JP3184180B2 - Ti−Wの選択的エッチング液及びそのエッチング方法 - Google Patents

Ti−Wの選択的エッチング液及びそのエッチング方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はTi−Wのエッチングに
関し、具体的には、半導体装置上に形成される半田バンプ
製造におけるTi−Wのエッチングに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の実装、接続技術である「フリ
ップチップ」はIBMのC4のように半田バンプを用い
た実装、接続技術として知られている。従来半田バンプを
製造する方法として蒸着法とめっき法が知られている。
図5に従来のめっき法による、半田バンプの製造方法を
示す。
【0003】半田バンプのめっきは、めっき前に、導電性
金属の連続した薄膜の形成を必要とする。この薄膜は半
田をめっきさせるために必要である。図5(a)は、の第1
の金属導電層としてクロム(Cr)膜2で表面が被覆され
た半導体基板1を示す。従来Cr膜2はバリア層として
用いられてきた。またこのCr膜2は、半田をめっきする
ための金属導電層の一部分として機能する。Cr膜2の
上にはの第2の金属導電層として銅(Cu)膜3が全域に
付着される。薄膜2,3の上に後のステップで加えられ
た半田バンプ電極5およびめっきマスク4を示してい
る。
【0004】金属導電層が形成された後の第2ステップ
はフォトリソグラフィによるめっきマスクの形成であ
る。Cu膜3にフォトレジスト4を塗布し、露光、現像す
る。フォトレジスト4はめっきマスクとして残る。第3ス
テップはめっきマスク開口部への半田のめっきである。
半田バンプ5が形成された後、フォトレジスト4を除去
する。この時点で半導体基板は連続した第1及び第二の
金属導電層2、3と半田バンプ5とで覆われている。こ
れは図5(b)に示されている。
【0005】次の工程で、半田バンプ5をマスクとして
第1及び第二の金属導電層2、3を除去する。図5(c)
は、第1及び第二の金属導電層2、3が除去されて、電気
的には分離されているが機械的には半導体基板に固定さ
れた半田バンプ電極5が残った状態を示す。これは第1
及び第二の金属導電層2,3をエッチング除去すること
によって達成される。いずれの場合にも半田バンプ電極
5がその下の第1及び第二の金属導電層2、3を保護す
る。図5(d)は図5(c)の半田バンプ電極5を溶融また
はリフローさせて形成される半田バンプ電極5を示す。
この時点で半田バンプ電極5が形成された半導体装置は
実装を行なうことができる。
【0006】従来の技術で第1の金属導電層2としてC
rの他には、チタン(Ti)およびタングステン(W)の合
金も「バリア」層として使用されてきた。Ti−Wは金属
性であって電気を通す。Ti−Wはスパッタリングなど
従来の技術で形成できる。Ti−Wを使用する場合、製造
のどの段階でそのTi−Wを除去するか、またどのよう
な方法で除去するかが重要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来、Ti−Wのエッ
チング液としてエチレンジアミン四酢酸、アンモニア水、
過酸化水素水および水の混合液が使用されてきた。しか
し、この種のエッチング液はTi−Wのサイドエッチン
グが生じる事が知られている(特開平7−20186
0)。このサイドエッチングが半田バンプ電極5下で生じ
ると半田バンプ電極5があるためにサイドエッチング量
を検査する事ができないため品質を確認できない。さら
に、サイドエッチングにより半田バンプ電極5と半導体
基板1との密着面積が減少してしまうため従来と同じ密
着面積を維持するためにはTi−Wのサイドエッチング
分半田バンプ電極5を大きくしなければならなる。これ
は、微細化を妨げる問題となる。このためTi−Wをバ
リア層として用いる場合には、フォトレジストを用いて
Ti−Wパターニングを行ないサイドエッチング量等の
検査を行ない密着面積を維持する。しかし、この方法を
用いて半田バンプ電極5を製造する場合、Ti−Wパタ
ーニングの第一工程とその後の半田バンプ5を形成する
第二工程からなり第1の金属導電膜2(バリア層)とし
てCrを用いた場合より工程数増大するという問題が生
じる。
【0008】特開平4−10430号でTi−Wをパタ
ーニング後に半田バンプを形成しており、半田バンプを
マスクとしてTi−Wのエッチングを行なっていない。
したがって、本発明は、半田バンプ電極をマスクとしてT
i−Wをエッチングしかつ、Ti−Wにサイドエッチン
グが生じないエッチング液とエッチング方法を示し、こ
れにより半田バンプ電極とTi−Wの密着面積を減少さ
せずにかつTi−Wをバリア層として用いた従来の半田
バンプ製造工程を短縮し、高品質な半田バンプ電極を簡
便に提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明は30wt%過酸化水素水と、りん酸塩を0.
01〜0.1mol/Lの割合で溶解した溶液を1:1
〜500の体積比で混合した混合液からなるエッチング
液とエッチング方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明はSn−Pb半田と、Al
−Si、Al−Si−CuとCuの存在下でTi−W膜を
選択的にエッチングする方法に関する。またその選択的
エッチング.プロセスに使用するエッチング液に関す
る。この方法は、半導体装置基板に付着するTi−W層と
Ti−W上にあるCuとを含む連続した金属導電層上へ
のSn−Pb半田バンプのめっきを必要とする半導体装
置製造のためのものである。
【0011】本発明はSn−Pb、 Al−Si、Al−S
i−Cu、およびCuの半導体製造装置を損傷する事の
ないTi−Wの除去法を対象とする。図1(a)に本発
明のエッチング.プロセスを説明するための試料断面図
である。試料は半導体基板11としてシリコン(Si)ウ
エハ上に図示しないがシリコン酸化膜、Al−Si,シ
リコン窒化膜を形成されている。この半導体基板11に、
第1の金属導電膜12として0.15ミクロンのTi−
Wと、第2の金属導電膜13として0.5ミクロンのC
uをスパッタリングして形成する。その上に、めっきマ
スクとしてフォトマスク14を形成する。この半導体基
板11にCuを20ミクロン、Sn−Pb(6:4)を20
ミクロンをめっきし半田バンプ電極(15を形成する。半
田バンプ電極15形成後めっきマスクであるフォトレジ
スト14を有機溶剤とレジストアッシングで除去する。
図1(b)の試料が得られる。
【0012】(実施例1)図4(b)に示した試料を、
室温で通常市販されている30wt%過酸化水素水1リ
ットルにアンモニア水50ccに水9リットルからなる
溶液に浸漬して、エッチングした。この溶液は実験用試
料のTi−Wを10分でエッチング(0.015ミクロ
ン/分)したが著しく不規則なアンダーカッティングす
なわちアンダーエッチングが生じた。Sn−Pb、Cuお
よびAl−Si、Al-Si−Cuへのエッチングはほとん
ど見られなかった。
【0013】(実施例2)次の例では、上記溶液のアン
モニア水を0.5ccに減らした。この溶液はTi−W
を40分でエッチングした(0.00375ミクロン/
分)。上記より少ないがめっきしたCuに沿ってTi−W
のアンダーエッチングが見られた。またSn−Pb、Cu
およびAl−Siへのエッチングはほとんど見られなか
った。
【0014】アンモニア水を減らす事すなわちpHを下
げる事でTi−Wのアンダーカッティングを低減できる
ことがわかったが、エッチング速度が低下した。 (実施例3)次の例でpH調整のためにアンモニア水に
代わりりん酸2水素カリウム−りん酸水素2ナトリウム
の緩衝溶液を用いた。pHは7.0〜9.2に調整した。
これによりTi−Wのアンダーカッティングは見られな
くた。これを図1(c)に示す。また、図1(d)にこの半田
バンプ電極をリフローしたものを示す。
【0015】図2に示したように、エッチング速度はり
ん酸水素2ナトリウムの濃度の上げる事で高める事がで
きる事が解った。また、図3に示したように過酸化水素
水の濃度を上げる事でエッチング速度を高める事ができ
る事が解った。更に、図4に示したように、エッチング
液の温度を上げる事で、エッチング速度を高めることが
できる事が解った。
【0016】つまり、好ましいエッチング液は30wt
%過酸化水素水と、りん酸塩を0.01〜0.1mol
/Lの割合で溶解した溶液を1:1〜500体積比で混
合した混合液からなるエッチング液である。好ましいり
ん酸塩はりん酸水素2ナトリウムとりん酸2水素カリウ
ムである。また、エッチング温度は20〜60℃の温度
で使用することがのぞましい。更に、エッチング液のp
Hはアルカリ性に保つことがのぞましい。
【0017】このエッチング液は50℃で毎分0.03
75ミクロンのTi−Wを除去する。これはSn−Pb、
Al−Si−Cu、Cuをエッチングしない。これは短
いスループットのエッチングプロセスとして使用可能で
ある。前記エッチング液を用いて実際に機能する半導体
装置上に半田バンプを製造した。この半田バンプの検査、
せん断強度試験の結果、半田バンプへの顕著なエッチン
グ、Ti−Wへの顕著なサイドエッチング、半田バンプ、
Ti−W、基板間の剥離は見られなかった。
【0018】
【発明の効果】本発明によって得られたTi−Wを選択
的にエッチングするためのエッチング液とエッチング方
法は、半導体基板上に形成された半田バンプ電極エッチ
ングせずに半田バンプ電極をマスクとしてTi−Wをエ
ッチングし、かつ、Ti−Wのサイドエッチングが無い。
したがって、Ti−Wをエッチングするためのだけのフ
ォトリソグラフィおよびエッチングのステップを必要と
しないのでプロセスを簡略化できる。また、チップ.パッ
ケージを形成するSn−Pb、Al−Si−Cu、Cu
などの金属構造に損傷を与える事なく、実用的なエッチ
ング速度を示しチップ.パッケージに半田バンプ電極を
形成する際に有用なエッチング液とエッチング方法であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明を用いた実施例の半田バンプの
製造工程を示す断面図である。。
【図2】図2は、Ti−Wエッチング液のりん酸水素2
ナトリウムの濃度に対する効果を示すグラフである。
【図3】図3は、Ti−Wエッチング液の過酸化水素水
の濃度に対する効果のグラフである。
【図4】図4は、Ti−Wエッチング液の温度に対する
効果のグラフである。
【図5】図5は、従来技術の工程を示す断面図である。
【符号の説明】 1・・・・・・半導体基板 2・・・・・・第1の金属導電層 3・・・・・・第2の金属導電層 4・・・・・・フォトレジスト 5・・・・・・半田バンプ電極 11・・・・半導体基板 12・・・・Ti−W 13・・・・Cu 14・・・・めっきマスク 15・・・・半田バンプ電極
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/306,21/308 C23F 1/00 - 1/46

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エッチングされてはならない金属の存在
    下でTi−Wをエッチングするためのエッチング液であ
    って、30wt%過酸化水素水と0.01〜0.1mo
    l/Lの割合で溶解したりん酸水素2ナトリウム又はり
    ん酸2水素カリウムの溶液の体積比が1:1〜500の
    混合液からなるエッチング液。
  2. 【請求項2】 前記金属が鉛半田を含有することを特徴
    とする請求項1に記載のエッチング液。
  3. 【請求項3】 前記金属が鉛すず半田を含有すること
    を特徴とする請求項1に記載のエッチング液。
  4. 【請求項4】 前記金属がアルミニウム、シリコンおよ
    び銅からなる群から選択された金属を含有する事を特徴
    とする請求項1に記載のエッチング液。
  5. 【請求項5】 前記エッチング液が7.0より高いpH
    を有するように調整されている事を特徴とする請求項1
    に記載のエッチング液。
  6. 【請求項6】 前記エッチング液が20〜60℃の温度
    に保たれている事を特徴とする請求項1に記載のエッチ
    ング液。
  7. 【請求項7】 前記30wt%過酸化水素水の濃度がそ
    れ以上または以下で、混合後に前記請求項1に記載のエ
    ッチング液と同等の過酸化水素水の濃度になるように調
    整してある請求項1に記載のエッチング液。
  8. 【請求項8】 除去されるTiおよびW、ならびにAl、
    Al−Si、Al−Si−Cu、Al−Cu、Cu、Ag、
    Bi、In、Pb、Sn、Sn−Pb、Sn−Ag、Sn−B
    i、Sn−Ag−Cu、Sn−Ag−Bi、Sn−Ag−
    In、Sn−Ag−Cu−Bi、Sn−Ag−Cu−I
    n、およびSn−Ag−Cu−Bi−Inからなる群か
    ら選択される、保護される金属を含む半導体装置におけ
    る、Ti−Wを選択的に溶解する方法において、水1リッ
    トルにつきたりん酸水素2ナトリウム又はりん酸2水素
    カリウム0.01〜0.1molを溶解するステップ
    と、その溶液と30wt%の過酸化水素水を1〜50
    0:1の体積比で混合して混合液を作成するステップ
    と、その混合液を20〜60℃の温度に保つステップと、
    前記半導体装置をその混合液で濡らしTi−Wを除去す
    るステップとを含むエッチング方法。
  9. 【請求項9】 前記エッチング液がpH7.0より高い
    pHを有するように調整されている事を特徴とする請求
    に記載のエッチング方法。
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