JP3185651U - 着ぐるみの構造 - Google Patents

Abstract

【課題】地方・地域のマスコット，漫画などのヒーロー，キャラクターその他多くの着ぐるみにおいて、手軽且つ廉価にて素早く大量に制作できる着ぐるみの構造を提供する。
【解決手段】一人が中に入って着用することができる大きさで、人物，動物等の多くのデザインキャラクターのいずれかひとつのデザインキャラクターであって、少なくとも頭部，胴部のある着ぐるみをパーソナルコンピュータを用いて平面展開形に作られた型紙を用い、型紙に合わせた合成樹脂発泡体の裁断片Ｍ１、Ｍｎ、Ｍｘの接合にて形成し、着ぐるみの外表を表装材の装着により表装するようにしたことを特徴とする。
【選択図】図４

Description

この考案は、同一または各別の着ぐるみを廉価にて素早く且つ大量を制作することを可能とする着ぐるみの構造に関するものである。

この種の着ぐるみの一例として実開平５−３３７８１号公報がある。該公報は送風器によって着ぐるみ内に外気を送気して涼しく着用することができるようにしたことを記載している。

しかしながら、着ぐるみの多くは発泡スチロール等の立方体を電熱線などを用いて荒削りした後、サンドペーパーなどにて磨いて先づ原型を作り、この原型に暖めたポリエチレン片を順次並べるなどして押し当て、その冷却を待ってポリエチレン片を剥がしとって、並べつなぎして中空の着ぐるみ本体を作りその外表に着色等した綿入り布などを縫着して着ぐるみを制作するようにしている。

実開平５−３３７８１号公報

このようにして制作される着ぐるみは削り加工による原型の作りに高度の熟練と多くの日時を要すことで、着ぐるみの制作の着手から完成までが長くなって予定した納期に納めることができないという課題がしばしば生じている。

また、削り加工にてなる原型は、欠け，割れなどの損傷が生じやすいことで反複使用することができず、一体の原型にて多数の着ぐるみを制作することができないという課題がある。このようにして着ぐるみの制作コストは著しく高価になっているという課題がある。

さらに着ぐるみ本体を形成するポリエチレン片は硬く加工が難しいため、眼孔，通気穴などの後加工が容易でないという課題があり、さらには重いことで着用者に苦痛を与えているという課題がある。

本考案はパーソナルコンピュータにより出力する着ぐるみ像のデザインと該デザイン像の採寸データと、該採寸データにより作成する平面展開形の型紙と、該型紙に合わせて裁断する合成樹脂発泡体の裁断片と、該裁断片を出力するデザイン像どおりに接合して成形する着ぐるみ本体と、着ぐるみ本体に装着する表装材をもって大小の着ぐるみを形成することを特徴とする着ぐるみの構造であって、パーソナルコンピュータの画像処理機能と解析，計算，計測機能を用いて着ぐるみの立体デザインと立体採寸データを出力させ、この出力をもとに原型にかわる型紙を作ることで、着ぐるみを熟練を要せずして素早く且つ大量に制作し得るようにして、かかる課題を解決したのである。

本考案はパーソナルコンピュータにより着ぐるみの立体デザインと、立体採寸データの出力により平面展開型の型紙を得るようにしたことで、着ぐるみを熟練を要せずして素早く制作することができることになるという効果を生ずる。

型紙は反複使用が可能なため、着ぐるみを２体以上の多数において制作することができることになるという効果を生ずる。

着ぐるみ本体をＥＶＡ発泡体にて制作することにより、着ぐるみが軽く、穴明けなどの後加工も容易になるという効果を生ずる。

着ぐるみの制作日数が短縮されることで着ぐるみの制作費を大幅にコストダウンすることができ、納期遅れが生じなくなるという効果を生ずる

着ぐるみが軽く柔らかいことで、輸送，保管等も容易になるという効果を生ずる。

着ぐるみの表装材につける文字，図形などは宣伝効果が抜群に優れるという効果を生ずる。

パーソナルコンピュータにてデザインした立体像を示す正面図 部分別の立体採寸データの出力図 （ａ）は立体採寸データにより形成した型紙の正面図、（ｂ）は型紙にて裁断した裁断片の斜視図 （ａ）は裁断片を接合しつつある状態を示す斜視図、（ｂ）は成形した着ぐるみ本体の斜視図 表装材を貼りつけて完成した着ぐるみを示す斜視図 着ぐるみの表装材に広告を附した正面図

本考案はパーソナルコンピュータにて着ぐるみの立体像をデザインするとともに立体採寸データを出力させて平面展開形の型紙を作成し、この型紙を用いて合成樹脂発泡体により立体裁断片を作り、デザインの出力どおりの接合と、表装材の表面装着にて着ぐるみを制作する。

合成樹脂発泡体として本考案はＥＶＡ（ethylene vinyl acetate copolymer／エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂）発泡体を採用したのである。この発泡体は柔軟で軽く、常温にて曲げ，穴明け加工がしやすいという特性がある。

図１乃至図５は本考案の第１実施例であって、パーソナルコンピュータ１の３Ｄ ＣＡＤ（Computer Aided Design）システム等を用いて着ぐるみＫの立体像をデザインＤし、図２に示すようにこのデザインＤの各部分を分解し、部分別の立体採寸データＤ１にして出力して型紙Ｐ１〜Ｐｘを平面展開形にて形成する。この型紙Ｐ１〜Ｐｘを用いて１０〜１５ｍｍ厚の板状形にて提供されるＥＶＡ発泡体を用いて裁断片Ｍ１〜Ｍｘを裁断する。次いで図４（ａ）（ｂ）に示すように裁断片Ｍ１〜Ｍｘを出力する立体デザインどおりに曲げ加工などして、隣接順に速乾性のボンド・糊等にて接合して着ぐるみ本体Ｋ１を成形し、着ぐるみ本体Ｋ１の外表にキャラクターデザインの表装材Ｓを貼付け，縫合などにより装着して着ぐるみＫを制作するのである。人が中に入って着用することができる着ぐるみＫとなる。

本考案が採用するＥＶＡ発泡体は耐水性、耐湿性，耐酸性、耐アルカリ性などの耐薬品性に優れているほか、従来の着ぐるみの作成に使われているポリエチレンよりも軽く、柔軟性・弾力性が高く、ソフトな感触で冷温下でも硬くなりにくく、常温による接着性，曲げ加工特性に優れているという特長を備えている。

型紙Ｐ１〜Ｐｘを当てて型取りしたＥＶＡ発泡体の裁断片はその特性によって暖めることなしに隣接の裁断片との間で曲げ合わせるだけで自動的にデザイン出力通りの曲面を含めた立体形にて接合され、且つ接合縁面にて保形されることとなる。かくて熟練を要すことなくして着ぐるみ本体Ｋ１は素早く制作することができることとなる。

パーソナルコンピュータの出力による型紙は反複使用することができることで、多数の立体裁断片を作成することにより着ぐるみ本体Ｋ１を順次２体以上の多数において制作することができるようになる。キャラクターの異なる多くの着ぐるみも同様にして多数を素早く制作することができることになる。

なお着ぐるみ本体Ｋ１の内面に裏打ち面を形成して着ぐるみ本体Ｋ１を補強することもある。

以上のようにして制作する着ぐるみＫは、着ぐるみ本体Ｋ１を構成するＥＶＡ発泡体の軽さ，柔軟性によるソフトな感触と、曲げを含む加工特性によって個別の着ぐるみ着用者の体型などに合わせて制作することができ、また眼孔などの後加工修正も容易にできることによって視野を広く調整したり、適所に通気孔を設けることなどして着用者の負担を軽減し、長時間の着用を可能にする。

また図６に示すように着ぐるみＫの表装材Ｓに広告Ｈを附して各種の催し，イベントに参加させるときは着ぐるみの人気で広告が会場内外の人々に快く浸透することとなる。

さらに本考案の着ぐるみは、本体をＥＶＡ発泡体の採用により、例えば折り畳みと展開が自在であり、広げれば元形に復帰するので、折畳んで輸送，保管等ができてその費用を軽減することもできる。

本考案は、着ぐるみを素早く手軽に廉価にて制作提供することができ、輸送，保管も容易で、着用者の負担も軽減することで広く利用されるものである。

１はパーソナルコンピュータ
Ｄはパーソナルコンピュータによる立体像のデザイン
Ｄ１は部分別の立体採寸データ
Ｋは着ぐるみ
Ｋ１は着ぐるみ本体
Ｐ１〜Ｐｘは立体採寸データから作成する平面展開形の型紙
Ｍ１〜Ｍｘは立体裁断片
Ｓは表装材
Ｈは広告

Claims (4)

1. パーソナルコンピュータによる着ぐるみの立体デザインと採寸データの出力にて平面展開形の型紙を作成し、該型紙に合わせて樹脂発泡体等による裁断片を作り、該裁断片を出力する立体デザインどおりに接合して着ぐるみ本体を制作し、その外表に表装材を装着して着ぐるみを制作するようにしたことを特徴とする着ぐるみの構造。
2. 裁断片はＥＶＡ発泡体である請求項１に記載の着ぐるみの構造。
3. 型紙の反複使用により同一または各別の着ぐるみを２体以上の多数において制作する請求項１または２に記載の着ぐるみの構造。
4. 表装体に広告等の文字，図形をつける請求項１乃至３のいずれかに記載の着ぐるみの構造

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