JP3184195B2 - ワークレストの給油装置 - Google Patents

ワークレストの給油装置

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本願はワークレストの給油装置の改良に係り、集中給
油方式で給油を休止している間に、送油管路内の油が流
下するのを防止せんとするものである。
従来の技術とその問題点 機械を構成する各要素の回転部分には、自動又は人手
のいずれかの手段により給油を行なわなければならない
こと、又給油を自動的に行なう集中給油方式では、給油
部夫々の特性により、適量の油を連続的に給油する連続
給油方式と、所定の時間間隔で所定量の油を間欠的に送
って給油する間欠方式の二つの方式が採用されているこ
とも広く知られている。
ワークレスト100のように、ボデー1とボデーのカバ
ー1aとに摺接しながら前後進する腕2と、枢軸3に枢支
され枢軸3を中心して揺動する腕4の夫々にローラ5を
取付け、三個のローラ5でワークを把持して振れ止めを
行なう装置で、ボデー1と腕2との摺動部6又は枢軸3
による枢支部のように給油部7が、完全開放とは云えな
い迄も外部と連通して密封されていない場所に給油を行
ない、この摺動部6及び給油部7を経て更にローラ5の
給油部9に給油を行なう送油管路8を有し、操作性等の
問題からローラ5を上向き、即ち開放している給油部7
を下方に位置させて給油を行なう装置において連続給油
を行なうと、開放している給油部7から作業中常に油漏
れが発生するので、この油漏れ分を見込んだ大量の油を
送らなければならず、油の消費量が多くなるので連続給
油を採用することなく間欠給油方式を採用している。
間欠方式によれば連続給油方式の場合の、常に大量の
油を送らなければならない欠点は一応除かれる。然しな
がらこの方式は前記したように、所定の時間間隔を持っ
て所定量の油を送るものであるから、給油が休止してい
るインターバル間に、上記した開放状態の摺動部6及び
給油部7から送油管路8内の油が流下し、給油を行なう
場合はこの流下分を見込んで給油しなければならず、ト
ータルでは連続給油方式より油の消費は少ないが尚油の
損失は免れないばかりでなく、油が流下するので場合に
よってはローラ5がドライな状態で回転し、これ等は給
油部7の摩耗が進むにつれ漸時その傾向が大となる。油
の流下は、送油管路8の直径を可及的に細くすることに
より量を少なくすることは出来るが、加工上の問題から
自ずから限度があり満足した解決は得られていない。
問題点を解決するための手段 本願は上記従来の欠点を改良する目的において、ボデ
ーに対して前後する腕と揺動する一対の腕の夫々先端に
ローラを回転自在に備え、油供給源より、シリンダ外部
に連通し密閉されていないために油漏れを生じる、前後
進する腕とボデーの摺動部、及び揺動する腕とその腕を
枢支する枢支部とに給油を行った後、それらの摺動部及
び枢支部より上方となる各腕先端のローラに給油する送
油管路を備えているワークレストの給油装置において、
前記ローラを回動自在に嵌め込んで成る回転軸内で前記
送油管路を分岐して分岐路を設けて回転軸外周の環状溝
に開放し、その分岐路の環状溝に開放する上方側には分
岐路より大径の封入室を設け、その封入室と分岐路との
接合部分をテーパー状で上向きの閉鎖面とし、前記封入
室内には、その閉鎖面に上方から自重で密接して分岐路
を閉鎖し、油供給源からの送油により閉鎖面から押し上
げられ浮遊し、閉鎖面との間の閉鎖を開放する球状の遊
動栓体を封入して成り、この遊動栓体で送油管路を閉鎖
することにより油の流下を防止して従来の欠点を除いた
ものである。
実施例 以下本願を、実施例を示す図面により詳細に説明す
る。第2図はボデー1からカバー1aを撤去したワークレ
スト100の平面図で、ボデー1に取付けたシリンダ10の
ピストンロッド11に連接され、シリンダ10の作用により
ボデー1とカバー1aとに摺接しながら前後進を行ない、
後端部にカム板12が取付けられている腕2と、ボデー1
とカバー1a間に植設した枢軸3に枢支され、後端部に取
付けたカムフオロワ13をバネ14の付勢力により上記カム
板12に当接して、腕2の前後進により所定角度の揺動運
動を行なう腕4が設けられ、夫々の腕2,4の先端部に固
設した回転軸15にローラ5が回転自在に取付けられてい
る。上記三個のローラ5は、シリンダ10の作動による腕
2,4の前後進及び揺動運動により、第2図に実線と仮想
線で示す位置間を移動してワーク(図示なし)を把持
し、ワーク加工時の振れ止めを行なうが、ワークを工作
機(図示なし)に取付ける際の操作性が良好である等の
理由により、ワークレスト100はローラ5を上向にして
使用する頻度が極めて大である。
上記の如きワークレスト100において、腕2とボデー
1及びカバー1aとの摺接部6、腕4と枢軸3との枢支
点、更に回転軸15とローラ5との枢支点の夫々が給油部
7、9で、この内給油部7の夫々は以下の様に構成さ
れ、油漏れが発生することは従来と同様である。まず腕
2の摺接部6に給油する給油部7は、ボデー1に開口し
た給油ポート16に連なる送給管路8は、腕2の摺接部6
の両図(図面において上面側はカム板12)に相対応して
設けた楕円上の油溜17の一方に開口18し、更に他方側の
カム板12に設けた油溜17と連通するように開口19してお
り、又この送油管路8は、腕2を通って回転軸15とロー
ラ5との枢支点にある給油部9迄延設され、該給油部9
に給油を行なうようになっている。このように腕2とボ
デー1及びカバー1aとの間の給油部7は、油溜17に油を
貯めることにより給油を行ない、この部分は一応0リン
グ20によるシールは行なわれているが、摺動部6も潤滑
するために完全密封とはなっていず外気に連通している
ので、前記の如く間欠給油を行なうと、油溜17より上方
に位置する送油管路8内の油は流下する。
次に枢軸3と腕4との間の給油部7は第1図に示すよ
うに、ボデー1に開口した供給ポート21に連なる送油管
路8は枢軸3に至り、第1図において右側に折れ曲り左
右二個所で給油を行なった後、更に回転軸15に至り該給
油部9で給油を行なっている。而して上記給油部9は図
面から明らかなように、何らシールがなされておらず油
の流下は前記給油部7と同様である。
本願において上記した油の流下は下方に位置する給油
部7より上方に位置する給油部9付近の送油管路8に、
スチール又はスチールにウレタン等をコーチングし、密
封効果を高めた球状の遊動栓体200を封入することで防
止するが、その構成は全ての給油部9が同じであるか
ら、以下の説明は一個所の給油部9についてのみ行な
う。
給油部7に給油を行なった送油管路8は前記したよう
に、腕4を経て回転軸15に入って右側に折れ曲り、分岐
した分岐路22が回転軸15の周面に穿った環状溝23に開放
し、更に該環状溝23とベアリング24間を結ぶ通路25を介
して給油するようになっている。而して本実施例の分岐
路22は第1図に示すように、上方側即ち環状溝23に開放
する側に大径の封入室26を構成し、封入室26と小径の分
岐路22との接合部分はテーパー状で上向きの閉鎖面27と
なっており、該封入室26に上記遊動栓体200を封入し、
油が供給されていない時遊動栓体200は第1図に示すよ
うに、閉鎖面27に接して分岐路22を閉ざしており、又封
入室26と環状溝23とは偏芯して設けられている。
次に本願の作用について説明するが、作用も夫々の腕
2、4が同様であるので、以下の説明は腕4についての
み行なう。図示を省略した油供給源から供給ポート21に
油が供給されると、油は送油管路8を通って給油部7に
給油を行ない、更に送油管路8を経て給油部9に向い分
岐路22に至る。分岐路22に至った油は油圧により、閉鎖
面27に接している遊動栓体200を押し上げ、閉鎖を開放
して封入室26に入り通路25からベアリング24に給油す
る。以上において遊動栓体200の押し上げは、遊動栓体2
00が極めて小さく(3mmΦ)重量の軽い球体であること
と、流体即ち油に浮遊させ浮力を利用した状態で押し上
げるので、押し上げ時の抵抗は極めて小さく、油圧ポン
プのパワーアップ等これを行なうための特別な対策は一
切必要としない。封入室26内に押上げられた遊動栓体20
0は、油が充満している封入室26内で浮遊状態で遊動
し、封入室26は前記したように分岐路22より断面積が大
となっているので、遊動栓体200を封入したことにより
油の流れに支障を来たすことなく円滑な給油が行なわれ
る。
所定量の給油が終ると油の供給は一旦停止され、当然
に遊動栓体200を押し上げる力が作用しなくなるので、
遊動栓体200は自重により沈下して閉鎖面27に密接し分
岐路22を閉鎖する。而して分岐路22の閉鎖は、遊動栓体
200と閉鎖面27との間に介在する油膜の粘性と、該分岐
路22から給油部7迄の送油管路8内の油面が低下(油漏
れ)しようとすると、上記管路8内が負圧になるので大
気圧が大きな閉鎖力として作用し、完全密封が行なわれ
て給油部7からの油漏れは発生しない。上記説明は使用
頻度の高いローラ5が上向きの場合についてであるが、
ローラ5を下向きに使用して油を供給すると遊動栓体20
0は第2図と反対方向となる。然しながら本実施例の封
入室26と環状溝23は前記したように偏芯して設けている
ので、遊動栓体200により環状溝23が閉ざされることな
く給油は支障なく行なわれる。尚図中28は、手動で給油
する際のグリスニップルである。
発明の効果 本願は以上詳記したように、ワークレストの給油装置
において、油漏れが発生する、前後進する腕とボデーの
摺動部、多び揺動する腕とその腕を枢支する枢支部の上
方に位置する腕先端のローラの支持軸内で、送油管路を
質量の極めて小さい球状の遊動栓体で閉鎖し、給油を行
なっていない間の、前記前後進する腕とボデーの摺動
部、及び揺動する腕とその腕を枢支する枢支部からの油
漏れを防止したので、送油管路内には常に油が充満して
おり、間欠給油を行なう際あるいは朝の作業開始時の油
のロスを無くし、又閉鎖を開放する作動抵抗は事実上無
視し得る程度であるから、外部に連通している給油部か
らの作業中の油漏れが従来より多くなることもない等の
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
図面は本願の実施例を示し、第1図は第2図II−II線の
拡大断面図、第2図はカバーを撤去した平面図である。 1……ボデー、2,4……腕、3…枢軸、5……ローラ、
7,9……給油部、8……送油管路、15……回転軸、22…
…分岐路、27……閉鎖面、100……ワークレスト、200…
…遊動栓体

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボデーに対して前後する腕と揺動する一対
    の腕の夫々先端にローラを回転自在に備え、油供給源よ
    り、シリンダ外部に連通し密閉されていないために油漏
    れを生じる、前後進する腕とボデーの摺動部、及び揺動
    する腕とその腕を枢支する枢支部とに給油を行った後、
    それらの摺動部及び枢支部より上方となる各腕先端のロ
    ーラに給油する送油管路を備えているワークレストの給
    油装置において、前記ローラを回動自在に嵌め込んで成
    る回転軸内で前記送油管路を分岐して分岐路を設けて回
    転軸外周の環状溝に開放し、その分岐路の環状溝に開放
    する上方側には分岐路より大径の封入室を設け、その封
    入室と分岐路との接合部分をテーパー状で上向きの閉鎖
    面とし、前記封入室内には、その閉鎖面に上方から自重
    で密接して分岐路を閉鎖し、油供給源からの送油により
    閉鎖面から押し上げられ浮遊し、閉鎖面との間の閉鎖を
    開放する球状の遊動栓体を封入して成ることを特徴とす
    るワークレストの給油装置。
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