JP3184306U - 整理棚および薬品棚 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易かつ安価で生活用品や薬品などを整理して収納できる整理棚や薬品棚を提供する。
【解決手段】整理棚1は、紙板よりなり複数の区画4を有する棚ユニット2と、複数の棚ユニット2を収納する外枠部材3を有し、棚ユニット2は、左右側面と底面と上面よりなる筒状部と、筒状部に接続されている背面部と、底面と上面の間に設けられる仕切部を有する折り畳み可能な部材であり、外枠部材3は前面が開放した段ボール箱である。
【選択図】図1
【解決手段】整理棚1は、紙板よりなり複数の区画4を有する棚ユニット2と、複数の棚ユニット2を収納する外枠部材3を有し、棚ユニット2は、左右側面と底面と上面よりなる筒状部と、筒状部に接続されている背面部と、底面と上面の間に設けられる仕切部を有する折り畳み可能な部材であり、外枠部材3は前面が開放した段ボール箱である。
【選択図】図1
Description
この考案は、紙を素材とした簡易な整理棚であり、小物の生活用品や薬品などを収納するのに適したものに関するものである。
生活用品や薬品など小さなものを区分して収納する整理棚は、木材、金属、合成樹脂などを素材として作られている。これらの整理棚は耐久性が高く、長期間の使用にも耐える。
また、特許文献1には、書庫内で使用することにより、書庫内の収納空間の有効利用を図るとともに、折り畳みが可能な整理棚として、方形状硬質紙体の適宜箇所を折り曲げることによりコ字型に形成された外縁部、底面部及び複数の仕切部を組み合わせて構成される整理棚が記載されている。さらに、特許文献2には、複数の縦桟とこれにかみ合う複数の横桟から整理棚を構成することが記載されている。
木材、金属、合成樹脂などを素材とした従来の整理棚は丈夫であり、長期間の使用に適している。しかし、学生の下宿や単身赴任など、短期間の生活において使用する場合、整理棚にはさほど耐久性は必要とされない。従来の整理棚は高価であり、短期の使用には過大な耐久性を有し、さらに、使用後にこのような整理棚を廃棄するのは資源の無駄である。粗大ごみとして扱われると、廃棄についても費用がかかる。したがって、短期間の使用に適した、簡易で安価で、使用後の廃棄も容易な整理棚が望まれる。
さらに、震災後の救援医療などにおいて、薬品棚の必要性が明らかになってきた。被災地においては多くの患者がいる一方で、現地の多くの医療機関の機能が失われており、外部からの救援医療が必要となる。最小限の医療を行うためであっても、相当な種類の薬剤や医療用品を持ち込む必要がある。しかし、これらの薬品等は適切に整理されていなければ調剤業務は困難であり、迅速な医療活動は行えない。
そのため、薬品等の整理に適した薬品棚が必要となるが、被災地においてはあらゆる資材が不足しており、十分な薬品棚を調達することは困難である。また、外部から薬品棚を持ち込もうにも、薬品棚は大きく重く、交通が制約されている状況では、簡単には実行できない。さらに、そもそも、余分な薬品棚をストックしている医療機関はほとんどない。そこで、災害時の救援医療に適した簡易な薬品棚が望まれる。
この考案は、簡易かつ安価で生活用品や薬品などを整理して収納できる整理棚や薬品棚を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、この考案の整理棚は、紙板よりなり複数の区画を有する棚ユニットと、複数の棚ユニットを収納する外枠部材を有し、棚ユニットは、左右側面と底面と上面よりなる筒状部と、筒状部に接続されている背面部と、底面と上面の間に設けられる仕切部を有する折り畳み可能な部材であり、外枠部材は前面が開放した段ボール箱である。
また、この考案の薬品棚は、紙板よりなり2つの区画を有する棚ユニットと、9体の棚ユニットを収納する外枠部材を有し、棚ユニットは、左右側面と底面と上面よりなる筒状部と、筒状部に接続されている背面部と、底面と上面の間に設けられる仕切部と、各区画の前方下側に形成される情報表示面とを有する折り畳み可能な部材であり、棚ユニットの各区画内には敷き板が敷かれ、その敷き板は奥側の水平面部と前側の斜面部を有し、外枠部材は前面が開放した段ボール箱である。
この考案の整理棚および薬品棚は、折り畳み可能な棚ユニットと外枠部材よりなるので、保管および輸送に便利であり、簡単に組み立てることができる。簡易な構成であり、安価であり、使用後は可燃ごみとして処分できるので、廃棄も簡単であり、環境への負荷も小さい。
この考案を実施するための形態について図面に基づいて説明する。図1は整理棚を示す斜視図である。整理棚は、紙板よりなる棚ユニット2と、複数の棚ユニット2を収納する外枠部材3を有する。図1の例では、各棚ユニット2は2つの区画4を有し、その棚ユニット2を縦横に3列ずつ配置し、計9体が外枠部材3に収納されている。
棚ユニットについて説明する。図2は整理棚の棚ユニットを示す斜視図である。棚ユニットは、左右の側面5と底面6と上面7よりなる筒状部8と、筒状部8に接続されている背面部9とを有し、ほぼ前面が開口した箱の形状である。
そして、底面6と上面7の間に設けられる仕切部10を有する。この仕切部10により、複数の区画に仕切られている。本例では、仕切部10は1つであり、各棚ユニットは2つの区画4を有する。
棚ユニット2は折り畳み可能な部材である。紙板を折り曲げおよび接着することにより作成する。図3は整理棚の棚ユニットの折り畳まれた状態を示す平面図である。背面部9は上面につながっている。この背面部9の3辺は筒状部につながっていないので、図3に示すように筒状部から開くことができる。筒状部も内部の仕切部とともに折り畳むことができる。
外枠部材3は前面が開放した段ボール箱である。すなわち、通常の段ボール箱の蓋の部分がないものである。したがって、通常の段ボール箱と同様に折り畳むことができる。図4は整理棚の外枠部材の折り畳まれた状態を示す平面図である。組み立てるときも通常の段ボール箱と同様に耳部(フラップ)11と背面部12を折り込み、背面部12の合わせ部を粘着テープで貼り合わせるだけでよい。
以上、この整理棚1は紙板および段ボールを素材とするので、安価に製造することができる。しかも、紙板や段ボールは重量の割に強度が高い。とくに本例では、棚ユニット2の左右の側壁前部および仕切り部材の前部において補強の紙板を重ねているので、上からの荷重に対しての耐久性が高い。短期間の使用に十分な耐久性を有する。
使用前において、この整理棚1は平面状に折り畳むことができるので場所を取らず、輸送も容易である。簡単に組み立てることができる。使用後も可燃性のごみとして焼却などにより容易に廃棄処分でき、環境への影響も小さい。
さらに、本考案の実施例について説明する。本考案の整理棚を薬品や小物などを収納するための薬品棚に適用した例である。図5は薬品棚を示す斜視図である。外枠部材3は図4に示す例のものを用いている。この外枠部材3の中に棚ユニット2が縦横に3列ずつ計9体組み込まれている。
図6は薬品棚の棚ユニットを示す斜視図、図7は同正面図、図8は同断面図である。1つの棚ユニット2は1つの仕切り部材10を有し、2つの区画4に仕切られている。
各区画4の前方下側には斜面が形成されており、この部分が情報表示面13となる。各区画4に収納される薬品に関する情報をこの情報表示面13に表示することができる。例えば、その薬品名を書き込んでもよく、また薬品の外箱や説明書などから薬品を示すロゴなどの部分を切り取ってこの情報表示面13に貼り付けてもよい。これにより、その区画4に収納された薬品を取り出すことなく判別できるので、多数の薬品の中から必要なものを迅速かつ正確に選別することができる。
各区画4には敷き板14が敷かれている。この敷き板14は、区画4の幅に対応した幅を有する長方形の紙板を折り曲げて形成したものである。2箇所の折り曲げにより、奥側の水平面部15と前側のなだらかな斜面部16が形成されている。
錠剤の場合、一枚のシートに所定数(例えば10錠程度)の錠剤がパックされているが、この錠剤シートを収納するのに適した奥行きになるように、水平面部15の形状を設定することが好ましい。一方、錠剤シートからいくつかの錠剤を切り離し、端数となる錠剤が残った部分シートは、斜面部16に収納するのが便利である。手前にある情報表示面13がこの端数の錠剤の落下を防止する壁面としても作用する。粉薬などの包みも、帯状のつながりから切り離されたものはこの斜面部16に収納するのが便利である。
区画4の寸法は、薬品の収納・取出しの便宜を考慮して選択されるが、被災地などでの使用を考えた場合、予め寸法を規格化しておくことが好ましい。本例では、高さは160mm、奥行きは200mmとしている。幅は使用者の手の大きさに基いて80〜100mm程度の間から選択することが好ましい。たとえば、成人男性の場合、手を軽く握った状態で区画4に差し入れるために100mm程度の幅が適している。一方、成人女性の場合だと、それよりも小さく、80〜90mmの幅でも使用できる。本例では、幅は100mmである。したがって、棚ユニット2の幅は200mmとなる。この例の薬品棚1の全体の幅と高さはそれぞれ630mmと490mmである。外枠部材3の段ボール材の厚さが5mm程度である。
図9は薬品棚の棚ユニットの折り畳まれた状態を示す平面図である。この図9では、棚ユニット2の底面部6が現れている。本例において棚ユニット2は、敷き板14および各区画前部の補強部を除いた本体部分は紙板から切り出された一枚の板材の折り曲げおよび接着によって作られている。
特に筒状部および仕切部は帯状の板材により形成される。帯状の一端は仕切部10の上端部に設けられるのり代17である。この帯状の板材は仕切部10の下端部で直角に折り曲げられ、さらに底面部の半分6a(図7では左半部)を形成し、さらに側面5a(図7では左側面)、上面7、側面5b(図7では右側面)を形成し、その側面5bの下端部で直角に折り曲げられ、底面部の他の半分6b(図7では右半部)を形成する。そして、末端にものり代18が形成されており、仕切部10の下端部付近において、底面部6の半分6aに接続される。一方、仕切部10の上端部ののり代17は、上面7の中央部に接続される。以上の構造により、本例の棚ユニットは、切出しから折り曲げ、接着にいたるまでの工程を簡単に行うことができる。さらに、包装容器を製造するような装置を流用して、作業を機械化することも容易である。
図10は薬品棚の棚ユニットの組み立てを示す斜視図である。折り畳まれた筒状部および仕切り部材は、引き起こすことにより簡単に箱の形状にすることができる。側面5の奥側には耳部19が設けられている。また、上面7の奥側には背面部9が設けられていて、その背面部9の端部にも耳部20が設けられている。背面部9および耳部19,20を折り曲げ、背面部9の耳部20に差し込めば、簡単に組み立てることができる。
また、底面6a,6bからも長方形が突出しており、2本の折り曲げ線が付けられている。そして、先端部には両面テープ21が取り付けられている。2本の折り曲げ線に沿って折り曲げると、区画4の前部には図8に示すような三角形の部分が形成され、その斜面の一つが情報表示面13となる。両面テープ21の保護テープを剥がし、その部分を底面6に接着する。
敷き板14にも2本の折り曲げ線が付けられて、折り曲げにより図8に示すような形状が形成される。これを区画4の中に挿入する。
以上、棚ユニット2は簡単に組み立てることができる。9体の棚ユニット2を外枠部材3に詰め込めば、薬品棚1が完成する。この薬品棚1を縦方向に2列、横方向に3列に並べて粘着テープなどで接続すれば、108区画を有する薬品棚ができる。100種類程度の薬剤があれば、限定的な医療活動ながら開始することができる。この薬品棚は、特別な工具や資材を必要としないので、資材が不足している被災地においても簡単に組み立てることができる。薬品等の補給が進めば、薬品棚を逐次増加することも簡単である。
また、この薬品棚1は紙板と段ボールを素材とするので、軽く、倒れても人を負傷させたり、周囲の機器を損傷させる恐れが小さい。震災後における被災地では大きな余震が続くが、この薬品棚1は安全性が高い。
使用前において、棚ユニットも外枠部材も平たく折り畳まれているので、保管が容易である。1体の外枠部材と9体分の棚ユニット(敷き板を含む)を1セットとする。図4に示す折り畳み状態では、外枠部材は縦470mm、横1100mm程度の長方形である。したがって、普通乗用車などでも簡単に積む込むことができるので、災害直後の不十分な道路状況であっても、比較的容易に輸送することができる。
救援医療の終了後は、薬品棚は被災地で引き続き使用してもらってもよい。この薬品棚は簡易なものではあるが、中期の使用に耐える程度の強度を有する。地元の医療機関の設備が十分回復するまでの間の使用には、十分である。そして、不要となれば、簡単に廃棄できる。被災地ではガレキなどの処分に多大の時間と費用を有するので、大きな資源ごみの処分は困難であるが、この薬品棚は紙を素材とするので、焼却などにより処分でき、被災地への負担は小さい。
1.整理棚(薬品棚)
2.棚ユニット
3.外枠部材
4.区画
5.側面
6.底面
7.上面
8.筒状部
9.背面
10.仕切部
11.外枠部材の耳部
12.外枠部材の底面
13.情報表示面
14.敷き板
15.水平面部
16.斜面部
17,18 のり代
19,20 耳部
2.棚ユニット
3.外枠部材
4.区画
5.側面
6.底面
7.上面
8.筒状部
9.背面
10.仕切部
11.外枠部材の耳部
12.外枠部材の底面
13.情報表示面
14.敷き板
15.水平面部
16.斜面部
17,18 のり代
19,20 耳部
Claims (2)
- 紙板よりなり複数の区画を有する棚ユニットと、複数の棚ユニットを収納する外枠部材を有し、
棚ユニットは、左右側面と底面と上面よりなる筒状部と、筒状部に接続されている背面部と、底面と上面の間に設けられる仕切部を有する折り畳み可能な部材であり、
外枠部材は前面が開放した段ボール箱である、整理棚。 - 紙板よりなり2つの区画を有する棚ユニットと、9体の棚ユニットを収納する外枠部材を有し、
棚ユニットは、左右側面と底面と上面よりなる筒状部と、筒状部に接続されている背面部と、底面と上面の間に設けられる仕切部と、各区画の前方下側に形成される情報表示面とを有する折り畳み可能な部材であり、
棚ユニットの各区画内には敷き板が敷かれ、その敷き板は奥側の水平面部と前側の斜面部を有し、
外枠部材は前面が開放した段ボール箱である、薬品棚。
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