ連結釘は、定間隔に並列された多数の釘の各軸部が、その軸線方向に離間した2箇所で、その釘に交差する二本のワイヤにそれぞれ溶接により、互いに連結されたワイヤ連結釘において、
釘の軸部に、螺旋状のスクリュー部と、軸部の軸線方向に沿って半径方向の外方に突設する複数の縦リブとが形成され、該縦リブはスクリュー部とスクリュー部との間に位置し2箇所に設けられ、該縦リブに二本のワイヤの外面がそれぞれ溶接され、
前記スクリュー部の外周部となる山の頂部には、釘の引抜方向に逆目となる複数の係止リブがリング加工によって設けられていることを特徴とする。
この構成により、ワイヤ連結釘は釘の縦リブに二本の各ワイヤの外面がそれぞれ溶接されるので、その縦リブの位置にのみ溶接電流が集中して、金属を集中的に溶融して、確実な溶接部を形成できる。これは、円形部で溶接される通常の連結釘に比べて、溶接の電流密度が高くなり、溶接部をより高温に維持して、釘およびワイヤの溶融を促し、溶接部の信頼性を向上できるものとなる。また、これは釘の外面に突出する縦リブの存在により、溶接熱が釘側に逃げにくくなるからでもある。それにより連結釘を木材に打ち込むとき、ワイヤが分離して飛び跳ねることを防止し、安全性の高いワイヤ連結釘を提供できる。
また、前記スクリュー部は、釘打ち対象物への釘の打ち込み時に、スクリュー部によって回転が与えられつつ進入する。ここで、スクリュー部上にリング加工された係止リブは打ち込み方向には順目となり、釘の打ち込みはスムースとなるが、引抜方向にはスクリューと係止リブとによって、スクリュー部による締結力と引抜方向に逆目となる係止リブの引抜に対する抵抗力が発揮され、釘の引抜耐力が極めて高いものとなる。従って、仮に打ち込んだ釘に引抜方向の力が作用したり、釘打ちした対象物、例えばパレットに振動が加わったりした場合でも、引抜方向への大きな抵抗力によって釘打ちしたパレットの上面から釘の頭部が浮上することもない。
また、本考案にかかるワイヤ連結釘は、前記軸部が全長に亘り先端部に向って外径が小さくなるように形成されていることを特徴とする。この構成により、連結釘を木材等の対象物に打ち込む際に、この連結釘の先端部から例えば木材の繊維間を縫うように滑らかにかつ速やかに進入し、打ち込み後は連結釘の全体にその繊維等からの大きな摩擦抵抗および密着力を及ばしめて、木材内に釘を安定的に保持させることができる。このため釘の引抜力に対する抵抗力を増大させることができる。
また、本考案にかかるワイヤ連結釘は、前記釘の軸部に、前記縦リブと縦溝とが交互に配置され、前記各ワイヤは、それぞれ複数の前記縦リブに溶接されていることを特徴とする。この構成により、周方向に離間した少なくとも二つの縦リブの位置に溶接電流が集中し、この位置が溶融するとともに、溶接長さが長くなり、確実な溶接部を形成することができる。
さらに、本考案にかかるワイヤ連結釘は、前記縦リブが、軸の頭部方向における端部がその軸部外周に対し緩やかに連続する円弧面を有し、その軸の先端部方向における端部がその軸部外周に対し略直交する方向に切れ落ちた切り落とし面をなすことを特徴とする。この構成により、軸部外周と切れ落とし面とが連続する部位の応力集中部を中心として、この応力集中部より下方の軸部に折り曲げ操作力を加えることで、軸部をL字状に折り曲げたりあるいは切断したりすることができる。これにより釘の先端部が不用意に人の手や足に突き刺さるなどの事故を未然に回避することができる。
本考案によれば、ワイヤと釘との溶接強度を十分に高めることができるとともに、釘に引抜力が作用した場合に、縦リブによる釘の回転阻止とスクリュー部の締結力およびスクリュー部における逆目の係止リブ(係止歯)による引抜抵抗力とによって、打ち込まれた木材等の対象物における連結釘の保持力を十分に高め、対象物表面からの浮上を確実に防止可能にすることができる。
以上、本考案について簡潔に説明した。更に、以下に本考案を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して、詳細に説明する。
本考案の実施形態によるワイヤ連結釘の釘を示す正面図である。 本考案の実施形態によるワイヤ連結釘を示す斜視図である。 本考案の実施形態によるワイヤ連結釘の製造工程を示す説明図である。 本考案の釘の軸部とワイヤとの溶接部の詳細を示す説明図である。 本考案の釘の軸部とこの軸部が打ち込まれている板との関係を示す説明図である。 縦リブ部分を拡大して示す要部の正面図である。 別の実施形態の縦リブを、図6X−X線断面に対応して示す要部の断面図である。
以下、本考案の実施の形態にかかるワイヤ連結釘を、図1乃至図7を参照して詳細に説明する。
図1は本実施の形態にかかるワイヤ連結釘を構成する釘の正面図、図2は本実施の形態にかかるワイヤ連結釘の一部を示す斜視図である。図1において、釘10は、頭部1、軸部3および尖鋭の先端部2で構成されている。頭部1の形状は、従来公知のものを採用でき、特に制限はないが、本例では軸部3に連続する顎部1cを除き、周面1bからフラットな上面1aにかけて滑らかに連続する円弧面に形成されている。このような頭部1の形状とすると、パレットを構成する木材の板である釘打ち対象物に打ち込んだ釘10が、その釘打ち対象物の振動その他の原因で、万一、釘打ち対象物の表面から浮上した場合でも、その釘の頭部1が周面1bからフラットな上面1aにかけて滑らかな円弧面であるために、釘打ち対象物上に載置した運搬物等の底面に損傷を与えることがないので好ましい。
また、尖鋭の先端部2の形状は、従来公知のものが採用でき、特に限定されるものではない。例えば、ダイヤモンドポイト、チゼルポイント(ノミ先)およびポイントレス等を挙げることができる。
また、前記軸部3の外周面には、頭部1下部の所定領域3aを除いて、縦リブ部4およびスクリュー部5が交互に設けられている。これらのうち縦リブ部4は軸部3の軸線に沿って縦リブ4c(図6参照)を平行に形成したものからなり、その縦リブ4cにワイヤ8が抵抗溶接(電気溶接)により接合され、各釘10がそのワイヤ8で連結される(図2参照)。また、各縦リブ部4はスクリュー部5に比べて軸方向の長さが短か目であり、釘10の木材等への打ち込みをスムースにするほか、打ち込まれた釘10の回転を規制する。
スクリュー部5は、図示のように、例えば、上部にあるものが2条、下部にあるものが3条ずつ設けられたスクリュー6と、これらのスクリュー6の山の部分に、釘10の引抜方向に逆目となる係止リブ7とからなる。この係止リブ7は、上端に向けて漸次拡がるテーパ周面と、このテーパ周面の上端から軸部3の軸心に直角または鋭角に向かう段部とで形成され、これが複数列設されて係止リブ7となっている。従って、係止リブ7は、釘10の引抜方向には前記段部が釘打ち対象物に係止される引抜抵抗として作用する、いわゆる逆目となり、一方、打ち込み方向には、前記テーパ周面により打ち込み対象物(例えば、木材の繊維)による障害はなく進入を許容する、いわゆる順目となる。
スクリュー部5はスクリュー加工され、スクリュー6の山の部分に引抜方向に逆目となる係止リブ7が複数リング加工されて形成されている。本例のスクリュー部5は、先に、係止リブ7を軸部3の周囲に複数列設し、その上にスクリュー加工を施してスクリュー6を形成する方法のほか、スクリュー6を先に形成した後に、このスクリュー6の山の部分に係止リブ7をリング加工する方法で形成してもよい。
スクリュー6のリード角、山と山の間隔、スクリュー6の谷の底部の間隔(幅)およびスクリュー6の山の高さ等は、使用する釘打ち対象物によって適宜選択する。例えば、スクリュー6のリード角度を大きく(鋭角に)すると打ち込み易くなり、リード角度を小さく(鈍角に)すると引抜耐力を大きくすることができる。
この結果、前記釘10によれば、釘打ち対象物への打ち込み時には、スクリュー6によって回転が与えられつつ進入するし、リング加工された係止リブ7は、打ち込み方向には順目となり進入を許容するので、打ち込みは容易となるが、引抜方向にはスクリュー6による締結力と引抜方向に逆目となる係止リブ7の引抜に対する抵抗力が発揮され、釘10の引抜耐力が高いものとなる。従って、打ち込んだ釘10に引抜方向の力が作用したり、釘打ち対象物、例えばパレットに振動が加わったりした場合でも、引抜方向への前記抵抗力によって釘10が釘打対象物から浮上することはない。
次に、釘10を並列したワイヤ連結釘について、図2を参照して説明する。このワイヤ連結釘は複数本の釘10を溶接(例えば、電気抵抗溶接)によって金属線(ワイヤ)8に並列保持させた構成である。
釘10は、前述のような頭部1、軸部3および尖鋭の先端部2を有し、軸部3に縦リブ部4と、引抜方向に逆目となる係止リブ7がリング加工されたスクリュー部5とを有する。この釘10は、軸部3の中間に所定間隔をおいて2ヶ所に縦リブ部4が設けられ、釘10は縦リブ部4において上下に平行する2本のワイヤ(金属線)8、8に溶接によって連結され、複数本が並列保持されている。ここで縦リブ部4を構成する複数本の縦リブ4cにワイヤ8を溶接して連結するのは、釘10とワイヤ8との溶接による連結を強固にするためである。
この場合において、ワイヤ8の直径は、一例として0.7mm程度である。ワイヤ8は比較的柔らかい鋼線の外周に導電性を増すためのメッキが施されている。ワイヤ8の断面は円形である。なお、釘10の軸部3の直径は、一例として、2.5mm〜3.5mm程度である。また、軸部3の縦リブ部4、スクリュー部5は、断面円形の線材の外周に転造により形成される。この例では、図4に示すように、転造によって軸部3の外周に比較的深い(0.18mm〜0.2mm程)縦溝4aと、比較的浅い(0.05mm〜0.08mm程)縦溝4bが交互に形成される。これは転造の際、深い縦溝4aが定間隔に形成されると、その両側に金属材料が移動して縦リブ4cが形成されることに基づく。そして、縦リブ4cの両側に浅い縦溝4bと深い縦溝4aが形成されるものである。浅い縦溝4bのピッチP1は短く、深い縦溝4aのピッチP2は長い。
これらの釘10とワイヤ8との溶接は、連結釘用の電気抵抗溶接機で、図3に示すように製造される。即ち、一例として直径250mm程度の釘フィーダ11の外周に、一例として中心に対して2度の間隔で多数の釘10が保持されて、それが釘フィーダ11の中心のまわりに大きく回転する。また、ワイヤフィーダ12の外周にワイヤ8が導かれ、そのワイヤフィーダ12が回転する。そしてワイヤフィーダ12と釘フィーダ11との最接近位置において、釘10の軸部3とワイヤ8とが圧接されると共に、そこで電気抵抗溶接される。即ち、ワイヤフィーダ12と釘フィーダ11との間に電位差を与えると共に、ワイヤフィーダ12および釘フィーダ11自体は冷却状態に維持する。そして釘フィーダ11とワイヤフィーダ12との再接近位置で電気抵抗溶接する。
このときワイヤ8の直径は、一例として0.79mmである。その断面積は0.49mmになる。そして、釘10およびワイヤ8が釘フィーダ11およびワイヤフィーダ12に連続的に供給され、一例として1分間に2000〜3000本のワイヤ連結釘が製造される。なお、ワイヤ8は紙面直交方向に2本互いに離間して配置され、二箇所において釘10の軸部3の縦リブ部4に溶接される。
前記連結釘の溶接部では、ワイヤ8と縦リブ部4の複数の縦リブ4cとを押圧状態に保ち、縦リブ4cの位置に電流を集中させることにより、その縦リブ4cが溶融し、滑らかな曲線を形成する。釘10の軸部3とワイヤ8との溶接長さは、ワイヤ8の軸線方向において約2mm程である。そして、軸部3とワイヤ8とが接触する部分は全て溶接される。また、溶接後は溶接部以外の位置ではワイヤ8の硬度は略一定であり、溶接部では硬度が高くなる。
こうして得られたワイヤ連結釘を釘打機に装填し、トリガーを引き、連結釘を1本ずつ空中に発射(空打ち)させる実験において、その発射の際にワイヤ8の各釘10間が切断され、その切断によりワイヤ8が分離したものは存在しないことが確かめられた。また、釘10を1本ずつ厚さ12mmの合板に発射したとき、100本のうち4本のみワイヤ8が分離したことが確かめられ、従来の100本中41本がワイヤ8から分離したものに比べてワイヤ飛びが格段に改善した。また、ワイヤ8の剥離強度も従来品に比べ5割以上高いことが確認された。
また、スクリュー部5は、スクリュー6の山の部分に引抜方向に逆目となる係止リブ7が複数リング加工されて形成されている。このため、釘打ち対象物への打ち込み時には、スクリュー6によって回転が与えられつつ進入し、リング加工された係止リブ7は、打ち込み方向には順目となり進入を許容するので、打ち込みはスムースとなる。一方、引抜方向にはスクリュー6と係止リブ7が、そのスクリュー6による締結力と係止リブ7による引抜方向の逆目とによって引抜に対する抵抗力を発揮し、釘10の引抜耐力を高くする。従って、打ち込んだ釘10に引抜方向の力が作用したり、釘打ち対象物、例えばパレットに振動が加わったりした場合でも、引抜方向への大きな抵抗力によって釘10が釘打ち対象物(例えば、パレット)から浮上することはない。
一方、前述のように構成されたパレット等は耐用年数の到来や強度劣化に伴い廃棄処理される。この場合には、釘10の先端部2がパレットを構成する木材の板などから突出した状態になることがあり、危険であり、取り扱いに注意を要する。図5は、パレットの板15に打ち込まれた釘10の先端部2が板15の外に突出した状態のものを示し、ここでは釘10における上方の縦リブ部4の下端に、板15の下面が臨んだ状態となっている。
また、この釘10は、図6および図7に示すようなリブ構造を持ち、頭部1方向の端部が軸部3の前記領域3aに対し緩やかに連続するような円弧面Pをなす。一方、先端部2方向の端部は軸部3の軸方向に対し略直交する方向に切れ落ちた切り落し面Qとなっている。この切り落し面Qと軸部3の外周面とが直交し、かつ連続する部位が後述の応力集中部Rとなっている。
前述のように廃棄処理されるパレット等の廃材は、釘10の下半部が、図5に示すように板15の下部に突出した状態となると、廃棄処理の作業中に作業者の手や足に刺さる場合があり、危険である。本実施形態では、縦リブ部4の縦リブ4cのうち頭部1方向に臨む部位を前述のように円弧面Pとし、先端部2方向に臨む部位を切り落し面Qとして、これらの連続部を応力集中部Sとしている(図7参照)。
これにより、釘10の下半部を工具を用いて、その応力集中部Rを中心として、この応力集中部Rより下方の軸部3に側方への折り曲げ操作力を加えることで、軸部3をL字状に折り曲げたり、あるいは切断したりすることができる。この場合において、円弧面Pの部分は前記折り曲げ操作による応力の集中が緩和されるので、この円弧面Pの部位では軸部3が折れ曲がることはない。そして、前述のような応力集中部Rを中心とする軸部3のL字状の折れ曲がりや前記切断によって、釘10の先端部2の板15からの大きな突出が回避される。この結果、釘10の先端部2が人の手や足に突き刺さるなどの事故を未然に回避することができる。
以上のように、本実施形態によるワイヤ連結釘は、釘10の軸部3外周であって、抵抗溶接した溶接部の位置に、軸部3の軸線方向に沿うように複数本の縦リブ4cが形成され、その縦リブ4cに、二本の各ワイヤ8の外面がそれぞれ溶接され、スクリュー部5の山の頂部に、前記軸部3の引抜方向に逆目となる複数の係止リブ7がリング加工によって設けられた構成としている。
これにより、ワイヤ連結釘は、釘10の縦リブ4cに、二本の各ワイヤ8の外面がそれぞれ溶接されたから、その縦リブ4cの位置にのみ溶接電流が集中して、金属を集中的に溶融して、確実な溶接部を形成できる。これは、円形部で溶接される通常の釘に比べて、溶接の電流密度が高くなり、溶接部をより高温に維持して、釘10およびワイヤ8の溶融を促し、溶接部の信頼性を向上できるものとなる。これは釘10の外面に突出する縦リブ4cの存在により、溶接熱が釘10側に逃げにくくなることによる。また前記確実な溶接によって、釘10を木材に打ち込むとき、ワイヤ8が分離して飛び跳ねることを防止できる。
また、前記スクリュー部5は、釘打ち対象物への打ち込み時に、スクリュー6によって回転が与えられつつ進入し、リング加工された係止リブ7は打ち込み方向には順目となり進入を許容するので、打ち込みは容易となるが、引抜方向にはスクリュー6による締結力と引抜方向に逆目となる係止リブ7の引抜に対する抵抗力が発揮され、釘10の引抜耐力が高いものとなる。
この場合において、軸部3を全長に亘り頭部1とは反対側の端部に向って外径が小さくなるように形成することで、釘10を木材等の対象物に打ち込む際に、この釘10をこれの先端部2から木材の繊維間を縫うように滑らかにかつ速やかに進入させることができる。また、釘10の軸部3に、図4に示すように前記縦リブ4cと縦溝4a、4bとを交互に配置し、各ワイヤ8を、それぞれ複数の縦リブ4cに溶接したことで、周方向に離間した少なくとも二つの縦リブ4cの位置で、溶接電流を集中させて金属を溶融させ、その溶接長さを長くして確実な溶接部を形成できる。
また、前記縦リブ部4に代えて、図6および図7に示すような縦リブ部4を用いることもできる。この縦リブ部4は、各縦リブ4cが頭部1方向における端部に、軸部3の外周に対し緩やかに連続する円弧面Pを有し、その軸部3の先端部2方向における端部に、その軸部3外周に対し略直交する方向に切れ落ちた切れ落とし面Qを有し、軸部3外周と切れ落とし面Qとが連続する部位に応力集中部Rを有する。そこで、釘10の下半部を工具を用いて、その応力集中部Rを中心として、この応力集中部Rより下方の軸部3に折り曲げ操作力を加えることで、軸部3をL字状に折り曲げたりあるいは切断(破断)したりすることができる。これにより板15などから突出した釘10の先端部2が、人の手や足に突き刺さるなどの事故を未然に回避することができる。
本考案のワイヤ連結釘は、ワイヤと釘との溶接強度を十分に大きくすることができるとともに、釘に引抜力が作用した場合に、縦リブによる釘の回転阻止とスクリューの締結力およびスクリュー上の逆目の係止リブによる引抜抵抗力とによって、打ち込まれた木材等の釘打ち対象物における釘の保持力を十分に高めるという効果を有し、釘打ち機によって木材等に多数の釘を能率よく打ち込むためのワイヤ連結釘等に有用である。
1 頭部
2 先端部
3 軸部
4 縦リブ部
4a、4b 縦溝
4c 縦リブ
5 スクリュー部
6 スクリュー
7 係止リブ
8 ワイヤ
10 釘
11 釘フィーダ
12 ワイヤフィーダ
P 円弧面
Q 切り落し面
R 応力集中部

Claims (4)

  1. 定間隔に並列された多数の釘の各軸部が、その軸線方向に離間した2箇所で、その釘に交差する二本のワイヤにそれぞれ溶接により、互いに連結されたワイヤ連結釘において、
    釘の軸部に、螺旋状のスクリュー部と、軸部の軸線方向に沿って半径方向の外方に突設する複数の縦リブとが形成され、該縦リブはスクリュー部とスクリュー部との間に位置し2箇所に設けられ、該縦リブに二本のワイヤの外面がそれぞれ溶接され、
    前記スクリュー部の外周部となる山の頂部には、釘の引抜方向に逆目となる複数の係止リブがリング加工によって設けられていることを特徴とするワイヤ連結釘。
  2. 前記軸部が全長に亘り先端部に向って外径が小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載のワイヤ連結釘。
  3. 前記釘の軸部には、前記縦リブと縦溝とが交互に配置され、前記各ワイヤは、それぞれ複数の前記縦リブに溶接されていることを特徴とする請求項1記載のワイヤ連結釘。
  4. 前記縦リブは、軸の頭部方向における端部がその軸部外周に対し緩やかに連続する円弧面を有し、その軸の先端部方向における端部がその軸部外周に対し略直交する方向に切れ落ちた切れ落とし面をなすことを特徴とする請求項1記載のワイヤ連結釘。
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