JP3183638B2 - 光学素子のプレス成形装置 - Google Patents

光学素子のプレス成形装置

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JP3183638B2
JP3183638B2 JP11561598A JP11561598A JP3183638B2 JP 3183638 B2 JP3183638 B2 JP 3183638B2 JP 11561598 A JP11561598 A JP 11561598A JP 11561598 A JP11561598 A JP 11561598A JP 3183638 B2 JP3183638 B2 JP 3183638B2
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/16Gearing or controlling mechanisms specially adapted for glass presses
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/50Glass production, e.g. reusing waste heat during processing or shaping
    • Y02P40/57Improving the yield, e-g- reduction of reject rates

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、非球面レ
ンズなどの高精度な光学素子をプレス成形で形成する場
合に使用する光学素子のプレス成形装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、研削・研磨による光学素子加工方
法に代わり、加熱軟化させた光学用成形ガラス素材を成
形型内で直接プレス成形する方法が注目されている。通
常、この種の成形には、胴型内で、上記胴型に摺動する
成形用型部材を用いて、軟化状態にあるガラス素材をプ
レスし、上記型部材の成形面に対応した光学機能面を上
記ガラス素材に形成するようにした光学素子のプレス成
形装置が用いられる。ここで重要なことは、所要精度の
光学素子を得るために、成形される光学素材の光学機能
面の中心を光軸に一致させるため、胴型と成形用型部材
とのクリアランスを可能な限り少なくすることである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記成形装
置では、プレス成形過程におけるガラス素材の温度制御
のために、上記胴型および上下型部材を可成りの高低温
度差で加熱・冷却する必要がある。そこで、上記胴型お
よび上下型部材を、ほぼ同じ熱膨張係数の材料で構成す
るとともに、上記胴型に対する型部材の摺動を確保する
ためのクリアランスを設けている。このため、例えば、
上型部材を降下して、下型部材との間で、ガラス素材を
プレス成形する場合、上記上型部材の中心にプレス圧力
を掛けないと、上記上型部材は胴型内で摺動する間に傾
き、上下型部材の成形面を互いに正しく対応した状態
で、ガラス素材に対してプレス成形できない。更に、極
端な場合には、胴型と上型部材との間でカジリを生じ、
型部材を完全に閉じることが出来なくなり、正常なプレ
スが行われなくなる。換言すれば、結果として、成形さ
れた光学素子の光学機能面の中心が光軸に一致しなくな
る。また、成形品を取出すため、上型部材を引き上げる
際、引き上げ力が上型部材の中心から外れていると、上
型部材が傾き、胴型と上型部材とがカジリを生じ、成形
型の開閉が出来なくなる。このような成形装置は、実際
に使用される条件では、特に、胴型と上型部材との摺動
部のクリアランスが10μ以下と小さく、しかも、熱間
で使用される関係で、上記カジリがより発生しやすい環
境にある。
【0004】また、一般には、光学素子のプレス成形に
際しては、上下一対の型部材を用いて、プレス作業によ
り、1個のプレス成形品を得るのであるが、これでは、
非常に生産性が悪い。そこで、本発明の次の課題は、上
述のプレス成形装置において成形品を複数同時に成形す
ることにある。
【0005】この場合、成形素材の寸法のばらつきや、
加圧時における、各型間の微妙な温度差などにより、加
圧開始の位置や成形のスピード(ガラスの変形速度)が
各型間で異なるため、押圧するための部材が型の摺動方
向に対して傾いた状態で加圧されることが、頻繁に発生
する。このため、加圧力が型の摺動方向以外にも作用
し、型のかじりや破損を招きやすく、更に型と、押し圧
部材の接触部が常にこすりあわされ、摩耗しやすく、特
に、この様な高温下の状態では摩耗が激しくなり、その
摩耗の結果により、更に型のかじりや破損が助長される
という悪循環を繰り返すおそれがある。
【0006】
【発明の目的】本発明は上記情報に基いてなされたもの
で、その目的とするところは、少なくとも、胴型に対し
て上型部材を摺動動作し、ガラス素材に対してプレス成
形する場合、および、成形された光学素子成形品を離型
する際、上記上型部材に対して加える操作部材の力が、
常に、上記上型部材の中心を通るように作用させること
で、精度の高い光学素子を効率的に製造できる、光学素
子のプレス成形装置を提供するにある。
【0007】また、本発明の他の目的とするところは、
上述のプレス成形装置において、一本の加圧軸とか圧力
発生機構により、各型間の寸法が非常に小さい場合で
も、安定的にかつ効率よく複数個の型を同時に、加圧で
きる装置を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、本発明では、
ガラス素材を上型、下型で加圧して光学素子を成形する
光学素子のプレス成形装置において、前記上型、下型を
ガイド孔に上下摺動させて案内することで所要の成形空
間を形成するための胴型と、上型加圧ロッドを介して前
記上型に加圧力を作用させる加圧手段と、該加圧手段の
戻り動作で前記上型を引き上げる引上げ部材と、該引上
げ部材の引上げ動作の際に、調芯部材を介して該引上げ
部材に対して前記上型を支持することにより前記ガイド
孔に対して前記上型を調芯する調芯手段とを具備するこ
とを特徴とする。
【0009】
【0010】また、本発明では、前記上型および下型
が、それぞれ、1つの胴型に形成した複数のガイド孔に
摺動可能に案内され、また、それぞれに対応した複数の
上型加圧ロッドを介して共通の加圧手段で加圧されてお
り、前記調芯部材が、前記複数の各上型にそれぞれ対応
して、共通の引上げ部材に設けられていることを特徴と
する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照して具
体的に説明する。図示のプレス成形装置は、図1および
図2に示すように、ガラス素材(ガラスブランク)を成
形型1内に装填し、プレス操作機構2の操作で上記成形
型1の可動部(後述)を働かせることにより、プレス成
形するもので、このプレス成形は、好ましくは、窒素ガ
ス雰囲気などの不活性ガス雰囲気中で行われる。このた
めに、上記成形型1、プレス操作機構2などは、気密構
造の成形チャンバー3内に装備される。
【0012】上記成形チャンバー3は、架台10上に配
置され、ガラス素材の搬入および成形品の搬出のための
出入口301にゲートバルブ11を装備していて、これ
を介して外部と連通されている。また、上記架台10に
は、上記成形チャンバー3に隣接して成形型交換チャン
バー12が配設してあり、この交換チャンバー12はゲ
ートバルブ13を介して、上記成形チャンバー3に連通
している。
【0013】また、上記成形チャンバー3内には、上記
成形型1に対するガラス素材の導入および成形品の導出
を行うための入換え手段4が装備されている。上記入換
え手段4は、上記成形チャンバー3の床を貫通して、外
部から上記成形チャンバー3内へ垂直に導入した回転軸
401の上端に、ガラス−成形品出入れ手段を構成する
吸着ハンド402を装着し、上記吸着ハンド402の先
端に吸着パッド403を設けたもので、上記回転軸40
1は、架台10に設けたシリンダ機構14のピストンロ
ッド14Aに回転自在に連結され、上記ピストンロッド
14Aの動作で、軸方向に上下動作されるようになって
いるとともに、上記ピストンロッド14Aに設けた電動
モータ15によりギヤ列16を介して回転動作されるよ
うになっている。
【0014】しかして、上記吸着パッド403にガラス
素材を吸着した状態で、上記シリンダ機構14の制御お
よび上記電動モータ15の回転制御に基く上記回転軸4
01の軸方向動作および回動動作で、上記吸着パッド4
03を上記成形型1内に導入し、また、上記吸着パッド
403で成形品を吸着した状態で、上記回動軸401の
逆方向の軸方向動作および回動動作で、上記成形型1内
から取出すように機能する。
【0015】上記出入口301の下方に位置して、上記
架台10の上には、成形チャンバー3に対する上記ガラ
ス素材および成形品の搬入・搬出手段17が配置してあ
る。上記搬入・搬出手段17は、シリンダ機構18から
上方に延びるピストンロッド18Aに入換えチャンバー
171を装着するとともに、上記入換えチャンバー17
1の上端に在る開口171Aから上下に出入りできる置
き台172を装備し、上記置き台172を上記入換えチ
ャンバー171内に設けた昇降手段(例えば、ピストン
・シリンダ機構)173で昇降できるようにしてある。
【0016】しかして、上記成形チャンバー3に対して
ガラス素材あるいは成形品を搬入・搬出するときには、
置き台172にガラス素材を載せた状態で、上記シリン
ダ機構18の制御により、ピストンロッド18Aを上昇
させ、入換えチャンバー171を上昇して、その開口1
71Aを上記ゲートバルブ11に気密に接触させる。こ
の状態で、上記入換えチャンバー171内を所定の雰囲
気に置換し、上記ゲートバルブ11を開放して、上記成
形チャンバー3と入換えチャンバー171とを連通し、
更に、上記昇降手段173で、上記置き台172を上記
成形チャンバー3内に導入し、入換え手段4に対してガ
ラス素材の受渡しおよび成形品の受取りを行うのであ
る。そして、このあと、上記昇降手段173を逆に動作
し、上記置き台172を入換えチャンバー171に戻
し、ゲートバルブ11を閉じ、シリンダ機構の働きで、
上記入換えチャンバー171を降下し、上記置き台17
2からの成形品の取出し、および、そこへの新たなガラ
ス素材の持込みを行うことができる。
【0017】この実施例では、上記置き台172へのガ
ラス素材の持込み、そこからの成形品の取出しには、所
要のロボット19が用いられる。上記ロボット19は、
吸着手段などを用いて、ストッカー20からガラス素材
を上記置き台172へ置き換えると共に、上記置き台1
72から所要個所に成形品を持ち出すものである。すな
わち、上記ロボット19は、X軸アーム191、Y軸ア
ーム192を有し、上記両アームの働きで、上記Y軸ア
ーム192に設けた吸着ハンド193をX・Y軸方向に
移動操作できるようにしてある。また、上記ストッカー
20は、フレーム20A上に電動モータ20Bを設け、
その回転軸にパレット20Cを固定したもので、上記電
動モータ20Bの駆動で、パレット20Cを旋回し、上
記ロボット19に対応した個所で、成形品の受取り、ガ
ラス素材の引き渡しを行うのである。なお、この実施例
では、別に冷却台21が用意されていて、上記吸着ハン
ド193で置き台172から取出した成形品を一時的に
上記冷却台21に置き、所望温度まで自然、あるいは強
制冷却する。
【0018】(型装置の説明)図3、図4、図5、図
6、図7および図8を参照して型装置を説明する。前記
ガイドレール6B上にパレット5が固定保持され、該パ
レット5の上に胴型100とネジ結合した底板100D
が載置される。胴型100は直方体を成し、図3図示紙
面表面から裏面方向に向けて貫通した開口部100Aを
形成し、直方体の前記貫通開口部100、上方の天井部
100B1 には4つの貫通孔を形成し、該貫通孔にそれ
ぞれ4つの上型部材102、102、102、102を
嵌入している。
【0019】胴型の直方体の底部100B2 には前記上
型に対続する4つの下型部材101、101、101、
101を嵌入する孔部が形成してある。胴型底部100
2には切欠部100Eを有し、該切欠部100E内に
突上げ部材207が配されており、該突上げ部材207
の上面には4つの突起部207aを有する。前記突起部
207aの上にはスペーサ100Fをそれぞれ置いてあ
り、該各スペーサ100Fの上に各下型101〜101
が載置されている。前記突上げ部材の4つの各突起部2
07a〜207aは下型加圧ロッド201により突上げ
部材207が上方に突き上げられたときに加圧力が各下
型の軸線の中心に作用し、下型の加圧力が偏たることを
防ぐ効果がある。前記各スペーサー100Fは各下型部
材の軸線方向の寸法精度のバラツキを調整する役目をす
る。
【0020】本発明の特徴の1つは、複数個、例えば4
つの上・下型のセットの型によって4つの成形品を同時
に加圧成形することにある。4つの上型部材には後述す
るように総加荷2400kgが加荷され、各上型には等
分の加荷を作用することが望ましい。しかしながら、上
型、下型、胴型の各部材の寸法の仕上げ精度のばらつき
により上型、下型のガラス成形のための移動ストローク
は4つの型セットが多少ずれることがある。このストロ
ークの調整のために前記スペーサーが設けられている。
【0021】下型加圧ロッド201、底板100D、突
上げ部材207、スペーサ100Fには各下型に冷却用
媒体を供給する通路が設けられている。各上型102に
は大径部102aと上端のフランジ部102bが形成さ
れている(図4参照)。ここで、105は4つの上型1
02〜102を同時に引き上げるための引き上げ部材で
あり、円板部105A、筒部105B、フランジ部10
5Cを有し、円板部105Aに4つの上型を嵌装するた
めの4つの孔を有している。
【0022】(調芯手段)106は調芯部材であり、前
記引き上げ部材の円板部105Aと上型の前記フランジ
部102bの間に配置されている。前記調芯部材106
は、図6および図7に示すようにリング状を成し、該リ
ング部の上面、下面にそれぞれ2つづつの突起部106
A、106A、106B、106Bを設け、上下面の各
突起部の配置は90度の直交する向きに設ける。図4に
おいて、調芯部材106は上型の軸部に嵌装して引き上
げ部材105の円板部の上面に置かれており、図4で不
図示の突起部106B、106Bが引き上げ部材の上面
に当接している状態である(図8参照)。
【0023】212は引き上げ部材105を図4図示上
方に引き上げる際のフック部材を示し、支持部212
A、下端フック部212B、上端フック部212Cを有
し、下端フック部212Bは前記引き上げ部材105の
フランジ部105Cと係合し、上端フック部212Cは
ホルダーブロック203と係合可能に構成する。
【0024】複数の上・下型のセットにより同時に多数
の成形を行なうために、実施例の装置において、4つの
上型102〜102と4つの下型101〜101によっ
てガラスをプレス成形してレンズを成形後、成形品レン
ズを各上・下型の間から取り出すために各上型を上方に
引き上げ、下型の上に残っている成形品を前記胴型の開
口部100Aから取り出す作業を行なう。この場合、各
上型を1個に引き上げる方法と4個同時に引き上げる方
法の2通りがある(2個づつの場合も考えられる)。
【0025】単位時間当りの生産性を高めるために、本
例では4個同時に引き上げ作業を行なう。本例では、前
記調芯部材106によって4つの上型の調芯を行なって
いる。即ち、フック部材212を図示上方に引き上げる
と、下端フック部212Bが引き上げ部材105のフラ
ンジ部105Cに当たり、引き上げ部材105が上昇す
る。
【0026】図6、図8において、引き上げ部材105
が上昇する際に、引き上げ部材105と調芯部材106
とは、調芯部材の下面側突起部106b、106bによ
って軸線O−Oに対する1平面のX−X方向の面が点接
触状態になる。更に、前記X−X方向と直交するY−Y
方向の面は調芯部材の上面側の突起部106a、106
aと上型のフランジ部102bとの接触によって点接触
状態になり、これにより、上型102は引き上げ部材の
上昇する方向の軸線O−Oに対して直交する2平面X−
X、Y−Yを互いに直交状態に保って上昇することがで
きる。これにより、引き上げの際の上型の軸線O−Oに
対する傾きを防ぐことができる。これにより、型の摺動
時の「かじり」を防げる。
【0027】フック部材により上型を上昇させ、成形品
を取り出した後に、再びガラスブランクを各下型の上に
載置して再び加圧成形する場合は、フック部材を下降
し、引き上げ部材、調芯部材を介して上型を胴型の前記
貫通孔内を摺接させながら下降させる。この場合、4つ
の上型を同時に胴型との「かじり」を生じさせることな
く摺動移動させる必要があるが、前述した調芯部材10
6の作用により可能となった。
【0028】各上型を引き上げた状態では、引き上げ部
材、調芯部材によって、各上型は軸線O−Oに対する直
交2平面X−X・Y−Yを直交状態に保っている。この
状態からフック部材212を下降すると、上型部材、調
芯部材、引き上げ部材が自重によって下降し、各上型の
下降時に前述の直交状態が保たれるので、「かじり」を
防ぐことができる。
【0029】(上型加圧機構)104は各上型のフラン
ジ部102bの上面に設けた押圧板部材であり、後述す
る上型加圧ロッド202の押圧加荷重が各上型の軸線方
向に集中的に作用するようにする部材である。ロッド2
02の押圧荷重を点接触状態で受けるように構成する。
203はホルダーブロックと称する。該ホルダーブロッ
ク203は軸部203Aと下端フランジ部203B、上
端フランジ部203Cとを有し、前記軸部203Aには
4つの貫通孔203a〜203aを設けている。203
Dはホルダーブロック203の下部内周に嵌合した筒部
材である。
【0030】4つの上型加圧ロッド202〜202の下
端は前述したように押圧板104に当接し、上端の一部
202Aはその外周が前記ホルダーブロックに形成した
4つの貫通孔203a〜203aにそれぞれ嵌合してい
る。220はホルダーブロックの各貫通孔203a〜2
03a内に挿入した冷却パイプであり、その上端は冷却
媒体分配板222の媒体供給口に結合し、下端は前記上
型加圧ロッド202〜202に形成した貫通孔内に嵌入
している。
【0031】ホルダーブロック203の前記貫通孔20
3a〜203aと前記冷却パイプ220〜220との間
には断面リング状の隙間が設けられており、該隙間20
3e〜203eに加圧調整機構が組み込まれている。
【0032】(加圧調整機構)加圧調整機構は前記隙間
203eに挿入した複数の皿バネ208と前記上型加圧
ロッド202等から構成する。本発明の課題の1つは複
数の上下型のセットにより同時に多数の成形品を得る装
置の提供にある。そのためには、4つの型セットに必要
な押圧荷重を均一に作用させる必要がある。
【0033】図3に示す装置において、上型加圧シリン
ダーの圧力をシリンダーロッド209を介して前記冷却
媒体分配板222で受け、該分配板222の押圧力を4
個の上型加圧ロッド202を介して4つの上型102〜
102に作用させる。この場合に、分配板222の押圧
力(統荷重を2400kg)を各上型に均等に600k
gの荷重を作用させるように構成することが望ましく、
各上型への分布荷重のバラツキが生じると4つの成形品
の品質(例えば押圧によるレンズ肉厚のバラツキ)への
影響を生ずる。
【0034】また、4個の各組の上・下型部材、上型加
圧ロッド等の寸法上のバラツキも当然有り、これにより
分配板222の押圧力による各上型の移動ストロークの
差を生じ、上型の移動量が異なる。
【0035】本発明でのガラス材料を加熱圧力して高精
度光学素子を成形するためには、各上型に高い圧力(4
00kg〜600kg)を発生させ、シリンダーロッド
から前記各部材を介して各上型に伝達する必要がある。
更に、ガラス材料を型内で所定温度(400℃〜700
℃)に加熱して、加圧成形後、成形品を取り出すプロセ
スを繰り返す方法の装置においては、成形品、型部材、
胴型等の加熱・冷却を繰り返すために加熱−冷却−加熱
サイクルの短縮を要求されるので、型装置全体の熱容量
を小さくする必要があり、そのため装置の小型を図る必
要がある。
【0036】更に、本実施例の型装置において、4組の
型部材によって同じ成形品、例えば同一肉厚寸法のレン
ズを得るためには、図4に示す上型加圧ロッド202に
よって上型102を押圧し、上型102の大径部102
aの下端面が胴型100の上端表面100aにスペーサ
102cを介して押し当てられて、上型の移動位置が規
制されることにより成形品の肉厚寸法は定まる。
【0037】4個の上型102〜102が総て胴型の上
端表面100aにスペーサ102cを介して突き当たる
ことが4つの成形品の肉厚寸法を得ることの必要な条件
である。そのためには4個の上型に独立的に押圧力を作
用させ、かつ各上型が完全に胴型の上端表面100aに
突き当たり、更に、充分な押圧力を上型に作用させる必
要がある。
【0038】上記の問題の解決のために、前記分配板2
22の押圧力をバネ部材、特に、図9、図10に示すよ
うな皿バネを前記隙間203e〜203eに挿入した加
圧調整機構が採用できる。即ち、中央部が開口し、末広
がりの逆皿形状と成した皿バネ208を、図10に示す
ように数枚を同方向に重さねて、1組208Aとし、1
組208Aを交互に図示のように逆向きに積層させたバ
ネ手段208Bを形成し、該バネ手段を前記各隙間20
3e〜203eに挿入する。
【0039】前記各隙間203e〜203eに挿入した
バネ手段は、分配板222から押圧力が作用すると、押
圧力を受けて撓み、その押圧力がバネ手段208Bを介
して各上型加圧ロッド202から各上型を押圧する。各
上型は、胴型の貫通孔を摺接移動し、上型の前記大径部
102aと胴型上端表面100aとが当接するまで、各
上型の移動が行なわれる。各4つの型セットにおいて、
その中の3つの上型の大径部102aが胴型の上端面1
00aに当接した状態の時、他の1つの大径部102a
が、また、前記上端面に当接しない状態を生じても、分
配板222からの押圧によってバネ手段・加圧ロッドを
介して荷重を加えて前記未当接の上型を胴型上端面に押
し当てることができる。これにより4つの上型総ての下
降位置は常に定位置に保障できるので、成形品の肉厚寸
法を保てる。
【0040】次に、前記バネ手段のバネの具体例につい
て記述する。一枚の外径がφ18mm、内径がφ9.2
mm、板厚が1mm、自由高さが1.5mmからなる皿
バネ(conical spring) 208を、6枚同じ向きに重
ね、850kgfの荷重に耐えられるバネ定数k=27
20kgf/mmのバネセット208Aを作り、このセ
ットを、更に、20セット向きが交互となるように重ね
合わせ、全長が約130mm、バネ定数が136kgf
/mmとなるバネユニット208Bを4ユニット準備
し、更に、全長のばらつきを補正し、がた防止のために
50kgfの与圧を与えられるように、スペーサー20
8Cの厚さを調整し、4軸間のピッチが20mmで作ら
れているホルダブロック203の中に図示のように組み
込にでいる。この状態で、シリンダーロッドの推力(4
つの上型102に加わる総加圧力)を3200kgfに
設定し、各プレス用操作部材202間の圧力ばらつきを
測定したところ、レンジで15kgfのばらつきに納ま
ることを確認した。
【0041】その後に、押圧板104迄の高さのばらつ
きが0.2mm以内に調整された型セットを用いて、成
形条件の一つである600±40kgfのプレス圧力
で、出来上がり寸法がφ10mm、中心肉厚が3.5m
m、レンズ面の曲率がそれぞれ15、20mmであるビ
デオカメラ用のレンズを成形したところ、4型ともほぼ
同時にかじり等の不都合を生じることなく完全に押し切
り、出来上がった成形品も各型で形成されるキャビ空間
と完全に一致し、肉厚精度と光学的な面の傾きの許容値
を十分に満足する成形品が得られた。なお、バネ手段の
上部には、図10に示すように、各型の寸法精度の誤差
を補正するための調整部材208cを設けている。
【0042】なお、上記実施例において、上下型部材1
01および102に対して冷却制御を行うため、冷却パ
イプ213および214が導入されている。また、冷却
媒体導入のための導入通路215および216が、それ
ぞれ、操作部材201および202に形成されており、
上下型部材101および102に形成した冷却媒体導入
部101Cおよび102Dに連通してある。
【0043】しかして、上記プレス操作機構2を用い
て、ガラス素材をプレス成形する時には、先ず、図11
(a)に示す状態から、上記シリンダ機構210の働き
で、上記ホルダーブロック203を上昇させ、フック部
材212を介して上記上型部材102を引き上げ、所
謂、型開きをなす。そして、先述の吸着ハンド402に
より、ガラス素材を成形型1内に導入し、再び、上記ホ
ルダーブロック203を下降すると、図11(b)に示
すように、上記上型部材102は上記ガラス素材上に降
下する。その後、更に、上記シリンダ機構210を稼動
し、上記ホルダーブロック203を降下すると、上記操
作部材202が当て駒104を介して、上記上型部材1
02の中心にプレス圧を加える(その後、冷却時にシリ
ンダ機構205は操作部材201を押上げ、突上げ駒2
07を介して下型部材101を上向きに押圧する)。従
って、上記胴型100と上記上型部材102との摺動部
分に、摺動上必要なクリアランスがあっても、上型部材
の姿勢が垂直に保たれた状態で降下でき、結果として、
水平方向に関して、上下型部材101、102の各成形
面の位置ずれがなく、成形された光学素子の光軸に対す
る光学機能面の位置を正しく保持した状態で、成形でき
る。
【0044】特に、この実施例では、共通のシリンダ機
構210で、4組の上型部材102を同時に駆動する関
係から、上記上型部材102および操作部材202の寸
法誤差を吸収する必要がある。しかし、上記操作部材2
02は、弾持機構208で弾持されているので、図11
(c)に示すように、上記上型部材102のフランジ部
102Aがスペーサ102Cを介して胴型100の頂部
に当たった後、更に、上記ホルダーブロック203が降
下しても、その位置で降下を終了することができる。
【0045】また、成形後、型開きを行うため、上記シ
リンダ機構210を稼動し、上記ホルダーブロック20
3を上昇すると、図11(d)に示すように、フック部
材212が引き上げ部材105を持ち上げるが、この
時、上記調芯106が働いて、自動調心作用をなし、従
って、上記上型部材102は、その中心で、引き上げ力
を受けるので、上記クリアランスの範囲で傾くことがな
く、たとえ、胴型100に対してホルダーブロック20
3、引き上げ部材105、フランジ部102Bが十分な
精度を保持していなくても、カジリを生じることがな
く、垂直に上昇できる。
【0046】(型交換)上述の成形型交換チャンバー1
2には、成形型交換手段7が装備してある。上記成形型
交換手段7は、入換え手段701を備えていて、これに
よって、上記ガイドレール6Aに沿って、成形型1を載
置・固定したパレット5を、上記ゲートバルブ13を介
して、成形チャンバー3内のガイドレール6Bに移送す
るようになっている。
【0047】上記入換え手段701は、上記成形型交換
チャンバー12内に延びるロッド702の先端に、結合
ハンド703を取付けるとともに、その基端部にスラス
トベアリング704を介してアクチュエータ705を装
着しており、また、上記アクチュエータ705に装備し
たモータ706によって、L字クランク707を介し
て、上記ロッド702を回動操作できる構成になってお
り、また、上記アクチュエータ705を駆動する時に、
上記ロッド702と平行に配置したガイドレール708
に沿って上記アクチュエータ705を移動することで、
上記ロッド702をその長手方向に移動できるように構
成されている。
【0048】しかして、上記モータ706の動作で、ロ
ッド702を回動し、この動作で、上記パレット5に対
する上記結合ハンド703の係脱操作をなし、また、上
記アクチュエータ705の働きで、上記パレット5を、
上記ガイドレール6Aに沿って移動することができる。
これによって、上記入換え手段701の制御により、上
記パレット5を、上記ゲートバルブ13を介して、成形
チャンバー3のガイドレール6Bにもたらし、プレス操
作機構2のプレス位置にセットし、あるいは、逆に、そ
こから成形型交換チャンバー12へと引戻すことができ
る。
【0049】また、成形型交換手段7は、パレット5を
移動するパレット置換手段711を備えている。上記パ
レット置換手段711は、上記ガイドレール6Aの長手
方向と直交する方向に進退するピストンロッド712A
を備えたシリンダ機構712を、上記成形型交換チャン
バー12の一側に装備し、また、上記ピストンロッド7
12Aの先端に、2つのステージ713A、713Bを
有する送り台713を装着したものである。そして、上
記各ステージ713A、713Bには、それぞれ上述の
ガイドレール6Aが装備してある。なお、成形型交換チ
ャンバー12の他側には、成形型1の出し入れのための
開口があり、そこに扉12Aが装備してある。
【0050】しかして、予め、扉12Aをあけて、上記
シリンダ機構712を働かせ、送り台713を上記成形
型交換チャンバー12の開口から外にせりださせ、例え
ば、上記ステージ713Aのガイドレール6A上に、新
たに成形型1を搭載したパレット5を載せる。そして、
シリンダ機構712を逆に働かせ、上記送り台713を
戻して、図2に示すように、シリンダ機構712のある
側に片寄せ、扉12Aを閉じて、上記成形型交換チャン
バー12内のガス置換を行っておくと、この状態では、
上記ステージ713Bのガイドレール6Aが、上記成形
型交換チャンバー12の中央(パレット入換え位置)に
位置している。
【0051】従って、上記入換え手段701の働きで、
成形チャンバー3から、使用済みの成形型1を、これを
載せたパレット5とともに、空のステージ713B上に
取出すことができる。また、その後、上記シリンダ機構
712を働かせて、上記成形型交換チャンバー12の中
央に上記ステージ713Aを位置させ、再び、上記入換
え手段701を働かせることで、ガイドレール6A上か
ら成形チャンバー3のガイドレール6Bへと新たな成形
型1をパレット5とともに、移送でき、プレス操作機構
2のプレス位置にセットすることができる。なお、使用
済みの成形型1は、成形チャンバー3に対する新たな成
形型1の入換え後に、扉12Aを開放して、パレット5
上より取出すことができる。
【0052】なお、入換え手段701およびパレット置
換手段711はアクチュエータを用いることなく、手動
で行ってもよい。また、ゲートバルブ13と成形型交換
チャンバー12とを着脱可能な連結式とし、上記成形交
換チャンバー12を複数の成形機に対して共用できるよ
うにしてもよい。この場合には、扉12Aは、特に、必
要なく、連結部の開口部より、成形型の出し入れを行う
ことができる。
【0053】(パレット温度制御)上記成形型は、予
め、パレット上に設置されていて、上記パレットをプレ
ス操作機構に対応するプレス成形位置に搬入、設置する
ことで、間接的に上記プレス操作機構とのマッチングを
図っている。これは、成形型の損傷などで、型交換が必
要になった時、短時間で、簡単に交換作業が行えるよう
にして、稼動率の低下を回避する意図に基くものであ
る。特に、プレス成形を不活性ガスの雰囲気内で実施す
る場合には、型交換用のチャンバーから成形チャンバー
への、また、成形チャンバーから型交換チャンバーへの
成形型の移動が面倒であるだけに、成形型をパレット上
に設置して、移動操作することのメリットが大きいので
ある。
【0054】しかし、このように、成形型をパレット上
に設置し、上記パレットをプレス成形位置に位置決めす
る場合には、上記プレス操作機構と成形型とのマッチン
グが難しくなる。これは、通常、パレットの位置決め
に、上記パレットを突き当てるピン・ガイドなどの位置
設定部材を用いているので、上記パレットが周囲温度に
影響されて熱膨張すると、プレス操作機構のプレス操作
中心と成形型の中心とがずれてしまうためである。
【0055】本発明では、このような事情に対応するた
めに、周囲温度に影響されることがないように、パレッ
トを所定温度に維持し、熱膨張による成形型の位置ずれ
を避け、プレス操作機構と成形型とのマッチングが確保
できるようにした、成形型の位置設定装置を提供する。
【0056】このため、本発明では、成形型をパレット
上に設置し、上記パレットをプレス操作機構に対応する
プレス成形位置に位置決めするようにした成形型のプレ
ス位置設定装置において、上記プレス成形位置には、上
記パレットを突き当てる位置設定部材を設けるととも
に、上記パレットの温度を所定温度に維持する恒温・断
熱手段を装備している。
【0057】上記プレス成形位置には、図12に示すよ
うに、上記パレット5の先端が突き当たるピン・ガイド
などの位置設定部材60、61、および、上記パレット
5の一側が突き当たる、同様の位置設定部材62、62
がそれぞれ配設してある。また、上記位置設定部材6
2、62に対して上記パレット5の一側を突き当てるた
め、対向する位置に、押圧操作子63、64が装備され
ている。
【0058】特に、本発明の実施例では、上記パレット
5が周囲温度の影響を受けて熱膨張しないように、恒温
・断熱手段60が用意されている。上記恒温・断熱手段
60は、この実施例では、図12および図13に示すよ
うに、上記パレット5側に設けられる断熱部材601
と、上記プレス成形位置で上記パレット5下に位置する
冷却機構602とから構成されている。
【0059】上記断熱部材601は、上記パレット5の
上面に形成した扁平な受溝状のステージ51に嵌合され
る板状のセラミック材料で構成され、上下の面には帯状
の多数のフィン601A、601Bが形成されている。
そして、上記パレット1上には成形型1が、上記パレッ
ト5に設けたガイド・ピン52を介して位置決めされた
状態で、上記断熱部材601の上に設置される。また、
冷却機構602は、水冷式の循環冷却システムを採用し
ており、図には上記パレット5の底面に接する冷却部の
みが示されている。
【0060】しかして、ガイドレール6Bを介して、プ
レス成形位置に導入された上記パレット5は、その先端
部を、位置設定部材61、61に突き当てられる押圧操
作子63、64の働きで、その側面を上記位置設定部材
62、62に突き当て、これによって、上記パレット5
上の成形型1は、間接的ではあるが、プレス操作機構2
のプレス操作の中心に、上下型部材101、102の中
心をマッチングすることができる。この場合、上記パレ
ット5は、断熱部材601の働きで、成形型1側からの
熱を遮断しており、また、冷却機構の働きで、所定の温
度に維持されているので、上記パレット5に対する上記
成形型1の相対位置は、熱膨張の影響を受けないから、
正規のプレス位置からのずれを生じない。
【0061】また、上記実施例において、上記パレット
5の先端側には、成形型1側の加熱用電源コネクター5
3、および、熱電対などの温度センサ(図示せず)用な
どのコネクター54を具備しており、これに対応して、
成形チャンバー内側の所定位置には、電源側コネクター
53A、および、温度検知装置(図示せず)側のコネク
ター54Aが設けられている。
【0062】なお、上記コネクター53は、例えば、図
14および図15に示すように、テフロン(商品名)な
どの絶縁材料で構成された支持ブロック531にコネク
ター・ピン532を、これに電気的に接続される端子ブ
ロック533および上述同様な絶縁材料よりなる共通の
連結ブロック534を介して貫通・装着したもので、上
記端子ブロック533に形成した接続孔533Aには、
成形型1側からコネクター・ピン535が挿脱自在に嵌
挿してある。また、コネクター53Aは、同様に、絶縁
材料で構成された支持ブロック531Aに雌コネクター
532Aを、これに電気的に接続される端子ブロック5
33Aおよび絶縁材料よりなる共通の連結ブロック53
4Aを介して、貫通・装着している。そして、上記パレ
ット5がガイドレール6Bに沿ってプレス成形位置に導
入され、位置設定部材61、61に突き当てられる時、
上記雌コネクター532Aに上記コネクター・ピン53
2を接続するのである。
【0063】また、これらコネクターなどが成形型1側
からの熱の影響を受けないように、この実施例では、上
記パレット5の先端には、上記コネクター・ピン535
を通す挿通穴551を有するL字形板部材よりなるリフ
レクター552が装着してある。
【0064】次に、本発明に係る上記プレス成形装置を
用いて、具体的に光学素子成形品を成形する工程を、ガ
ラス素材を中心に、その搬入・成形・搬出の順序で、説
明する。なお、ここで成形される光学素子は、カメラ、
ビデオカメラなどに用いられる非球面レンズである。
【0065】ガラス素材Gは、予め球形に成形されたガ
ラスブランクで、先ず、ストッカー20のパレット20
C上に置かれる。そして、電動モータ20Bの駆動で、
その回転軸が180度回転されると、ロボット19が稼
動されて、その位置に吸着バンド193をもたらし、上
記パレット20Cから1個のガラス素材を吸着・保持す
る。次に、上記ロボット19の動作で、吸着バンド19
3は置き台172上に上記ガラス素材Gを置く。これを
4回繰返して4個のガラス素材を置き台172に置く。
上記置き台172上のガラス素材は適当な温度に予め加
温されており、先述のように、搬入・搬出手段17の働
きで、成形チャンバー3内に搬入され、例えば、400
℃程度に加温された、入換え手段4の吸着パッド403
で吸着・保持され、成形型1内に導入される。ここで
は、予め、上記上下型部材101、102が、例えば、
ガラス粘度で1016ポアズ程度の温度に加温されてい
る。
【0066】そして、先述のように、シリンダ機構21
0の働きで、上型部材102が降下し、ガラス素材Gを
上下型部材101、102の間では挟持した状態で、電
熱ヒーター(図示せず)の働きで、ガラス粘度で10
10.5ポアズ程度に加温し(下型部材101の温度をガラ
ス粘度で約109.5 、上型部材102の温度をガラス粘
度で約1010.0とする)、そこで、例えば、上型部材1
02に400kgの荷重を掛けて、プレス成形する。フ
ランジ部102Aがスペーサ102Cを介して胴型10
0の上端に十分接触した後、上下型部材101、102
の冷却媒体導入部101B、102Dに冷却媒体を導入
し、ガラス粘度で1010.5から1013ポアズ程度の間
で、下型部材101で下からプレス圧を加える。その
後、冷却を継続し、成形品の温度が、ガラス粘度で10
14.5ポアズになったら、電熱ヒーター(図示せず)の制
御および導入部101C、102Dに導入した冷却媒体
などで、上下型部材101、102に温度差を与え(上
型部材をより低い温度にする)、成形品の温度を、ガラ
ス粘度で1016ポアズ程度まで下げ、上記上型部材10
2を上昇し、型開きをして、先の吸着パッド403で成
形品を下型部材101と上型部材102の間から取り出
す。
【0067】この後は、成形品は、上記入換え手段4の
逆の働きで置き台172へ戻され、上記搬入・搬出手段
17で、成形チャンバー3から取出されて、更に、ロボ
ット19の働きで、一時的に冷却台21に置かれ、適当
な温度に冷却後、外部に取出される。なお、上記実施例
では、成形型1は4組の上下型部材101、102を共
通の胴型100内で稼動するようにしたが、図8に示す
ように、1組の上下型部材101、102について、先
述のような調芯手段106の構造を採用しても良い。
【0068】以上説明したように、少なくとも、胴型内
で摺動する上型部材には、その中心で上記胴型の摺動面
と平行なプレス圧が働くように、操作部材が当て駒を介
して対応し、かつ、上記中心で引き上げ力が働くよう
に、上記操作部材に吊持されたフック部材が調芯部材を
介して連動される構成にしたので、ガラス素材に対して
プレス成形する場合、および、成形された光学素子成形
品を離型する際、上記上型部材に対して加える操作部材
の力が、常に、上記上型部材の中心を通るように作用さ
せることができ、光学機能面が光軸に対して正確に位置
する、精度の高い光学素子を、効率的に製造できる。
【0069】第16図は前述した図3〜5に示す実施例
の装置の改良を示す。
【0070】プレス成形過程における上記胴型内部の温
度制御は、非常に厳密に行われる必要があるので、胴型
内の温度分布をより均一に保つ必要がある。このため、
上記出入口から外部への放熱を避けなければならない。
また、搬入されるガラス素材は、ボールブランクのよう
に成形面より離れて露出している部分が大きいので、上
記放熱の影響を大きく受けるおそれがある。このため、
胴型内への搬入直後、出来るだけ早いタイミングで、上
記出入口を閉ざす必要がある。
【0071】そこで、本発明では、共通の胴型に対し
て、少なくとも複数対の型部材を装備し、その上型部材
を摺動動作し、ガラス素材に対してプレス成形する場
合、胴型に形成した、ガラス素材あるいは成形品の出入
口を、上型部材のための操作部材の動作に連動して、タ
イミングよく開閉できるようにし、胴型内の温度を均一
に保持できるようにしている。
【0072】図16は、胴型100の開口部100Aを
開閉するシャッター100Bを備えた型装置を示し、該
シャッター100Bは前記引き上げ部材105に連設
し、引き上げ部材の昇降に連動する様に構成する。しか
して、上記プレス操作機構2を用いて、ガラス素材をプ
レス成形する時には、先ず、図11(a)に示す状態か
ら、上記シリンダ機構210の働きにより、上記ホルダ
ーブロック203を上昇させ、フック部材212を介し
て上記上型部材102を引き上げ、所謂、型開きをな
す。この時、引き上げ部材105を介してシャッター1
00Bが引き上げられ、出入口100Aが開放される。
そして、先述の吸着ハンド402により、ガラス素材を
成形型1内に導入し、再び、上記ホルダーブロック20
3を下降すると、図11(b)に示すように、上記上型
部材102は上記ガラス素材上に降下する。この時、シ
ャッター100Bは、タイミング良く出入口100Aを
閉鎖し、胴型内部から外部への熱放出を防止する。
【0073】図17〜図21は、図3ないし図8に示し
た型装置の変形例を示す。図において、上記上型部材1
02は、円形断面であり、それぞれ、その中心に位置し
て、その頂部に小径の当て駒104を装着してあり、上
記操作部材202が降下してきた時、その中心でプレス
圧を受けるようになっている。また、上型部材102に
は、その上部に位置して非円形断面のフランジ部102
Bが形成してあり、前述のフランジ部102Aには、皿
状の引き上げ部材105が載せられている。
【0074】そして、上記フランジ部102Bと上記引
き上げ部材105との間には、上記上型部材102の中
心で引き上げ力が働くように、調芯手段106が介装さ
れている。上記引き上げ部材105には、特に、図6お
よび7に示すように、中央を横断する形で、帯状の回り
止め部材107がビス108で固定されていて、その側
面を、上記各フランジ102Bの側面に対応させ、上記
引き上げ部材105に対する上記上型部材102の回り
止めの働きをしている。そして、上記引き上げ部材10
5には、上記回り止め位置に対して、回転方向で90度
の位相差をもって、上記フランジ部102Bを挿通する
挿通孔105Bを形成している。
【0075】上記ユニバーサル・ジョイント106は、
図20および図21に示すように、上記上型部材102
の摺動方向と直交する面において互いに90度の位相を
ずらせて配置された各一対の半球形突起状の支持部10
6Aおよび106Bを、上記上型部材102および上記
引き上げ部材105に対応させて、リング106Cに設
けた構成になっている。また、上記リング106Cの中
央には、図6および図7に示すように、上型部材102
のフランジ部102Bを挿通する挿通孔106Dが形成
されている。また、上記引き上げ部材105には、上記
支持部106Bを受け入れる支持溝孔105Cが形成し
てある。
【0076】このため、上記引き上げ部材105および
調芯手段106に対して、上型部材102を組み立てる
際には、先ず、上型部材102のフランジ部102Bを
下側から、上記挿通孔105Bおよび106Dに挿通
し、上記調芯手段の上側に突出させ、この状態で、上記
フランジ部102Bを90度旋回し、その下面を上記支
持部106Aに支持させる。その後、上記回り止め部材
107を上記引き上げ部材105に取付けることで、上
記上型部材102と上記調芯手段106との相対位置を
保持できるようにする。この場合、引き上げ部材105
および上記調芯手段106の相対位置は、支持部106
Bが、支持溝孔105Cに入っていることで、確保され
ている。
【0077】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、ガラス
素材を上型、下型で加圧して光学素子を成形する光学素
子のプレス成形装置において、前記上型、下型を上下摺
動させて案内することで所要の成形空間を形成するため
の胴型と、前記上型に加圧力を作用させる加圧手段と、
前記上型を引き上げる引上げ手段と、該引上げ手段の引
上げ動作の際に、該引上げ手段に対して前記上型を支持
することにより前記胴型に対して前記上型を調芯する調
芯手段とを具備するので、ガラス素材に対してプレス成
形する場合、および、成形された光学素子成形品を離型
する際、上記上型に対して加える力が、常に、上型の中
心を通るように作用させることができ、光学機能面が光
軸に対して正確に位置する、精度の高い光学素子を、効
率的に製造できる。
【0078】特に、本発明の、複数対の上型、下型を同
時にプレス動作させる構成のプレス成形方法において
は、その各上型の移動中心に加圧力を作用することで、
カジリなどの不都合が避けられ、各成形型を損なうこと
なく、連続的にプレス成形作業を持続できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すプレス成形装置の概略
正面図である。
【図2】本発明のプレス成形装置の概略平面図である。
【図3】本発明の要部を示す正面断面図である。
【図4】図3のA1 −A1 、A2 −A2 間の要部断面図
である。
【図5】図4の要部説明の図である。
【図6】調芯部材を示す図である。
【図7】調芯部材を示す図である。
【図8】調芯部材の説明図である。
【図9】バネ手段を説明する図である。
【図10】バネ手段を説明する図である。
【図11】(a)・(b)・(c)・(d)は加圧成形
の説明図である。
【図12】本発明に係るパレットの位置決めを説明する
図である。
【図13】パレットの冷却を説明する図である。
【図14】本発明に係るコネクターの説明図である。
【図15】本発明に係るコネクターの説明図である。
【図16】胴型の開口部を開閉するシャッターを備えた
説明図である。
【図17】型装置の変形例を示す斜視図である。
【図18】同じく、平面図である。
【図19】同じく、分解斜視図である。
【図20】同じく、一部の部品の側面図である。
【図21】同じく、一部を破断した部品の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 成形型 100 胴型 101 下型部材 102 上型部材 105 引き上げ部材 106 調芯部材 2 プレス操作機構 207 突上げ部材 3 成形チャンバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 裕之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−74727(JP,A) 実開 平3−18136(JP,U) 特許2815037(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 9/00 - 17/06 C03B 19/00 - 19/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス素材を上型、下型で加圧して光学素
    子を成形する光学素子のプレス成形装置において、前記
    上型、下型を上下摺動させて案内することで所要の成形
    空間を形成するための胴型と、前記上型に加圧力を作用
    させる加圧手段と、前記上型を引き上げる引上げ手段
    と、該引上げ手段の引上げ動作の際に、該引上げ手段に
    対して前記上型を支持することにより前記胴型に対して
    前記上型を調芯する調芯手段とを具備することを特徴と
    する光学素子のプレス成形装置。
  2. 【請求項2】前記調芯手段は、前記上型の移動軸線に対
    して直交する平面において、前記移動軸線回りで互いに
    90度の位相をずらせて配置された各対の支持部を有す
    る調芯部材であり、この支持部を介して、引上げ手段お
    よび上型の上部に設けたフランジ部に当接していること
    を特徴とする請求項1に記載の光学素子のプレス成形装
    置。
  3. 【請求項3】ガラス素材を上型、下型で加圧して光学素
    子を成形する光学素子のプレス成形装置において、前記
    上型、下型を上下摺動させて案内することで所要の成形
    空間を形成するための胴型と、前記上型に加圧力を作用
    させる加圧手段と、前記上型を引き上げる引上げ手段
    と、該引上げ手段の引上げ動作の際に、該引上げ手段に
    対して前記上型を支持することにより前記胴型に対して
    前記上型を調芯する調芯手段と、前記加圧手段の加圧部
    材と前記上型との間で作用する手段とを具備しており、
    該バネ手段が複数の皿バネを重ねた構成であり、前記皿
    バネは複数枚を重ねて1組としたものを、複数組、交互
    に逆向きに直列配置していることを特徴とする光学素子
    のプレス成形装置。
  4. 【請求項4】ガラス素材を上型、下型で加圧して光学素
    子を成形する光学素子のプレス成形装置において、前記
    上型、下型を上下摺動させて案内することで所要の成形
    空間を形成するための胴型と、前記上型に加圧力を作用
    させる加圧手段と、前記上型を引き上げる引上げ手段
    と、該引上げ手段の引上げ動作の際に、該引上げ手段に
    対して前記上型を支持することにより前記胴型に対して
    前記上型を調芯する調芯手段と、前記加圧手段の加圧部
    材と前記上型との間で作用するバネ手段とを具備してお
    り、該バネ手段が複数の皿バネを重ねた構成であり、前
    記皿バネは複数枚を重ねて1組としたものを、複数組、
    交互に逆向きに直列配置しており、前記皿バネの各組の
    皿バネは、個別に枚数を加減できるように調整可能に構
    成され、前記バネ手段のばね定数を制御することを特徴
    とする光学素子のプレス成形装置。
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