JP3185153U - 金属板乾燥装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷物を乾燥炉内で効率的に乾燥して加熱の省エネルギー化を図ることができる金属板乾燥装置を提供する。
【解決手段】金属板乾燥装置10は、印刷した金属板を収容可能とし、前記金属板に加熱空気を吹き付けて乾燥可能な乾燥炉20と、前記乾燥炉20の吹出しダクト27及び吸込みダクト28に接続する循環ダクト52を取り付け、前記加熱空気を前記循環ダクト52と前記乾燥炉20内の間で循環させる循環手段50と、前記循環ダクト52に取り付けて、外気を前記乾燥炉20内に供給して炉内の湿度を調整可能な開閉ダンパー54と、を備え、前記乾燥炉20の内壁面に磁性体の被膜60を形成して、前記被膜の間で前記金属板を乾燥させることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本考案は、特に印刷された金属板を乾燥させる金属板乾燥装置に関する。
ブリキ加工印刷は、ブリキの表面に塗料を印刷した後、乾燥させている。ブリキに用いられる塗料は、一般に、有機溶剤に硬化剤と、添加剤と、塗膜の形成成分となる樹脂を溶解して、顔料等を分散・混合したものである。有機溶剤としてはトルエン、ベンゼン、ヘキサン等の有機化合物を用いている。また、樹脂としては、ポリエステル・アルキッド、アクリル・ポリイソシアネート、エポキシ・ポリアミンフェノール等の熱硬化性の高分子化合物を用いている。
印刷されたブリキを乾燥させる乾燥装置では、塗料を印刷した印刷物が収容された乾燥炉に加熱空気を供給して塗料の乾燥を行っている。一例として、乾燥炉内で加熱温度約200度、加熱時間約10分の乾燥工程を経た塗装印刷物は、塗膜が均一で、樹脂硬化性に優れ、その後の曲げ加工などの応力に対して剥れ難い性質を有している。
塗料は有機溶剤が揮発して乾燥するとともに、樹脂、顔料が硬化する。乾燥炉を通過する加熱空気は炉内で揮発した有機溶剤と混合して排気ガスとなる。乾燥炉外へ排出された排気ガスは、ガス中の有機成分を除去してから大気放出するため脱臭装置が必要となる。脱臭装置では、一般に白金(Pt)を用いた脱臭処理が行われている。
ブリキ加工印刷は、高温乾燥で行っているため、炉内で発生する揮発性有機溶剤の脱臭処理と、生成する加熱空気の省エネルギー化が課題となっており、有機溶剤の脱臭と、加熱空気の熱回収による稼動コストの低減化が望まれている。
加熱空気の省エネルギー化に関して従来の金属板乾燥装置は、次のような装置構成を採用している。図4は従来の金属板乾燥装置の構成概略を示す平面図である。図示のように、金属板乾燥装置1は、塗料が印刷された印刷物が搬送コンベア2で搬送される乾燥炉3と、加熱空気を生成して乾燥炉3へ供給する加熱バーナー4と、乾燥炉3の排気口から排出された有機溶剤を含む排気ガスを分解処理する脱臭手段5と、を備えている。乾燥炉3の排気口から排気する高温の排気ガスの量が多くなると、エネルギー効率が悪くなる。このため、従来の金属板乾燥装置1は、加熱バーナー4の吸込み口を乾燥炉3内に配置している。このような構成の加熱バーナー4は、乾燥炉3内を通過した加熱空気を吸い込み、再度加熱して排出口から乾燥炉3内へ供給して加熱空気を循環させている。これにより、一旦加熱した加熱空気をすべて排出させずに回収して再利用することができ、加熱バーナー4に必要な燃料を低減して省エネルギー化を図ることができる。
特許文献1に開示の熱風発生装置は、乾燥炉の吸込ダクトの後段に熱風発生装置の前段を接続し、乾燥炉の吹出ダクトの先端に熱風発生装置の熱交換器の循環ダクトの先端を接続した構成であり、乾燥炉を通過した加熱空気を熱風発生装置に供給して加熱している。そして加熱した加熱空気を再度乾燥炉に供給している。このような構成の熱風発生装置は、乾燥炉を通過した加熱空気を再利用することができ、加熱手段の省エネルギー化を図ることができる。
特開2001−179158号公報
従来の金属板乾燥装置は、乾燥炉へ供給する加熱空気を循環させたり、排気ガスを熱交換器で加熱空気と熱交換したりすることにより、加熱エネルギーを低減して省エネルギー化を図っている。塗料は、有機溶剤が揮発することによって乾燥する。揮発した有機溶剤は乾燥炉を通過する加熱空気と混合する。従って、乾燥装置で長時間の乾燥処理を行うと、循環する加熱空気中に含まれる揮発した有機溶剤が増加して飽和状態となる。有機溶剤が過飽和な状態になると、塗料に含まれる有機溶剤が炉内で揮発し難くなる。このため、従来の金属板乾燥装置では、加熱空気の設定温度を高くしたり、加熱空気の供給量を増やしたりして、乾燥処理を行っている。しかし、加熱温度を高くすると、塗膜の表面が先に完全に硬化してしまい、塗膜内の有機溶剤が気化せず、膜内に残留してしまう。このため塗料を完全に乾燥させることができず印刷不良となっていた。
また、加熱バーナーの加熱エネルギーが高くなり、省エネルギー化が図れなくなる。加熱温度が高くなると有機溶剤の熱膨張率が高まり体積が増加する。加熱空気の供給量が増加すると、後段の脱臭手段で処理する排気ガス量も増加することになる。
前述のように塗料の乾燥は、塗料中に含まれる有機溶剤が揮発することにより完了する。このとき、微量の樹脂も揮発する。揮発した有機溶剤及び微量の樹脂は、加熱空気と共に炉内を循環している。一方、加熱バーナーでプロパンガスを燃焼させると、二酸化炭素と水が生成する。炉内では揮発した有機溶剤と燃焼反応による水分が気化して脱水縮合反応が繰り返し行われる。このため、炉内は高温多湿化して塗料が極めて乾燥し難い環境下になる。
また、湿度の高い状態で、塗料中に含まれる有機溶剤が加熱バーナーで加熱されると、炉内の水分により加水分解されて、ヒュームやタールが生成する。このようなヒュームやタールは、乾燥処理を長時間行っていると炉内に蓄積して、冷却後に炉内、ダクトに付着してしまう。このため、炉内でヒューム、タールが固体化したヤニが印刷物に落下するとキズが生じ、ダクトに付着するとメンテナンス作業を頻繁に行わなければならない。
本考案が解決しようとする課題は、上記問題点に鑑み、印刷物を乾燥炉内で効率的に乾燥して加熱の省エネルギー化を図ることができる金属板乾燥装置を提供することを目的としている。
本考案は、上記の課題を解決するための第1の手段として、印刷した金属板を収容可能とし、前記金属板に加熱空気を吹き付けて乾燥可能な乾燥炉と、前記乾燥炉の吹出しダクト及び吸込みダクトに接続する循環ダクトを取り付けて、前記加熱空気を前記循環ダクトと前記乾燥炉内の間で循環させる循環手段と、前記循環ダクトに取り付けて、外気を前記乾燥炉内に供給して炉内の湿度を調整可能な開閉ダンパーと、を備え、前記乾燥炉の内壁面に磁性体の被膜を形成して、前記被膜の間で前記金属板を乾燥させることを特徴とする金属板乾燥装置を提供することにある。
本考案は、上記の課題を解決するための第2の手段として、上記第1の解決手段において、前記乾燥炉は、排気ダクトに炉内で発生した有機溶剤を分解するオゾンを発生する紫外線照射手段を備えたことを特徴とする金属板乾燥装置を提供することにある。
本考案によれば、上記のように、内壁面に磁性体の被膜を形成した乾燥炉内で揮発した有機溶剤を磁界によってナノ粒子化して分解している。また、乾燥炉内に外気を供給して炉内の湿度を調整している。このため、炉内は揮発性有機溶剤の過飽和状態となることがない。揮発した有機溶剤と燃焼反応により発生する水が脱水縮合反応を起こすことがない。また、加熱空気の設定温度を高くする必要がなく、炉内が高温多湿状態となることがない。従って、塗膜内部の有機溶剤を完全に揮発させて効率的に塗料を乾燥させることができる。また、従来の高温多湿型の乾燥装置と比べて、加熱空気の設定温度を高くする必要がなく、加熱空気の供給量も減らすことができるので、加熱手段の省エネルギー化を図ることができる。
また、加熱空気の設定温度を高くする必要がないため、揮発した有機溶剤の加熱による熱膨張率が小さくなり、供給する加熱空気も少なくなることから、排気ガスの発生量が低減される。従って、脱臭手段で処理する排気ガス量が少なくなり、コストの低減化を図ることができる。また、排気ガス中に含まれる有機溶剤は希薄なため、紫外線照射による脱臭手段のラジカル分解反応によっても十分に有機溶剤を脱臭分解することができる。
加熱空気の温度を設定温度よりも上げずに乾燥させて、揮発した有機溶剤をナノ粒子化して分解している。このため、ヒュームやタールの発生を抑制することができる。また、炉内の揮発性有機溶剤は希薄なため加水分解で生成する炭化物の発生を抑制することができる。これにより、乾燥炉、脱臭手段のメンテナンス管理が煩雑となることがない。
有機溶剤を分解するオゾンを発生する紫外線照射手段を備えたことにより、従来の高価なレアメタルとなるリチウム、白金(Pt)を触媒として用いる必要がなくなる。また、従来加熱によって、トルエンなどの揮発性有機溶剤を加熱温度約300℃で分解処理していた方法に比べて、加熱エネルギーを用いる必要がなくなり脱臭処理のメンテナンスコストの大幅な低コスト化を図ることができる。
本考案の金属板乾燥装置の構成概略を示す説明図である。 変形例の金属板乾燥装置の構成概略を示す説明図である。 脱臭手段に紫外線照射ランプを用いた分解反応のグラフである。 従来の金属板乾燥装置の構成概略を示す説明図である。
本考案の金属板乾燥装置の実施形態を添付の図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
図1は、本考案の金属板乾燥装置の構成概略を示す説明図である。図示のように、本考案の金属板乾燥装置10は、塗料が印刷された印刷物を収容する乾燥炉20と、乾燥炉20の加熱空気を循環させる循環手段50と、加熱空気を生成して乾燥炉20に供給する加熱手段30と、乾燥炉20内で発生した排気ガスを分解処理する脱臭手段40とを主な構成要件としている。
乾燥炉20は、内部に印刷物の搬送コンベア12を設けている。搬送コンベア12は、コンベア上の印刷物を設定速度で炉内を移動することができるように制御されている。設定速度は印刷物の加熱時間に応じて任意に調整している。この搬送コンベア12を覆うようにケーシング本体22が形成されている。ケーシング本体22は、搬送コンベア12の長手方向に沿って形成されており、コンベア供給口24とコンベア排出口26にそれぞれ開口部が形成されている。このようなケーシング本体22により、乾燥炉20には印刷物を収容する収容空間が形成される。ケーシング本体22には、中央の搬送コンベア12を挟むように対向する吹出しダクト27と、吸込みダクト28が搬送コンベア12の長手方向に沿って形成されている。吹出しダクト27の一端には、ケーシング本体22の中央に配置された搬送コンベア12に向けて吹出し口27aを取り付けている。吹出し口27aは長手方向に沿って一定間隔に配置している。吸込みダクト28の一端には、吹出しダクト27の吹出し口27aと対向するように吸込み口28aを取り付けている。吸込み口28aは長手方向に沿って一定間隔に配置している。吹出しダクト27及び吸込みダクト28の他端には、後述する循環手段50の循環ダクト52が接続している。
乾燥炉20の内壁面には磁性体の被膜を形成している。磁性体の被膜は、微弱な磁性を帯びた膜である。本実施形態の磁性体の皮膜は一例として、酸化鉄を主成分とするセラミックスであるフェライトを乾燥炉20の内壁面(側面、吸込み口28a面及び吹出し口27a面)に吹き付けて所定の厚みを備えた膜を形成している。
循環手段50は、循環ダクト52を乾燥炉20の吹出しダクト37と吸込みダクト28に接続させて、加熱空気を乾燥炉20と循環ダクトの間で循環可能な構成としている。循環ダクト52のダクト途中には、後述する加熱手段30よりも上流側(すなわち乾燥炉20の吸込みダクト28側)に開閉ダンパー54が取り付けられている。開閉ダンパー54は、循環ダクト52のダクト内に外気を供給可能なダンパーである。本実施形態の循環手段50は、乾燥炉20のコンベア供給口24側とコンベア排出口26側の2箇所に設置している。
加熱手段30は、塗料の乾燥に必要な設定温度に空気を加熱して加熱空気を生成する加熱バーナーである。加熱手段30は、循環ダクト52のダクト途中に取り付けている。このような本実施形態の加熱手段30は、吸込み口28aから循環ダクト52へ加熱空気を吸い込んで加熱バーナーで所定温度に加熱して循環ダクト52から吹出し口27aを介して乾燥炉20内へ供給するように構成している。
脱臭手段40は、塗料に含まれる揮発した有機溶剤等の有機化合物を分解して脱臭するものである。本実施形態では脱臭手段40に白金等の触媒層と排気ファンを備えた白金触媒装置を用いている。脱臭手段40は、乾燥炉20の排気口23に接続する排気ダクト21に取り付けている。
上記構成による本考案の金属板乾燥装置を用いた金属板乾燥方法について、以下説明する。
搬送コンベア12により、塗料が印刷された金属板が乾燥炉20のコンベア供給口24から炉内に搬送される。
循環ダクト52内の空気が加熱手段30により加熱されて設定温度の加熱空気が生成される。生成した加熱空気は、循環ダクト52を介して乾燥炉20の吹出しダクト27に供給される。
吹出しダクト27の吹出し口27aから炉内へ加熱空気が供給される。炉内では、加熱空気によって印刷物が乾燥される。金属板の乾燥によって有機溶剤が揮発する。
本実施形態の乾燥炉20は内壁面に磁性体の被膜を形成している。このため、乾燥炉20内の金属板と磁性体の間で有機溶剤が帯電している。磁界中の有機溶剤は共振によってナノ粒子化する。この有機溶剤のナノ粒子化によって融点の低下に伴い低温度で自然分解が連鎖的に進行する。すなわち、揮発した有機溶剤の主成分が分子レベルで細分化されて電子のプラズマ振動に起因する帯電によって斥力が作用して有機溶剤の熱分解が促進される。
また加熱バーナーでプロパンガスを燃焼させると、二酸化炭素と水が生成する。炉内では水分が気化して飽和状態となってしまう。しかし、本実施形態の開閉ダンパー54により、循環手段50を介して乾燥炉20内へ外気を導入して所定湿度に維持している。本実施形態では炉内湿度を一例として40%以下に設定している。これにより、乾燥炉20内が多湿となることがなく、炉内で揮発した有機溶剤と燃焼反応による水分が気化して脱水縮合反応が繰り返し行われて高温多湿化して塗料が極めて乾燥し難い環境下になることがない。
このように、加熱空気は、有機溶剤が飽和した状態ではなく、従来のように加熱空気の設定温度を高めに設定する必要がない。このため、塗膜の表面が先に硬化して塗膜内部の有機溶剤が残留することなく、塗膜内部の有機溶剤が揮発して塗料を十分に乾燥させることができる。
乾燥炉20内を通過した一部の排気ガスは、吸込みダクト28の吸込み口28aから排出されて排気ダクト21へ供給している。排気ダクト21に設けた脱臭手段40により揮発した有機溶剤を含む排気ガスは、白金触媒により熱分解されて、大気中へと放出される。
炉内で乾燥した金属板は、搬送コンベア12によりコンベア排出口26から外部へ排出される。
次に、本実施形態の脱水縮合反応の検証結果について以下説明する。
1m3の電気炉内部に100ccの水を入れた容器を配置し、200度に加温した状態とする。この炉内に、塗料10μmを表面に塗布した金属板を10分間入れて塗料の乾燥処理を行った(ケース1)。その結果、炉内は脱水縮合反応により、高温多湿化した状態となる。飽和した有機溶剤と水により、塗料は熱架橋硬化できず、乾燥しなかった。
一方、1m3の電気炉内部を180度に加温した状態とする。この炉内に、塗料10μmを表面に塗布した金属板を5分間入れて塗料の乾燥処理を行った(ケース2)。この結果、ケース1と比べて、ケース2の炉内は多湿の状態ではなく、低温低湿状態となる。塗料は、熱架橋硬化して十分に乾燥させることができた。
また、1m3の電気炉に送風する空気の湿度及び温度を変化させて、金属板の表面に5μm塗布した塗料の熱硬化と塗膜の架橋重合について以下のような検討を行った。なお、電気炉内部温度を200度、炉内投入時間を10分、送風量10cm3/分で行った。
(1)送風空気の湿度90%、温度35度、炉内部温度180度、架橋硬化性:乾燥度50%。
(2)送風空気の湿度70%、温度30度、炉内部温度180度、架橋硬化性:乾燥度60%。
(3)送風空気の湿度50%、温度25度、炉内部温度180度、架橋硬化性:乾燥度70%。
(4)送風空気の湿度20%、温度5度、炉内部温度130度、架橋硬化性:乾燥度100%。
炉内に供給する加熱空気の湿度が低下すると、塗料の乾燥具合いを示す架橋硬化性の%が高くなり、乾燥が進行し易くなる結果が得られた。
このような本考案の金属板乾燥装置によれば、内壁面に磁性体の被膜を形成した乾燥炉内で揮発した有機溶剤を磁界によってナノ粒子化して分解している。また、乾燥炉内に外気を供給して炉内の湿度を調整している。このため、炉内は揮発性有機溶剤の過飽和状態となることがない。揮発した有機溶剤と燃焼反応により発生する水が脱水縮合反応を起こすことがない。また、加熱空気の設定温度を高くする必要がなく、炉内が高温多湿状態となることがない。従って、塗膜内部の有機溶剤を完全に揮発させて効率的に塗料を乾燥させることができる。また、従来の高温多湿型の乾燥装置と比べて、加熱空気の設定温度を高くする必要がなく、加熱空気の供給量も減らすことができるので、加熱手段の省エネルギー化を図ることができる。
加熱空気の温度を設定温度よりも上げずに乾燥させて、揮発した有機溶剤をナノ粒子化して分解している。このため、ヒュームやタールの発生を抑制することができる。また、炉内の揮発性有機溶剤は希薄なため加水分解で生成する炭化物の発生を抑制することができる。これにより、乾燥炉、脱臭手段のメンテナンス管理が煩雑となることがない。
次に変形例の金属板乾燥装置について、以下説明する。図2は変形例の金属板乾燥装置の構成概略を示す平面図である。変形例の金属板加熱装置10Aは、脱臭手段40Aに紫外線照射ランプを用いている。その他の構成は図1に示す金属板乾燥装置と同一の構成であり、詳細な説明を省略する。
変形例の脱臭手段40Aは、紫外線照射手段となる紫外線照射ランプ42であり、白金脱臭装置と同様に、乾燥炉20の排気口23に取り付けている。紫外線照射ランプ42は、紫外線を照射してオゾンを発生させるランプである。本実施形態の紫外線照射ランプ42は、照射波長が184nmを主波長とするランプと、照射波長が254nmを主波長とするランプを用いている。照射波長が184nmを主波長とするランプは、主に、ラジカル原子を生成し、酸素原子と反応してオゾン(O3)を生成する。生成したオゾンは、排気中の有機化合物に光酸化反応を行って、二酸化炭素(CO2)と水(H2O)が生成する。照射波長が254nmを主波長とするランプは、主に、長連鎖分子構造を短連鎖分子構造に分解して遊離基を生成する光分解(Photolysis)を行うことができる。紫外線照射ランプ42は、照射波長が184nmの放電管と、照射波長が254nmの放電管のいずれも、又は何れか一方を用いる構成としても良い。
図3は脱臭手段に紫外線照射ランプを用いた分解反応のグラフである。同グラフの縦軸は有機溶剤となるトルエンの濃度(ppm)を示し、横軸は時間(hr)をそれぞれ示している。△は照射波長254nmを主波長とする紫外線照射ランプと、リチウム触媒を用いた装置である。□は照射波長254nmを主波長とする紫外線照射ランプを用いた装置である。●は有機化合物を分解しない紫外線照射ランプを用いた装置である。○は脱臭手段を用いていない場合である。また、初期濃度は、トルエンガス(400ml)を採取し、5Lテトラパックにエアと共に充填したものを用いている。
まず、○と●はいずれも、照射波長254nmを主波長とする紫外線照射を行っていないため、トルエンは、初期濃度を維持したまま分解することがない。一方、□の照射波長254nmを主波長とする紫外線照射ランプ手段によれば、1時間以内にトルエンを1ppm以下に略分解することができた。また、△の照射波長254nmを主波長とする紫外線照射ランプとリチウム触媒を用いた装置も、1時間以内にトルエンを3ppm以下に略分解することができた。
従って、変形例の脱臭手段40Aによれば、揮発した有機溶剤を含む排気ガスの有機溶剤は希薄であり、熱膨張率も低減化し、排気ガスの発生量も少ないため、紫外線照射によるラジカル分解反応で、希薄な有機溶剤を分解して大気中に放出することができる。また、従来の高価なレアメタルとなるリチウム、白金(Pt)を触媒として用いる必要がなくなる。また、従来加熱によって、トルエンなどの揮発性有機溶剤を加熱温度約300℃で分解処理していた方法に比べて、加熱エネルギーを用いる必要がなくなり低コスト化を図ることができる。
本考案は、特に、例えば、有機溶剤を含む塗料が印刷された印刷物の乾燥に広く適用することができる。
1………金属板乾燥装置、2………搬送コンベア、3………乾燥炉、4………加熱バーナー、5………脱臭手段、10,10a………金属板乾燥装置、12………搬送コンベア、20………乾燥炉、21………排気ダクト、22………ケーシング本体、23………排気口、24………コンベア供給口、26………コンベア排出口、27………吹出しダクト、27a………吹出し口、28………吸込みダクト、28………吸込み口、30………加熱手段、40,40A………脱臭手段、42………紫外線照射ランプ、50………循環手段、52………循環ダクト、54………開閉ダンパー、60………磁性体の被膜。

Claims (2)

  1. 印刷した金属板を収容可能とし、前記金属板に加熱空気を吹き付けて乾燥可能な乾燥炉と、
    前記乾燥炉の吹出しダクト及び吸込みダクトに接続する循環ダクトを取り付けて、前記加熱空気を前記循環ダクトと前記乾燥炉内の間で循環させる循環手段と、
    前記循環ダクトに取り付けて、外気を前記乾燥炉内に供給して炉内の湿度を調整可能な開閉ダンパーと、
    を備え、
    前記乾燥炉の内壁面に磁性体の被膜を形成して、前記被膜の間で前記金属板を乾燥させることを特徴とする金属板乾燥装置。
  2. 前記乾燥炉は、排気ダクトに炉内で発生した有機溶剤を分解するオゾンを発生する紫外線照射手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の金属板乾燥装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107560400A (zh) * 2017-10-24 2018-01-09 峨眉山市万晟新材料科技有限公司 一种石膏线条烘干装置

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